ここには当館をご利用いただいている皆様への管理人からの月々の便りを載せています。モラリストとも言われた芹沢氏と対話するような気持ちで、その時々の思いを綴っています。感想など皆様のお便りをお寄せいただければ幸いです。

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管理人の創作

 

2009年1月1日 counter:110150

大きな時代の波が来ている2009年――

昨年は「変」革の年でしたが、それはまだ幕開けにすぎないようです。真の変革はこれからはじまるのでしょう。生きるということの意味を見失ったひとたちがあまりにも多い今、今までと同じ価値観では、生き難い時代になってくるのではないでしょうか。

芹沢氏はすでに新しい価値観に生きていたから、芹沢文学を読み込んでいる者も、どんな時代が来ようと動揺することはないでしょうが、世の中には旧い価値観から抜け出せないひと達が多いようです。皆さんの周りにはいらっしゃいませんか?

僕は、気のいいひとたちに囲まれているようで、仲間たちは皆幸せに生きているのですが、時々、悩みにぶつかる若い友が相談に訪れます。そんな時は、一緒になって考えるのです。「貴方は何をやりたくて生きてるの?」と。

新しい価値観、それはまた、天が望む生き方なのかもしれません。けれど若い彼らにはまだ難しそうです。『神の微笑』に書かれているテクノロジーの進化は、確かにジャックの言うように現実になったけれど、大気の法則の方はまだ証明してくれる科学者はありませんから。

この世と、天と、二つの世界を見ながら生きれば、きっと君もこころ安らかに生きられるよ。僕からのメッセージをそっと創作に託します。天を見るとは――それは難しいことではなくて、ふとした時に、自然の声に耳を澄ませるだけのことですが。

青空にカイト ほら、今年も雲ひとつない青天が、新しい年の希望を告げているから――

そんな身近なところに、自然の声は聴こえてきます。この空のようなこころで、今年も歩いていきましょう。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

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2009年2月1日 counter:110839

いよいよオバマ新政権が発足しました。初めての黒人大統領に、世界の期待は小さからぬようです。日本のちょっと頼りない総理大臣も、この流れにうまく乗って日本を建て直すような政策をとって頂きたいなあと願っています。支持率など気にせずに。

ただこの不景気は、経済不況というのだけの視点で見るのは違うようです。この事は世界を大きく変えているのではないでしょうか。この波が落ちつく頃、労働、経済、生活といった社会構造そのものの考え方が、今とは大きく変わった世界になっている気がします。

オバマ氏が繰り返し使った「チェンジ」は、アメリカが変わらなければならないということだけではなく、実は、天がこの世界を根本から変えようとしている、というメッセージを、オバマ氏に託して送ったのかも知れません。

さて、政治のような大きな問題は、天の意志と政治家の皆さんにお願いして、こちらは、その成長する社会に対応できる自己を育てるための考察をしてみたいと思います。今回は「哲学」と「悟り」についてです。

そもそも悟りとは何か。『神の微笑』でも、主人公が天の声を聴いて、いまの声は悟りだっただろうか?と疑う場面があります。この部分を読む限り、氏は悟りを定義していない、または、自ら悟りを経験していない、という立場を取っていることがわかります。

ですが、今この欄では、氏が聴いた声を「哲学」と定義させて頂きたいと思います。アランを読んで得る知識も哲学、自己の精神に聴こえてくる声も哲学。その哲学を精神の中で育て、根付かせたひとが仏陀(悟ったひと)であると思うのです。

その考えで行くと、悟りというのは、そう難しいことではありません。仏陀のようにこの世界の全てを悟らなくても、ひとは小さな悟りを幾つも持っているのではないでしょうか。個人的には、その悟りの山の頂上には仏陀がいて、その途中にはアランや芹沢氏が待っています。

僕も苦労の多い人生の中で、様々な哲学を教わってきました。その後、苦悩の中で精神の奥深く根付いた哲学は悟りとなり、常に自己の内面に生きて、悩みは少なく、より実りの多い悟りを得たいと思う毎日で、悟りが人生の幸福に直結しています。

時々はその悟りを、哲学として仲間たちに伝えることもあります。それは自己をひけらかすのではなく、彼等が悩みの中に求めてきた時に限ってですが、話を聞いた時には理解しても、その後の生活には生かされないのか、同じような悩みを繰り返しているようです。

物質的に満たされ、何不自由ない生活の若い人たちが、自己の精神に哲学を根付かせるのはそう簡単ではないようです。そんな彼等が不憫に思えることもありますが、芹沢氏も同じだったのではないでしょうか。「大自然の夢」にも、そんな記述が多く見受けられます。

ではどうすれば、哲学を自己に根付かせることができるか。それにはやはり自分が経験したように、深い苦しみの後に、この不幸から脱したいという強い意思によって、教わった哲学の意味を、真に求めることしかないのかなあと思います。

そうわかってからというもの、友のことを思う時、「幸福であるように」とは祈らなくなりました。不幸は成長するための必要条件かもしれないからです。その代わり、ただ「やさしいこころであるように」とだけ祈ります。不幸であっても、こころに常に愛があれば、道を誤ることはない。

仲間たちは芹沢文学を読まないから、頼りない代用書ですが、これからも彼等の哲学書でいたいと思います。ボランティアの意味を教えてくれた彼等も、今は父となり母となって、僕の経験しない新しい世界を教えてくれますから、その恩返しでもあります。

ひとはいつでもそうやって助け合って生きてきたものですよね。そんな当たり前なことひとつこころに聞いてみることも、あるいは哲学かも知れません。まあそれは難しい学問でも何でもないのですが、その当たり前のことを忘れがちの現代ですから。

この時期、その香りをたのしみに訪れる後楽園のロウバイを、今年は見に行けていません。忙しかったからでもありますが、インフルエンザが流行して、抵抗力の弱い身体なので(強いの間違いではとも言われますが)、外出を控えたからでもあります。

「手洗いとうがいをきちんとしよう」という言葉をよく耳にしますが、その手洗いとうがいと共に、もっと大事なこころの見直し――誰に対しても愛を持って接しているか――もしてみると、案外良いインフルエンザ対策になるかもしれません。

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2009年3月1日 counter:111492

夏日があったかと思えば、昨日は昼に降る初めての雪。東京の2月は不思議な天気でしたが、曇り続きの政界は中川さん、小沢さん、麻生さんと相変わらずニュースに事欠きません。ですが時の人と言えば、アカデミー賞の青木新門さんでしょうか。

青木さんがアカデミーをとったわけではありませんが、本木さんを動かした「納棺父日記」。読まれていた方も多いでしょうか。僕は略歴だけは存じていて、「こういう方が受け入れられる時代が来たのだな」と感銘を受けましたが。

そしてもうひとりは直木賞をとった『悼む人』の著者天童荒太さん。全国を巡って見ず知らずの死者を悼む(生前の活動に思いを致すことのようです)主人公を描いた作品がベストセラーになっているのも、同じような天の意志を感じます。

死と向き合い、生を見つめ直す。この2つの作品を読んで、もう少し頑張ってみようと思う、今苦しんでいるひとが救われることを願います。厳しい時代は、そう簡単には終わりそうもないですから。

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2009年4月1日 counter:112235

桜が例年より早く開花したようですが、その後、花冷えのする天気が続いて、なかなか満開になりません。そうなると、少しずつ花の増えるのを楽しめるようで、この方がありがたいとも思いますが、皆さんの所はいかがでしょうか。

昨日、街中で、同じような黒のスーツに身を包んだ青年たちに多く行き会いました。1日早い入社式なのでしょうか。今年は厳しい就職戦線と言われましたが、青年たちの表情は、例年と変わらない笑顔で、始まりの春だなと感じる一コマでした。

その清々しい始まりの春に、ミサイルだか衛星だかが打ち上げられるといって、それを妨害すれば、戦争も辞さないという声明まで出している騒々しい国もあって、近隣国である日本は迷惑なこと、この上ないですが、よく経緯を見守っていきましょう。

政治の世界は、自民もダメ、民主もダメで、投票する政党もないのに選挙が始まりそうで、政治だけでなく、司法の世界も不透明なことが多くて、こんなことで、国政はちゃんと機能しているのか心配ですが、どうなんでしょう。

この3月はプライベートで様々なことがあり、そんな混迷した世の中と一線を画するような、気持ちの良い作品が書けましたので、気分の晴れない時にでも、お読み頂ければ幸いです。左の管理人の創作欄から読めます。

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2009年5月1日 counter:counter:112969

芹沢氏の誕生月です。今年の亀戸の藤は不作でした。良いときもあれば、悪いときもある。人間の世界と同じですが、そう安閑としていられないNEWSが入ってきました。ある意味では世界経済よりも深刻な豚インフルエンザの発生です。

今はその渦中で、毎日のように新たな情報が入ってきて、世界中が右往左往している現状ですが、日本でも今日初めて感染疑いの高校生1人が横浜で出ました。発覚早々、横浜市と連絡が取れないと桝添厚生大臣が怒ったというのも、政府の慌てぶりが窺えます。

エジプトではまだ感染者もない段階で、国内の豚すべてを処分すると発表しました。同じ日に日本では、子ども達が豚に触って遊んでいました。情報不足で、各国の対応にも混乱が出ているのでしょうが、政府が落ち着かなければ、国民も落ち着けませんね。

IT社会なのですから、リアルタイムで情報を共有できる利を生かして、各国政府が今までにない良い連携を生んで、この難局を乗り越えてほしいものです。今回の対応は、新しい世界の幕開けの試金石となるかもしれませんから。

一方、経済に目を転じてみると、世界経済も漸く回復の兆しが見えはじめたばかりですが、この騒ぎの影響が吉と出るか凶と出るのか、どちらにせよ厳しいことの多くなった世の中を、どう捉えて過ごしていくかが大切な時代のようです。

オバマは公共事業の拡大など必死の努力で立て直しを図っていますが、日本の経済対策を見ると、エコが叫ばれる今、なぜガソリン消費を促すような高速料金の割引なのか。それなら自然エネルギーの開発、普及にもっと力を入れるべきではないでしょうか。

豚インフルエンザも世界不況もいつかは落ち着きます。その時に「あれ、こんな社会だったかな」と思うのか、それとも「いい社会になったな」と思えるのか、私たち一人ひとりの淀みない目にかかっているのだと思います。

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2009年6月1日 counter:113630

まだ梅雨前だというのに、東京は冷たい雨が続いています。物思う季節というと秋という気がしますが、こんな天候だと思わず空を見上げて物思いに耽ってしまいますね。今日は厚い雲の間から少しだけ晴れ間も覗いて、清々しいです。

このところ我が家では夫婦そろって体調を崩して、読書三昧な日々を送っています。二人で同じある外国の作家のものを読んでいるのですが、どこに出掛けて行けずとも、物語の世界に入り込んでいるのは楽しいものです。

自分で創作するようになると、作家の年齢と作品との関係が気になるもので、こんな作品が34歳で書かれたのか、この内容を50歳で、などと年齢を背景にして読むと、ただ読むのとは違った感慨が起こってきます。

芹沢氏が今の僕と同じ年の頃には『秘蹟』『孤絶』『巴里に死す』などを書いています。どれも佳作ですが、現代では様々な病気の人が増えているから、『孤絶』や『巴里に死す』はそれらの人々を勇気づけることのできる書として、今後も読み継がれていってほしい作品です。

5月に入って、ある理由があって、今までとは違うタイプの作品を書き始めました。この作品が誰かにとっての『孤絶』や『巴里に死す』なればいいなと想いながら書いています。内容的には『神の微笑』に近いかも知れませんが。

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2009年7月1日 counter:114291

梅雨らしい雨の日が続いています。6月始めに咲いた紫陽花もまだ楽しめて、グレイの空を鮮やかなワンポイントで染めてくれますが、紫陽花という花は雨や曇り空が似合うのですね。晴れた日にはちょっと色褪せて冴えなく見えます。

全盲のピアニスト、辻井伸行さんがアメリカの世界的にも評価の高いコンクールで優勝して、大変な話題になっていますが、おなじ障害者としても嬉しいニュースです。ハンディキャップを持った上での技術の習得がいかに大変かは想像に難くありません。

テレビでもインターネットでも政治でも、他人を批判することばかりに精神を浪費しているひとたちが目に付きますが、辻井さんは、そんな無駄なことに費やす時間を、全て自己の鍛錬に充てているのでしょうね。

これからこの若い芸術家の奏でる音楽を楽しめるのはありがたいことですが、これまでとは比べものにならないほど忙しくなるでしょうから、体調には十分に気をつけてほしいものです。すでに3年間の世界ツアーの契約もあるようですから。

僕も負けずに創作に励みたいと思います。自己を鍛えることは、何よりも充実した時間ですから。辻井さんの音楽がひとのこころを打つように、誰かの魂に柔らかな鐘の音になるような創作を心掛けて――。

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2009年8月1日 counter:114905

今年は冷夏という予想ですが、木々も早くに秋の準備をするのか、マンションのまわりには落ち葉が目立ってきました。西日本ではこの時期、豪雨が風物のようになっていますが、僕も九州出身なので地元の災害は気になります。

多くのひとは気づいているかも知れませんが、今の世界は異常気象の中にいるのでしょう。東京でも夏らしくない不思議な冷気を肌に感じる時があって、こんな天候では、何が起こってもおかしくないと空を見上げる日が多いのですから。

ただ厳しい時代ではありますが、芹沢氏のいる大自然の意志を感じ取れば、世の中は良い方向に向かっているのだと教えてくれるような知らせも散見できます。東京では先月19日に美しい虹が出て、こころを和ませてくれました。

ダイヤモンドリング その三日後の22日には、日本では46年ぶりとなる皆既日食もありました。個人的には生まれて初めての皆既日食で、映像で見ても、太陽が月に隠れた瞬間、上空が夜になって、360度、見渡す限りの地平線上が夕焼けのように赤く染まった様子には、すっかり見とれてしまいました。

ただ良い方向に向かっていると言っても、そう向かわせるためは一人ひとりの努力しかないわけですから、常に温かいこころでいたいと思います。そして来たる選挙にも、そんなこころで政治に臨んでくれるひとを選ばなければなりません。

どの政党が政権を取っても、景気回復、年金・福祉の問題、少子化対策、エコ政策の持続、自然災害への準備対応と、やることは山積みですから、お互いの粗探しをする前に、じっくり政策を練って臨んでいただきたいものです。

そう言えば、災害のニュースで「ギリギリで助かったね」と笑顔で笑い合う夫婦や、「命の方が大事ですから」と、家が壊れても、いのちが助かったから又やり直せると気丈に話す婦人に、人々が強いこころを持ちはじめたのではないかと感じました。

このインタビューに答えていた方々のように、大変な時こそ明るく力強い気持ちで前を向いていくことが、物事を良い方向に進めてくれる力になるのは間違いありません。その気持ちこそ今大きく変わり始めている社会に対応するヒントであるかも知れません。

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2009年9月1日 counter:115519

夏らしい暑さが来たと思うと、また肌寒い日に逆戻り。そんな不安定な天気ですが、街にはマスク姿が目立ってきました。政府の試算では、このままでは新型インフルエンザの感染者が2500万人に上るというのですから、大災害以上の影響も考えておくべきでしょう。

感染者が自宅療養を迫られ仕事に支障が出る、子どもが大事な試験やスポーツの大会に出られない等、様々な場面が想定されますが、一番危惧されるのは、内臓疾患や妊婦の方が重症化する可能性があることです。

このことには、まわりの健康な者が充分に配慮する必要があります。少しでも感染の兆候があれば外出を控える、病院で診断を受けるくらいは絶対にすべきでしょうし、自分のことだけではなく、家族や職場の人々にもそれを徹底する必要があります。

たとえ貴方や家族が健康で、季節性インフルエンザのように数日で治ったとしても、貴方が外出中にばらまいたウイルスで感染した妊婦が、重症化して命を落とすこともあるのだということをしっかり認識しなければなりません。

咳が出るときは必ずマスクをしましょう。もしマスクが出来ない状況なら、常にハンカチで咳を飛ばさないように口を抑えるのも有効です。その努力一つで、感染者が数人、或いは数十人減らせるかも知れないのですから。

芹沢氏の創作にも登場する、戦時中の我が身可愛いだけの疎開先の人々にならないようにしなければなりません。我が身が大変な時にこそ、ただひとり他を思いやるという当たり前のこころを失わなかった平賀老人になりたいものです。

新しい歴史に名を刻むような一昨日の衆議院選挙で大勝した民主党には、国民の命を守るというこの最初の難題に真摯に立ち向かってほしいものです。そしてそれを支持した国民一人ひとりが、共に努力していく必要があるのではないでしょうか。

大不況の最中に誕生したオバマ政権と同様に、自然災害、インフルエンザ、景気回復という大変な状況の中で生まれた民主党が、オバマ大統領に続く「チェンジ」と成り得るか。私たち一人ひとりがそれを見守っていかなければなりません。

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2009年10月1日 counter:116234

キンモクセイが香り、ケヤキが美しく色づいています。高い空に浮かぶ雲は爽やかですね。この季節の雲の形はおもしろくて、いつまで見ていても飽きませんし、時を忘れて雲を眺めているのは楽しいものです。秋の楽しみの一つでしょうか。

先月16日の鳩山総理誕生のニュースを見ていて、思い出したことがあります。もう7年位前でしょうか。友人と国会議事堂の見学に行きました。知人が働いているので訪ねたのですが、その日は会期中でなかったのでしょう。廊下も議場も人気なく、静かでした。

議事堂には、議員さんたちが登庁した際に押す、名前にボタンが付いた掲示板のある入口があります。そこを見学していた時、一人の議員さんが軽く会釈してボタンを押し、中に入って行かれました。それが鳩山新総理でした。

あの日、1時間位は見学していたと思いますが、出会った議員さんは鳩山さんだけでした。袖すり合うも多生の縁と言いますから、鳩山さんには頑張って欲しいと思っています。議員さんというのは大変な仕事で、総理大臣ともなると、その責任の大きさは計り知れませんから。

戦時中、天の忠告を聞かなかった代議士が狂死するということもあったようですが、ひとに影響を与える職業の責任の重さは、その影響を与えた数だけ重くなるのではないでしょうか。勿論、芹沢氏のように、その逆の良い影響も然りでしょうが。

芹沢氏は、自分の作品が不幸の芽を育てることがないように、気を付けていたと言います。鳩山さんにも、そんな気持ちで国政に向かってほしいものです。自分の政策が、より多くの人々を幸せにするという心掛けでいれば、道を誤ることはないでしょうから。

総理誕生の日、幸夫人は「夫が目指す友愛の政治のスタートに立った」と言いました。鳩山新総理には、その気持ち抱いた日を忘れることがないよう、任期を全うしていただきたいし、そうなることを祈っています。

話は変わって、先月新しい暦になって初めてのシルバーウイークがありましたが、暑くもなく寒くもない好い時期だからと、帰省することにしました。ひと混みは疲れるので、行きも帰りもピークを外しましたが、お陰でゆったりした良い旅が出来ました。

実家のすぐ目の前に、小学校の時からの友人が住んでいますが、彼も30過ぎまで東京にいて、地元と東京で長い付き合いのある友です。帰省中、その友を家族と観光地から帰った車中で見かけました。後で寄ろうと思いましたが、そのまま帰ってきてしまいました。

ダイヤモンドリング 二人の家に挟まれた池の公園で、他の仲間たちと共にボールを追った日々は、つい昨日のことのように感じるのに、僕の身体はこんなに衰弱してしまい、友はまだ独りでいるようです。元気であれば、酒でも飲みながら、昔話に花を咲かせるのでしょうが。

そんな言いわけをして、今回も10年ぶりの友を訪ねないでしまったのも、僕が面倒くさがり屋だからだろう――そう意気地のない自分を反省するのですが、来年こそは会いに行こうと、歩数計を買って身体を鍛えているところです。

この10月は沼津の芹沢文学館が沼津市芹沢光治良記念館として生まれ変わります。まだ500メートルも歩けば座り込むような体力ですが、沼津にも足を伸ばしたいと思っています。皆さんも気持ちの好い秋の我入道のひとときはいかがですか。

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2009年11月1日 counter:116992

インフルエンザが1週間で100万人を越える猛威をふるっています。アメリカでもテロ以来の非常事態宣言が出されました。ワクチン接種も始まりましたが、まず予防することで十分気を付けてください。今月は大切ないのちの話を――

先日、友人の家に遊びに行きました。初めての子供が産まれて9ヶ月、彼女の母親振りも板について、旦那は不景気で仕事が減って大変だとこぼしていましたが、幸せな空気に包まれていました。元々保母さんをやるような子ですから、育児はお手の物なのでしょう。

その彼女が、子どもの話題で新婚のお兄さんの話になった時、「奥さんが余命宣告されてたんだよね」と何気ない調子で呟きました。僕は言葉を失いましたが、家人が「どういうこと?」と聞いても「よく知らないんだけど」と詳しく語りませんでした。

去年の秋、彼女が出産してすぐにお祝いに実家を訪ねましたが、お兄さんもいました。丁度結婚が決まったと聞いていたので「おめでとうございます」と言葉をかけましたが、少し困った顔で「ああ、ありがとうございます」と答えただけでした。

普段は愛想の良いお兄さんで、その様子を不審に思いましたが、それを聞いて、そうだったかと気がついたのです。彼女にも結婚式の後まで内緒にしていたそうですから、色々と悩みを抱えておられた時期だったのでしょう。

僕と家人は、お互いにいつ倒れてもおかしくない余命宣告されたような身体ですから、多少の躊躇はあっても、お互いに支え合うことで結婚に踏み切れたのですが、健常者のお兄さんが、不治の病を抱えた彼女と結婚を決めるまでにはどれだけの悩みがあったか。

またご主人を亡くし、家にいる最後の息子に不治の娘を迎えるお母さんの胸中はどんなものだったか。そしてそれを考えたであろう奥さん自身の胸中はどうであったか。ただそれだけは同じ病む者として、痛いほどよくわかるのですが。

それ以来、友からお兄さんの話を聞きませんが、何も言わないところを見ると、奥さんもまだ生きておられるのでしょう。お兄さんは、奥さんとの一日一日を大事にして過ごしておられるでしょうが、友もそう考えるから、干渉しないのかも知れません。

その友も、実は病を抱えています。歌手の絢香さんが公表して話題になったあの病気です。友は妊娠と同時にそれがわかって、大変慌てたようですが、お姉さんの知人にも同じ病の方がいて、出産に影響がないことも知り、安心できたようです。

若い女性に多い病だそうですが、「そんなの病気の内に入らないよ」と笑う呑気な重病人が身近にいるのも、少しは彼女のこころの負担を軽くするのを手伝えたでしょうか。今では仲間たちとのパーティに、息子を抱えて出てくる元気なお母さんです。

健康であれ、難病であれ、一日は同じように訪れ、同じように暮れていくから、今この瞬間を自分なりに納得して生ききれば、その時が永遠で、かけがえのない時間になります。皆さんもどうかよい時間をお過ごしください。我が家は今日も幸福です。

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2009年12月1日 counter:117513

この月報にも年初に書いたとおり、この一年もやはり激動の年になりました。1月のオバマ大統領の誕生、4月の新型インフルエンザの発生、8月の民主党政権の誕生と、それに伴う株価の下落、そしてこの年末に来てドバイショックによる円高。

ドバイショックなどは、まさに砂に描いた楼閣のようで笑えますが、その影響が円高では笑い事になりません。日本ではやっと立ち直りはじめた企業が、政治不安からの株安とのダブルパンチで、大手から中小まで経済界全体の悲鳴が聞こえてきそうです。

事業仕分けも大きな話題を呼んでいます。これまで馴れ合いで使われていた予算を、万人公開の元、矯正しようというわけですから、画期的な制度なのですが、科学や医療に関しては、疑問を感じるものもあるようです。

ただ経済よりももっと気になるのが新型インフルエンザです。若いひとや持病のないひとが突然いのちを落としている。それなのにまだ国民一人ひとりには危機感が少なくて、激しく咳をしているひとが、マスクもせずに平気で電車に乗っている。

政府は経済対策よりも、インフルエンザ予防のアナウンスにもっと力を入れても良いのではないでしょうか。やっていることと言えば、ワクチン接種くらいですが、そのワクチンも副作用があったり、効果が疑問符では頼りない限りです。

皆さんも、どうかインフルエンザにかかっている知人がいたら、公共の場では、マスクだけはするようにお願いしてください。このインフルエンザを強毒性になる前に収めるには、助け合いの精神しかないと思いますから。

紅葉 ドバイショックもそうですが、メッカのそばでの大洪水など、世界では様々なことが起こっています。この変革の波はまだ当分は続きそうです。

その分、力強い確かなものを生み出す覚悟で、災難に負けず、この荒波を乗り越えていかなければなりませんね。いのちを大切に、やさしさを大切にして――

本年もありがとうございました。良い年をお過ごしください――(管理人)

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