リース会計の仕方

ファイナンス・リースの会計処理について
国際会計基準(IAS)17号「リース(Leases)」に収斂した日本基準
改定リース会計はIFRS16号「リース会計」、2019年1月開始事業年度から適用

はじめに
米国および国際基準では改正作業が進行・日本からは不参加
リース会計基準公表by企業会計基準委員会(2007年3月30日)
金融庁が、リース会計基準を反映した内閣府令を公表(2007年5月17日)
リース会計初年度・日航に見る日本特有のリース会計(2009年7月14日)
IASBすべてのリースにリース会計を求める基準案公表(2010年8月17日)
ASBJ、「リース会計に関する論点の整理」(2010年12月27日)
IASBとFASBが第二回目の草案を2013年第二四半期に公表 2013年5月16日
改定リース会計IFRS18号が2019年1月1日以降開始する事業年度から適用2016年1月
 借手の会計では「使用権資産(Right-of-use assets)」として単一の処理となる
 土地の使用権は定額法で償却し、オペレーティング・リースの資産計上による消費税は一括仕入れ控除?
借手は、なぜ賃借取引として会計処理してはだめなの?
  IFRS16 改定「リース会計」は資産の使用権としてオペレーティング・リースも資産計上
借手は、どのような計算でリース資産を計上するの?
借手は、どのようにしてリース債務を計算するの?
借手の会計処理はどうするの?
 借手の財務諸表の表示は?
貸手としてのリース会社はどのような会計処理するの?
 貸手の財務諸表の表示は?
平成19年度税制改正でリース会計を措置する
 平成20年4月1日以降に締結されるリース取引に適用
 リース期間定額法・消費税の取り扱い・償却資産税の取り扱い等
「リース計算表・利息法」Excel版の頒布
監査においてリース計算の正確性のチェックに使用しています。
連絡先

はじめに

リース業界の反対で、日本の「リースに係る会計基準(平成5年(1993年)6月17日大蔵省・企業会計審議会第一部会)」は、「ファイナンス・リース取引のうち、リース契約上の諸条件に照らしてリース物件の所有権が借手に移転すると認められるもの以外の取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。」としており、この規定により、借手としての日本企業は、実質、リース資産およびリース債務を貸借対照表に表示してきませんでした。

一方、公会計(行政府の会計)の一つである、独立行政法人の会計基準では、ファイナンス・リースは借手の独立行政法人はリース資産およびリース負債を計上しなければならないとして平成13年度(2002年3月期)から計上している。公会計が証券取引法適用会社より先行して資産計上した格好となっている。

一方、@ 欧州連合(EU)25カ国が、すべての上場会社が2005年から国際会計基準を適用したこと、A 欧州連合と米国当局が国際会計基準と米国会計基準との差異を2008年末までに解消し差異調整表の添付を求めないことで合意したこと、B 欧州に上場している日本企業が、2009年から日本基準と国際基準との差異について説明を加えなければならなくなったこと、C 中国が2007年から国際会計基準および国際監査基準にほぼ準拠し適用することなど、国際的な動向に従わざるを得ない状況から、経団連を初めとして、国際会計基準との差異を縮小する動きが急となってきた。2006年6月、国際的に孤立することを恐れた経団連は、一転して国際基準へのコンバージェンス加速化を支持を表明した。

2006年7月5日企業会計基準委員会は、試案「リース取引に関する会計基準(案)」及び試案「リース取引に関する会計基準の適用指針(案)」を公表し国際基準との整合性を図ろうとし始めた(ただし、国際基準のほうが判り易い)。なぜか、年末の12月27日、企業会計基準委員会は、リース取引に関する会計基準(案)(10ページ)」及び「リース取引に関する会計基準の適用指針(案)(70ページ)」を公表し、1ヶ月以内の1月29日までにコメントを求めている。国際会計基準とは一致しておらず、日本独特のところがあり注意が必要である。

2006年7月19日、国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)は共同して、30年間変更していない現行のリース会計基準(FASB13号)では貸借対照表に計上されない簿外のリース債務があるとの批判に対して、包括的な再検討(comprehensively reconsider )をすることとなった。2009年の早い時期に最終結論を目指している。(スマートプロ・ニュース FASBニュース IASBニュース 参照)  

2006年12月7日
、IASBとFASBは、ジョイント・プロジェクトで協働作業するメンバーを公表した。それによると、日本からはメンバーとして参加していない。(IASBニュース・・ジョイント・プロジェクト・メンバー公表 参照)

2007年3月30日企業会計基準委員会は、企業会計基準第13号リース取引に関する会計基準(全11ページ)」及び企業会計基準適用指針第16号リース取引に関する会計基準の適用指針(全97ページ)」を公表した。平成20 年4 月1 日以後開始する事業年度から適用、四半期財務諸表に関しては、平成21 年4 月1 日以後開始する事業年度に係る四半期財務諸表から適用。

国際会計基準第17号「リース」の全30ページに比べ、基準は三分の一の分量、適用指針を含めると3倍を超える。分量が日本の基準を象徴している。ルール・ベースの基準?or プリンシプル・ベースの基準?玉虫色。

適用指針の設例では、草案(30ページ以下参照)では半年ごとのリース計算表となっているが、最終版(34ページ以下参照)では、私が下記に示したように月次のリース計算表に変更している。それ以外は、原案と内容は変わらない。貸手の会計処理は、日本独特で国際基準とは違っているので注意を要する。海外向けには国際基準と相違した部分は相違の開示が求められよう。

国際会計基準17号・31項で開示が求められている、リース料総額に利息を除いた額の調整、利息を除いた1年内支払額、5年内の支払額、5年超の支払額など注記による開示が日本基準では求められていない。

また、貸手のリース会計では、ファイナンス業としての会計と製造業がもっているリース会社(連結子会社)の会計を42項で規定しているが日本基準は言及していない。

日本は、会計基準を設定するごとに国際基準とは少し異なるものを作成している。これでは、国際基準を適用した方が無駄なことを覚えなくて済むし、国としては無駄な設定コストを節約できる。また、詳細すぎる基準に批判がある米国も国際基準のように原則主義へ変更を迫られているが、日本は適用指針と称して、未熟にありがちな独善的で詳細すぎる97ページにもなる指針で企業のベスト・プラクティスが生れる余地を殺ぎ逆行している。(なお、2007年5月17日、金融庁は、リース会計基準を反映した内閣府令を公表した。リースの注記等は財務諸表規則第8条の6に従って開示することとなる。)

なお、リース業界がリース会計基準の適用に反対するのは米国でも反対しており日本特有ではなりません。「米国会計基準の発展」によれば、1964年APB意見書第5号でファイナンス・リースを資産化計上しようとしたがリース業界の反対で断念、リース業界は、リース会計反対のために議会に議員を送り込んだりもした。1976年、リース業界の反対・圧力の中で財務会計基準書第13号「リース会計(Accounting for Leases)」の公表によりファイナンス・リースを資産計上することが決まったものである。いずれの国もリース業界は反対する会計基準なのである。

2006年9月6日、【日本航空や全日本空輸などでつくる業界団体の定期航空協会が、航空機などの設備を長期間にわたって賃貸しする「リース取引」の会計基準見直しが実施されると、業界全体で5000億円規模の資金が必要になるとの試算をまとめたことが、6日分かった。 同協会は、見直しが航空各社の経営に大きな影響を及ぼすとして、基準見直しを検討している企業会計基準委員会に、反対意見を提出した。】と報道(共同「東京新聞」2006年09月06日)

航空機を一部借りている米国航空会社ユナイテッド・エアラインズ社の年次報告書(Form 10-K)を参照。・・なお、米国の場合は国際会計基準のファイナンス・リースは、借手ではキャピタル・リース(Capital leases)という用語を使用している。(米国会計基準SFAS13号「Accounting for Leases」参照)

2009年7月14日日本経済新聞は、リース会計基準の適用初年度(2009年3月期)の概要を報じた。それによると、全日本空輸は2008年3月期から新基準を早期適用したと同時に、過去分を含めてオンバランスとしました。一方、日本航空は過去分を従来通りオフバランスとしました。これでは各社との比較は不可能、日本特有の会計である。(参照:日本航空の有価証券報告書・・日本独特の会計基準によっているためかなり読みにくい。例として、リース会計など)
この結果、2009年3月期末のリース債務を含めた有利子負債は全日空(8,972億円)が日航(8,087億円)を上回りました。
しかし、日航は未計上リース債務が3,017億円あると開示しており(簿外債務があって”適正意見”を述べる日本の監査報告書は世界的に見て異常)、これを含めた実態の有利子負債は1兆1,104億円に膨らみます。(「日航の純資産・2009年6月30日現在」by吉永康樹氏・・未計上の年金債務33百億円がキーのよです。)

2010年8月17日国際会計基準審議会(IASB)は、米国FASBとの共同作業により、オペレーティング・リースを含むすべてのリースに、リース資産及びリース債務を計上するリース会計を求める基準案を公表した。コメントは2010年12月15日とし2011年中に基準化する見込み。"2010年世界リース年間(the World Leasing Yearbook 2010)"によれば、2008年のリース契約は6400億ドルに上るが、その多くがリース資産・負債として貸借対照表に計上されていない、とし、投資家にとってはオペレーティング・リースでさえリース資産・負債を計上すべきとの声に応えたものとなっている。つまり、オペレーティング・リースのリース債務を計上することで投資家の判断に資するものとしている。簿外債務を無くすのは、資産・負債アプローチの必然的帰結か。(参考:日本経済新聞

草案によれば、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区分せず全てのリースに対してリース資産・負債を計上するために、使用権資産(right-of-use asset)という概念を取り入れた(‘right-of-use’ approach)。有形固定資産に、使用権資産として他の所有する有形固定資産と区分して表示する(The right-of-use asset would be presented within the property, plant and equipment category on the balance sheet but separately from assets that the lessee owns.)。

2010年12月27日企業会計基準委員会(ASBJ)は、「リース会計に関する論点の整理」を公表した。「2. 本論点整理は、上記のようにIASB 及びFASB のED の提案に関する理解を促進し、論点を整理することを目的としている」そうだ。

借手は、なぜ賃借取引として会計処理してはだめなの?

法的には、賃貸借契約を結び、月次賃料を支払って借りている借手は、賃料を費用として計上すればよいのではないかと思います。

企業が、自社だけが使用収益する機械を製作してもらい支払いをリース会社を通じて賃料で借りるという契約をする場合があります。自社しか使用できず(他社には利用できない)、製作価額または購入価額のすべてはリース料に含めて自社が負担する。リース会社は、リース料に含めた金利相当を収受する。途中解約があった場合は、リース会社の負担した投資額の残額と収益を途中解約違約金として支払う、という契約が行われる。リース会社は、業として投資額の一部を負担することはない。(Finance leases are those that transfer substantially all the risks and rewards incident to ownership to the lessee. All other leases are operating leases. <IAS17"Leases" paragraph 3>)

こうしたリースは、ファイナンス・リースといい、国際会計基準第17号「リース(Leases)(全30ページ)」では、借手は購入取引として、借方)リース資産 貸方)リース債務として計上することを求めています。国際会計基準は、賃貸借契約という法的な形式より、投資額の負担と使用収益という経済的実態(substance over form)を表すことを目的としているからです。

リース取引は、単に、資産の代金の支払方法の一つに過ぎず、ファイナンス・リースは銀行等から資金を借りて、購入しているのと経済的実態は変わらない。(割賦販売は所有権とも会社に帰属する、リース取引は所有権はリース会社に留まるが投資額のすべてを借手企業が負担する。)

かつて、米国で、日本企業が自動車生産を行った。工場自体をリースし自動車を生産した。リース会計を適用しなければ、賃借料が製造原価となり、貸借対照表には製造設備はなしに自動車を生産販売している格好となる。他社同様に、生産設備を使用し自動車を生産販売しているのにである。当然、使用している生産設備はその自動車会社にしか使用できず、すべての生産設備の投資額はリース料に含まれ、中途解約には解約違約金として投資残額を一時払いする条項が入っていた。

要するに、投資額のすべてが借手の負担となっている場合、たとえ所有権が移転しなくても、その実態は、購入と同様と考えてリース資産(投資額)とリース債務(企業が抱えている債務)を計上することで、企業間比較が可能な財務諸表を作成しようとするものです。

なお、汎用性のあるコピー機のように、リースを解約しても、解約違約金が無く、解約したコピー機は他の企業にリースしなおすことで投資額を回収できるものは「オペレーティング・リース」といい、賃借料を経費処理する。事務所の賃借契約も通常オペレーティング・リースとなります。

IFRS16 改定 「リース会計」は資産の使用権としてオペレーティング・リースも資産計上

2016年1月公表の国際会計基準IFRS16号「リース会計」は、IAS17号「リース会計」を改定し、2019年1月1日以降開始する事業年度から適用するとしている。

国際会計基準又は米国会計基準を適用の上場会社の財務諸表の注記に開示されていた、2014年の貸借対照表に未計上のリース契約(リース・コミットメント)は約30億ドルがあった。これが財務諸表に計上されることで、投資者に対しより有用な情報を提供されるようになるとしている。

改定されたIFRS16号「リース会計」では、すべてのリースは、リース開始時に資産の使用権を取得する。したがって、従来のファイナンス・リースやオペレーティング・リースの区別はなくなり、単一のリース会計モデルとなる、としている。賃借人の資産の使用権(Right-of-use assets)は、12か月を超えるリース契約や僅少なリース(例えば、パーソナル・コンピュータなど)以外に適用し、リース資産の減価償却費はリース債務の支払利息は損益計算書に区分して表示する。

但し、賃貸人の会計については、旧IAS17号を引き継いだまま、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リースはそのままとなる。

借手は、どのような計算でリース資産を計上するの?

判り易くするため、原則的な場合について、説明する。企業が製作を求めた機械等を、会社に事情でリース会社を通じてリース取引とする場合は、製作会社が提携先のリース会社を紹介する。したがって、製作価額は、計画当初の見積りがあり設置時の取得原価は判っている場合が多い。これに、固定資産税・保険料の維持経費を加え、リース会社の金利相当を加えて、月額リース料が決まる。

したがって、通常は、事業の用に供したときのリース資産の計上は、製作価額または取得原画で計上するが、リース会社ないし製作会社に問い合わせれば判ることになっています。

借手は、どのようにしてリース債務を計算するの?

借手がリース債務を計上する場合は、リース料を支払う都度、リース料に含まれるリース債務の返済部分とリース会社に支払う金利部分とに区分してあることが必要です。リース債務の返済表が必要となります。これは、定額で月次返済する住宅ローンの返済表と同じものです。住宅ローンの返済表には、当初、金利部分が多く含まれ元金相当額の返済部分が小さくなっています。ファイナンス・リースのリース債務の返済表も同じ原理です。

リース債務の返済表を、リース料を基礎に、リース契約書から作成します。事例は、保険料や固定資産税などの維持経費を省略し、わかり易くするため単純化しています。(注意:実務では、リース契約の内容にしたがって詳細に検討する必要があります。)

設例:甲社は、A機械を導入したが、取引形態はリース会社を通じ支払うことし、賃貸借契約を結ぶこととした。設置時の原価は2,625,000、リースの条件は月額リース料は47,000の5年契約である。会計処理をするにあたって、事前に、下記のリース計算表を作成した。 計算表作成サイト(Loan amortisation calculator)でも計算できます。

リース計算表・利息法
A機械装置の賃貸借契約書
利息を含まないリース料総額(リース債務総額) 2,625,000
利率 2.856%
期間 5
月額リース料 47,000
リース料総額 2,820,000
支払 支払 支払 月額リース料 リース債務
回数 年月日 元金返済額 利息額 元利支払合計 元金残高
D=B−利息(C) C=Ax利率(r) B=D+C
2,625,000
1 2006年1月 40,753 6,248 @ 47,000 2,584,248 A-D
2 2月 40,849 6,151 A 47,000 2,543,398
3 3月 40,947 6,053 47,000 2,502,451
4 4月 41,044 5,956 47,000 2,461,407
5 5月 41,142 5,858 47,000 2,420,265
6 6月 41,240 5,760 47,000 2,379,026
7 7月 41,338 5,662 47,000 2,337,688
8 8月 41,436 5,564 47,000 2,296,251
9 9月 41,535 5,465 47,000 2,254,716
10 10月 41,634 5,366 47,000 2,213,083
11 11月 41,733 5,267 47,000 2,171,350
12 12月 41,832 5,168 47,000 2,129,518 G
13 2007年1月 41,932 5,068 47,000 2,087,586
14 2月 42,032 4,968 47,000 2,045,554
15 3月 42,132 4,868 47,000 2,003,423
16 4月 42,232 4,768 47,000 1,961,191
17 5月 42,332 4,668 47,000 1,918,858
18 6月 42,433 4,567 47,000 1,876,425
19 7月 42,534 4,466 47,000 1,833,891
20 8月 42,635 4,365 47,000 1,791,256
21 9月 42,737 4,263 47,000 1,748,519
22 10月 42,839 4,161 47,000 1,705,681
23 11月 42,940 4,060 47,000 1,662,740
24 12月 43,043 3,957 47,000 1,619,697 H
25 2008年1月 43,145 3,855 47,000 1,576,552
26 2月 43,248 3,752 47,000 1,533,304
27 3月 43,351 3,649 47,000 1,489,954
28 4月 43,454 3,546 47,000 1,446,500
29 5月 43,557 3,443 47,000 1,402,942
30 6月 43,661 3,339 47,000 1,359,281
31 7月 43,765 3,235 47,000 1,315,517
32 8月 43,869 3,131 47,000 1,271,648
33 9月 43,973 3,027 47,000 1,227,674
34 10月 44,078 2,922 47,000 1,183,596
35 11月 44,183 2,817 47,000 1,139,413
36 12月 44,288 2,712 47,000 1,095,125
37 2009年1月 44,394 2,606 47,000 1,050,731
38 2月 44,499 2,501 47,000 1,006,232
39 3月 44,605 2,395 47,000 961,627
40 4月 44,711 2,289 47,000 916,915
41 5月 44,818 2,182 47,000 872,098
42 6月 44,924 2,076 47,000 827,173
43 7月 45,031 1,969 47,000 782,142
44 8月 45,139 1,861 47,000 737,003
45 9月 45,246 1,754 47,000 691,757
46 10月 45,354 1,646 47,000 646,404
47 11月 45,462 1,538 47,000 600,942
48 12月 45,570 1,430 47,000 555,372
49 2010年1月 45,678 1,322 47,000 509,694
50 2月 45,787 1,213 47,000 463,907
51 3月 45,896 1,104 47,000 418,011
52 4月 46,005 995 47,000 372,006
53 5月 46,115 885 47,000 325,892
54 6月 46,224 776 47,000 279,667
55 7月 46,334 666 47,000 233,333
56 8月 46,445 555 47,000 186,888
57 9月 46,555 445 47,000 140,333
58 10月 46,666 334 47,000 93,667
59 11月 46,777 223 47,000 46,890
60 12月 46,890 110 47,000 0
---------- ---------- ----------
合計 2,625,000 195,000 2,820,000
I
利息の計算:
@ 6,248=2,625,000x2.856%/12ヶ月=月の利息
A 6,151=2,584,248x2.856%/12ヶ月=月の利息

上記「リース計算表・利息法」Excel版の頒布・・自社のリース契約を試算することが可能となります。

借手の会計処理はどうするの?

借手(甲社)の会計処理

イ)リース契約時・事業の用に供したとき、公正価値(Fair value)で資産計上する。

借方 貸方 借方 貸方
リース資産(B/S) 2,625,000
短期リース債務(B/S) E-G 495,482 1年内返済部分
長期リース債務(B/S) G 2,129,518 1年を超える返済部分

注意:消費税については、借方)仮払消費税、貸方)リース債務を契約時点で計上する。仮払消費税は、消費税の申告書で仕入税額控除します。
消費税法上「参考資料として交付するリース料に係る計算書の取扱い」に該当し、”計算書に記載された利息相当額は利子等として契約で明示したことにはならず、非課税取引として取り扱われない”場合を想定しています。

ロ)リース料の支払い 第1回目 リース債務の返済部分と利息に分けて記録する。

借方 貸方 借方 貸方
短期リース債務(B/S) 40,753
リース支払利息(P/L) @ 6,248
現・預金(B/S) 47,000

注意:リース料に含まれる消費税については、借方)リース債務(リース契約に掛かる消費税の総額)、貸方)預金となります。

ハ)リース料の支払い 第2回目 リース債務の返済部分と利息に分けて記録する。

借方 貸方 借方 貸方
短期リース債務(B/S) 40,849
リース支払利息(P/L) A 6,151
現・預金(B/S) 47,000

            以下同じ

              |
              |

             決算

ニ)2006年12月決算でのリース資産の減価償却を計上する。
  5年で償却、残存価額なし、定額法償却とする。
  2,625,000÷5年=525,000

借方 貸方
リース資産・減価償却費(P/L) 525,000
    リース資産・減価償却累計(B/S) 525,000

ホ)決算に際し、リース債務のうち1年内返済額を短期に振替る。

借方 貸方 借方 貸方
長期リース債務(B/S) G-H 509,821
短期リース債務(B/S) G-H 509,821

借手のリースに係る財務諸表の表示は、次のとおりにとなる。

貸借対照表
2006年
12月31日現在
資産の部
有形固定資産
 リース資産
  取得原価
  減価償却累計額
2,625,000
(525,000)

リース資産の計上
  差引:帳簿価額 2,100,000
負債の部: リース債務の計上
流動負債:
 一年内支払いリース債務
509,821 一年内支払いの短期債務を表示する
固定負債:
 長期リース債務
1,619,697 =2,129,518-509,821(一年内支払い部分)
損益計算書
2006年12月31日に終了する事業年度
製造原価:
 減価償却費 525,000 リース資産の当期減価償却費計上
営業外費用:
 支払利息・リース料に含まれる 68,518 =月次利息6,248〜5,168の2006年度の合計

リース料で計上した場合とリース会計の損益影響額は次の通りです。

年度 リース会計の場合
の経費合計
賃借取引の場合
の経費合計
差異
1年目 593,518 564,000 -29,518
2年目 579,179 564,000 -15,179
当初リース会計では利息負担が多くなり、一定額の賃借料と比較すると
リース会計の方が費用負担が多くなり5年目で相違は無くなり一致する。

キャッシュ・フロー計算書では、リース契約時は非資金取引として注記による開示をし、リース料の支払いは営業活動区分に「支払利息」と財務活動区分に「リース債務の支払」を表示する。

国際基準では、リース資産の所有権はリース会社にあることから、借主の財務諸表に、リース資産の注記を求めているが、ここでは省略する。

開示の参考として、航空機を一部借りている米国航空会社ユナイテッド・エアラインズ社の年次報告書(Form 10-K)を参照。・・なお、米国の場合は国際会計基準のファイナンス・リースは、借手ではキャピタル・リース(Capital leases)という用語を使用している。(米国会計基準SFAS13号「Accounting for Leases」参照)

2006年9月、【日本航空や全日本空輸などでつくる業界団体の定期航空協会が、航空機などの設備を長期間にわたって賃貸しする「リース取引」の会計基準見直しが実施されると、業界全体で5000億円規模の資金が必要になるとの試算をまとめたことが、6日分かった。 同協会は、見直しが航空各社の経営に大きな影響を及ぼすとして、基準見直しを検討している企業会計基準委員会に、反対意見を提出した。】と報道(共同「東京新聞」2006年09月06日)。

貸手としてのリース会社はどのような会計処理?

上記の設例を例に、国際会計基準第17号「リース」によると、貸手(リース会社)のファイナンス・リースを会計処理すると次のようになる。

(1)貸手であるリース会社が、リースの借手(甲社)に代わって、機械の製作会社に代金を支払った。

借方 貸方 借方 貸方
リース資産(B/S) 2,625,000
現・預金(B/S) 2,625,000

(1.1)リース契約締結により、未収リース料総額(Gross investment in the lease)を計上する。
    利息総額は繰延受取利息(Unearned financial income)として繰延処理する。

借方 貸方 借方 貸方
未収リース料(B/S) F 2,820,000
繰延受取利息(B/S) I 195,000
リース資産(B/S) 2,625,000

ファイナンス・リースの未収リース料総額(Gross investment in the lease(注1))計上により、リース資産は消去される。
繰延受取利息(Unearned financial income)が時の経過に伴って金融収益として収益計上される。

注1:未収リース料総額(Gross investment in the lease)は、米国FASB13号50ページでは、”Minimum lease payments receivable”と表現している。

(2)第1回目リース料の入金を処理する。

借方 貸方 借方 貸方
現・預金(B/S) 47,000
未収リース料(B/S) 47,000

(2.1)第1回目のリース料の繰延利息(Unearned financial income)を収益化する。

借方 貸方 借方 貸方
繰延受取利息(B/S) 6,248
リース受取利息(P/L) @ 6,248

(3)第2回目リース料の入金

借方 貸方 借方 貸方
現・預金(B/S) 47,000
未収リース料(B/S) 47,000

(3.1)第2回目のリース料の繰延利息を収益化する。

借方 貸方 借方 貸方
繰延受取利息(B/S) 6,151
リース受取利息(P/L) A 6,151

            以下同じ

              |
              |

             決算

(4)2006年12月決算に際して、未収リース料総額(Gross investment in the lease)と繰延受取利息(Unearned financial income)を相殺し「リースの純投資額(Net investment in the lease)」として貸借対照表に表示する。

借方 貸方 借方 貸方
繰延受取利息(B/S) 126,482
未収リース料(B/S) 126,482

この仕訳によって、繰延受取利息を控除後の2,129,518が「リースの純投資額(Net investment in the lease)」として2006年12月決算の貸借対照表に表示されることになる。

この決算仕訳は、貸借対照表に利息を除いた純額表示するための仕訳で、翌期首に戻入して、受取リース料の処理を繰り返す。

貸手のリースに係る財務諸表の表示は、次のとおり。

貸借対照表
2006年
12月31日現在
資産の部
ダイレクト・ファイナンシング・リースの投資額
(Investment in direct financing leases)
2,129,518 2006年12月31日現在の未収額(利息除く)
注意:未収債権なので、取り立て不能額を見積り貸倒引当金の計上が必要となる場合がある。
損益計算書
2006年12月31日に終了する事業年度
収入(Revenues):
 ダイレクト・ファイナンス・リース
 Direct financing leases
68,518 =月次受取利息@6,248〜5,168の2006年度の合計
損益計算書への表示(presentation)は、ダイレクト・ファイナンス・リースとし受取利息相当額を表示する。
費用(Expenses)には、収入に対応するリース会社の原価に当たる借入金利息が計上される。


参考米国ニューヨーク証券取引所に上場しているオリックス(株)の米国会計基準による年次報告書(Form 20-F)では、貸借対照表の表示は「ダイレクト・ファイナンシング・リースの投資額(Investment in direct financing leases)」として純額で表示されている。なお、リース会社は、金融機関と同様に資産・負債の長期・短期の区分表示はしない。米国基準は国際会計基準に類似している。

ここでは、財務諸表の注記は省略する。

なお、製造業ないしデーラーが、製品又は商品を販売する目的でリース会社を子会社で持っている場合は、出荷時に販売取引として会計処理することになっている。最近は、そうした事例は少ないのでここでは省略する。

国際会計基準 IAS 17: Leases
米国財務会計基準第13号 Statement No. 13 Accounting for Leases


平成19年度税制改正により

企業会計基準の変更に伴い、一定のリース取引を売買とみなした上で、借手の減価償却の方法についての規定を整備する等所要の措置を講ずる。平成19年度税制改正の要綱の概要より)

所得税法等の一部を改正する法律案要綱平成19年2月2日)によれば;

 リース取引について、次のとおり整備を行うこととする。

(1)リース取引は、資産の売買取引として取り扱うこととする等所要の規定の整備を行う。(所得税法第67条の2関係)(法人税第64条の2関係))
(注)上記の改正は、平成20年4月1日以後に締結される契約に係るリース取引について適用する。(附則第13条関係)(附則第43条関係)

(2)リース譲渡を延払条件付販売等の範囲に含めるとともに、リース譲渡による収入金額及び費用の額はその対価の額を利息に相当する部分とそれ以外の部分とに区分して総収入金額及び必要経費に算入する。(所得税法第65条関係)(法人税第63条関係)
(注)上記の改正は、平成20年4月1日以後に締結される契約に係るリース譲渡による収入金額及び費用の額について適用する。(附則第12条関係)(附則第43条関係)

2007年3月23日、成立した

リース資産の減価償却は、法人税法施行令第四十八条の二、六号 リース資産によれば、リース期間定額法で償却することとなる。

消費税法の取り扱い
消費税法には改正がないが、下記の消費税法基本通達でリース契約により引渡しのあったときに仕入れ控除が出来るものと考えられる。

消費税法基本通達5−1−9(リース取引の実質判定)
事業者が行うリース取引が、当該リース取引の目的となる資産の譲渡若しくは貸付け又は金銭の貸付けのいずれに該当するかは、所得税又は法人税の課税所得金額の計算における取扱いの例により判定するものとする。 (平11課消2−5により改正)

ただし、金利部分は、下記通達により非課税となります。
消費税法基本通達6−3−1(金融取引及び保険料を対価とする役務の提供等)
(17)いわゆるファイナンス・リースに係るリース料のうち、利子又は保険料相当額(契約において利子又は保険料の額として明示されている部分に限る。)(リース契約書において利息相当額を区分して表示した場合の取扱い

参考資料として交付するリース料に係る計算書の取扱い
所有権移転外ファイナンス・リースに係るリース契約締結後において、賃貸人が、「リース会計基準に関する計算書」を賃借人に対する参考情報として交付した場合には、計算書に記載された利息相当額は利子等として契約で明示したことにはならず、非課税取引として取り扱われません。(消費税目次一覧)

社団法人リース業協会発行の「リース取引の消費税の取り扱いに関するパンフレット」が平成20年4月1日以降のリース取引に関する消費税の取り扱いを要領よく纏めています。

2008年11月14日、日本税理士連合会は「【別紙・Q&A】 所有権移転外ファイナンス・リース取引において賃借人が賃貸借処理した場合の消費税の取扱いについて 」を公表した。これによると、極めて常識的なもので、次の通りである。対応が遅いと税理士からも不満が洩れてきている。
今般、国税庁より、「移転外リース取引につき、事業者(賃借人)が賃貸借処理をしている場合で、そのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れ等として消費税の申告をしているときは、これによって差し支えない。」旨の見解が示されました。(1週間後の11月21日、国税庁は”質疑応答事例”により回答しているが、対応が遅すぎる。)

償却資産の申告は、所有者が行うことになっています。
 リース資産の場合は、リース会社に所有権がありますので、リース会社より申告していただくことになります。

上記「リース計算表・利息法」のExcel版の頒布

上記「リース計算表・利息法」のExcel版をご希望の方に2,600円で頒布します。自社のリース資産・負債の試算にお役立てください。実際に適用する場合は、専門家と相談のうえ適用してください。個々のリースの合わせて(例えば、固定資産税、保険料、保守料などが含まれていればそれを反映させる必要があります。)計算することととなりますし、リース途中で買取条項があれば買取金額や時期をを反映させますし、また、消費税は、原則、含まないで計算します。
ご希望の方は、下記Emailにてご注文ください。なお、入金確認後のE-mail送付となりますのでE-mailアドレスを併記してください。
振込先は、みずほ銀行 新松戸支店 普通預金口座番号 1577705 名義 横山明

基礎データ:各国の上場会社の数 主要国の会計士の数 各国の国際会計基準適用状況

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