レポート ザ・ケーススタディ


【付  録】

「レポート ザ・ケーススタディー」

■付 録

「付録Ⅰ.相談機関」

*もし障害者になったら、すべての行政手続に優先して身体障害者手帳の交付を受けるべし。

<公・私の相談機関>

【①民生委員】

厚生大臣から直接の委託を受け、地域住人が健全に社会生活を送れるように協力する義務があり、福祉事務所や社会福祉協議会と関わる時にも相談に乗ってくれる。


【②福祉事務所】

補装具や日常生活用具などの給付を受けるための窓口。手続きをスムーズに行うために必要書類と手順をその都度確認した方がよい。

問い合わせは、電話で構わない。補装具なら東京都心身障害者センターの肢体不自由課。日常生活用具なら在住区役所の障害福祉課にする。(注意1 医療費関係の制度は老人福祉課。)


【③在住区役所 障害福祉課(老人福祉課)

日常生活用具の給付に関する問い合わせ。諸手当て(注2)を受給するための手続きの窓口。その他、各助成の手続きの窓口でもあり、相談にものってくれる。

老人福祉課では、身体障害者の医療費免除の証書も交付してくれる。

(注意3 日常生活用具の給付の実施体は、手続き窓口・予算とも「区」であるが、実施の決定は、「都」の要綱という形でなされる。)


【④東京都心身障害者センター】

東京都の「障害の判定」の機関。福祉局に属す。

補装具の給付を受けるための「判定」や重度身体障害者手当てを受給資格の「認定」を下す。

他に、障害のための新・改・増築の肢体不自由課で住宅相談もやっている。

相談課もあるので各種の相談ものってくれる。


〒162-0052 新宿区戸山3-17-2 TEL:203-6141(代)


【⑤ 社会福祉法人 東京都社会福祉総合センター】  センター事務室 TEL:235-1165(代)

民生委員の連合体や東京都社会福祉協議会(以下、都社協と略す)が雑居している。

もともとは、老人福祉(ぼけ老人相談)のための総合センターであるが、福祉全般(福祉相談室やよろず相談)の相談もでき、更には福祉機器展示ホールもあり、障害福祉の相談にものってくれる。


〔4F〕

東京都民生委員連合会・・・各区の民生委員を統括する。

東京(善意)銀行・・・・・都社協で決定した世帯更生資金などの貸付をする。


〔5F〕

東京都福祉協議会・・・・・・・・各区の福祉協議会に申請された更生資金(住宅・福祉・生活資金)の貸付(年利3%)の審議、決定を下す。 TEL:268-7171

身体障害者自立情報センター・・・身体の障害者に自立を目的とした情報を提供してくれる。機関誌「われら人間」の編集、発行している。


〔6F〕

福祉機器展示ホール・・・TEL:269-4126

福祉相談室 受付・・・・TEL:269-4165

よろず相談・・・・・・・TEL:269-4165

ぼけ老人相談・・・・・・TEL:269-4167


〔7F〕

東京ボランティア・センター  福祉ホール 福祉情報資料室・・・TEL:235-1187


【⑥ 社会福祉法人 区社会福祉協議会】

都社協に従属下にあたる。地域住人の申請を受け、協議により世帯更生に資金が必要であると認められた場合に、都社協に推薦して更生資金(小額ではあるが低利3%)を貸付られるよう協議の申請をする機関。



「付録Ⅱ.収入確保」

このレポートは、1987年現在の東京都大田区の頸髄損傷者への制度の例である。


<労災・年金・手当ての支給>あらゆる制度を利用し、収入を確保する。


【①労働者災害補償年金】

業務上または通勤途中の災害によって病気やケガをした場合、以下の補償制度がある。


疾病補償年金・・・1年半以後も療養している者に年金を支給する。

障害補償給付・・・身体に障害が残った場合、年金または一時金が支給される。


申請手続き 勤務地の労働基準監督局


【②障害基礎年金(国民年金)】

二十歳になって国民年金に加入していた者が障害者になった場合、または二十歳前に障害者となり扶養義務者が国民年金に加入していた場合は二十歳になってから障害基礎年金が支給される。


一級年金 778,500円  月額 64,875円

二級年金 622,800円  月額 51,900円


支給方法・・・・2・5・8・11月に、3ヶ月分まとめて銀行口座に振り込まれる。

申請手続き・・・在住区役所の国民年金課給付係


【③障害厚生年金・障害手当て金(厚生年金)】

厚生年金の加入者は、「②障害基礎年金」の受給要件を満たしていると障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給させる。

また要件をみたしていなくとも、最低467,100円が補償されるか一時金として支給手当て金934,200円が支給される。


申請手続き・・・会社の所在地を管轄する社会保険事務所

年金相談・・・・年金相談センター TEL:334-3131(専用)


【④心身障害者扶養年金】

障害者の保護者が死亡、または重度の障害を負った時に年金が支給される。


申請手続き・・・在住区役所の障害福祉課

        身体障害者手帳、ハンコ、保護者と障害者の住民票記載事項証明書


掛け金は、年齢や家庭の収入によって異なるので区役所に問い合わせる。


【⑤区の心身障害者福祉手当て】

(区の福祉制度。国の経過措置の福祉手当てとは異なる)


身体障害者1・2級(二十歳以上。二十歳未満にも、類似制度がある。)

月額、12,500円。4ヶ月ごと(4・8・12月)に支給

申請手続き・・・在住区役所の障害福祉課

        身障手帳、ハンコ、住民票記載事項証明書、本人名義の銀行口座番号

予め、電話で問い合わせすることをすすめる。


【⑥東京都重度身体障害者手当て】

(都、独自の福祉制度) 重度の障害者(四肢麻痺者など)に支給される。


月額 40,000円

申請手続き・・・在住区役所の障害福祉課

        身障手帳、ハンコ、住民票記載事項証明書、本人名義の銀行口座番号。

更に、都心障の「認定」がいる。

「認定」はセンターで本人が受ける。判定日のみ。予約制である。

予約は、自ら都心障に電話をかけるか区役所を通す。

「認定」されると申請された月に遡って支給されるので、申請は早い方が良い。


【⑦特別障害者手当て】

(年金を受けていない無年金者に支給される国の福祉制度。他に、障害児童福祉手当て・経過措置の福祉手当てがある。)

身体障害者1・2級(二十歳以上)月額20,800円 3ヶ月ごと(2・5・8・11月)に支給される。

申請手続き・・・在住区役所の障害福祉課。

身障手帳、ハンコ、住民票記載事項証明書(全部の写し)、本人名儀の銀行口座番号。

「⑥重度身体障害者手当て」を受給している場合は、その旨を申し出る。受給していない場合は、所定(区役所にあるもの)の診断書がいる。

但し、施設にいる場合や入院中は支給されない。帰宅後に区役所に申し出る。

[注意] 障害者本人と扶養義務者の所得制限がある。


<医療費の助成>

担当課は、障害者も老人福祉課になる。


【①50,000円以上の高額医療費の返還】

1年間にかかった50,000円以上の高額医療費は、返還を受けられる。

注意)確定申告の「医療費の控除」にあててはいけない。

申請の手続き・・・在住区役所の老人福祉課


【②身体障害者の医療費の自己負担分を助成】

健康保険の自己負担金分を助成してくれる。実質的免除である。

申請手続き・・・在住区役所の老人福祉課。

身障手帳、ハンコ、健康保険証、(住民票記載事項証明書、本人名義の銀行口座番号)

注意)所得制限有り、生活保護者や施設にいる者は制度が異なる。


利用方法手続きの後に、障受給者証が郵送で交付される。

都の指定病院の場合、受給者証を提示すればその場で免除。

指定外または他府県の場合、一時立て替える。領収書を保管しておく。

返還手続き・・・老人福祉課 (1年に2度、領収書を持参して手続きをする。)

返還方法・・・・後日、指定口座に振りこまれる。



「付録Ⅲ.給付品」

<補装具・日常生活用具の給付>

【①補装具】(都の予算で給付)給付された補装具は、修理の助成も得られる。

品目・・・・・・車椅子(マニュアル・タイプ)、電動車椅子、上肢ディバイス、集尿器など。

申請窓口・・・・管轄福祉事務所 [各品目ごとに事前に、都心障の「判定」がいる。]

判定・・・・・・予約制。本人が、赴く。判定を得た品目に関しては、二度の判定はない。

判定手続き・・・電話予約可、相談課まで。福祉事務所を通すこともできる。

申請手続き・・・管轄福祉事務所 [身障手帳、ハンコ、所得証明(確定申告や源泉徴収票)、業者の見積もり。]

注意・・・・・・所得制限と所得制限による自己負担金制度がある。

        補装具は、都の給付とは別に健康保険で取る制度もある。


【②日常生活用具】(都の要項に基づき、区の予算で給付)

品目・・・・・・エアー・コン、特種尿器、シャワー・チェア、特種寝台、エァ・マット、ワープロなど。

        浴槽、湯沸かし器、特種便器。

注意・・・・・・上記3つの給付と後述の設備改善費の併用はない。

問い合わせ・・・福祉事務所は手続きの窓口として割り切り、細かな問い合わせは区役所の障害福祉課「日常生活用具給付品係り」に電話で尋ねることをすすめる。

申請手続き・・・管轄福祉事務所 [身障手帳、ハンコ、所得証明(確定申告や源泉徴収票)。]

注意・・・・・・所得制限による自己負担金制度がある。


「付録Ⅳ.住宅改善費」

<改築と増築>

【①設備改善費の給付】(浴場、便所、台所、玄関の改善に・・・。)

申請手続き・・・管轄福祉事務所。 [身障手帳、ハンコ、所得証明(確定申告や源泉徴収票)]

注意・・・・・・所得制限による自己負担金制度がある。事前に、福祉事務所と相談、談合の上で申請を決める。


【②更生資金の貸付】(年利3%)

世帯更生資金

住宅資金

(他に、福祉資金や生活資金もある。)

申請窓口・・・在住区の社会福祉協議会。

       貸付の決定は、福祉法人 東京都福祉協議会の決議で決まる。

注意・・・・・貸付限度額は、87~280万円。

       貸付から半年まで(経過措置期間中)は、利子がかからない。民生委員が指導を行う。


【③東京都の増築・改築・修繕費の融資斡旋】(年利2.0%)

申請手続き・・・都庁住宅局民間住宅部貸付課 TEL:212-5111 内線32-720 テレホン・サービス TEL:540-8110

注意・・・・・・持ち家で、新築後2年経っていなければならない。


<住宅建設費と住宅購入費>

【④住宅金融公庫融資の優遇】(年利は安くならないが、割増融資が受けられる)

申請手続き・・・住宅金融公庫 TEL812-1111  テレホン・サービス TEL236-9111


<住宅減税>

新築の場合は、住宅減税がある。


【⑤固定資産税は、50%の減税】

申請手続き・・・大田都税事務所 管理課自主納税推進主査 TEL:733-2411 在住区役所 課税課諸税係



「付録V.自動車」

<助成と減税>

【①自動車運転教習費用の助成】

資格・・・・障害者本人 身障手帳1・2・3級(下肢は、5級まで)

限度額・・・最高14万円まで

注意)教習開始前に申請し公安委員会(試験場)の適性検査を受けること。


申請手続き

窓口・・・・・・在住区役所の障害福祉課。

必要なもの・・・身障手帳、ハンコ、適性試験の合格証明書。

所得制限・・・・障害者本人の前年度所得税額が40万を超えてはならない。

(*以下は、本人または家族名義の自動車も対象になる。)


【②自動車改造費の助成】

資格・・・・身障手帳1・2・3級の下肢または体幹機能障害。

限度額・・・最高10万円

注意)申請は改造前にする。


申請手続き

窓口・・・・・・在住区役所の障害福祉課。

必要なもの・・・身障手帳、ハンコ、運転免許証、業者による見積もり。

所得制限・・・・障害者本人の前年度所得税額が40万を超えてはならない。


【③自動車物品税の免除】(普通車2,000cc以下)

福祉事務所で証明書の交付を受け、購入時に販売業者に提出する。


証明書交付手続き

交付窓口・・・・福祉事務所

必要なもの・・・身障手帳、ハンコ、免許証のコピー


【④自動車税(③とは異なる)自動車取得税の減免】

新たに自動車を取得する場合、新規または移転登録の際に。

申請手続き 自動車税事務所 品川自動車税事務所 TEL:471-6670


既に自動車がある場合、自動車納税期限(5月31日)までに。

申請手続き 都税事務所 大田都税事務所 TEL:733-2411


【⑤軽自動車の減免】

申請手続き

窓口・・・在住区役所の課税課諸税係(*④か⑤の減免が決まると、「減免決定通知書」が郵送で交付される。

     これは、「⑥ガソリン費の助成」の申請に必要である。)


【⑥ガソリン費の助成】

④か⑤の減免を受けていること通院のためのガソリン費用の一部を助成する。

注意)「⑦福祉タクシー・チヶットの交付」との併用は、できない。


申請手続き

窓口・・・・・・在住区役所の障害福祉課

必要なもの・・・身障手帳、ハンコ、減免決定通知書、本人名義の銀行口座番号、領収書


<その他の制度>

【⑦福祉タクシーチケットの交付】

通院のためのタクシー代に利用券を交付する。月に、470円券6枚

注意)「⑥ガソリン費の助成」との併用は、できない。


申請手続き

窓口・・・在住区役所の障害福祉課


【⑧駐車禁止の対象除外】

駐車禁止の区域でも駐車ができるステッカーを交付してくれる。


対象

(1)体幹機能障害車が自分で運転する場合

(2)同一生計の家族の運転する車に同乗する場合


申請手続き

窓口・・・・・・最寄りの警察署

必要なもの・・・身障手帳、運転免許証、車検証(コピー)

(都立公園駐車場で身障手帳を提示すると入場料免除、または公園入場料も免除)


【⑨有料道路通行料金の割引】

割引証の交付 通行料が半額

対象

(1)体幹機能障害者が自分で運転する場合

(2)同一生計の家族の運転する車に同乗する場合

注意)営業車ではいけない

申請手続き

窓口・・・・・・在住区役所の福祉事務所

必要なもの・・・身障手帳と運転免許証、車検証(コピー)

*他に、身障手帳の提示により割引のきく交通機関 →JR・私鉄・航空機・フェリー

*他に、福祉事務所で交付してくれる無料パスと割引証 →無料パス、都営交通 身障手帳、ハンコ、写真(4cm×3cm)

割引証   民営バス 身障手帳、ハンコ

* マイカーもない。他の交通機関も利用しにくい障害者に、区によってはリフト付きのバスを無料レンタルしたりタクシー利用できるところもある。


〔大田区の場合〕

クスノキ号の貸出(無料レンタル。ドライバーは、利用者側で確保する。)

利用資格証を交付してくれる。

資格・・・大田区に住所があること。

     2級以上の車椅子利用者。


交付手続き

窓口・・・・・・大田区役所 障害福祉課

必要なもの・・・身障手帳、ハンコ

利用方法・・・・障害福祉課まで電話予約。

        日産レンタカー大森営業所で利用資格証を提示して、レンタル。

注意)ガソリン代は、自己負担?


〔新宿区の場合〕

リフト付き福祉タクシーを、タクシー会社グリーン・キャブが依託営業

利用方法・・・グリーン・キャブに電話で予約を取る。

       福祉タクシー・チケットが使える。

注意)区民優先。他区民の余地はない。



「付録Ⅵ.サービス事業・その他」

<サービス事業> (いずれも無料)

申請手続き・・・区の障害福祉課


①心身障害者巡回入浴サービス月1回 身障手帳1・2級障医療助成制限内の者

②寝具丸洗い乾燥サービス 乾燥消毒月1回 丸洗い年2回 身障手帳1・2級

③出張理髪サービス 年4回出張調髪 都の認定の重心障 所得制限あり


<生活保護世帯・所得税または住民税の非課税世帯>

①電話使用料の補助 生活保護世帯 基本料金と月に60通話分を補助

 窓口・・・区役所障害福祉課

②NHK受信利用の減免 (半額あるいは、全額の免除)

 証明書交付窓口・・・福祉事務所 NHKの営業所か集金人に提出する

③福祉電話の貸与  重度身体障害者がいて、現に電話のない家庭に福祉電話を貸与する。

          更に、電話架設料、福祉電話付加使用料、基本料金(60通話分)を区が負担する。

 窓口・・・区役所 障害福祉課



「付録Ⅶ.税金の軽減」

【①障害者控除】(所得税・住民税)

問い合わせ・・・所得税は所轄の税務課

        住民税は区の課税課

障害者控除 本人が身障手帳1~6級の場合

 所得税控除 25万円

 住民税控除 24万円


特別障害者控除 本人が身障手帳1・2級の場合

 所得税控除 33万円

 住民税控除 26万円

 更に、前年度所得が100万円までは住民税は課税されない。


同居特別障害者配偶者扶養控除

 控除対象の配偶者や扶養親族が身障手帳1・2級の場合

 所得税控除 47万円

 住民税控除 34万円


【②贈与税の非課税】

身障手帳1・2級の者が贈与を受ける場合、その財産を信託銀行に信託すれば3,000万円まで非課税。

問い合わせ・・・所轄の税務署


【③相続税の軽減】

障害者軽減

身障手帳3~6級者が相談する場合(70-年齢)×3万円軽減


特別障害者軽減

身障手帳1・2級者が相談する場合(70-年齢)×6万軽減


問い合わせ・・・所轄の税務署


【④個人事業税の軽減】

納税者または扶養親族が障害者の場合

注意)前年度所得は370万以下。


障害者軽減   5,000円/一人につき

特別障害者軽減 10,000円/一人につき


問い合わせ・・・大田都税事務所


【⑤輸入課税の免除】

身体障害者用の器具など、または社会福祉事業施設に寄贈された輸入物品には課税されない。


問い合わせ・・・東京税関 税関相談官室 TEL:472-7001


〔参 考〕

区役所 課税課諸税係・・・軽自動車税・住民税

所轄税務署・・・・・・・・自動車物品税・相続税・贈与税・所得税

大田都税事務所・・・・・・自動車税・自動車取得税・個人事業税・固定資産税

品川自動車税事務所・・・・自動車税 自動車取得税


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