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A trend showing on IASB's Web Site (New Website 2011年11月28日より)
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日本もやっと、2015年のIFRS適用義務化を目指す(2009年6月)・・会計の失われた10年 ↓ ▼ IFRS導入議論二年前に逆戻り、適用反対の合唱(2011年6月) ▼J-IFRSを検討する愚かさ(2013年7月10日) ASBJの「修正国際基準(案)」(2014年7月31日) ↑ 日本は官民揃って国際会計基準(IAS)導入に否定的 |
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IFRS財団のリエゾン・オフィスを東京に設置公表(2011年2月10日) 国際会計基準(IFRS)財団モニタリング・ボード議長に金融庁河野正道氏を選出(2013年3月1日) |
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ワールドカップで活躍した日本のサッカーチームの人気は衰えず、ヨーロッパのプロサッカーチームにスカウトされた中田英寿や中村俊輔等のヨーロッパでの活躍ブリを連日ニュースで流している。野球では、イチロー、松井、松坂投手など米国大リーグで活躍する日本選手の姿を流している。海外で活躍する日本人を見ていると、現地のファンを喜ばし、日本人は勿論のことアジアの人々など多くの人々に勇気と誇りを目覚めさせてくれている。
では、なぜ中田や中村などのサッカー選手、イチローや佐々木投手が海外で活躍できるようになったのであろうか。サッカーも野球も国際的な統一ルールでプレーをしてきており、同じルールの下でプレーをしてきた選手にとっては、何処でプレーしても同じことである。レベルの高い選手にとってはよりレベルの高い所(国)でプレーし活躍したいのは至極自然なことであろう。サッカーにしても野球にしても、日本独自のルールでプレーをしていたら、中田や中村、イチロー、松井や松坂は生まれなかったろう。証券市場のルールも同様なのである。特に、上場企業の情報開示について国際標準となっていない日本の証券市場は、世界で活躍する中田や中村、イチローの(ような企業の)出現を阻んでいるといってもいい状況にある。
旧IASCのホームページがIASBに全面改装となりました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2001年6月、新組織に衣替えすると共にIASBのホームページが全面改装となりました。 加えて、欧州連合のすべての上場会社に2005年から国際会計基準が適用され、適用国も100カ国を超えるようになり、新憲章も開始され、啓蒙の時代から実際に適用する時代になったため、2006年10月4日より再び全面改装されました。従って、このホームページで旧IASCのホームページにリンクしている場合、リンク先が消滅している場合があります。なお、2003年以前のものはAlexaアーカイブを通して調べることが可能な場合があります。 新しいIASBのホームページは、http://www.iasb.org/Home.htmです。IASBへ直接アクセスしてみてください。 IASBが設定する会計基準(Accounting standards)は、国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards, IFRS アイ・エフ・アール・エスと公式には発音している・・Podcast summaries of Board meeting 参照)の名称が使用されます。IASCの公表した基準にも適用されるが、IASB及びIASCが公表した双方の基準は”国際会計基準(IAS)”であり続ける、としています。検討課題に「Management's Discussion and Analysis 経営者の検討と分析」があり、米国SECが財務報告に際して開示を求めている事項を含んでいることから「国際財務報告基準 IFRS」としたものか(私見)。ニュージーランドは、既に「財務報告基準」(下記参照)としている。 なお、IASBのホームぺージの全体の内容をご覧戴く場合は、「IASBのサイトマップ」を参照してください。 また、「各国の会計基準設定主体の連絡役(Liaison)として審議会(Board)メンバーとなっている7カ国プラス1・ニュージーランド」のうち、日本だけが設定主体名がなく設定主体へのリンクがありませんでしたが2001年8月10日にリンクされました。 欧州連合は2005年から国際会計基準を適用、オーストラリア・ニュージーランドも欧州と同時期に国際会計基準の適用を表明、カナダ証券監督局は2002年6月に国際会計基準を適用する規則改正案を公表した。リエゾン・メンバー国では日本だけが国際基準の適用を表明していない唯一の国となる。「GAAP Convergence 2002」参照 2004年1月20日から、審議会の審議模様をインターネットを通じて「IASB Webcasts」として放送している。ちなみに、初めての放送は、米国財務会計基準審議会(FASB)から会計基準を統一するため提案された『公開草案4号「固定資産の処分および廃止事業の表示」』(日本には存在しない会計基準です)を審議している。(20日〜23日の審議日程 議題・審議内容 参照)
第一章 開示制度における世界的潮流 参照
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1996年11月、橋本首相による金融制度改革の「日本版ビッグバン宣言」に始まり、1997年6月、大蔵省企業会計審議会は連結中心主義への方針転換宣言を行った。大蔵省企業会計審議会は、その後、1999年1月までに、1.連結財務諸表の見直し、2.連結キャッシュフロー計算書、3.試験研究費、4.中間財務諸表、5.退職給付の会計、6.税効果会計、7.金融商品の時価会計と矢継ぎ早に国際会計基準の一部(7つ)導入を行った。世に言う「会計ビッグバン」の始まりである。しかし、日本版ビッグバン宣言以後、国内及び世界の情勢は目まぐるしく変化している。
国内では、山一證券の倒産、日本長期信用銀行や日本債券信用銀行の実質的大型倒産があり、倒産後明らかになった債務超過の状況は、日本の会計の信頼性を大きく失墜している。
海外に目を移すと、ドイツではナスダックに対抗して新興企業向け株式市場ノイア・マルクト「Neuer Markt」(2003年にプライム・スタンダードに移行)が1997年3月に発足した。ノイアマルクトの上場には、国際会計基準または米国会計基準で開示が求められ、かつ、ドイツ語と英語のでの開示が求められる。
ドイツのノイア・マルクト(Neuer Markt)のほか、フランスのヌーボー・マルシェ(Le
Nouveau Marche)、ベルギーのユーロNM(EURO.NM)及びアムステルダムのユーロNMなどがある(現在、2000年9月、パリ、ブラッセル、アムステルダムの証券取引所が合併してユーロネクストとなる)。中でも、ドイツのノイア・マルクトが市場規模や売買代金が他に比べると桁違いに大きい。
注目すべきは、上記市場に共通して、株式公開する企業は、国際会計基準または米国会計基準で作成した財務情報を要求していることである。自国の会計基準で作成している場合は、国際会計基準または米国会計基準への差異調整表を添付することを要求している点である。
1998年5月、独立したプライベートセクターの会計基準設定機関として「ドイツ会計基準委員会(Deutsches
Rechnungslegungs Standads Committee,DRSC 英語名は、German Accounting Standards Committee)を社団法人として設立した。
これにより、国際会計基準委員会の理事会メンバーとして参加できる体制を整えた(上記「IASCの将来」像参照)。
欧州では1999年1月からユーロ統合に向かってスタートした。1998年11月、欧州証券取引所は2002年に欧州統一証券取引所構想を打ち出し、1999年6月前半には、欧州証券証券取引所協会の総会で、統一を2年繰り上げて2000年の統一で合意した。
同じ、6月後半には米国証券業協会(NASD)がソフトバンク(孫正義社長)とナスダック・ジャパンを2000年の第4四半期に稼働させると発表し(その後、6月に稼働開始に変更)、証券業界に衝撃を与えた。この一連の動きは、国際会計基準の完成と密接に関連しているものと考えられる。
アジアに目を転ずれば、中国では海外での株式発行(B株)に付いては国際会計基準で情報開示することが求められており、現に、IAS適用会社数でドイツと方を並べている(「各国のIAS適用会社数」参照)。
1993年に改訂された会計法により、財務省の会計管理部門(Division
of Administration of Accounting Affairs,
DAAA)がすべての会社が準拠すべき会計基準を設定する責任をもっている。1993年に、DAAAは、中国の会計に関する一般的枠組みを規定した”事業会社の会計基準(Accounting
Standards for Business Enterprises, ASBE)”を公表した。その後、DAAAは、ASBEの下に特定の会計基準及び規則を設定している。1998年に、会計基準委員会(Accounting
Standards Committee)がASBEの中に創設された。
1998年12月、国際会計基準委員会は第39号「金融商品:認識と測定」を完成させたことで、一応、米国証券取引委員会(SEC)や日本の大蔵省等がメンバーとなっている証券監督者国際機構(IOSCO)が40項目に上る会計基準のコア・スタンダード(核となる会計基準)を完成した。
2000年5月17日、IOSCOは、「外国会社が国際的に資金調達する際に使用する財務諸表の作成基準として国際会計基準(IAS)を認める」と表明した。
日本は、次から次に押し寄せる内外の会計に関するグローバル化の波に、会計制度を根底から見直す必要性を感じつつある。
1999年2月、経済戦略会議は最終報告に「会計制度のグローバル化する必要がある」とし、同年8月には、自民党は「企業会計に関する小委員会」を発足させている。
2000年6月には、大蔵省は正式に会計基準設定主体を民間に移すことに合意した。
国際会計基準は、一言で言えば「財務情報を適正に開示する」ことに他ならない。そのために、多大の努力が費やされ、個別会計基準として現在1号から39号まで(内四つが整理され廃止されている、その後40号「投資不動産」が公表)、かつ、解釈指針1号から16号まで(内一つが整理されている、その後18号まで公表)が基準として公表されている。これをまとめた原文は約1300ページに及ぶ大部なもの。
市場の主役は企業であり投資家である。投資家は、投資によるリスクマネーを企業に提供する代わりに、投資判断に必要な「適正に表示した財務諸表」を求めている。適正に表示した財務諸表の作成基準が会計基準である。完成度の高い会計基準は、健全な市場経済のインフラなのである。国際会計基準は、世界的市場経済のインフラとなろうとしているのである。
1999年11月12日付け日本経済新聞に「場当たり的な会計改革」と題して、「日本の決算は信頼が置けない」といわれ、企業の実務家は自信喪失、と報じている。 日本の会計制度自体が不信感を抱かれているのである。企業にとっては、格付け評価は重要な事項である。信用を高めることで資金調達コストの低減をはからなければならない。会計制度改革が不透明な以上、企業は格付け評価維持などの自己防衛をする必要がある。遅々として進まぬ国の会計制度改革を待たず、国際会計基準への全面転換も選択肢の一つになろう。現に、米国会計基準で作成して自己防衛している会社は28社、国際会計基準で作成している会社8社(1社重複)があり、日本の会計制度の不信感を払拭している先進企業が既に存在する。国際会計基準が完成したことは、日本企業にとって自己防衛のチャンス到来となろう。 |
1973年に、日本を含む先進9カ国の会計士団体によって、世界中で認められる会計基準を設定・普及することを目的に、国際会計基準委員会(International Accounting Standards Committee、通称IASCと称す。)が設立された。IASCは、下記にあるように、1998年12月までに1号から39号までの会計基準書(IAS)を公表している。国際会計基準委員会は、継続して会計基準を設定したり過去の会計基準を見直したりしている。検討中ないし予定されているものに、農業会計、保険会計、非営利団体の会計などから、財務情報の電子開示の検討など取り扱っている分野は広範である。現在、メンバーに各国の会計基準設定機関からの参加を検討している。103カ国133の各国会計士団体等のメンバーと9の準メンバーで構成されている。その後、旧共産圏の国々が準加盟国となったり、正式な加盟国の増加で、構成国は準加盟国を含め151ヶ国となっている。 2001年新たな組織として改変され、3月に米国デラウェア州非営利法人(a not-for-profit Delaware corporation)として、ロンドンを拠点とする国際会計基準審議会(International Accounting Standards Board, IASB 2001年4月1日より活動開始)を運営するため、国際会計基準委員会財団(International Accounting Standards Committee Foundation, IASC Foundation)の名称で、2001年2月6日に設立された。(IASC Foundationの2001年年次報告書参照) IASBが会計基準を設定する。IASC Foundationは、6月4日にIASBの本部(ロンドン)に置かれた。なお、新組織は国際会計士連盟からは分離独立したものとなった。 歴史的概要は、2004年1月に簡潔に纏められた「History」を、組織構造は「About us」を参照してください。 創設した1973年は、米国の会計基準設定主体である財務会計基準審議会(FASB)が会計原則審議会(APB)を引き継いで創設された年と一致します。ライス大学ゼフ教授「米国会計基準の発展」によるとIASCの創設(6月29日)の2日後の7月1日にFASBは創設され、FASBとIASC双方の創設が、「基準設定(standard setting)」の用語を一般的に使用させ始めた、としている。 |
2001年6月、2005年から域内のすべての上場会社に国際会計基準の適用を実現させるため、欧州財務報告助言(諮問)グループ(European Financial Reporting Advisory Group,
EFRAG)を創設し活動を開始した。2003年になると、EFRAGのプレゼンスは高まってきた。つまり、2005年には欧州各国の会計基準設定主体は国際会計基準で統一されるためEFRAGが欧州の会計基準設定主体の代表としての役割が注目されるようになっている。2003年12月5日、EFRAGは役割の強化案「PROPOSALS FOR THE ENHANCEMENT OF THE ROLE
AND WORKING PROCESS OF EFRAG 」を提示しコメントを2004年1月24日までに求めている。事業予算は最低5百万ユーロ(約6億5千万円)を提案している。
参考:欧州証券規制委員会(CESR))と欧州財務報告助言グループ(EFRAG)および欧州委員会(EC)の関係は、「EFRAGの構造」参照。 各国の会計基準設定主体が参加している「支援組織」が、監督委員会(Supervisory Board)を構成している。
こうした欧州の状況や中国が重要性を増したことを踏まえ、2003年11月12日、国際会計基準委員会の評議委員および理事会メンバーの見なおしが必要と認め、国際会計基準委員会財団(IASCF)は「憲章の見なおし(CONSTITUTION REVIEW)」を公表し2004年2月11日までにコメントを求めている。(Consitution 参照)
金融庁は、2004年2月10日、国際会計基準委員会(IASC)財団の評議会が2003年11月に公表した定款見直しに関する協議に対して、パブリック・コメント・レターを発出しました。政府・金融庁が、民間の組織に書面にしてコメントを送付するのは初めてのことではないでしょうか。中身は「ごもっとも」で、金融庁の審議会に対しても求めたい内容である。日本であれば、事務局の官僚の手で適当に纏められコメント・レターの内容が紹介されることはあるが、IASCFのようにすべて公開されることはない。透明性についても学ぶべきだ。
2004年2月10日、IASCFは各国から受領したコメント・レターを迅速にそのまま公開した。日本からは、金融庁、経団連、日本生命保険業協会、日本公認会計士協会が提出した。
2004年9月28日、ニューヨーク、ロンドン、東京での公聴会を基礎に改定した案を公表し、10月6日のメキシコシティでの公聴会用に供している。IASB見直し案では、新たな理事会のメンバー資格は、専門的能力と実務経験(professional competence and practical experience)を重視し、地域代表としない。地域代表は評議委員(Trustee)で考慮され、現行19名から22名に増員されるとしている。
2005年6月21日、パリで行う評議委員会での「最終憲章案」が公表された。評議委員を19名から3名増やして22名とし、北米6(不変)、欧州6(不変)、アジア・オセアニア6(4名から2名増加)、その他4(3名から1名増加)としている。理事会メンバーで7カ国の会計基準設定主体からのリエゾン・メンバーは憲章から削除し、IASB理事会メンバー14名は評議委員が選任し、12名は常勤、2名はパート・タイム。理事会メンバーの資格は、専門的能力と実務経験を(professional competence and practical experience)を備えた人、とし、監査人、作成者、財務報告書利用者、および学者の中から、直近の実務経験を適切に反映した人たち(an appropriate mix of recent practical experience among auditors, preparers, users and academics)を選任する、としている。財務報告が実務である限り、実務(practical)中心主義である。2005年6月21日承認された。2005年7月1日から適用としている。
地域リエゾンとして日本が一つ席を占めていた理事会は、専門的能力と実務経験(professional competence and practical experience)を重視し、地域代表としないことになったことから、地域リエゾンは評議員会(Trustee)で考慮されるようになった。(2005年7月から有効の改正憲章 ・・地域リエゾンは理事会ではなく評議員会で考慮されるようになった。 参照)
2006年1月より、ポール・ボルカー氏が評議員会議長を退任し(Paul A Volcker, outgoing Chairman of the International Accounting Standards Committee (IASC) Foundation)、後任に、イタリア出身のトマソ・パドア・スキオッパ氏Tommaso Padoa-Schioppa(欧州中央銀行前理事a founding member of the Executive Board of the European Central Bank)が評議委員会議長に就任した。日本からは、氏家純一氏(元野村ホールディング会長)が評議委員に就任した。
2006年5月22日、トマソ・パドア・スキオッパ氏がイタリア新政権の経財相に就任したことから議長を退任すると発表した。後任が決まるまで、大手国際監査法人アーンスト・アンド・ヤング・インターナショナルの元会長、フィリップ・ラスカウィ氏(Philip A. Laskawy)が暫定的に評議委員会議長を務める。
2007年10月18日、IASBは、新評議委員会議長にオランダの元財務大臣・副首相のヘリット・ザルム氏(Gerrit Zalm)を選出したと発表した。任期は2008年1月から3年である。
2010年6月18日、モニタリング・ボードは、現IASC財団・評議委員会議長のヘリット・ザルム氏(Gerrit Zalm)の後任に、元議長であったイタリア出身のトマソ・パドア・スキオッパ氏Tommaso Padoa-Schioppa(イタリア経済・財務大臣)のIASC財団評議委員会議長への就任を承認した。(プレス・リリース) 因みに、副議長は、日本の藤沼亜起(つぐおき)が内定している(プレス・リリース 日本のニュース)。
Padoa-Schioppa died on 18 December 2010 after suffering a fatal heart attack
during a dinner he had organized in Rome.
ホーヘルフォルスト氏は、2011年6月末にIASB議長を退任するデイビッド・トウィーディー卿の後任となる。現在は、オランダの証券市場規制当局であるオランダ金融市場庁(AFM)−オランダの証券市場規制当局―の長官、証券監督者国際機構(IOSCO)の専門委員会議長、金融危機諮問グループ(FCAG)―国際的な金融危機への対応について会計基準設定主体に助言するために結成された上級指導者の独立組織―の共同議長を務めている。IASBのメンバーとなるため、現在のすべての役職を退く。(ASBJ)
2011年2月25日、国際会計基準審議会(IASB)の監督機関であるIFRS財団の評議員会は、本日、住友商事の鶯地隆継氏をIASBの理事に指名することを発表した。当初の任期は2011年7月1日からの5年間で、その後に任期3年の再任が可能である。
2011年6月にデビッド・トゥイディIASB委員長が退任する。スコットランド会計士協会の副会長に就任。後任人事はエグゼクティブ・サーチで探している。会計基準の世界統一について、彼は、次のように語っている。(フィナンシャル・タイムズ英国(January 28 2010 ) 参照)
Sir David Tweedie, chairman of the International Accounting Standards Board
(IASB), who is due to retire next year, is confident of completing the
task.
“Global capital markets are already tightly integrated. Investors know it.
The financial crisis has shown it. So why use more than one accounting language
to describe it? Why should the same transaction be accounted for differently in
Copenhagen and Chicago?” Sir David says.
2011年12月12日、IFRS財団は、元証券監督者国際機構(IOSCO)の議長ミッシェル・プラド氏(Michel Prada)をIFRS財団の評議委員会議長(new chairman of its board of trustees)に指名した。2012年1月1日から3年間の任期となる。1980年代の中ごろフランスの国家予算の責任者、財務検査官であった。この10年間はIFRSに深くかかわっており、IFRS評議員会の指名委員会に従事し、2005年の欧州のIFRS適用の提唱者である。
2012年9月13日、IFRS財団評議委員会(Trustees)は、IFRS東京事務所の初代ディレクターにデロイト、ロンドン事務所の国際税務サービス所属の竹村光広氏(税理士?)を選任し10月から稼働することを公表した。 かねてからIFRS財団がアジア・オセアニアのサテライトオフィスを東京に設置することを公表していたものである。(「ASBJの翻訳」「IFRS財団サテライトオフィスへの期待」byASBJ、参照)
東京オフィスは三菱地所が地権者として現在再開発中である東京都千代田区大手町一丁目の「大手町金融教育交流センター」に2012年10月に開設予定としている。去る4月28日にIFRS財団と三菱地所間で10年間の賃貸借予約契約を締結し、FASFを中心に事務所設置の準備に入ったところである。 2012/11/08・・IFRSを身近な存在にして誤解を解く by竹村 光広 氏
2012年11月15日、国際会計基準(IFRS)の普及を目指すIFRS財団(ロンドン)は、東京事務所の開所式を行った。同財団の海外事務所は初めて。同財団のミッシェル・プラダ評議員会議長は記者会見で「日本の当局、企業関係者が前に進むことを期待している」と述べ、IFRSの早期導入を日本に求めた。(IFRSフォーラム ITプロ 参照)
2012年12月10日、IASB理事の鶯地隆継氏は「IFRSの“誤った通説”にIASB理事が反論」をした。公の場での発言は初めて見る。IASB理事就任から2年近くたっている。
2013年3月1日、証券監督者国際機構(IOSCO)の国際会計基準(IFRS)財団モニタリング・ボード議長に金融庁の河野正道
国際政策統括官を議長として選出しました。(金融庁 英文ニュース IFRS) 「メンバー国の資本市場におけるIFRSの顕著な利用にどの程度貢献しているかをモニタリング・ボードは評価する予定である」とし、「当該国は、IFRSの適用に向けて進むこと、及び、最終的な目標として単一で高品質の国際的な会計基準が国際的に受け入れられることを推進すること、について明確にコミットしている」ことが求められる。(金融庁「国際会計基準(IFRS)財団モニタリング・ボードによるメンバー要件の評価アプローチの最終化及び議長選出の公表について」)
日本では、昭和24年7月9日、証券取引所に上場する会社を対象として、証券取引法のもとに「企業会計原則」が設定され、かつ、商法の計算規定は、会社(株式会社、有限会社、合資会社、合名会社)を対象として「企業会計」という用語が定着してしまいました。非営利組織、政府部門の会計が日本には無いのです。
しかし、これは世界的に見て例外です。国際会計基準を例にすると、次のようになります。
会計基準 | 国際会計基準(IAS) = 国際財務報告基準(IFRS) | 政府部門の会計基準 | ||
国際会計士連盟(IFAC)の The International Public Sector Accounting Standards Board (IPSASB) が設定 |
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民間のあらゆる企業・組織・団体を対象 | 行政部門のすべてを対象 | |||
適用対象 | 上場会社、非上場会社ほか | 非営利組織 | 政府部門 | |
銀行、証券、保険、一般事業会社 | 国際財務報告基準委員会財団 (IFRS Foundation) |
国際公会計基準(IPSAS) 国及び地方自治体 |
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会計単位では企業年金基金の報告 | 国際オリンピック委員会(IOC) | エージェンシーなど | ||
中小企業(SMEs)を含む | 世界銀行など | 国際会計士連盟 IFAC2010年年次報告書 |
● IFRSは企業の一般的な財務諸表に適用するために設計されているが、IASに準拠して作成していることを財務諸表に表明したい非営利組織および政府部門もまたすべての基準に準拠しなければならない。 |
● IFRS will be designed to be applied to the general purpose financial statements of business enterprises, but not-for-profit and public-sector entities that want to publish financial statements labelled as conforming to IAS must also follow all of the Standards. |
米国の場合、法人は一般会社法で設立し、営利・非営利の区分は税法が規定し国税当局である歳入庁(IRS)が管理するという仕組みです。つまり、一般会社法で設立した法人が営利かどうかは問わない。日本の場合は、商法が営利目的とする会社に特定しているのとは異なります。具体例を示すと、米国財務会計基準審議会(FASB)の母体であるFAF(財務会計財団)は、デラウエア州一般会社法で設立し、税法501(c)(3)の非営利組織として取扱われています(「FAF2001年度年次報告書」より)。非営利組織は税法で決められ、国税当局である歳入庁(IRS)が管理することになっています(米国の非営利組織(NPO)税制参照)。
国際会計基準と同様、米国では財務会計基準審議会(Financial
Accounting Standards Board, FASB)、英国では会計基準審議会(Accounting
Standards Board, ASB)、ドイツでは「ドイツ会計基準委員会(Deutsches
Rechnungslegungs Standads Committee,DRSC 英語名は、German Accounting Standards Committee)が民間の独立機関として会計基準を設定しており、主要国の会計基準設定主体に「企業会計」という名称は使用していません。
国際会計基準(IAS1号「財務諸表の表示」参照)を含めて先進主要国の会計基準は、「会計(Accounting)とは適正な表示(Fair presentation)をする基準(説明責任・Accountabilityを遂行する基準)」であることから、企業に限定されず会計のある企業・組織・団体・会計単位を含めて設定しているのです。
日本は、証券取引法の下で設定された「企業会計原則」から会計を見てきたため、世界の会計に対する視点から大きくずれてしまっており、日本人にとっては注意を要する点です。
政府部門の国際会計基準の翻訳開始(2002年8月) |
2002年8月22日、政府部門の国際会計基準(IPSAS)を開発している国際会計士連盟(IFAC)の政府部門委員会(PSC)は、国際会計基準審議会(IASB)の協力を得て、政府部門の国際会計基準(IPSAS)をフランス語、スペイン語など英語以外の国々の言葉に翻訳することで合意した。2003年第一四半期には、各国語の翻訳版を入手できるようにしたいとしている。 |
このホームページを公開するにあったって国際会計基準委員会のWebmasterであるポール・パクター氏(下記記載のニュースを書いた人です)より、下記のE−mailを受け取り承諾を得ています。なお、国際会計基準委員会のホームページで、彼はいつでもE−mailを受け取りますので、疑問点は彼に直接問い合わせしてみてください。私のように直接回答を得られると思います。
Dear Akira Yokoyama: We are very pleased that you will be introducing the IASC Web Site on your web site and linking to our site. If there is any help I can give you please ask. I agree that IASC is not too well known in Japan. I was in Tokyo in September and delivered six lectures to various groups including COFRI and JICPA and a BADC group and JAA. I also published an article in the October JICPA Journal and another will be published in the January COFRI Journal. Again, thank you. Paul Pacter |
2001年4月1日より国際会計基準委員会新組織となった。下記のデビット・トゥイディ国際会計基準審議会(IASB)議長の言葉に、現在置かれている国際会計基準の状況が簡潔に示されている。 下記文書は、国際会計基準委員会のホームページから転載したものである。 |
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Welcome to the IASB Website. The International Accounting Standards Board assumed its responsibilities on 1 April 2001, succeeding the International Accounting Standards Committee. The key role for the IASB is the convergence of national and International accounting standards towards accounting standards that represent the best possible accounting solution. The medium-term aim is to achieve convergence of national and international accounting standards to ensure that a transaction occurring in Sydney, Stuttgart or Singapore is accounted for in an identical manner. What is required is what the U.S. Securities and Exchange Commission has termed "best of breed" standards. The aim of IASB is to lead a partnership between the IASB and the national accounting standard setters. IASB includes members with specific responsibility for formal liaison with national accounting standard setters in Australia and New Zealand, Canada, France, Germany, Japan, the United Kingdom and the United States. The liaison members bring ideas from the national standard setters to IASB and take IASB's ideas back. The intention is that the best idea wins the day. I hope that IASB becomes the crucible in which the ideas are tested. Ideally, national standard setters and IASB would issue similar, preferably identical pronouncements on any given subject. We are fortunate to have the support of the United States Securities and Exchange Commission and the European Commission - two key regional regulators. The SEC has said that it supports IASB's objectives and will work through IOSCO to help achieve international convergence. In Europe, the Commission has prepared legislation that will require publicly-listed enterprises to prepare consolidated financial statements in accordance with IASB's Standards no later than 2005. The task before us is immense, and requires both the determination of IASB and the willingness of other national standard setters to participate objectively towards the goal of high quality globally accepted accounting standards. However, I believe that the opportunity and goodwill to make this experiment succeed are in place and I am determined that we should not fail.
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CPAジャヤーナル1998年7月号(The CPA Journal, July 1998)に、ポール・パクター氏(Paul Pacter, IASC International Accounting Fellow)の「国際会計基委員会に関する注目すべき予測(NOTABLE QUOTATIONS ABOUT IASC)」が掲載され、国際会計基準委員会のホームページにニュースとして掲載しています。(福岡大学助教授長束航氏翻訳 参照)
氏は、国際会計基準は2002年7月1日までにすべての証券監督局は承認すると予測しています。
その理由を、投資家のため、企業のため、資本市場のためという視点、ヨーロッパ、アラブ諸国、オーストラリア、アフリカ、ソビエト・ユニオン諸国の国際会計基準に調和する動き、ロンドン、フランクフルト、チューリッヒ、ルクセンブルク、タイ、ホンコン、アムステルダム、ローマ、マレーシアなどの証券取引所が既に承認していることなど、A4版で8ページに及ぶ論文を掲載しています。私見ですが、かなり説得力のある論文となっています。
氏の論文の中に、「自説を曲げない二三の重要国(A Few Important Holdouts)」と題して、日本、英国および米国を挙げています。内容を見ると、英国及び米国については、実質的な障害にはなっていません。問題は世界に孤立する日本です。
日本の項を抜粋しますと、次のように記載しています。
日本.日本の会計基準は、政府(税を徴収したり、マクロ経済政策を立案する責任をもつ大蔵省)が設定する。日本の会計では、時に、政策的に取扱うことは驚くことではない。数年前、日本の銀行が初めて危機に瀕したとき、日本政府は何をしたか?日本政府は、国民が金融システムの信頼性を失う恐れがあるという理由で、銀行に対して貸倒引当金の積増しを要求しなかった。そして、今年、日本政府は、アジアの財務危機に直面して何をしたか?日本政府は、金融機関に対し土地の再評価を認める法案を提出し、明らかに自己資本(equity)割合を押し上げた。単純な会計のトリックができるときに、誰が実質的な資本注入を必要としようか?(訳者注:皮肉か?)
次に、富田岩芳氏(トーマツ監査法人の創始者の一人)の「Accounting
Today 1998年2月号」の文章を引用しています。
上記の通り、日本の項は、かなりひどい内容になっています。
1998年12月7日,国際会計基準委員会の戦略作業部会(Strategy Working Party)から「IASCの将来像(Shaping IASC for the Future)」と題する検討書(Discussion Paper、以下DPと称す。)が公表された。14名のメンバーで構成される戦略作業部会に、唯一人日本から参加した関西学院大学教授平松一夫氏が、JICPAジャーナル1999年3月号に『「IASCの将来像」の内容とわが国への影響』と題して報告しています。その中から抜粋させていただきました。詳細はJICPAジャーナルをご覧ください。原文は上記をクリックして国際会計基準委員会から直接入手してください。
このDPの最大の論点は,IASCを取り巻く環境変化に対応するためにIASCの組織構造改革を大胆に改革しようとしており、その中には,各国会計基準設定機関との共同作業という、日本としても対応への決断を迫られる重要な提案が含まれている。
DPによれば,起草委員会を基準開発委員会に置き換え、基準開発委員会は11名のメンバーから構成される。基準開発委員会は,各国の会計基準設定機関の代表をメンバーにすることを提案している。アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア・ニュージーランドといういわゆる「G4」の各国に、フランス、ドイツ及び日本を加えた7カ国は入るとみるのが常識的である。「G4」の諸国はもとより、フランスやドイツも迅速に会計基準設定機関の改革を行い、1998年までにこうした国際動向への対応を行った。その結果,現時点では、7カ国のうち、日本だけが適合できない国となっているのである。
日本が、これまで以上に国際会計基準委員会における影響力を維持しようとするなら基準開発委員会の最初のメンバーにならなければならない。IASCに常勤メンバーを派遣しうるように、大蔵省企業会計審議会の組織構造を改めることが必要となる。
DPに対するコメントは1999年4月30日までに求めている。その後検討を経て、2000年5月に開催されるIASCメンバーの会議で審議、決定される予定になっている、としています。日本にとって重要な課題と思うのだが・・・(『IASC の将来像』に対する FAF-FASB の反応
1999年6月5日(土曜日)、日本経済新聞は、小さな記事で、「日本公認会計士協会は、会計基準を作る民間機関の設立を目指して、プロジェクトチームを7日に発足する」と報じた。 上記の「IASCの将来像」に見るように、国際会計基準委員会への各国会計基準設定機関からの参加体制は、日本のみが整っていないことから、日本の主張を反映できない日本の体制を整えることにある。ドイツ及びフランスは、対応できるように既に体制を整え民間機関として独立している。 |
1999年7月2日(金曜日)、日本経済新聞は、IASCの各国会計基準設定機関の参画に関して、「日本は参画できないおそれも」というサブタイトルで掲載した。その中に、『大蔵省は、「民間機関が決めたルールに企業が従うというのは、日本の風土からして無理」(金融企画局)と、民間設定機関を設立し、権限を委譲することに難色を示している。』と掲載している。 |
ドイツは、IASCの動きに対応すべく法律を改正して、1998年5月、「ドイツ会計基準委員会(ドイツ語でDRSC、英語略でGASC)」を独立した民間機関として創設し、会計基準設定機関からのIASCへの参画を可能にした。 |
1999年6月20日に閉幕した主要国首脳会議(ケルン・サミット)のG7蔵相がまとめたリポートに、「G7(七カ国)は国際会計基準の完成を歓迎する、証券監督者国際機構(IOSCO)、保険監督者国際機構(IAIS)及びバーゼル銀行監督委員会の検討が完了することを楽しみにしている。」旨の文章が盛り込まれた(1999年7月17日、日本経済新聞)。主要国7カ国の蔵相が、国際会計基準の完成を認識し、その利用可能性(世界標準化の可能性)を高く評価したものと考えられよう。日本の認識のズレが心配される。 22 June 1999: Following their summit meeting in Cologne 18-20 June 1999, the G7 Finance Ministers published a report titled Strengthening the International Financial Architecture. With regard to International Accounting Standards, the report states:
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その後 | |
2000年4月7日、バーゼル委員会議長は、「バーゼル銀行監督委員会(Basle Committee)は、国際的に会計実務を調和させるための努力を強く支持する。国際金融・銀行市場間における相互依存の度合いはますます強まっており、透明性や比較可能性の高い公表財務諸表が求められている。我々は、IASCにより設定された会計基準を支持し、この重要な分野における将来の進展を見守るためにIASや銀行業界と密接な対話を続けていくつもりである」と述べた(日本銀行仮訳「バーゼル銀行監督委員会による国際会計基準のリビュー」より)。 2000年5月17日、証券監督者国際機構(IOSCO)はIASを正式に承認した。 |
1999年12月16日、IASCの将来像として組織改革を提案しているIASCはオランダの理事会で、2000年に予定している新組織案を正式承認した。 今回組織された指名委員会(Nominating Committee)には、(1)委員長に米SEC委員長のレビット氏、(2)世界銀行総裁ウォルヘンソン氏、(3)英国のデイビス氏、(4)フランスのプラダ氏、(5)香港の証券監督局の委員長でシェン氏、(6)デロイト・トウシュのCEOクーペランド氏、(7)ドイツ会計基準設定委員会(DRSC)委員長のバウマン氏、の7名が指名委員会の委員に選出された。日本では、日本とカナダが選出されていないと報道されたが、新組織案をまとめたIASC戦略作業部会委員長(IASC’s Strategy Working Party)のエドワード・ワイツアー氏は、カナダのオンタリオ証券取引委員会の元委員長である。実質的には、日本だけが孤立している。 指名委員会(Nominating Committee)の役割は、2001年1月から始まる新組織の重要な一つである”19名からなる評議員(Trustees)”を選任する。指名委員会は評議員を選任するだけで使命は終了するが、日本が選任されなかったことは影響力を行使できないことになる。 評議員(Trustees)が、”14名からなるボード(Board、委員会)”、”解釈指針委員会(Standing Interpretations Committee)"及び”基準提言委員会(Standards Advisory Council)”のメンバーを選出する。 ”14名からなる審議会又は理事会(Board)”は、国際会計基準設定の最終決定権を持っている。14名のうち12名はIASCに常勤、2名は非常勤。メンバーのバランスを保つため、最低5名は監査実務経験を持った者、3名は財務諸表の作成実務経験者、3名は財務諸表の利用者、1名は学会から、としている。14名のうち7名は各国の会計基準設定主体を代表する者を予定している。14名のうち8名の賛成で国際会計基準は成立するとしている。 2000年3月のサンパウロでの総会で組織変更の承認をし、2000年5月24日の総会で19名の評議委員(Trustees)を選出した。評議委員が14名(7名は各国の会計基準設定主体から)の審議会又は理事会(Board)メンバー(会計基準等の承認権限を持つ)を選出して、2001年1月より新組織の活動が開始としている(4月からとなった)。 |
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日本「会計基準設定機関設立」(2000年3月報道) | ||
2000年3月27日、日本公認会計士協会と経団連は、会計基準設定主体となる民間機関を設立することを明らかにした。大蔵省も大筋で了承。企業会計審議会から、独立色の強い機関に権限を移し、基準つくりの透明性を高めるとして、5月中旬をメドに組織の概要を固め、早ければ2000年度中にも発足させる、としている(日経3月28日)。日本だけが取残されていましたが、IASCの新体制という発車寸前の電車に飛び乗ろうとしています。 2000年4月、下記の「日本における会計基準設定主体の再構築の提案」をIASCに提出。 |
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評議委員会委員長にポールA.ボルカー氏(元米連邦準備理事会(FRB)議長)を招聘(2000年5月) | ||
2000年5月22日、指名委員会は19名の評議委員を選任したと発表した。全氏名はIASCのホームページに公開されているが、日本に関しては、監査法人トーマツの副会長田近耕次氏、三井物産CFO福間年勝氏の2名が選出され、24日の理事会で承認された。(両者は、感想を記している⇒「独自基準に固執する日本と見られている」by田近耕治氏(2004年12月)、「会計基準のグローバル化とわが国の責務」by福間年勝氏(2009年12月17日、「IFRS導入の立役者逝く」と題して「72歳で死去した福間年勝氏は、会計基準の国際化の重要性を早くから認識。日本へのIFRS(国際会計基準)の導入に大きく貢献した」として、磯山友幸氏(現日経ビジネス副編集長で「国際会計基準戦争」の著者)が氏の追悼文を書いている。) 参照) 米国はポール・ボルカー(Paul Volcker)元FRB議長をはじめ、元SEC委員長デビットS.ルーダー氏を選出しIASCに対する並々ならぬ意気込みを感じさせる。他に、ドイツ銀行助言委員会委員長、英国財務報告評議会議長、香港証券取引・決済会社(香港証券取引所の持ち株会社)社長、プライスウオーターハウスクーパーのセニアーパートナー、アーンスト・ヤング・インターナショナル代表など19名が選出された。この評議委員19名が、14名の理事会(Board)メンバーを選出する。 5月24日の理事会で「国際会計基準委員会の憲章(IASC's Constitution)」が承認され、目的、メンバーシップ、組織統治、評議委員・理事会メンバーの権限・役割等、理事会メンバーの資質まで明確にしている。 |
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IASCの新議長に英国会計基準審議会議長を選出(2000年6月) | ||
2000年5月24日のIASC理事会で、評議委員会委員長に世界的に著名な元米国連邦準備会理事長ポール・ボルカー(Paul Volcker)氏を選出し、6月28日、評議委員(Trustees)が初会合を持ち、IASCの新議長に英国会計基準審議会(UK Accounting Standards Board)の議長であるデイビッド・ツウィ-ディ(Sir David Tweedie)卿を選出した。新議長は7月1日から就任する。新理事会メンバーの新組織は、2001年から運営することになっている。 | ||
「新理事会メンバー候補者の申請受付2000年9月16日まで」 | ||
2000年8月21日、評議委員会は、8月24日と25日のファイナンシャルタイムスと8月29日のウォールストリートジャーナルに「新たなIASCの理事会メンバーの候補者(11名の常勤者と2名のパートタイム)の申請を9月16日まで受付ける。」旨の公告をすると公表した。新理事会の議長はデイビッド・ツウィ-ディ(Sir
David Tweedie)卿に決まっており、今回申請受付の13名の候補者と合計14名となる。 日本の会計基準設定主体はできていない。どうするのでしょう? IASCの評議委員田近耕次氏によれば、11月16日-17日にロンドンで行われる評議委員会で、残る13名の理事会メンバーを決める方向で調整している(日本経済新聞9月14日)、としている。 2000年9月28日、日本経済新聞によると、日本公認会計士協会や金融庁などの推薦を受けた「公式ルート」からは、同協会の山田辰巳理事と企業会計審議会の辻山栄子・武蔵大学教授が立候補している、とのこと。 |
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新理事会メンバー決定(2001年1月) | ||
IASC評議委員会は、2001年1月25日、当初の公表予定日から大幅に遅れて新たな理事会メンバーを公表した。 アメリカはFASBから、イギリスはASBから、カナダはAcSBから、ドイツはGASCから、フランスはCNCから、オーストラリアはAARFから、日本の会計基準設定主体からの7カ国の会計基準設定主体から7名が決まった。 日本の会計基準設定主体からの連絡役(Liaison)は日本公認会計士協会から推薦の中央青山監査法人パートナー山田辰巳氏(旧IASCの理事)となった。選出は非常に難航したようだ。特に日本であろう。主要国の中で日本だけが会計基準設定主体が独立していないからだ。日本が独立した会計基準設定主体が存在しない状況で、各国の会計基準設定主体から7名選出するという国際会計基準審議会の憲章の規定に反するからだ。ただし、新理事会は4月から開催するとしており、日本では2月28日突如として経団連を初めとする10団体が7月に会計基準設定主体を創設すると公表(下記参照)。しかし、日本だけが不透明であることは明らか。 当初、11月16日の評議委員会で選出する予定であった(田近評議員談・日本経済新聞掲載9月14日)。IASCのホームページには12月中旬に公表するとしていたが、12月中旬を過ぎても公表されることはなかった。田近評議委員がある会報に掲載したところによると、欧米では9月16日までに200名を超す応募者があったが、日本はわずか2名の応募であったとしている。 2000年10月に東京で国際会計基準委員会の理事会が開催された際に、新審議会(理事会)の議長であるデイビッド・ツウィ-ディ(Sir David Tweedie)卿は、日本を「取残しておくには大きすぎる」(日本経済新聞10月21日)と語っているとおり、国際会計基準を世界標準とするためには、経済大国世界第2位の日本を取残してはIASのグローバル化を阻害するからである。
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2000年4月17日のニュースとして、下記の日本公認会計士協会(JICPA)文書が国際会計基準委員会のホームページに掲載された。当初、3月17日に評議委員(Trustee)が選出される予定になっていたが、5月24日に延期された。これは、日本の取扱いに苦慮しているものと思われる。そのなかで、下記の文書がPDFファイルでIASCのホームページに掲載された。5月の理事会メンバー選出に大きく動き出したものといえるだろう。
なお、この文章の最後に、2000年4月12日から、この見直しのプロジェクト・チームは、既に大蔵省内でスタートした旨記述されています。
(For Press Release) April 11, 2000 |
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Proposal for Rebuilding Accounting Standards Setting Body in Japan |
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JICPA | |
Introduction Accounting standards and financial reporting provide the base for the confidence of investors and development of sound capital markets which constitute the fundamental infrastructure of the national economy. With respect to accounting standards in Japan, several key standards have been revised during the past few years by the so called "accounting big bang" to make Japanese standards more compatible with international standards. The International Accounting Standards Committee (IASC) recently approved a restructuring of its organization to consist mainly of world accounting standards setting bodies with the aim to have the International Accounting Standards (IAS) recognized and accepted as a uniform standard usable in respective national capital markets. In order to aggressively participate in discussions of international accounting standards, we urgently need to restore international confidence in the accounting standard setting process system in Japan by rebuilding our standards setting body. The accounting standards of Japan is currently set by the Business Accounting Deliberation Council (BADC), an advisory body to the Ministry of Finance. The BADC has made a tremendous contribution to the development of Japanese economy by issuing many standards in the past. However, because of its nature, consisting of part-time members and functioning as a government-sponsored organization, questions have been raised with respect to its independence and timeliness of addressing current issues. Private sector standard setting bodies are the main structure in the world and it will be difficult to gain international confidence without an autonomous organization. Under these circumstances and to meet the rapidly changing economic environment in and outside Japan, The Japanese Institute of Certified Public Accountants (JICPA) and The Japan Federation of Economic Organizations (Keidanren) have jointly made an proposal which has been approved by the Ministry of Finance to establish a review project team for the purpose of rebuilding the Japanese accounting standards setting body. The review project team will have the following participants: (1) Keidanren (preparers) (2) Tokyo Stock Exchange (users) Japan Securities Dealers Association (users) (3) JICPA (auditors) (4) Academics (5) Minister of Finance (regulator) Items to be Reviewed I. Basic Approaches 1) Objectives - To rebuild a firm financial accounting framework to meet timely and efficiently the rapidly changing domestic and global economic environments; which in turn helps to secure a basis for active participation in the discussion of International Accounting Standards at the IASC. 2) At the same time, it is strongly recommended that the functions of both the securities regulator and the accounting standards setting body be strengthened. 3) The accounting standards setting body should have the following characteristics: (1) Independence The accounting standard setting process shall be independent from any political pressures including monetary, economy stimulation and fiscal policy. (2) Transparency The selection process of board members and agenda items shall be transparent and be independent from the regulator. (3) Efficiency Full time support staff composed of fully remunerated professionals (CPAs) shall be hired. The new standard setter must also be responsive to the harmonization with international accounting standards. 4) The new accounting standards setting body should be a private body independent from the regulator and its authority to set standards must be delegated to the private sector. 5) Responsibilities of the new accounting standards setting body will be: (1) harmonization with IAS (2) harmonization between the Securities and Exchange Law, the Commercial Code requirements and regulated industries' accounting practices, and (3) development of accounting standards for non-profit organizations and public sector in the future 6) Level of accounting standards to be covered at the new body will be: (1) basic standards, (2) implementation guidelines, and (3) interpretative questions and answers. II. Specific Items to be Reviewed 1. To review the detail process of delegation of standards setting authority from the regulator to the private sector. 2. Auditing standards, currently set by the BADC, are recommended to be developed by the JICPA independently from the new accounting standard setting body in the future. In the process of developing the auditing standards, a public oversight board including non-CPAs is suggested. 3. Structure of new accounting standards setting body (1) To study the process of incorporating the new private sector body. (2) Independence must be maintained from contributors. 4. Funding (1) It is anticipated that the running cost for the new accounting standards setting body under the proposed scenario would amount to \500 million to \700 million annually. The proposed scenario assumes full-time technical and support staff of twenty to thirty. (2) Is financial support from government acceptable? 5. Gradual Implementation First Stage -Strengthen BADC support staff function by hiring full-time professional. The strengthened BADC secretariat may work for smooth transfer to the private- sector setting body. Second Stage -Establish the accounting standards setting body as a private sector and delegate the standards setting authority from the regulator to the newly established body. Suggested Timetable Complete basic framework of the new accounting standards setting body by the early summer of 2000. Solve detail issues including legal aspects and establish the new body as early as possible. |
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提案している会計基準設定主体の組織図が挿入されているがここでは省略する。最後に、次の文章が挿入されています。 * The Review Project Team referred to in the last paragraph of the Introduction has started within the Ministry of Finance on April 12, 2000. |
国際会計基準委員会(IASCの)新しい議長に7月1日から就任するトーマス・ジョーンズ氏は「来年1月から新組織に移行するIASCに理事が選ばれるために、独立機関の設定が不可欠」と述べ、大蔵省や日本公認会計士協会が中心となって作業を進めている会計基準設定権限の民間委譲をIASCとして強く求めた。
ジョーンズ氏は「会計基準は企業情報を適切に示すこと以外の目的で作られてはならない」と会計基準設定主体の独立性が重要であることを強調。ドイツをはじめ、多くの欧米諸国で独立機関の設定が相次いでいることを例に、日本での改革推進を評価した(日経00年6月28日、コペンハーゲン磯山友幸)
氏の「会計基準は企業情報を適切に示すこと以外の目的で作られてはならない」というのは、国際会計基準第1号「財務諸表の表示」に規定の財務諸表の目的に照らして当然の発言です。
企業会計基準設定主体のあり方に関する懇談会(大蔵省金融企画局市場課参事官室) | |
2000年4月11日、日本公認会計士協会の「わが国の会計基準設定主体のあり方について(骨子)」を受けて、大蔵省は「企業会計基準設定主体のあり方に関する懇談会」を設置し、日本証券業協会副会長、東京証券取引所副理事長、日本公認会計士協会会長、経済団体連合会常務理事、大蔵省金融企画局長、高千穂商科大学教授(企業会計審議会会長)の6名のメンバーで検討している。 検討している内容は、7月以後は内閣府金融庁市場課企業開示参事官室担当の議事録が公表されているのでご覧戴きたい。 議事録によると、6月5日までに懇談会は4回開催されているが、1回の会議が1時間半から2時間の討議で、議事録要旨には発言者名が不明、結論がない。国の権限を如何に留保するか腐心しているような発言がある。 自民党の「企業会計に関する小委員会」がまとめた「企業会計基準設定主体の充実・強化に向けて(案)」(Alexaアーカイブ過去の記録から入手可能)や、日本公認会計士協会がまとめた「わが国の会計基準設定主体のあり方について(骨子)」があるにもかかわらず、議事録を見る限り、遅々として進んでいない。 2000年6月29日、当時の大蔵省(7月から金融庁)の「企業会計基準設定主体のあり方に関する懇談会」が「企業会計基準設定主体のあり方について(論点整理)」(過去データからも文書入手できます)を公表。
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1999年2月12日、IASCは「財務報告の電子化」についてプロジェクトを作り調査を開始した。1999年秋に公表する予定としている。その主要な議題は、「今日における企業の財務報告の電子化とは何なのか?」「基準は必要なのか?」「もし必要なら、どのようなタイプの基準なのか?」である。
2000年6月、国際会計基準委員会(IASC)は、「インターネット上の企業財務情報の開示
(Business reporting on the internet)」についてのガイドラインを承認した。詳細な検討が為されているのでご覧戴きたい。
2000年12月、国際会計基準委員会(IASC)は、下記米国のXBRLの国際会計基準版「IAS−XBRLの仕様書」を2001年3月か4月に公表すべく作業を開始した(2001年2月末に草案公表)。
一方、米国でもXBRL(eXtensible Business Reporting Language、拡張性のある財務報告言語)の組織が、2000年7月に仕様書を公表した。XBRLはXML(eXtensible
Markup Language)を基礎にして、インターネット上に公開された財務情報を集計、分類、分析したりできる言語で、かつ、世界標準化(世界統一)することで開示企業、投資家、証券アナリストの利便性を高めようとする試みである。
2002年11月、国際会計基準委員会財団および国際XBRLは、次の二つのタクソノミーを公表した。(プレスリリース 参照)
・ IAS Primary Financial Statements (PFS) Taxonomy
・IAS Explanatory Disclosures and Accounting
Policies (EDAP) Taxonomy
・ダウンロード可能なXBRLリソースセンター XBRLを使って国際会計基準に準拠した財務諸表を作成する概念図
2004年12月10日、南アフリカのヨハネスブルク証券取引所が国際会計基準に準拠したXBRLを採用した世界初の証券取引所であることを公表した。(JSE証券取引所ニュース 参照)
XBRLで作成された年次報告書(JSE証券取引所の2003年度年次報告書 参照)は、Excelにコピーでき、Excelでの作業ができる。プライスウォーター・クーパーがサポートしたもの。既に、ナスダック、トロント証券取引所(TSX)、韓国KOSDAQをサポートしたとしている。(JSE Financial Results in XBRL 参照)
国際会計基準委員会は、従来IAS適用会社として公表していたものを正確性を吟味するとして2000年後半から閉鎖していた。
2001年2月19日、IAS1号「財務諸表の表示」の適用を厳格にして、IAS適用について財務諸表の会計方針または注記にその旨を記載し無限定適正意見を表明した監査報告書が添付されている財務諸表に限定した『IFRS(International Financial Reporting Standards=IAS)適用会社』を公表した。つまり、IASの一部適用やIASとの調整表を付けたものは除かれている。1999年/2000年の年次報告書を対象としてIAS完全適用会社をリストしたとしている。
日本の会社は、日本基準を盛り込んでIASの一部適用となるため皆無となったものと思われる。日本の会社の「IAS適用の事例」参照。 たな卸資産の評価をはじめとしていくつか日本基準となっている。
2001年、IASBが新組織となってから、日本企業では玩具メーカーのトミーが2001年3月期でIAS適用第一号となったが、2002年3月期は日本基準に変更している。監査人が2002年に消滅したアーサーアンダーソンであったためか?IASBにリストされなかった。
2002年3月期より、日本電波工業株式会社(水晶製品メーカ最大手)が国際会計基準適用第一号としてIASBのリストにも2002年9月掲載された。
IFRSを完全適用している国別会社数 | ||||||||
2003年 9月 |
2002年 2月 |
2003年 9月 |
2002年 2月 |
2003年 9月 |
2002年 2月 |
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国 | 会社数 | 会社数 | 国 | 会社数 | 会社数 | 国 | 会社数 | 会社数 |
オーストリア | 12 | 10 | ヨーロッパ | 2 | 2 | ノルウェー | 2 | 2 |
バーレーン | 6 | 6 | フィンランド | 3 | 3 | ペルー | 1 | 1 |
ベルギー | 2 | 2 | フランス | 2 | 2 | ロシア | 3 | 3 |
バミューダ | 1 | 0 | ギリシャ | 1 | 0 | イタリア | 1 | 0 |
ボツワナ | 3 | 3 | ドイツ | 66 | 63 | スロベニア | 4 | 4 |
ブルガリア | 1 | 1 | 香港 | 5 | 5 | 南アフリカ | 3 | 3 |
カナダ | 1 | 1 | ハンガリー | 3 | 3 | スペイン | 1 | 1 |
中国 | 2 | 2 | 国際機構 | 2 | 2 | スエーデン | 2 | 1 |
クロアチア | 4 | 4 | クエート | 1 | 1 | スイス | 54 | 51 |
キプロス | 2 | 2 | ラトビア | 1 | 1 | トルコ | 2 | 2 |
チェコ共和国 | 2 | 2 | マルタ | 4 | 4 | アラブ諸国 | 4 | 4 |
デンマーク | 11 | 11 | オランダ | 4 | 3 | ジンバブエ | 2 | 2 |
エストニア | 1 | 1 | ニュージーランド | 1 | 1 | スロバキア | 1 | 0 |
日本 | 1 | 0 | ||||||
欧州連合(EU)の中でドイツがダントツのトップであり主導的立場にある。 | 合計 会社数 | 224 | 209 | |||||
ドイツ銀行調査報告「EUにおける新たな財務報告ルール:IAS」参照 | 国などの合計 | 40 | 35 |
2003年1月14日、欧州議会は、域内の約7千社のすべての上場会社が2005年までに国際会計基準を適用することとなっているが、非上場会社約5百万社についても国際会計基準を適用できるようにする改正会計指令4号および7号を承認した。(ECの声明 参照) 5月6日に閣僚理事会(Council of Ministers 決定機関)で最終承認された。(ECの声明 参照) 2003年2月13日、国際的な6大会計事務所が共同で、主要国を含む59カ国の会計基準を調査した結果を「GAAP Convergence 2002(一般に認められた会計基準 収斂 2002年)」に纏め公表した。日本は、「現在、国際財務報告基準(IFRS)に収斂しようとしない国、アイスランド、日本、サウジアラビアの3カ国」として報告されている。この報告書は、会計普及国際フォーラム(IFAD、International Forum on Accountancy Development、メンバー及びオブザーバー)および国際的な事務所で紹介されている(各事務所のニュース 参照)。このような状況で日本の国際的な発言力を期待できるものか自明の理であろう。国際的な基準を使用しないためコーポレート・ガバナンスの面からも日本は評価が低い(「コーポレート・ガバナンス・・ヨーロッパの文脈(チャールズ・フェア氏筆)」の主要5カ国の国際比較 参照)。 |
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下記の金融庁の見解で「○米国では外国企業も国内企業も一般的に公正妥当と認められる会計基準として国際会計基準を利用することは認められていない。」としているが、正確ではない。 正確には、「米国SECは、米国会計基準との差異調整表(U.S. GAAP Reconciliationという・・「Regulation S-X Article 4-Rules of General Application § 210.4-01.(a)(2)」参照)を開示することを条件に国際会計基準を含む米国以外の会計基準も認めている」のです。現に、ドイツの製薬会社であるバイエル社、ロシアのロステレコム社、中国の中国石油天然気集団公司は、下記の通り国際会計基準で作成した連結財務諸表(Form20-F)でSECに登録しニューヨーク証券取引所に上場しています。ドイツ企業のニューヨーク証券取引所への上場ではよくあるパターンですし、下記に例示したロシア企業や中国企業も同様です。ニューヨーク証券取引所は活性化のため外国会社の上場を歓迎しているのです。金融庁に正しい認識を持ってもらうことが望まれます。
ロシアの通信会社ロステレコム社(ROSTELECOM)は、ニューヨーク証券取引所に1998年2月17日から上場しており、SECへ登録した外国会社の年次報告書(Form20−F)は、国際財務報告基準(IFRS⇔IAS)で行っている。米国が国際会計基準を認めていないということはありません。 中国の石油会社中国石油天然気集団公司(PetroChina)は、2000年4月にニューヨーク証券取引所に新規株式公開(IPO)を行い、SECへ登録した外国会社の年次報告書(Form20−F)は、国際財務報告基準(IFRS⇔IAS)で行っている。米国が国際会計基準を認めていないということはありません。なお、ペトロチャイナについては、石油公団企画調査部 佐藤美佳著「驚くべき変貌を遂げた中国国有石油会社の民営化」参照 |
「国際会計基準の実施を加速化すべき」との意見に金融庁は・・ | |
平成15年3月3日、第25回対日投資会議専門部会で提出された「資料2・・各委員から提出された主な意見に対する各府省意見及び修正案」によれば、専門部会の委員であるマーク・ノーボン氏(日本ゼネラル・エレクトリック株式会社代表取締役社長)の国際会計基準導入に関する意見に対して、金融庁は次のように応えている。(内閣府、対日直接投資総合案内窓口より)
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IAS Plus というサイトに、上場会社の国際会計基準(IAS)適用状況をまとめているので、主要国について下記に示します。なお、詳細は、IAS Plusを参照してください。下記では省略した旧共産圏・小さな国々がIAS適用を要求しつつあります。IAS適用は、国際的に通用する会計人(財務諸表作成者、会計士、財務諸表利用者、会計教育者、監督当局など)を作ることになります。適用が遅れると法改正などを含む準備期間はきついものとなる可能性があります。
欧州連合(EU)の上場会社のすべてが2005年までに国際会計基準を適用することを日本では「2005年問題」として2003年夏、にわかに話題になりつつありますが、@国際会計基準「IFRS1号「国際財務報告基準の適用初年度(First-time Adoption of International Financial Reporting Stamdards)」では2004年と2005年の同一基準による比較財務諸表を要求されていますので実質的には「2004年問題」ですし、Aダブルスタンダードを避けるため中小企業にも国際会計基準を適用する(2003年9月29日イングランド・ウエールズ勅許会計士協会(ICAEW)ニュース 参照)ので、急ピッチで法制度等の整備しています。加えて、B国際監査基準(ISA)も併せて適用となる(2002年5月7日欧州会計士連盟FEEのポジション・ペーパー 参照)ことに留意する必要があります。(Get Ready for New Global Accounting Standards [Jan. 2004] 参照)
国際会計基準の適用状況 2007年3月現在 | ||||
国際会計基準(IAS) | IASの適用を上場会社の | |||
国 | 認めない | 認めている | 一部に要求 | すべてに要求 |
米国 | (注5) | (注6) 外国企業に 認める決定 |
2014年〜2016年 1年延期で2015年〜 |
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カナダ | × | (注1) | 2011年 | |
英国 | (注4) | (注4) | 2005年 | |
ドイツ | × | 2005年 | ||
フランス | × | 2005年(注7) | ||
イタリア | × | 2005年 | ||
デンマーク | × | 2005年 | ||
オランダ | × | 2005年(注7) | ||
ベルギー | × | 2005年(注7) | ||
ルクセンブルグ | × | 2005年 | ||
オーストリア | × | 2005年 | ||
スイス | x | 2005年(注8) | ||
オーストラリア | (注2) | 2005年(注2) | ||
日本 | × (金融庁の見解) |
(IASB理事の意見) | 2006年7月31日、金融庁・企業会計審議会、 「相互承認を求める」 2007年3月、監査の同等性について 国際監査基準 参照 2007年8月、2011年6月末までに完全収斂を約束 2009年6月、2015年にIFRS適用義務化目指す |
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中国 | 2007年より新会計基準適用 ECが2008年末までに同等性認める |
× | ||
香港 | × | 2005年よりIFRSと同等となるように変更 | ||
シンガポール | × | IFRSと類似のシンガポール財務報告基準 2012年までにIFRSに完全収斂と発表 |
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韓国 | × | 2011年から適用 IFRS対応の韓国基準 IFRS適用状況報道 |
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フィリピン | × | 2005年(注9) | ||
ロシア連邦 | × | 2004年(注3)〜2007年 | ||
イスラエル | × | 2008年(注10) | ||
インド(ICAI会計基準) | × | IFRSへの移行を検討開始(2006年10月) 2011年からIFRSに収斂・適用を公表(2007年7月) |
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ブラジル | サンパウロ証券取引所に上場する350社について、 2010年12月決算からIFRS適用を決定(2007年5月) |
「Accounting Standards in Canada: Future DirectionsDraft Strategic Plan」 prepared by:Accounting Standards Board、Comments are requested by July 31, 2005 |
・ For public companies: The Board will direct its efforts primarily to participating in the movement toward the global convergence of accounting standards. The best way to achieve the objective of a single set of globally accepted, high-quality accounting standards is to converge Canadian GAAP with International Financial Reporting Standards (IFRSs) over a transitional period, expected to be five years. At the end of that period, Canadian GAAP will cease to exist as a separate, distinct basis of financial reporting for public companies. |
注7:2002年12月16日、ユーロネクスト(Euronext)は、透明性を高めるため@上場会社に2004年より国際会計基準(IFRS)で作成した財務諸表の開示を求める、A自国基準の場合は国際会計基準との差異調整の開示を求めると発表した。四半期報告書の開示も2004年となっている。(ニュース・リリース ネクストエコノミーとネクストプライムの取引区分について 参照)
ユーロネクストとは、2000年9月、パリ(フランス)、アムステルダム(オランダ)、ブラッセル(ベルギー)の3証券取引所が合併してできた取引所。後にリスボン(ポルトガル)証券取引所が参加した。国境を超えて統合するため取引所は株式会社化し自らの株式を上場している。(「取引所の株式会社化」 参照)
注8:スイスはEU加盟国ではないが、IAS適用会社数でドイツに次いで多い国である。スイスの上場会社は、年次報告書は2005年から四半期報告書は2006年から、IASまたは米国会計基準のいずれかで情報開示を求められ、スイスの会計基準は適用できなくなる。外国会社は現状どおりその国の会計基準でよいことになっている。(2003年8月1日)
注9:2003年10月2日、フィリピン議会上院は、2005年1月から国際会計基準(IAS)および国際監査基準(ISA)を適用する2003年会計業務法案(Accountancy Act of 2003)を議会に提出した。その後可決。(フィリピン公認会計士協会HP フィリピンSECの2005年1月セミナー通知 IAS適用初年度の手ほどき 参照)
注10:2005年6月2日、イスラエル会計基準審議会(IASB)は、カナダの480社に次ぐ、85社(2003年12月末現在)が米国証券市場(ナスダック、ニューヨーク証券取引所、OTCを含む)への上場会社の多いイスラエルが、2008年から国際会計基準(IFRS)へ全面適用に変更した。(2005年6月2日ニュース イスラエル会計基準審議会(IASB) 参照)
欧州連合(EU)は、2005年までに「すべての上場会社にIASを適用する」ことを決めている。上記の2005年とはその意味である。EUは、2004年5月1日には10カ国(キプロス、チェコ共和国、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マルタ、ポーランド、スロバキア共和国、スロベニア)を加え25ヶ国となることが承認され、人口では四億五千万人の巨大市場となる。米国の2倍、日本の約4倍の規模。
2005年にIAS適用開始とは、IAS1号が比較情報(Comparative information)を開示することを要求していることから、前年度である2004年度の財務情報を開示することになる。2004年の財務情報を開示することは、12月決算の場合、前年度末の2003年12月31日現在の資産・負債・利益剰余金等を国際会計基準にしたがって測定・認識し確定しておく必要がある。2003年6月19日、IASBは組織再編成後はじめての会計基準IFRS1号「国際財務報告基準の適用初年度(First-time
Adoption of International Financial Reporting
Stamdards)」を公表した。2004年1月1日適用、早期適用可。
2003年10月7日、欧州証券規制委員会(The Committee of European Securities Regulators
(CESR))は、国際会計基準適用の過渡期の情報開示として、@2003年度決算で主要なIFRSの会計方針を記載し、A2004年度決算で国際会計基準との差異影響額の開示、B2005年で2004年度との比較情報および任意適用の四半期情報(IAS34号)に関する開示規則案(Preparing
for the implementation of International Financial
Reporting Standards (IFRS) )を提示している。米国SECの開示規制と類似している。CESRの草案にはどこに開示するか開示場所を明記していないが、米国SEC規則では新たな会計基準の適用方針や影響額を事前に「経営者の討議および分析(MD&A)」に開示する。
欧州連合の国際会計基準(IFRS)適用過渡期の情報開示 | |||
2003年 | 2004年 | 2005年 | |
法律の規定 Legal requirements |
各国の会計基準適用 ⇒ | ||
IFRS適用の2004年と比較表示 | ⇒国際会計基準(IFRS)適用 | ||
欧州証券規制委員会 (CESR) 情報開示規則案 |
| | | | ↓ |
| | ↓ | B任意適用の四半期情報(IAS34号) | |
↓ | A2004年度決算で国際会計基準との差異影響額の開示 | ||
@2003年度決算で主要なIFRSの会計方針を記載する | |||
参考: CESRと欧州財務報告助言グループ(EFRAG)および欧州委員会(EC)の関係は、「EFRAGの構造とメンバー」参照。 2003年12月30日、CESRは2005年にIFRS適用までの過渡期における投資家に対する効果的な情報開示が行われるように、@2003年度決算で、IFRS適用についての方針開示、A2004年度決算で、IFRSとの差異影響額の開示、B2005年1月1日から任意で四半期または半期報告書を開示する場合は、IAS34号「中間財務諸表」の会計基準に準拠することを推奨する、C2005年度決算のIFRS完全適用初年度に関する四つのマイルストーン(道標)となる助言書を公表した。(プレス・リリース CESR助言書 上記10月の規則案のコメントに対するフィードバック・声明書 参照) |
2002年7月、コンサルタント会社マッキンゼーは、31カ国200の機関投資家にアンケート調査した結果、90%以上がグローバルで統一した会計基準による開示を要望しているとしている。調査報告書 プレス・リリース 参照
2002年3月6日、金融庁は、「連結財務諸表規則」等を改正し米国SEC基準(米国会計基準)を公式に認めたが、国際会計基準については次のように回答しており認めていない。詳細は、金融庁の「パブリックコメント」をご覧ください。
一般からのコメント | 金融庁の回答 |
連結財務諸表規則及び中間連結財務諸表規則の 改正により、米国SEC基準を認めることになり ましたが、ドイツが認めているように、いずれ認 めざるを得ない国際会計基準で作成された財務諸表も認めるべきではないか。 | 国際会計基準により作成された連結財務諸表の提出を証券取引法上認めるかどうかについては、 我が国において長い開示実績をもつ米国基準とは異なる面もあるため、今後の検討課題と考えてい ます。 |
改正案において、米国市場に上場後は、日本基 準での連結財務諸表の作成をしなくてもよいので しょうか。 | SECに対し米国式連結財務諸表を登録してい る会社は、証券取引法上は、原則、米国式連結財務諸表を記載することをもって法の要請が満たさ れたことになるという趣旨です。 |
IASBに対する金融庁担当参事官の認識 | ||||||||
2002年12月6日(金)開催の企業会計審議会総会で、金融庁担当参事官は国際会計基準(IASB)に対する認識を下記のように明らかにしている。(詳細は「議事録」 参照) ●金融庁担当参事官発言: ある意味ではIASBの「行き過ぎ」にも「歯どめ」をかけていくということは、必要なことではないかという問題意識を私自身は持っております。またそのためにはどのように、的確に事態を把握し、ある意味では議論の偏りのないことを担保していただくためにはどのような手段があるのかといったことは非常に大事な課題であろうというふうに思っています。 もちろん強制力はIASBにはないわけでありますし、我が国では国内において何をどういうふうに合わせていくのかというものは、恐らくコスト・ベネフィットの観点から、考えていくことが必要であります。つまり会計基準自体によって、経済や産業の実態が左右されるというのは本末転倒ではないかというふうにも考えられるわけであります。 したがって、そういう観点から、IASBの議論というものにどういう「チェック」というのでしょうか、あるいは我が国の実情を具体的に反映をしながら議論をリードするなり、あるいは的確に偏りがないような形にしていくのかということは非常に大事な問題ではないかなというふうに思っています。 |
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参考資料:2002年10月、日本経済新聞の記者磯山友幸氏が「国際会計基準戦争」と題する著書を出版しました。現場を取材した視点から日本の会計がなぜ遅れたのかを探っています。最近の日本の会計制度を決めている現場を実名で活写しており貴重な資料となっています。真渕勝京都大教授の書評 参照 | ||||||||
参考資料: G A A P C O N V E R G E N C E 2 0 0 2 一般に認められた会計基準(GAAP)に収斂 2002年 Appendix Table 1 COUNTRIES SURVEYED IN GAAP CONVERGENCE 2002 一般に認められた会計基準(GAAP)に収斂 2002年 で調査した国
Table 2 COUNTRIES THAT DO NOT CURRENTLY INTEND TO CONVERGE WITH IFRS 現在、国際財務報告基準(IFRS)に収斂するつもりのない国
出展はインターネット上の下記のPDFファイルです。(2003年2月13日) http://www.iasplus.com/resource/gaap2002.pdf(6大会計事務所の共同調査報告書”GAAP Convergence 2002 ”) @なお、Icelandはノルウェー、リヒテンシュタインの3カ国と欧州連合との契約によって1994年に欧州経済地域(European Economic Area, EEA)を創設した。これにより、会計に関しては、欧州連合の会計指令および規則に従うことになっており2005年には国際会計基準を適用しなければならない。 この報告書は、会計普及国際フォーラム(IFAD、International Forum on Accountancy Development、メンバー及びオブザーバー)および国際的な事務所で紹介されている(各事務所のニュース 参照)。このような状況で日本の国際的な発言力を期待できるものか自明の理であろう。国際的な基準を使用しないためコーポレート・ガバナンスの面からも日本は評価が低い(「コーポレート・ガバナンス・・ヨーロッパの文脈(チャールズ・フェア氏筆)」の主要5カ国の国際比較 参照)。 IASC財団の2002年度年次報告書の2ページ目に、旧共産国及び発展途上国を含む各国の国際会計基準に対する対応が記載されているが、日本は掲載されていない。 |
監査報告書についての金融庁の見解 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
SECに対し米国式連結財務諸表を登録してい
る会社は、証券取引法上は、原則、米国式連結財務諸表を記載することをもって法の要請が満たさ
れたことになる、とのことから監査報告書に関して、02年2月22日、企業会計審議会の委員が金融庁の見解を下記のように引き出している。(詳細は「議事録」参照) ●委員発言: これは質問ですけれども、監査報告書の意味というか、要するに英語版のコピーなのか、全然別ものということになるのかというあたりをちょっとお聞きしたいのです。 ●金融庁課長補佐発言: 監査は日本の証券取引法に基づく監査でございますので、日本の監査人の方が日本基準に基づいて監査をしていただいて、米国基準の財務諸表を出していただく。 ただ、米国基準というのは、調整開示もありますが、一応ここではそれも含めていわゆる米国のルールで作成したという意味で、それ以上のことは厳密な意味で使っているわけではございません。監査は今までどおり、当然、日本の監査人に監査していただくということでございます。 一方、米国ではエンロン問題で企業改革法案(2002年サーべンス・オクスリー法案(SARBANES−OXLEY ACT OF 2002〕)が上院・下院の議会を可決し、ブッシュ大統領が7月30日に署名したことから発効した。この法律には、上場会社会計監視審議会(Public Company Accounting Oversight Board、略称PCAOB)を設置し会計事務所の監査の質等を監視するというものである。加えて、米国上場会社の監査を担当した外国の会計事務所も対象となるとしている。 2002年12月3日、金融庁は、監査役協会、三菱東京ファイナンシャルグループ、公認会計士協会、経済団体連合会、経済産業省、在米日本大使館と合同で、12月4日、5日の両日、「官民合同ミッション」がSEC、ニューヨーク証券取引所(NYSE)等を訪問する予定、と公表した。 本ミッションは、米国サーベーンズ=オクスリー法(企業会計改革法)の適用が我が国の監査法人及び米国上場の日本企業に及ぼす影響等にかんがみ、我が国監査法人及び企業について、106条(外国監査法人の監督)及び301条(公開会社の監査委員会)からの適用除外を求めている。 ドイツでは、301条(公開会社の監査委員会)について、ドイツは従業員代表が監査委員会に入っているので独立取締役の要請に制度的に受け入れられないと論理的に主張している。106条(外国監査法人の監督)については、米国証券市場に上場し米国投資家保護の為に米国会計基準で情報開示し米国監査基準を適用しており、監督除外は論理的に説得することは難しい。ドイツは反論していない。日本の官の対応は、日常は米国とは異なるとして米国と協調せず、いざとなると日本的な陳情に似ており、欧州企業の調査結果と多少異なる。 官民合同ミッションの米国訪問について (米国サーベーンズ=オクスリー法への対応) 参照 |
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IASB議長、日本の企業会計基準委員会(ASBJ)に定期協議を提案 (2004年7月14日、10月12日、2005年1月21日、3月10日、9月23日) |
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日本の会計、米欧と統合を=定期協議を提案−国際審議会代表
会計基準の世界的統一を目指している国際会計基準審議会(IASB)のトゥイーディー議長は7月14日都内で記者会見し、同審議会が策定した「国際会計基準」と日本の基準の統合に向け、定期協議の場を設けるよう、日本側の企業会計基準委員会に提案したことを明らかにした。提案を受け同委員会は、どの会計項目を協議対象とするか検討に入る。 (時事通信) [2004年7月14日21時2分更新] ASB側は、IASBから正式に文書で依頼があった時点で、デイビッド・トゥイーディー議長の提案を受けるかどうか検討するとしている。(eトーマツ より) JICPAジャーナル2004年9月号(8月発行)に「国際的な会計基準の統合をめぐって」と題して、IASBボードメンバーの山田会計士の司会でデイビッド・トゥイーディーIASB議長と藤沼日本公認会計士協会会長との対談でも、トゥイーディー議長は「まだ口頭で提案したというだけですが、正式に文書で、こういうことができないだろうかと、提案するつもりです」と語っている。 これらの報道に対し、企業会計基準委員会のホームページには一切記載は無い。なぜ、日本から提案しないのであろうか? 当然、国際会計基準審議会(IASB)のHPのニュースにこの件のことは取り上げてはいない。 2004年10月12日、IASBおよび企業会計基準委員会は、「日本の企業会計基準委員会とIASBは相互の差異を縮小するための話し合いをスタートさせた」旨、公表した。(IASBのプレスリリース 企業会計基準委員会のプレスリリース 参照) 当初の話から既に3ヶ月が経過している。しかし、具体的な内容は何ら示されていない。 しかしながら、IASB議長デビット・トゥイディ氏は次のように議論の方針・会計基準の基本を語っている。
日本の上場会社の会計は、商法、証券取引法および税法の三つの法律を基礎に行われ、法形式(Legal form)を重視する、これを「会計のトライアングル体制」と呼ばれている。米国・英国および国際会計基準が表示しようとする経済的実態(Economic substance),つまり「形式を超えて企業の実態(substance over form)を適正表示(fair presentation)」するのとは対照的である。 2004年9月28日のフィナンシャルタイムズにIASB議長デビット・トゥイディ氏は、次のように述べている。 Japan has one of the most opaque financial reporting systems in the world and, consequently, Japanese companies have difficulties listing elsewhere. The IASB has offered a convergence project to help address these problems and explore issues of best practice. “We have asked them to look at the differences between our standards and theirs,” explains Sir David, “and if they have got something better we will take it on board.” 2004年12月21日、金融庁はCESR(欧州証券規制当局委員会:EU加盟各国の証券規制当局で構成)に対しコメント・レターを発出した「日本の会計基準は、会計ビッグバンを通じて急速に整備され、国際的な会計基準と整合性があり、同等。」という見解は、上記の通り、「日本は、世界で最も不透明な財務報告制度を持つ国の一つで、それにより、日本企業はほかのところで上場するのに困難なところがある。」とする海外からの一般的な認識とは対極にあると言えよう。なお、22日付で、企業会計基準委員会も金融庁と同様のコメント(英文)をCESRに送付している。 (日本からのIASC評議委員の意見:「独自基準に固執する日本と見られている」by田近耕次氏(2004年12月)、「会計基準のグローバル化とわが国の責務」by福間年勝氏 参照) 企業会計基準委員会の法的位置づけは不明・不透明である(「2004年11月29日企業会計審議会での西川ASBJ副委員長および池田金融庁企業開示参事官の発言」より)。 2005年1月21日、IASBおよび企業会計基準委員会は、同時に、「共同プロジェクトの進め方に合意(IASB and Accounting Standards Board of Japan agree to next steps in launching joint project for convergence )」を公表した。日本側が相違点を明かにして、どれをテーマに選ぶのか決めるので、2005年第1四半期(3月頃)に初会合を開くとしているが、まだ先の長い話。昨年7月の提案から半年、遅々として進まぬ話し合い。 2005年3月9日と10日に、IASB議長デビット・トゥイディ氏一行が訪日し企業会計基準委員会(ASBJ)を訪問、共同プロジェクトの作業を開始した旨、IASPLUSは伝えている。日本側が検討したくない事項が沢山あることに注意すべき。 ●日本側が提示した最初の検討事項は、(ASBJ過去データ→過去を消去している不思議 参照) @たな卸資産の評価(IAS1号)、 Aセグメント情報(IAS14号)、 B関連当事者の開示(IAS24号)、 C海外子会社の会計方針の統一(IAS27号)、 D投資不動産(IAS40号)の5件のみで、すべて日本に会計基準としては存在しないもの。 検討日程などは示されていないので結論がいつになるか不明。次の代表者の会議は9月にロンドンで会合を持つとしている。 セグメント情報(IAS14号)については、2005年1月の会合で、米国のSFAS131(マネジメント・アプローチ)で「経営者の検討と分析(MD&A)」と整合した基準に改正することが決定している。カナダも合意している。(新IAS14号の改正 参照) 2005年9月23日、ASBJとIASBは第二回目の共同プロジェクトをロンドンで開催した。上記五項目に加えて、EIAS32号「金融商品の開示および表示」の差異の一つである新株発行費の表示(include presentation of costs of issuing additional shares)を含めることで合意したとしています。第一フェーズで6項目の検討が行われるそうです。次回は東京で2006年3月行われるとのこと。(企業会計基準委員会ニュース SBJ2006年1月31日「コンバージェンスへの取り組み」より)
2005年11月7日と8日に、中国財務省(MOF)の中国会計基準委員会(CASC)と国際会計基準審議会(IASB)が北京で会合を開き、中国の一般企業の会計基準を国際会計基準(IAS)と共通化することで合意した。中国は年内にもIASに合わせた企業合併や金融商品に絡む会計ルールづくりを完了する。中国企業の国際化に対応する一方、資本市場の信頼性の向上を目指すのが狙い。 共通化するのは非上場企業を含めて、中国企業全般に適用されている会計基準。現在は、外国人投資家が投資可能な外貨建てのB株について、中国基準に加えIASに沿った決算内容も開示することになっている。(日本経済新聞2005年11月14日 IASBの2005年11月14日のニュース CASCとIASBの共同声明 Wang Jun氏(財政部の王軍・副部長) 参照) 12月22日には、Wang Jun氏(中国監査基準審議会CASB議長でもある)は、ニューヨークの会合で、監査基準でも国際監査・保証基準(IAASB)と収斂することで合意し共同声明書を公表した。 ちなみに、中国の企業会計基準は・・「Accounting Standard for Business Enterprises」参照 中国の企業会計システムは「Accounting System for Business Enterprises」参照 中国の会計法は「Accounting Law(和訳要点)」参照
2006年1月から、国際会計基準委員会の評議委員(Trustee)に中国はLiu Zhongli氏, President, Chinese Institute of Certified Public Accountants; former Minister, Ministry of Finance, People's Republic of Chinaを投入した。元財務大臣で中国公認会計士協会会長である。(2005年4月のイングランド・ウェールズ勅許会計士協会でのスピーチ 参照)ちなみに、米国は前・公開会社会計監視審議会PCAOBの議長・元ニューヨーク連邦準備銀行の議長であったWilliam McDonough氏である。(2005年12月21日IASBとIASC財団ニュース 参照) 2006年2月15日(水曜日)、フィナンシャルタイムスは、中国が国際会計基準に類似した新たな会計基準を2007年1月から上場会社に適用することに合意したと伝えた(new chinese accouting standardsの英語ニュース 中国会計基準の日本語ニュース IASBニュース「中国国際基準に収斂を再確認」参照 )。 また、IASPLUSは、基本原則に1号の「たな卸資産」から38号の会計基準の初年度適用」までの39の会計基準をとめた「2007年適用の新会計基準のインデックス」(中国語原文)を公表した。IASPLUSによれば、財務省は、国際基準に類似した48の新たな監査基準も採用したと伝えている。なお、1993年からデロイトは財務省の会計・監査制度構築の支援を行ってきているとしている。(中国会計基準委員会(CASC)ニュース IASBニュース 参照) Lou Jiwei, Chinese Vice Minister of Finance said: "The new standards are in line with international practices, but not simply a copy of them. They are based on China's current situation. There are differences, but these differences are acknowledged by the International Accounting Standards Board." (CCTV.COM CASCメンバー 参照) 中国財政省は15日北京で、一連の企業会計基準や会計士登録審査基準を発表しました。「これは中国が初めて国際基準に見合った企業会計士登録審査のシステムを構築したシンボルと言える」と金人慶(Jin Renqing)財政相が述べました。 (中国財政部プレスリリース 北京週報 CRI Online 中国の国家機構 中国公認会計士協会の「友情リンク」には日本公認会計士協会はない。 参照) 2006年5月2日、中国証券管理委員会(CSRC)と米国証券取引委員会(SEC)は、対話を促進することで合意し、会計基準の国際会計基準への収斂、両国の報告基準の調和などに関して検討するとしている(SEC速報 参照)。(日本もSECと協調・対話する旨、2006年1月30日に公表しているが、中国の方が具体的・・SEC速報 金融庁「日米ハイレベル証券市場対話」・・SECの英文と異なり曖昧で具体性に乏しい。 参照) 欧州連合(EU)域内市場コミッショナー、チャリー・マクリービー氏が、2006年5月15日から19日まで、中国(北京・上海・香港)を訪問し中国当局と会計基準・上場規制などについて対話を開始した。(EUニュース 会計・監査基準の協働について(16日北京) チャリー・マクリービー氏のスピーチ(18日上海・上場規制について) ロイター 16日新華通信ネットジャパン 参照)⇒2007年6月13日、チャーリー・マクリービー氏中国を訪問し「2008年末までに中国の会計基準・監査基準について国際基準と同等であると認める」と語った。(ニュース参照) 日本側(ASBJ)がIASBに対して検討項目を3項目追加で合意 2006年3月2日、ASBJとIASBは東京で第三回目の会合を行い、下記三つの検討項目を加えることで合意した。
3月2日行われた「インターナショナル・カンファランス−会計基準のコンバージェンス(収斂)に向けて−」では、企業結合の会計基準に関する国際会計基準審議会理事等とのパネルディスカッションで興味深い話が交わされたようである。(「会計バトル」blog 参照)なお、米FASBとIASBは企業結合の会計基準草案を共同して作成し公表しており一つの結論を見出している。コメント待ちの状況にある。 ●2006年5月19日、企業会計基準委員会ASBJは、米国財務会計基準審議会(FASB)とグローバル・コンバージェンスを目指して協議を開催したと報じた。しかし、ゴール(例えば、いつまでに米国が日本基準との差異調整を解消することを目標とするなど)が何なのか具体性を欠く協議で、FASBもマスコミもこの協議について報じてはいない。日本側は既に米国基準を受け入れており、米側にこの協議は何のメリットもない話。 ●2006年6月、日本経団連は「会計基準のコンバージェンスに対する経済界の考え方を公表」し日本経団連として会計基準のコンバージェンスの加速化を支持する立場を表明した。初めてのことである。 ●日本政府が一転して「会計基準の国際的な収斂の促進を指示」(2006年7月) 2006年7月7日、日本政府は「骨太の方針2006」を閣議決定し、その12ページには、「平成21年(2009年)に向けた国際的な動向を踏まえ、会計基準の国際的な収斂の推進を図る。」と指示している。
【注意:@国際基準の表示(IAS1号)は、2期比較であることから、2009年だけでなく2008年も同一基準の財務諸表を作成する必要があり2007年末の在庫評価(IAS2号)など2007年末の貸借対照表を確定しておかなくてはならない(IFRS1号)、A監査も国際基準が求められ欧州と同様に国際監査基準の適用も制度化する必要がある。26項目に及ぶ相違を、2009年に国際基準に収斂させるための日程は残されていない。】 「M&A(企業の合併・買収)の会計処理に適用する企業結合会計などが修正要求の対象で、金融庁はEUの要請に応じる意向(2006年7月29日日本経済新聞)」(ニュース 参照) ちなみに、米国財務会計基準審議会(FASB)と国際会計基準審議会(IASB)のジョイント・プロジェクトの「工程表」は公表されており透明性が高く関係者の理解を得易くなっている。FASB全体の工程表も適時に公開されている。 ●2006年8月2日、米国証券取引委員会(SEC)と欧州証券規制委員会(CESR)は、両市場に上場会社の財務報告に関し、高品質の会計基準の開発、国際基準の高品質で一貫した適用、両市場での適用に関する相互理解、国際基準と米国基準の整合ある規制および適用に係る共同作業を開始した。半年に1回会合し、必要と認めた場合は追加会合することを決めた。(SEC速報 会計共通化のニュース 参照) ▲2006年8月22日、ロンドン証券取引所のAIMが日本の会計基準を認めないとするルール(AIM22)を公表した。2005年12月21日の当初案では、米国会計基準に加えて日本の会計基準も認める案であったが最終的に日本の会計基準は認めないこととなった。(日本語ニュース 参照) 米国は2008年までに欧州と相互調整し、カナダは5年内に、オーストラリアは2005年に国際会計基準に移行することを表明していた。日本だけが理解不能・不明瞭・曖昧であった。(孤立の日本 参照) 2007年2月20日、ロンドン証券取引所AIMは、改定ルール(AIM27)を公表し、19項で、年次報告書について日本の会計基準で作成した財務諸表でもよいと変更した。 AIMとは、Alternative Investment Marketの略称で、国際的な新興の小さな成長企業(smaller growing companies)を対象とし、投資家は95%が機関投資家(投資の専門家)というユニークな市場で、1995年ロンドン証券取引所に創設し2006年8月16日現在約1590社が上場している。2006年7月16日、指紋認証技術をもった日本企業のセキュアデザイン(株)(Secure Design Institute KK (SDI) )が初めてAIMへ上場している(AIMニュース SDI社のプレスリリース 参照) セキュアデザイン(株)は、2009年3月より社名を変更しBgenuineTec Inc この会社の情報開示を例にすると、Normadが管理しているとは言い難くAIM市場はかなりいい加減といえる。 2009年9月7日、突如2009年6月末をもって会計監査人の交代が発表された。信じられない・・・・・ なお、東証がAIM(エイム)として2009年6月開始としているが、成功する確率はかなり低い。ロンドン証券取引所に買収されたイタリア証券取引所(上場企業300社と小さく国営取引所であった)のみが東証同様にAIMを開設している。
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会計に関する限り日本の対応を見るに、戦前、日本が国際連盟を脱退し孤立し戦争に突入、松岡洋右外相をして「一生の不覚」と言わしめた状況と重なるようだ。ただし、戦前のように日本の味方となる国は今はない。
日本の会計が孤立しているということは、日本企業はグローバルに事業を展開しており、近い将来、海外子会社が国際会計基準で作成した財務諸表で、日本の親会社・子会社は日本基準で作成した財務諸表を連結するという奇妙な連結財務諸表が作成されることになろう。奇妙な連結財務諸表とは、連結決算の「会計方針の統一」という命題を逸脱することになるからである。
資金調達の面からは、日本企業が欧州市場でファイナンスする場合、2007年以降は国際会計基準での開示を要求されるか、または、国際会計基準との差異調整表の開示を求められる(ユーロネクストが2004年から求めている)ことが予想されよう。そうなると、一企業の問題ではなく日本の会計制度の問題で、日本企業は機動的な資金調達ができなくなり国際的に大きなハンデを負う事となろう。
1995年、IOSCOは、国際会計基準が包括的な基準として承認するためには、「国際的な公募および上場をする企業の会計基準(コア・スタンダード・・核となる基準)として必要な構成をもち完成したものであること」で合意し、40項目にのぼる個別会計基準(コア・スタンダード)をIASに提示した。信頼できる財務情報は、信頼できる完成した会計基準が必要であるということである。(IOSCOのコア・スタンダードに関しては、福岡大学講師長束航氏が翻訳した「アメリカ証券市場の国際的優位性の促進に関する報告書(SEC;1997年10月)」が詳しい。)
1995年7月、IOSCOは、IAS第7号(キャッシュフロー計算書)を承認し、既に現存する14件の個別会計基準については追加的改善は求めなかった。
40項目のコア・スタンダードの内容と作業状況は下記の通りである。
なお、1998年12月、国際会計基準第39号「金融商品:認識と測定」の決定で、コア・スタンダードは完成した。IOSCOは完成した国際会計基準の承認に関する検討に入っており、2000年の初めに、ISCOのメンバーに、外国会社が国際的な公募及び上場をするために、国内基準に代えて国際会計基準を使用することを許す勧告をするかどうかを決めることになっている。
証券監督者国際機構(IOSCO)がIASを承認(2000年5月):
2000年5月17日、IOSCOは、「外国会社が国際的に資金調達する際に使用する財務諸表の作成基準として国際会計基準(IAS)を認める」と表明した。
1999年末現在の主要国証券取引所の上場会社数内訳は次の通り。
証券取引所 | 国内会社 | 外国会社 | 上場会社合計 | IOSCOのIAS承認は外国会社の情報開示である。 日本の外国会社の上場数が極端に少ない。 経済大国の日本、個人金融資産1300兆円の日本市場 に世界は魅力を感じているが、この結果は、証券行政の 閉鎖性・排他性の結果といっては言い過ぎであろうか。 欧州では、2000年に8カ国の証券取引所の統合を控え、 イニシアチブを握ろうとドイツ、フランス、イギリスが競って 国際化を進めている。 ナスダックは日本進出に象徴されるように外国会社の上場 を促し、ニューヨク証券取引所も外国会社の上場を競っている。 |
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ニューヨーク証券取引所 | 2,619 | 406 | 3,025 | |||||||||||
ナスダック | 4,400 | 429 | 4,829 | |||||||||||
東京証券取引所 | 1,892 | 43 | 1,935 | |||||||||||
大阪証券取引所 | 1,281 | 0 | 1,281 | |||||||||||
ドイツ取引所 | 617 | 234 | 851 | |||||||||||
パリ証券取引所 | 968 | 176 | 1,144 | |||||||||||
ロンドン証券取引所 | 1,826 | 448 | 2,274 | |||||||||||
(出所:証券取引所国際連盟FIBV) | ||||||||||||||
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IOSCOのIASの承認により、やがて、(1)企業にとってはIASで作成された財務諸表一つで、IOSCOメンバー国の証券取引所で上場し証券(株式及び社債など)の発行が可能となったり、(2)投資家にとっては、どの国の企業の財務諸表も統一した基準で開示されるため理解しやすくなり利便性が高まるなどで、株式・社債などの発行・流通に拍車をかけることになろう。
1988年、米国SEC(証券取引委員会)や日本の大蔵省などの各国の証券監督者(証券市場規制当局)が、企業の外国資本市場での資金調達活動の著しい拡大に対応して結成された。(1)投資家保護、(2)市場が公正、効率的で透明性を高める、(3)制度上のリスクを減少するという三つの目的を達成するために証券監督者の証券行政に関する基準(principles)を設定している。
IOSCOは、国際会計基準委員会(IASC)の諮問グループのメンバーとなって支援しており、自らは会計基準を設定していない。国際会計基準委員会がIOSCOが要請した40項目に上るコア・スタンダードを完成した場合、投資家保護のために、上記の条件を満たしたものであれば国際会計基準を認めようとしている。 同じ証券監督局である米国SECも同様に、開設以来、米国会計基準を自ら設定してこなかったし、設定していない。SECは、明文で財務会計基準審議会(FASB)に会計基準設定に関して委ねている。設定している会計基準は「企業」に限定されず、財務情報の開示全般に渡り、非営利団体、地方自治体など広範にわたる。 我が大蔵省は、証券取引法のもとに「会計基準の設定」と「証券行政」の双方の権限を持ち行っている。 先進国では、「会計基準」の設定機関は独立しており、政策的に歪められることなく中立的な立場で設定している。先進国で証券監督局が会計基準を設定している国は日本以外にない。 2000年5月17日、IOSCOが国際会計基準を承認したが、IOSCOのメンバーである日本の大蔵省が、いつどのように対応するか注目されるところである。⇒◆金融庁はIOSCOに法的拘束力なしとしてIASを無視する方針をとる。 「企業会計・開示制度における世界的潮流」by旧大蔵省 「証券監督者国際機構(IOSCO)による国際会計基準(IAS)の承認」byJICPAが後に纏めたもの |
40項目にのぼるコアスタンダードとIASCが設定した国際会計基準(IAS)
1998年12月IAS第39号「金融商品:認識と測定」が成立したことでコア・スタンダードを国際会計基準に具体化し完成しました。
1995年設定のコア・スタンダード | 現行国際会計基準書(IAS) 第1号から第39号まで (設定年or最終改正年) |
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1 | 会計方針の開示 | IAS 1(1997年) |
2 | 会計方針の変更 | IAS 8(1993年) |
3 | 財務諸表に開示する情報 | IAS 1(1997年) |
損益計算書関係: | ||
4 | 収益の認識 | IAS 18(1993年) |
5 | 工事契約 | IAS 11(1993年) |
6 | 生産および仕入原価 | IAS 2(1993年) |
7 | 減価償却 | IAS 4(1974年)& IAS 16(1998年) |
8 | 資産の欠損(Impairment) | IAS 36(1998年) |
9 | 税金 | IAS 12(1996年) |
10 | 臨時項目 | IAS 8(1993年) |
11 | 政府の補助金 | IAS 20(1982年) |
12 | 退職給付 | IAS 19(1998年) |
13 | その他の従業員給付 | IAS 19(1998年) |
14 | 研究開発費 | IAS 38(1998年) |
15 | 利息 | IAS 23(1993年) |
16 | ヘッジング | IAS 39(1998年) |
貸借対照表関係: | ||
17 | 有形固定資産 | IAS 16(1998年) |
18 | リース | IAS 17(1997年) |
19 | 棚卸資産 | IAS 2(1993年) |
20 | 繰延税金 | IAS 12(1996年) |
21 | 外国通貨 | IAS 21(1993年) |
22 | 投資 | IAS 39(1998年) |
23 | 金融商品/簿外貸借対照表項目 | IAS 32(1998年)& IAS 39(1998年) |
24 | ジョイントベンチャー | IAS 31 (1990年) |
25 | 偶発事象 | IAS 37(1998年) |
26 | 後発事象 | IAS 10(1999年) |
27 | 流動資産および流動負債 | IAS 1(1997年) |
28 | 企業結合(営業権を含む) | IAS 22(1998年) |
29 | 研究費・営業権以外の無形固定資産 | IAS 38(1998年) |
キャッシュフロー計算書: | ||
30 | キャッシュフロー計算書 | IAS 7(1992年) |
その他の基準: | ||
31 | 連結財務諸表 | IAS 27(1988年) |
32 | 超インフレーション経済下の子会社 | IAS 21(1993年)& IAS 29(1989年) |
33 | 関連会社と持分法 | IAS 28 (1988年) |
34 | セグメント報告 | IAS 14(1997年) |
35 | 中間財務諸表 | IAS 34(1998年) |
36 | 一株当たり利益 | IAS 33(1997年) |
37 | 関連当事者の開示 | IAS 24(1994年) |
38 | 事業部門の廃止 | IAS 35(1998年) |
39 | 基本的誤謬 | IAS 8(1993年) |
40 | 見積もりの変更 | IAS 8(1993年) |
以下のリストは、2009年12月現在有効となっている国際会計基準です。
2009年4月から、IASBは「国際会計基準の最新版」を無償で公開しました。ただし、登録が必要です。商用禁止です。
ドイツ語、フランス語、イタリア語、オランダ語、スペイン語への翻訳版は”こちら”。残念ですが日本語への翻訳版はありません。
2003年10月13日付け欧州連合(EU)のOfficial Journal of the European Union では、IAS1号から41号、解釈指針1号から33号までの原文および各国語に翻訳されたものを掲載しています。なお、2004年12月29日、「2005年1月から適用する国際会計基準(解釈指針含む)」が承認されました(「欧州委員会が適用した国際会計基準」参照)。
2006年7月24日、IASBは、2009年1月1日までは新たな会計基準や現存の会計基準の変更について適用を凍結することを発表した。頻繁な会計基準の公表や改正が各国の翻訳・法律化の時間的制約もあって追いつかないという要請に応え、かつ、欧州のIFRSの適用定着を見据えることもあって適用を凍結した。この2009年の設定は、まだIFRSを適用していない国々に新たに適用するターゲットの日を提供することにもなるだろう。(IASBのニュース 参照)・・・暗に日本に向けて凍結しているかのようである。
2010年6月15日、日本公認会計士協会は、「IFRS及びIASのテクニカル・サマリーを翻訳」し、IFRSサイトに掲載しました。
なお、現在、IASPlusが現在有効な国際会計基準(IFRS、IAS、IFRIC、SIC等)を最新版にしています。
米国では、2011年度より公認会計士の試験科目にIFRSが入り、IFRSに関する受験参考書やIFRS実務に関する本が売られている。米国会計・監査実務では欧州企業の米国子会社は親会社の連結決算目的でIFRSの財務諸表の作成及び監査実務が行われている。こうした会計・監査実務から国際会計基準(IFRS)の実務は着実に広がりを見せている。
なお、下記IFRSは、国際公会計基準(IPSAS)の基礎にもなっている。
金融庁が指定国際会計基準としているものは次の通り(平成24年5月11日・・指定国際会計基準)である。
基準書 NO | 会計基準の表題 | 当初発効日 |
IFRS 1 | 国際財務報告基準の適用初年度 | 2004年1月 |
IFRS 2 | 株式報酬(ストックオプション) | 2005年1月 |
IFRS 3 | 企業結合 | 2005年1月 |
IFRS 4 | 保険契約 | 2005年1月 |
IFRS 5 | 売却の為に保有する固定資産および廃止事業(非継続事業) | 2005年1月 |
IFRS 6 | 天然資源の探査と評価 (鉱業、石油およびガス) | 2006年1月 |
IFRS 7 | 金融商品:開示 (IAS32,39号を補足するもの) | 2007年1月 |
IFRS 8 | 事業セグメント(IAS14号を改定) | 2009年1月以降 |
IFRS 9 | 金融商品(IAS39号を改定、フェーズ3は2010年に完成予定) | 2015年1月以降 |
IFRS10 | 連結財務諸表 - IAS27を改定 (IFRS10〜12とIAS28の関係) ・・・投資企業の投資は公正価値で評価し連結しない(2012年10月改定) |
2013年1月以降 2014年1月以降改定 |
IFRS11 | 共同支配契約- IAS31を廃止する。 | 2013年1月以降 |
IFRS12 | (関係会社等の)他事業体に対する持分の開示 | 2013年1月以降 |
IFRS13 | 公正価値測定 | 2013年1月以降 |
IFRS14 | 規制繰延勘定 | 2016年1月以降 |
IFRS15 | 顧客との契約から生ずる収益 | 2018年1月以降 |
IFRS16 | リース会計 (IAS17を改定) | 2019年1月以降 |
IAS 1 | 財務諸表の表示(IAS 1の改定版は1998年7月適用) | 1998年7月 |
IAS 2 | たな卸資産 | 1976年1月 |
IAS 3 | 連結財務諸表−IAS 27に改訂 | 廃止 |
IAS 4 | 減価償却―IAS16及びIAS38に改訂 | 廃止 |
IAS 5 | 財務諸表に開示すべき情報 -IAS 1に改訂 | 廃止 |
IAS 6 | 物価変動会計−IAS 15 に改訂 | 廃止 |
IAS 7 | キャッシュフロー計算書 | 1979年1月 |
IAS 8 | 期間損益、基本的な誤謬および会計方針の変更 | 1979年1月 |
IAS 9 | 研究開発費―IAS38に改訂 | 廃止 |
IAS 10 | 貸借対照表日後の後発事象 | 2000年1月 |
IAS 11 | 工事契約 | 1980年1月 |
IAS 12 | 法人所得税 (IAS 12改定に伴い1998年1月適用) | 1981年1月 |
IAS 13 | 流動資産および流動負債 - IAS1に改定 | 廃止 |
IAS 14 | セグメント報告 (2006年11月、IFRS8号に改定) | 1998年7月 (IFRS8号に改定) |
IAS 15 | 物価変動の影響に関する情報ー2003年12月廃止(2005年1月から廃止) | 廃止 |
IAS 16 | 有形固定資産 | 1983年1月 |
IAS 17 | リース会計 (IFRS16号へ改定) | 1984年1月 |
IAS 18 | 収入 | 1984年1月 |
IAS 19 | 退職給付:事業主の退職給付の会計含む | 1985年1月 |
IAS 20 | 政府補助金の会計と政府援助金の開示 | 1984年1月 |
IAS 21 | 外国為替の変動の影響 | 1985年1月 |
IAS 22 | 企業結合(1998年改定)ー2004年3月IFRS3に改訂 | 廃止 |
IAS 23 | 借入コスト | 1986年1月 |
IAS 24 | 関連当事者の開示 | 1986年1月 |
IAS 25 | 投資の会計―IAS39及びIAS40に改訂 | 廃止 |
IAS 26 | 退職給付制度の会計と報告 | 1988年1月 |
IAS 27 | 連結財務諸表および個別財務諸表 | 1990年1月 |
IAS 28 | 関連会社に対する投資 | 1990年1月 |
IAS 29 | 超インフレ(ハイパーインフレーション)経済下の財務報告 | 1990年1月 |
IAS 30 | 銀行および類似金融機関の開示 | 1991年1月 |
IAS 31 | ジョイントベンチャーの持分の財務報告 | 1992年1月 |
IAS 32 | 金融商品:表示 | 1996年1月 |
IAS 33 | 一株あたり利益 | 1998年1月 |
IAS 34 | 中間財務報告 | 1999年1月 |
IAS 35 | 廃止事業―2004年3月IFRS5に改訂 | 廃止 |
IAS 36 | 資産の減損 (Impairment of Assets) ―2004年3月IFRS3で一部改訂 |
1999年7月 |
IAS 37 | 引当金、偶発債務および偶発資産 | 1999年7月 |
IAS 38 | 無形固定資産―2004年3月IFRS3で一部改訂 研究費(research)は無形固定資産にしてはならない(54項)、 開発費(development)は一定の条件で無形固定資産とする(57項)。 |
1999年7月 |
IAS 39 | 金融商品:認識及び測定 −2004年3月マクロヘッジ会計を認める一部改訂 −2010年末、IFRS9号成立によって廃止予定(2012年まで適用可能) |
2001年1月 |
IAS 40 | 投資不動産 | 2001年1月 |
IAS 41 | 農業会計 | 2003年1月 |
2009年6月、国際会計基準審議会(IASB)は、Management
Commentary (公開草案)を公表し、2010年3月1日までにコメントを求めている。
1.This guidance
prescribes a framework for the preparation and presentation of management
commentary to assist management in preparing decision-useful management
commentary to accompany financial statements prepared in accordance with
International Financial Reporting Standards (IFRSs).
5.Management commentary
encompasses reporting that is described in various jurisdictions as
management’s discussion and analysis (MD&A), operating and
financial review (OFR), or management’s report.
MD&Aは米国、OFRは英国、management's
reportはスイス企業などの開示、IFRSのmanagement
commentaryの事例がある。
2009年7月9日、国際会計基準審議会(IASB)は「中小企業のIFRS(231ページ)」を公表した。これは、上記完成したIFRSとは別途独立した基準で、中小企業に特化し簡略化した基準である。(IFRSプレスリリース ファクトシート 基準をWebから入手するには登録してパスワードが必要・・例示によるガイダンスを含む。「中小企業のIFRSの一覧」参照)
この会計基準での中小企業の定義は以下の通り。
Small and medium-sized entities are entities that:
(a) do not have public accountability, and
(b) publish general purpose financial statements for external users. Examples of external users include owners who are
not involved in managing the business, existing and potential creditors,
and credit rating agencies.
上記上場場会社のIFRSとの主な相違点は、中小企業の特性を反映して、以下の通りである。
1.企業年金、リースおよび金融商品などを含む多くの項目で開示の簡素化が行われている。
2.のれん及び耐用年数のある無形固定資産は、10年を超えない期間で償却する。
(中小企業の場合、専門家やコストを必要とする減損会計より簡単ということで10年償却となった:BC109)
3.研究開発費はすべて費用化
(中小企業には商品化できるものは僅かで、その証拠も僅かとの財務諸表作成者、監査人、銀行家の意見による:BC113)
4.簡素化した一時差異に関する法人所得税の会計。
5.減損会計の戻入は一定の条件に一致した場合許容される。
6.中間財務諸表はない。
7.一株あたり利益の表示はない。
8.キャッシュ・フロー計算書の間接法は純利益より表示。法人所得税の納付額は脚注表示。
中小企業のIFRS財務諸表の例示および表示・開示チェックリスト(2009年)・・資産・負債は流動性配列法で表示している。
ちなみに、米国公認会計士協会(AICPA IFRS Resources )はこの会計基準の性格についてHPをもって啓蒙している。(International Financial Reporting Standard for Small- and Medium-Sized
Entities 参照)
また、米国GAAPと中小企業のIFRSの相違点を公認会計士AICPAが皆で編集しようとするWikiが公開されている。米国会計基準とIFRSの相違を知るのに参考となる。⇒IFRS for SMEs ― U.S. GAAP Comparison Wiki
米国公認会計士協会(AICPA)は、ルール202及び203のアペンディックスAを改定して、IASBを会計基準設定の主体として認め、米国公認会計士にIFRSの仕事ができるようにした。法定目的(州ごとの会社法など)は、州ごとに適用されるので、会計士は自分の州がIFRSの適用ができるかチェックする必要がある。
米国以外の国が、法定目的で(statutory purposes)IFRSの適用を強制したり許容し続けることで海外子会社がIFRSを適用する経験が強く影響するし、加えて、中小企業のIFRSガイダンスの公表はグローバルにIFRS適用を促進するだろう、としている。(PwCの見解 参照)
一方、英国では、2009年8月11日、会計基準審議会(ASB)は、現在、Tier1といわれる上場会社はIFRSを適用し、Tier2といわれる中規模企業は中小企業のIFRS(IFRS for SMEs)を、Tier3といわれる小規模企業は英国の中小企業の会計基準(Financial Reporting Standard for Smaller Entities
(FRSSE) )を適用するかIFRSの中小企業会計基準の選択適用を認める提案をしている。2010年2月1日までにコメントを募集している。2012年1月からの選択適用を提案しており、比較財務諸表のため2011年1月からの財務諸表が必要となることから時間的な余裕がないとしている。(「方針提案:英国GAAPの将来」 デロイトのコメント 参照)
2010年1月22日、企業会計基準委員会・IFRS対応会議は、「非上場会社の会計基準に関する懇談会(仮称)」を設置したと公表した。「本懇談会は、今後、日本の会計基準の国際化を進めるにあたって、非上場会社への影響を回避又は最小限にとどめる必要があるなどの意見を踏まえ、非上場会社に適用される会計基準のあり方について幅広く検討することを予定しております」とのことで何も方向性を示していない。英国、ドイツ、米国は既に議論し方向性は見えている。ドイツ方式に近いものとなろう。
The timetable (also available to download in PDF) shows the current best estimate of document publication dates. The effective date of amendments and new standards is usually 6-18 months after publication date, although in setting an effective date the Board considers all relevant factors. In appropriate circumstances, early adoption of new standards will be allowed.
The work plan anticipates the completion of several projects in 2010 and 2011. The Board will consider staggering effective dates of standards to help entities that apply IFRSs undertake an orderly transition to any new requirements.
The Board undertakes this work using its established due process, including consultation with interested parties. The timetable for completion is subject to change depending on input received throughout a project’s development.
To see recently completed projects,click here (updated November 2009).
Financial Crisis related projects金融危機関連プロジェクト | |||||||||
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Estimated publication date |
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2009 Q4
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2010 Q1
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2010 Q2
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2010 Q3
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2010 Q4
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2011 H1
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2011 H2
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MoU [Note 1] |
Joint [Note 2] |
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X |
X |
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Derecognition 非認識 |
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Fair
value measurement guidance |
RT |
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X |
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Financial
instruments (IAS 39 replacement) |
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X |
X |
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Impairment [ED, comments due by 30 June 2010] |
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X |
X |
Hedge accounting ヘッジ会計
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ED |
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IFRS |
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Memorandum of Understanding projects (米国FASBとの)MoUプロジェクト | |||||||||
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Estimated publication date |
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2009 Q4
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2010 Q1
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2010 Q2
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2010 Q3
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2010 Q4
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2011 H1
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2011 H2
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MoU [Note 1] |
Joint [Note 2] |
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Financial
statement presentation |
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Discontinued operations非継続事業 |
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X |
X |
Statement of comprehensive income |
ED |
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Replacement of IAS 1 and IAS 7 |
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ED |
IFRS |
X | X | ||||
FI
with characteristics of equity |
ED |
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X | X | ||||
Income taxes3 法人所得税 |
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X |
X |
Joint ventures ジョイントベンチャー |
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Leases リース |
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X |
X |
Post-employment
benefits (incl. pensions) |
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ED |
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IFRS |
X | ||
Revenue recognition 収入の認識 |
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ED |
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IFRS |
X | X | |
Other Projects その他のプロジェクト | |||||||||
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Estimated publication date |
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2009 Q4
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2010 Q1
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2010 Q2
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2010 Q3
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2010 Q4
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2011 H1
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2011 H2
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MoU [Note 1] |
Joint [Note 2] |
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Annual improvements 2008-2010 [ED, comments due by 24 November 2009] |
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ED |
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Emissions trading schemes排出権取引スキーム |
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X |
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Insurance contracts 保険契約 |
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X | |||
Liabilities
(IAS 37 amendments) |
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IFRS |
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Management commentary [ED, comments due 1 March 2010] |
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CG |
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Rate-regulated
activities [ED, comments due 20 November 2009] |
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IFRS |
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Termination benefits (IAS 19 amendments) |
IFRS |
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Endnotes
1. These projects are part of the
Memorandum of Understanding that sets out the milestones that the FASB and the
IASB have agreed to achieve in order to demonstrate standard-setting
convergence.
2. These projects are being undertaken with the FASB. Even though joint ventures and post-employment benefits are not being undertaken with the FASB, in each case the IASB has committed to improve the related IFRSs.
3. At their joint meeting in October 2009 the IASB and the FASB considered a summary of the comments received by the IASB in response to the proposals for a revised Income Taxes standard exposed by the IASB in early 2009. The Boards indicated that they would consider undertaking a fundamental review of accounting for income taxes at some time in the future. In the meantime, the IASB staff plans to present options on how the IASB should proceed with the proposals in the exposure draft at the November IASB meeting. It is unlikely that the project will proceed in its current form.
Abbreviations |
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AD Agenda Decision (to add the topic to the active agenda) |
CG Completed Guidance |
DP Discussion Paper |
ED Exposure Draft |
IFRS International Financial Reporting Standard |
RT Roundtables |
TBD To be determined |
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2003年6月19日、IASBは組織再編成後はじめての会計基準IFRS1号「国際財務報告基準の適用初年度(First-time Adoption of International Financial Reporting Stamdards)」を公表した。2004年1月1日適用、早期適用可。
2005年に国際会計基準を適用する欧州連合(EU)加盟国をはじめとし、旧共産圏や新興国など、約90カ国を超える国々が国際会計基準の適用を要求するか適用を許可している。そのため、国際会計基準の適用初年度の具体的適用に関する会計基準を公表したのはタイムリーである。
2005年12月決算を例にして概要を示すと次のようになる。
●2005年12月末現在の会計方針を決定する(例、たな卸資産の評価方法、減価償却方法など)。
●IAS1号が比較財務諸表の開示を要求していることから、注記を含めて2004年との比較財務諸表を表示する必要がある。2004年の数値は国際会計基準を遡及して適用した額である。したがって、2003年12月末の資産・負債の金額は2004年1月1日に繰越されるのであるから、2003年12月31日現在の金額は国際会計基準を適用した金額を確定する必要がある。
国際会計基準の遡及適用については以下の例外がある。
・2004年1月1日までに行われた合併・買収などの企業結合
・取得原価で引き継がれた無形固定資産、有形固定資産および投資不動産
・従業員給付・・保険数理損益
・為替換算差異累計
・IAS39号「金融商品:認識と測定」の金融商品の消滅、ヘッジ会計
企業会計基準委員会のホームページ 参照
2002年11月7日、IASBは、公開草案ED2「株式報酬の会計(Accounting
for Share-Based Payment)」を公表した。これは、従業員へのストックオプション(新株予約権)を含む株式報酬制度に関する会計処理を基準化するものである。2003年3月7日までにコメントを求めており、2004年1月1日からの適用を予定している。欧州が国際会計基準適用する2005年の時期と一致している(2004年と2005年の比較財務諸表となるため)。
@財またはサービスの受領と新株予約権付与の交換時点で、費用を認識すること
A費用の認識は、財またはサービスの提供の期間に渡って認識する
B費用の測定は、公正価値(fair value)で行う
11月18日から、IASBのWebsiteから公開草案を直接入手できるとしている。(草案およびコメント等 参照)
英国会計基準審議会(ASB)は、7日同時に、公開草案FRED31「Share
based Payment」を公表した。11月18日、米国 (FASB)でも米国基準SFAS123号と国際会計基準との相違点を明らかにして2003年2月1日までにコメントを求めている(コメント募集 参照)。米国議会から費用計上賛成と反対双方のコメントがFASBに提出された。(賛成のコメント 反対のコメント 参照)
2003年6月3日、米国議会下院の金融サービス委員会(議長マイケル・オクスリー(企業改革法を作成した委員会))は、ストック・オプション会計処理に関する公聴会を開いた。国際会計基準委員会評議委員長のポ―ル・ボルカー(元連銀総裁)、米国財務会計基準審議会会長ロバート・ハーツ氏等が証言している。(米国議会下院の金融サービス委員会のサイト 参照)
11月21日、日本の企業会計基準委員会がIFRS公開草案の翻訳を公表 IFRS公開草案第2号「株式報酬」(PDF) 参照
かつて、IASCの時代、ドイツは反対ばかりしており日本もドイツに同調して反対していたが(JICPAニュースの記事参照)、ドイツが民間の会計基準委員会(DRSC)を創設してからは積極的にIASBに協力しており、2001年6月21日、ドイツ会計基準草案Draft-GAS 11号「ストックオプションおよび類似報酬契約の会計」を公表し4ヶ月後の10月15日までにコメントを集めて準備していた。
2004年2月19日、IASBは、IFRS2号として公表した。(IASBニュース 参照)。
同日、英国会計基準審議会は、上場会社については、2005年1月1日から適用し、非上場会社については1年間の猶予を設けて2006年から適用する、と表明した。(英国財務報告会議、FRCのホームページ 参照)
米国下院金融サービス委員会は、2004年6月15日、ストックオプションに関する法案を承認した。この法案は、「ストックオプションの費用計上は、年間売り上げ25百万ドル以上の企業に限って、トップ5人のストックオプションに限定するようSECに命令する」もの(米国下院金融サービス委員会ニュース 参照)。 FASBは、これに対し、「議会が会計基準を法律にすることは、会計基準設定主体であるFASBの独立性を脅かすもの」と警告していた(FASBニュース 参照)。
2004年12月16日、米国会計基準審議会(FASB)は、IFRS2号と大枠で一致したSFAS123号R(Revised)「株式報酬 Share-Based Payment」を公表した。2005年6月15日以降開始する事業年度から適用するとしている。FASBニュース 参照
2004年12月28日、企業会計基準委員会は、企業会計基準公開草案第3号「ストック・オプション等に関する会計基準(案)」を公表。2007年3月期の適用を目指しているとのこと。
2002年12月5日、IASBは、「企業結合の会計(ACCOUNTING FOR BUSINESS COMBINATIONS)」の公開草案ED3を公表した。これによると、米国同様、すべての企業結合(合併・買収)では、パーチャス法(purchase method.)のみとし、持分プーリング法(pooling of interests method)は禁止としている。(日本の企業会計基準委員会でIASB速報翻訳 参照)
パーチャス法とは合併当事者のうちいずれかが買収者(合併会社)となり、被買収者(被合併会社)の資産・負債(=純資産)の時価と買収代金との差額を「のれん」とする会計。加えて、「のれん」の耐用年数(減価償却)という概念を廃止し減価償却せず、毎年、のれんを再チェックし「のれん」が減損(Impairment)した場合に減損を認識する方法に変更した(IAS36号「資産の減損」およびIAS38号「無形固定資産」の改訂公開草案を同時に公表)。
一方、持分プーリング法は、対等合併のように買収者と被買収者が不明な場合、合併当事者の資産・負債を合算するだけで「のれん」が発生せず、のれんの減価償却費の負担が将来に渡って生じないことから、合併後の一株当たり利益が有利に示されるため、乱用されていた。米国では、合併当初、買収者と被買収者が不明とされたケースの多くは1年もしないうちに買収者が明らかであることが見られ乱用されている事実に着目し、乱用防止および企業間比較を可能にするため持分プーリング法を廃止しパーチャス法に統一したもの。国際会計基準も米国基準に一致させる形となった。オーストラリア、カナダ、香港およびニュージーランドも既に持分プーリング法の適用を禁じている。
12月16日からフルテキストがIASBのウエッブサイトからダウンロード可能としている。コメントは4ヶ月後の2003年4月4日までに届くよう要請している。(企業会計基準委員会のED3号翻訳 参照)
2004年3月31日、IFRS 3号として公表された。
JWGがすべての金融商品を時価会計とする公開草案公表(00年12月)
1997年に、国際会計基準委員会は「金融商品の包括基準」を検討するため、主要国の会計基準設定主体で構成される作業グループ(International
Joint Working Group of Standrd Setters、JWGと称す)を組織した。
メンバーは、各国の会計基準設定主体である米国(FASB)、英国(ASB)、カナダ(AcSB)、オーストラリア(AARF)、フランス(CNC)、国際会計基準委員会(IASC)のほか、ドイツ、ニュージーランド、ノルエーに日本(日本公認会計士協会より参加)の9カ国プラスIASCである。
2000年12月公開草案を公表した。これによると、@ すべての金融商品(子会社・関連会社株式を除く)について公正価値(Fair value)で評価し、A 公正価値評価による含み損益は損益計算書に計上する、B 認識と消滅(コンポネンツ・アプローチ)、C 財務リスク等の情報開示、の4つの柱で構成されている。
ヘッジ会計(ヘッジ対象とヘッジ目的のデリバティブの損益を同時に計上するため繰延べる会計処理)は認められない。ヘッジ対象もデリバティブ双方とも公正価値で評価することが求められている。2年内の改正を予定している。
2001年から新組織となる国際会計基準委員会(IASC)がそのまま公開草案として取上げるかは明確にされていないが、主要各国の会計基準設定主体がJWGで公開草案を公表したことは、IASCの理事会メンバーに主要各国の会計基準設定主体からメンバーを募ることを考えるとこの公開草案の意味するところは重要である。国際会計基準39号「金融商品:認識と測定」が改正される可能性が高いということである。
国際標準に一致させようと国際会計基準39号に準拠したわが国の「金融商品の時価会計」は、「その他の有価証券」の時価会計による含み損益を資本の部に計上するとあり、2002年3月期から強制適用となっているが再検討する必要が生まれるであろう。商法の規定も資本の部に計上する部分について、及び売買目的の有価証券についての税法も同様に近い将来再検討が必要となるだろう。
国際会計基準の本文に記載していない不明な点を解釈指針(Interpretations)は、Standing Interpretations Committee (SIC) が設定し文書には下記のように”SIC”に番号が付されていたが、国際会計基準(IAS)が国際財務報告基準(IFRS)に変更されると同時に、SICも国際財務報告基準解釈指針委員会(International
Financial Reporting Interpretations Committee, IFRIC)が作成する解釈指針を”IFRICイフリック”に改称された。 検討中の解釈指針は「IFRIC草案」参照 それまでのSICはIFRS等の基準本文に反映された。国際会計基準を適用する場合は、解釈指針にも準拠する必要があります(IAS1号)。
解釈指針 | |||
番号 | 解釈指針の表題および概要 | 成立年月日 | 適用年度 |
IFRIC-13 | 顧客ロイヤリティ・プログラム「Customer Loyalty Programmes」: 顧客にいわゆる”ポイント”を与えて将来の商品売上の無償または値引きを する場合、売上時に、ポイント部分の顧客に対する債務(obligation)とし、 無償または値引きするまでは繰延収益とする会計処理について基準を 設定したもので旅行のマイレージ(travel miles)も含む。(Q&A 草案 参照) 指針では、顧客に与えたポイントの将来使用する額を見積り、無償または 値引きを実行するまで収益の繰延として負債処理することを要求している。 ポイントが期限切れとなった部分は、収益に戻入する。 この解釈指針はIAS18号「収入(revenue)」の解釈指針であってポイントを 授与した部分は繰延収益としており、引当金として費用計上する考えはない ことを明記している。(草案BC7参照) Q&Aには例示も示している。 日本では、経済産業省が「企業ポイント」についての報告書(2007年7月) 日本では引当金として計上し、国際基準とは異なる。 |
2007年6月 | 2008年7月以降 開始する事業年度から |
1996 年4月11日のSECの声明と題して、“SECはIASCが1998年3月までにコア・スタンダードを完成すべく努力していることに対し歓迎する。国境を越えた公募に使用される財務諸表を作成するために使われる会計基準の完成というIASCの目的の達成に、SECは可能な限り素早く支援する。SECの見通しでは、SECがその結果を受け入れるためのキーとなる要素は次の3点である。
SECは、IASCが国際会計基準の包括的基準を設定するのに、IOSCO
を通じてIASC に協力することをコミットする。米国で公募する外国の会社に、完成した基準を適用することを認めるのがSECの意図である”としている。 |
1999年2月20日、SECは、米国で株式等を発行している外国企業の情報開示規定を、1998年9月に証券監督者国際機構(IOSCO)の承認した国際開示基準に準拠するよう改正案を提出した。その改正案では、国際的な開示基準が、外国企業の基本開示情報であるフォーム20F(外国会社の年次報告書・・日本の有価証券報告書に該当)の非財務情報の開示規定のほとんどを置き換えるものであり、SECがフォーム20Fの変更を反映させるため、1933年証券法で外国企業が使用する登録書をその変更に一致させようとするものである。 | |
20 February 1999: The U.S. Securities and
Exchange Commission has proposed to revise
its disclosure requirements for foreign private
issuers to conform to the international disclosure
standards endorsed by the International Organization
of Securities Commissions (IOSCO) in September
1998. Under the proposal, the international
disclosure standards would replace most of
the non-financial statement disclosure requirements
of Form 20-F, the basic disclosure document
for foreign private issuers. SEC would make
conforming changes to the registration statements
used by foreign private issuers under the
Securities Act of 1933, to reflect the changes
in Form 20-F. Comment deadline is 12 April
1999. . |
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上記の変更は、非会計情報に関してのIOSCOの承認したものを、米国国内法である証券法に反映させるものである。 参考:証券監督者国際機構(IOSCO)専門委員会ステートメント「上場企業による継続開示及び重要事項の報告に関する原則」 |
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1999年9月29日のニュースとして、SECは規則を変更して、2カ国以上の国で資金調達または証券を上場する外国企業に、SECへ登録するForm20−Fに関して、2000年9月30日から、IOSCOの承認した国際開示基準(非会計情報の基準)を認める、としている。 | |
SEC Concept Release 公表 (2000年2月16日) |
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2000年2月16日、SECは、国際会計基準に対する見解を明らかにすると同時に、外国企業が国際会計基準を適用するに当っての問題点を明らかにするために、企業、会計監査人、そのた関係者に対して26項目にわたる質問書を公表した。回答期限は5月23日である。
投資家、貸付人(lenders)及び企業の活動及び興味に関しグローバル化が進んでおり、SECは、高品質の財務報告が広く認められるようにするため多くのフォーラムに参加する機会が増えている。SECの継続的な努力は、国内及び国際的なレベルで、比較可能で、透明性が高く、信頼できる情報を投資家に提供することによって、国際的な資本市場で、公正な、流動性の高い、効率的なものにするという視点を基礎にしている。これは、国内の財務報告(Financial reporting)の質を維持しつつ、国際的にグローバルな財務報告を高品質なものにすることを助長するという二つの目的を追求しているからである。この公表は、その目的を達成するため必要な要素に対するコメントを求めている。一つの側面は、国際会計基準委員会が設定した基準を使用して作成する外国企業の財務諸表を受け入れなければならない条件は何かを探求しているものである。 高品質でグローバルな財務報告の要素として、A。高品質な会計基準、B。高品質な監査基準、C。効果的な品質管理を行っている監査事務所、D。監査人専門家品質保証システム、E。機動的な規制機関を挙げて説明し、 1996年4月、SECは、IASを受け入れるための下記の三つの条件を設定した。 (1.) 包括的で、一般に認められた会計基準であること (2.) 高品質であること (3.) 解釈が厳格にでき、かつ、適用できること として、 (1.)コアスタンダードは十分に包括的であるか? (2.)コアスタンダードは高品質か?(3.)解釈が厳格にでき適用可能か?という大項目の質問を26項目に及ぶ小項目に分解して問うている。 詳細は、SECのサイト「SEC Concept Release:International Accounting Standards(国際会計基準に対するSECの見解公表)」に掲載されているので興味のある方はご覧ください。 SECのレビット委員長は、国際会計基準委員会(IASC)の指名委員会委員長でもあり、指名委員が評議委員候補者を選び3月に評議委員を選出し、評議委員は理事会のメンバー候補(各国の会計基準設定機関からの参加を予定している)を選び、5月24日の理事会で新たな理事が選出され、新組織は2001年1月から国際会計基準委員会はスタートする。なお、指名委員には日本ははずれ、香港証券取引委員会委員長(中国)が指名委員となったのは周知の事実。 上記SECのコメント期限は、IASCの5月理事会の前日である。また、国際会計基準委員会に40項目のコアスタンダードを求めた証券監督者国際機構(IOSCO)が2000年の秋に承認するかどうか意思表示すると予想されているが、SECは積極的にIOSCOに貢献している。 日本は、この国際的な動向に反応はない。 |
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2003年12月、SEC主任会計士がSECの検討課題をスピーチ | |
2003年12月11日、SEC主任会計士は、米国公認会計士協会のコンファレンスの席上、国際会計基準の統合についてSECの検討課題を講演した。現在、SEC規則で、米国以外の会計基準(国際会計基準を含む)で開示している外国の上場会社には「米国会計基準との差異調整表(U.S.
GAAP Reconciliationという・・「Regulation S-X Article 4-Rules of General
Application § 210.4-01.(a)(2)」参照)」を開示することを義務付けている。こうした米国以外の基準で開示している会社は50社に満たないが、2005年には欧州の上場企業は国際会計基準での開示が義務付けられる。IOSCOの国際会計基準適用促進活動、FASBとIASBとの会計基準の一致作業の推移を見ながらSECは「米国基準との差異調整表なしで国際会計基準での開示」を検討している。(SECスタッフの講演 参照) |
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SECとCESRは大西洋を横断する証券市場規制統一で協力(2004年6月) |
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●2004年5月26日 米国SECはEUの欧州証券規制委員会(The Committee of European Securities Regulators (CESR))と共同して大西洋を横断(transatlantic)する証券市場規制を統一するため協力する、と表明。6月4日に初会合が持たれるとしている。(SEC速報 参照) ●6月4日 米国SECと欧州連合CESRは初会合を開き、2004年第2四半期から2005年の期間では四つの主要な問題を取上げる、として、その一つとして、「国際会計基準の使用を支援する効果的なインフラを構築し、国際会計基準と米国会計基準との調整を回避することを最終目的とする。 Development of an effective infrastructure to support the use of International Financial Reporting Standards, in particular with respect to consistent application, interpretation and enforcement of these standards with the final objective of avoiding reconciliation with local GAAPs.」としている。(SEC速報 (CESR) 参照) ●2006年8月2日、米国証券取引委員会(SEC)と欧州証券規制委員会(CESR)は、両市場に上場会社の財務報告に関し、高品質の会計基準の開発、国際基準の高品質で一貫した適用、両市場での適用に関する相互理解、国際基準と米国基準の整合ある規制および適用に係る共同作業を開始した。半年に1回会合し、必要と認めた場合は追加会合することを決めた。(SEC速報 会計共通化のニュース 参照) |
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FASBとIASBがグローバルな会計基準の統一で協働することを合意(02年10月) |
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2002年10月21日、財務会計基準審議会(FASB)は、企業改革法(2002年サーべンス・オクスリー法(SARBANES−OXLEY ACT OF 2002〕)が求めている米国会計基準の設定に関し、原則を基礎とした方法による(a
principles-based approach)基準作りのため「原則を基礎とする会計基準・・草案」を公表した。 企業改革法では、SECに対し米国会計基準を「原則を基礎とする会計基準」とする調査結果を来年7月までに上院および下院の両院に報告することになっている(企業改革法108(d)条)。 2002年10月29日、財務会計基準審議会(FASB)は、国際会計基準審議会(IASB)とグローバルな会計基準の統一に関して協働することで合意した。(SEC速報、 IASB速報、 FASBとIASBの共同声明(以下「ノーウオーク合意」という) 欧州委員会速報 FASBの「IASBとの収斂」 参照) 国際会計基準は、原則を基礎とした方法による(a principles-based approach)基準とされている。 |
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四つの米国会計基準を国際会計基準に収斂させる公開草案公表(03年12月) ストックオプションの会計に関し費用計上を要求する会計基準草案を公表(04年3月) |
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2003年12月15日、米国財務会計基準委員会(FASB)は、昨年10月の国際会計基準審議会(IASB)とのノーウオーク合意後初めて、国際会計基準に一致させる下記の4つの会計基準の改正案を公表した。コメント期日は2004年4月13日。(FASB速報 公開草案 IASB速報 参照) ・自主的な会計方針の変更の場合、期間比較を見るのに容易にするため、遡って適用したように過年度財務諸表を修正して表示しなおす。(国際会計基準8号「会計方針、会計上の見積変更及び誤謬の訂正」に一致させようとするものですが、日本には存在しない基準です。) ・一株あたり利益の計算に対する3つの変更 ・類似の生産的資産を交換する(非貨幣的取引)場合、公正価値で測定した利益または損失を認識しなければならない。 ・遊休費用や損傷額などの異常な金額は、発生時の費用であり、たな卸資産の原価から除かなければならない。 2004年3月31日、米国財務会計基準委員会(FASB)は、ストックオプションの会計に関し、現行、費用計上が任意となっている基準を、国際財務報告基準IFRS 2「株式報酬(ストックオプション)の会計」にほぼ一致させ費用計上を要求する会計基準草案を公表した。コメント期日は2004年6月30日(FASB速報 参照)。 |
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たな卸資産の会計基準を国際会計基準と一致させた会計基準を公表 (2004年11月26日) |
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2004年11月26日、FASBは、たな卸資産に関する会計基準SFAS151号を公表した。これは、会計調査公報(ARB)43号4章に規定のたな卸資産の会計基準を、国際会計基準第2号「たな卸資産」の規定に一致させるものである。ただし、国際会計基準では認めていない後入先出法(LIFO)は米国基準では認められたままとなっている。(FASBニュースリリース ”FASBの収斂”ニュース 参照) FASBの「短期の国際的収斂(Short-Term International Convergence)」参照 |
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SEC主任会計士、IASとの収斂を語る(2004年12月6日) | |
2004年12月8日、SECの主任会計士ドナルド・ニコライセン(Donald T. Nicolaisen)は米国公認会計士協会の総会で国際会計基準の取り扱いについて語った。「現在、SECに登録されている欧州企業のうち国際会計基準の財務諸表を登録している会社は50社以下であるが、2005年以降は500社を超える会社がIASで登録してくることが予測される。2006年の第二四半期に、2005年度のIASと米国会計基準との差異調整表を検討し、できる限り速やかに差異解消を促進したいとしている。
We are gearing up for a review of these filings, which will be available for our review in the second half of 2006, to take advantage of the knowledge that can be gained from studying such a large number of IFRS-based financial statements. As part of the study, we will carefully review what differences exist between U.S. GAAP and IAS, and I will strongly encourage the FASB and the IASB to eliminate many of these differences as quickly as possible. Throughout this process, we will be working with preparers, the IASB, FASB, and other regulators to gather information on the experience and knowledge of those adopting IFRS for their 2005 filings. また、国際会計基準担当主任会計士のジュリー・エルハーツ(Julie A. Erhardt)は、国際会計基準と米国基準との正確な差異を把握して、差異をなくす具体的な絵を描きたいと語った。 |
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企業結合の会計基準で、はじめてIASBとFASBは共同発表した(2005年6月30日) | |
2005年6月30日、FASBとIASBは、企業結合の会計基準について双方の会計基準を一致させた草案を公表した(IASB’s IFRS 3 Business
Combinations and the FASB’s Statement 141 Business Combinations)。 すべての企業結合について、どちらか一方が他方を取得する一つの方法(a single method)のみを採用する。取得時の公正価値で「のれん」を認識し、取得者ばかりでなく、従来少数株主持分(minority interests)としていた非支配の持分(non-controlling interests )にも配分する。非支配の持分(non-controlling interests )は資本取引として持分(equity)に区分表示する。(IASBニュース FASB141号草案 参照) |
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SFAS128号「一株あたり利益」の修正案(2005年9月30日) | |
2005年9月30日、米国財務会計基準審議会はSFAS128号「一株あたり利益」の会計基準修正案を公表し国際会計基準と比較可能性を促進するもの、としている。 ・現金や株式発行で強制的転換するものや契約履行義務のあるものは基本的一株あたり利益の計算で加重平均株数で計算する。 ・コール・オプションやワラントの希薄化利益の計算で「自己株式方式(treasury stock method)」で計算し、期中の平均株価を、期首からオプション行使またはワラント行使までの平均株価を使用する。(FASB ニュース 参照) |
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国際会計基準、09年から米国にも導入・SEC委員長が明言(2007年3月6日) | |
米証券取引委員会(SEC)は6日、米国で上場する外国企業に対して、国際会計基準に沿った財務諸表の提出を2009年から認める方向で調整を進めていることを明らかにした。 コックスSEC委員長は会計基準に関する説明会で、国際会計基準の受け入れについて「09年の導入に向けて(準備が)進んでいる」と述べた。国際会計基準はすでに欧州連合(EU)諸国が05年から導入している。(日経2007年3月7日 SEC委員長コックス氏のスピーチ Goodbye GAAP? U.S. considers move to international accounting EU・SECとのラウンドテーブルでのチャーリーマクリービー氏(Charlie McCREEVY)スピーチ 英語ニュース 参照)
3月6日は、欧州委員会との会談があり、その席で述べた模様(SECの"IFRS へのRoadmap"参照) 米国公認会計士協会(AICPA)は、10月24日の上院公聴会で「米国の上場会社にも国際会計基準(IFRS)の適用を認めるべきである」と証言し、11月15日のSECへの提言にも同じ意見を提出している。 2007年12月1日、ワンワールドトラスト(One World Trust)は、IASBに対し「The 2007 Global Accountability Report 2007年12月13日(金)および17日(月)のSEC主催のラウンドテーブルで”IFRS適用日を決定して欲しい”旨の産業界の声あり。(米国のIFRS適用に関するニュース) 2007年12月28日、SECは最終ルールを公表した。(SEC最終ルール WebCPA 参照) ・外国企業がIASBが公表した国際会計基準(IFRS)で作成した財務諸表を登録した場合は、米国会計基準への調整表の開示は不要とする。 ・外国企業がIASBが公表した国際会計基準(IFRS)以外の会計基準で作成した財務諸表は、米国会計基準への調整表の開示を要求する規定は変更しない。 ・外国企業が、欧州企業のように、欧州版国際会計基準を使用した場合は、IASBが公表したIFRSへの調整表を注記で開示する提案を受け入れる。 SECルール Regulation S-X [17 CFR Part 210] § 210.4-01 (a)(2) によれば、米国会計基準またはIASBが設定した国際会計基準(IFRS)以外の会計基準で作成した財務諸表は財務諸表の一部として差異調整表も登録する。さもなくば、米国会計基準またはIASBが公表した国際会計基準(IFRS)に準拠した財務諸表とする。 ●2008年4月22日、KPMGは、”IFRS研究所”を創設し米国上場会社のIFRSへの変更について支援する、ことを公表した。背景には、SECが数週間後に、外国企業と同じように米国上場企業に対してもIFRSの適用を許容する案が公表されることを見越してのこととしている。 ○2008年5月6日、米国公認会計士協会(AICPA)は、公共の利益を保護するため、公認会計士統一試験で国際会計基準(IFRS)を出題する案を公表し、7月31日までにコメントを求めている。(ニュース 公開草案 AICPA公表レター より) ・デロイトは、IFRS Univercity Consociaumを立ち上げた(5月15日) ・E&Yは、Academic Centerを立ち上げた(5月19日) ○2008年5月18日、米国公認会計士協会(AICPA)は、AICPAの倫理規定202条および203条のアペンディックスAを改定して、国際会計基準(IFRS)を会計基準設定主体であることを追加した。SECが外国企業にIFRSの適用を認めたことにより、米国会計士もIFRSによる財務諸表監査が必要となってきていることによる。加えて、会計士に国際会計基準の情報を提供するためにIFRS.comおよびcpa2biz.com. を立ち上げ会員を支援する、としている。(http://www.ifrs.com/ http://www.cpa2biz.com. AICPAニュース Webcpa 参照) |
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米国SECは、米国上場企業に対し2014年を国際会計基準(IFRS)適用日程(Roadmap)とする案を公表 | |
2008年8月27日、米国SECは、米国上場企業に対し2014年を国際会計基準(IFRS)適用日程(Roadmap)とする案を公表した。具体的には、株式時価総額7億ドルを超える大企業(large accelerated filers約110社)については2年以内の2009年(2009年12月15日以後終了する年度で登録は2010年)のIFRSの早期適用を可能にし2014年から義務化し、株式時価総額7千5百万ドル〜7億ドル未満の企業(accelerated
filers)は2015年から、7千5百万ドル未満の中小企業(non-accelerated filers)は2016年からIFRSの適用を義務化する。ただし、2011年にSECは、IFRSの適用が公共の利益および投資家にとって良いのか決定する、として含みをもたせている。(SECのコックス委員長の談話 英文ニュース 日本語ニュース 11月14日SEC公表のロードマップ案 参照) |
2001年3月16日、カナダ証券監督局がIAS及び米国会計基準を適用するかどうかについてコメントを求めるためにディスカッションペーパーを公表した。コメント期限を2001年6月30日を期限としている。ディスカッション・ペーパーは、上記米国SECのConcept release と同様の趣旨である。
カナダ証券監督局は、2002年6月21日、国際会計基準を認めることを提案した。コメント期限は9月19日までとなっている。IASBの解説および改正案参照。
1999年2月、世界銀行が中国の会計制度改革及び会計基準設定の支援を目的に約30億円(27,4百万ドル)の資金貸付を承認している。中国政府の国家的事業で総事業費約100億円(85百万ドル)である。(World Bank News 参照)
中国の国際会計基準適用会社が急激に増加し、2000年5月現在、121社(日本10社)に達している。
各国の会計基準設定機関からメンバーをIASC理事会に参加して新たなIASC体制としようとしている。2000年5月に新体制が確定する予定となっている。
指名委員に香港証券取引委員会委員長が選任され、3月に選ばれる評議委員の候補者を指名委員が選任し、5月に評議委員が選任され2000年度中に理事会メンバーが選任されて新体制となる予定である。中国は、適用会社数及び会計基準設定機関を見ると、IASCにとって重要な国になりつつある。そこで、IASCのホームページに掲載の中国の会計基準設定機関の説明を下記に引用してみる。
中国の会計原則(IASCのホームページからの引用) |
1985年に発効し1993年に改訂された会計法により、財務省の会計管理部門(Division
of Administration of Accounting Affairs,
DAAA)がすべての会社が準拠すべき会計基準を設定する責任をもっている。1993年に、DAAAは、中国の会計に関する一般的枠組みを規定した”事業会社の会計基準(Accounting
Standards for Business Enterprises, ASBE)”を公表した。その後、DAAAは、ASBEの下に特定の会計基準及び規則を設定している。中国公認会計士協会の会員は、監査報告書に報告企業がASBEに準拠しているかどうかを記載しなければならない。1998年に、会計基準委員会(Accounting
Standards Committee)がASBEの中に創設された。この委員会が財務省の承認の基に基準設定の基本的責任を負うこととなった。 上場会社は中国証券及び規制委員会の作成した開示規則に準拠しなければならない。 中国は、2000年までに、すべての企業は中国公認会計士協会の独立監査を受けることをターゲットにしている。中国は、国際会計基準と調和した事業会社の会計基準を設定する方針であることを公表している。 証券取引所:上海証券取引所、深川証券取引所 中国及び海外で取引されるB株式を発行する企業は、IASに準拠しなければならない。 香港のみで取引されるH株式を発行する企業は、IASまたは香港会計基準のいずれでもよい。 中国のみで取引されるA株式を発行する企業は、中国財務省の設定した会計基準に準拠しなければならない。 東洋証券が、「中国株式について」紹介しています。 香港証券取引所については、下記の各国の証券取引所の対応をご覧ください。 |
中国上場企業のディスクロージャー |
中国の状況は、ディスクロージャー研究会の2000年6月号に掲載の麗澤大学助教授趙家林助教授(Zhao
jia Lin)の論文「中国上場企業のディスクロージャー」に詳しい。 一部抜粋すると、次のように記している。 『「所有者の不在」による弊害を克服するため1993年初頭に導入された株式会社では、国有株は過半数を占め、行政関与が残される。このため、企業統制が機能せず、株主の無力化とインサイダー経営者の支配をもたらす。ディスクロージャーの不備、会計制度や監査の欠陥が投機を助長し、資源の効率的配分を妨げている。資源配分の効率性を向上させるには資本市場の整備が不可欠である。(中略) 中国のディスクロージャ制度は国際基準に合わせて形を整えたが、権利の平等と均等な情報アクセスが未達成であり情報の偏在が解消されていない。』 中国の現状を詳細に解説している中で、米国、日本、中国の開示制度の比較をしている。日本の欄では、財務データの提示方法に関して「規定様式に従うだけで、文章説明が少なく、流れと傾向を掴めにくい。」とし、自主的開示(IR)の部分では「形式的・意味不明なものが多い。」となっている。 |
中国の会計改革のコンサルティングをしているデロイト・トゥシュ・トーマツが紹介しているHPによると、中国は急速に国際会計基準に準拠した会計基準に進行している。@2001年12月、中国証券監督委員会(CSRC)は国内株のA株にも新たに株式公開した場合は、国際会計基準による開示を求め、A上場会社には2001年1月1日以後、四半期報告書の開示を求めている。(IAS Plus 参照) |
香港証券取引所・・成長企業市場(GEM)では、香港会計基準、IASまたは米国会計基準の内いずれかを継続して適用した財務情報の開示を要求している。(GEM上場規則18参照) |
中国の石油会社中国石油天然気集団公司(PetroChina)は、2000年4月にニューヨーク証券取引所に新規株式公開(IPO)を行い、SECへ登録した外国会社の年次報告書(Form20−F)は、国際財務報告基準(IFRS⇔IAS)で行っている。米国が国際会計基準を認めていないということはありません。なお、ペトロチャイナについては、石油公団企画調査部 佐藤美佳著「驚くべき変貌を遂げた中国国有石油会社の民営化」参照
主要各国の翻訳版「IFRS2011」等がIASBのサイトで紹介されてます。
翻訳版は、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語などです。主要各国はIASに関し国家的な対応をしているようです。
日本のように国際会計基準を適用(adopt)するのではなく、収斂(convergence)することに拘るとIASBの公式な翻訳本がでない可能性があります。
国際会計基準審議会(IASB)へ 原文注文 |
「International Financial Reporting Standards (IFRSs) Bound Volume 2007」を1冊60ポンド(1ポンド238円として、約14,280円)でインターネット販売を開始した。部数がまとまれば割引あり。左記のサイトで販売しています。注文から手許に届くまで約1週間でした。請求書を見るとShipping
chargeとして24.55ポンドが加えられていました。 ダウンロードCD ROM版80ポンド、ガイドラインつき90ポンドとなっている。 なお、IDを持っているとホームページから直接注文できる。 FAXの場合は、注文書をダウンロードし記入してファックスを送信すれば送付してくれる。企業会計基準委員会より安くて入手は簡単。 |
資本市場の急速な国際化、企業の本国以外での資本市場での資金調達が著しく増大したことに対応して、米国証券取引委員会(SEC)や日本の大蔵省など各国の証券監督者がメンバーとなって証券監督者国際機構(International
Organization of Securities Commissions,通称IOSCOと称す)が1988年に結成された。
1993年、IOSCOは、国際会計基準委員会(International
Accounting Standards Committee,通称IASCと称す)に対し、国際会計基準が包括的な基準として承認するためには「国際的な公募および上場をする企業の会計基準として必要な構成をもち完成したものであること」として合意し、1995年には、具体的に40項目に及ぶコア・スタンダード(核となる基準)をIASCに対し提示し、IASCは1998年春を目指して完成させることとなった。
1997年6月、大蔵省企業会計審議会は「連結財務諸表制度の見直しに関する意見書」を公表し、有価証券報告書に含まれる財務諸表を従来の個別財務諸表中心主義から欧米同様の連結財務諸表中心主義に大幅に方針転換をした。この方針転換に伴い,1998年3月「連結キャッシュフロー計算書等の作成基準の設定に関する意見書」「研究開発費等に係る会計基準の設定に関する意見書」「中間連結財務諸表等の作成基準の設定に関する意見書」、6月「退職給付に係る会計基準の設定に関する意見書」、10月「税効果会計に係る会計基準の設定に関する意見書」、1999年1月「金融商品に係る会計基準の設定に関する意見書」が公表された。これらの新たな会計基準は、現在、国際会計基準委員会が公表している会計基準(一部改訂されているが第39号まで公表されている)の一部適用といっていいほど類似したものになっている。
日本の上記対応と平行して、国際会計基準委員会は、1998年12月に第39号「金融商品:認識と測定」と題する会計基準を完成させIOSCOの宿題であるコア・スタンダードを暫定的に完成させた。IOSCOが国際会計基準をいつ承認する(2000年5月承認した)かどうかは不明であるが,承認すると各国の企業は国際会計基準で作成した財務諸表でIOSCO加盟国の証券取引所で資金調達できることになり、国際的企業にとっては計り知れない便益を受けることになる。また、会計基準の未整備な国にとっては、国際会計基準の導入は容易となる。いわゆる、国際会計基準が世界基準となると予想されている。
一方、ヨーロッパでは、1998年11月27日、単一通貨ユーロの導入に合せ「欧州統一証券取引所」をつくることで基本的合意に達し、1999年1月からロンドン証券取引所とドイツ証券取引所の統合作業に入った。1996年6月、欧州証券取引所協会は、総会で2000年に統一することで合意した。当初の構想は、統一市場が出現するのは新通貨ユーロが実際に流通し始める2002年になる見込みであったが2年前倒しとなった。
欧州委員会(EU)は、2000年6月、域内の上場企業について2005年までにIASを適用した財務諸表でディスクロージャーすることを提言した。
暫定的にコア・スタンダードを完成させた国際会計基準委員会は,1998年12月7日、「国際会計基準委員会の将来像」と題した議論用の検討書(Discussion
paper)を公表した。その中には,組織構造改革をしようとするもので、各国の会計基準設定機関からメンバーをつのり、国際会計基準の設定を各国会計基準委員会との共同作業としようとするものである。基準設定委員会を11名のメンバーとし、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア・ニュージーランドを「G4」といいフランス、ドイツ及び日本を加えた7カ国が入ると見るのが常識的な見方である。G4は無論のこと、フランス及びドイツは、1998年までに、この案を受け入れられる会計基準設定機関の体制作りを完了した。
日本以外は、会計基準が法律から独立し中立的な機関として存在している。日本は証券取引法のもとに大蔵省企業会計審議会が会計基準を設定している。国際会計基準は、企業年金基金自体の会計基準を設定したり、中小企業の会計をどうするかを検討したり、非営利機関による財務報告を取り扱う予定になっており、取り扱う会計基準の内容が証券取引法を超えているため、日本の制度では対応できなくなっている。
国境を超えた資本市場が急速に増大している中、日本は世界から孤立していては、市場の主役である投資家及び企業は不利益を蒙り続けるであろう。投資家は投資のチャンスを奪われ、企業は資金調達の選択肢を奪われている。
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