国際会計基準の事例

国際会計基準で作成された財務諸表実例

IFRS適用を公表した上場会社は、下記の通り、ただ今 148
社・撤回企業1社あり
参考:JPX日経インデックス400算出要領・・銘柄選定参照

「国際会計基準の基礎」IAS1号「財務諸表の表示」へ

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はじめに

2001年2月19日IAS1号「財務諸表の表示」の適用を厳格にして、IAS適用について財務諸表の会計方針または注記にその旨を記載し無限定適正意見を表明した監査報告書が添付されている財務諸表に限定した『IFRS(International Financial Reporting Standards=IAS)適用会社』を公表した。IAS適用会社は日本企業は皆無となった。

IAS1号、パラグラフ11には、「IASに準拠した財務諸表を作成する企業は、その旨を開示しなければならない。財務諸表を適用すべき各基準書及び適用すべき解釈指針委員会の解釈指針すべての規定に従ったものでない限り、財務諸表がIASに準拠していると記述してはならない。」つまり、IASの全部適用のみ「IASを適用した」旨記載できるが、IASの一部適用やIASとの調整表を付けたものを「IAS適用」と記載してはならなくなった。

そのため、日本の会社は、日本基準を盛り込んでIASの一部適用となるため「IAS適用会社」とは記載してはならなくなった。このホームページに掲載の「IAS適用の事例」は、旧規定の時代に作成しましたので注意が必要です。なお、日本基準の部分以外は参考となると思います。

なお、2002年3月期より日本電波工業(水晶製品メーカ最大手で東証一部上場会社)が日本企業では国際会計基準適用第一号としてIASBのリストにも2002年9月掲載された。ただし、現在、証券取引法の有価証券報告書では国際会計基準の適用を認めていないので、別途、日本基準で有価証券報告書を作成している。 株価 参照

2007年3月31日に終了する日本電波工業の決算書で、日本基準(EDINET:有価証券報告書)の連結財務諸表国際会計基準の連結財務諸表の相違を検証してみると以下の通りとなっている。なお、会社のホームページには有価証券報告書としては掲示はしていない。

2007年3月31日終了する事業年度
単位:百万円
日本基準 国際基準 差異
純利益 4,716 4,484 232 注3
持分:
資本金 10,649 10,649 -
資本剰余金 10,635 11,039 (404)
転換社債 - 2,828 (2,828) 注1
株式報酬(新株予約権) - 135 (135) 注4
利益剰余金 27,028 27,205 (177) 注2
自己株式 (1,299) (1,299) -
その他有価証券評価差額 758 356 393
為替換算調整勘定 1,390 778 612
親会社株主持分合計 49,161 51,691 (2,530)
少数株主持分 98 98 -
持分合計 49,259 51,789 (2,530)

注1:国際会計基準IAS32号「金融商品:表示と開示」により、転換社債は、負債相当部分と持分相当部分を区分し、持分相当部分を資本に表示する(IAS32号事例9 参照)。日本基準は、一括して負債計上または社債部分と新株予約権を区分して新株予約権を純資産の部へ計上し、転換するごとに新株予約権から資本剰余金へ振り替え、転換しないで失効した部分を利益に戻す。
注2:日本電波工業の場合、日本基準では「のれん」を5年で償却している旨の会計方針の記載がある。一方、国際会計基準では「のれん」の償却はしない。
注3:社債発行費用は、日本基準では費用処理されているが、国際基準では、社債等の入金から直接控除で処理。その税効果部分も影響している。

注4:役員及び適格の従業員にストック・オプションを付与しIFRS2号「株式報酬(ストック・オプション)」に基づいて、ストック・オプションの公正価値を、権利付与日から権利確定日までの期間に費用計上したもの。日本基準では「新株予約権」とされ、権利行使に資本剰余金へ振替えられ失効すると戻入して利益計上するが、国際基準では計上して後日変更・戻入しない。国際基準には未決算勘定と言う考えはないからである。米国基準ではあるが、マイクロソフト社などは、株主からの資本拠出として「資本金および資本剰余金」の増減としてまとめて開示し、詳細に開示する意味が薄れている例もある。

貸借対照表の表示方法は、流動性の高いほうから表示する流動性配列法(日本電波や下記の富士通の日本企業、米国企業が適用)か、欧州企業のように逆に固定性配列法で表示するかは指定されていない。国際会計基準(IAS1号)パラグラフ60では「流動性基準が適合する例外的な場合には、すべての資産負債を流動性の順に配列しなければならない」と規定本文に記載して、IAS1号の巻末には欧州式の固定配列法を例示している。日本企業は企業会計原則の流動性配列法に馴染んでおり、国際会計基準でも流動性配列法が否定されていない。いづれの開示方法でも良い

2009年8月5日日本電波工業は、決算記者会見で、「IFRSの任意適用段階からの早期採用を検討している」ことを明らかにした。(国際会計基準の採用検討=日本企業第1号の可能性−日電波・・ 時事通信 参照)

2009年10月30日東証のIFRSについての調査結果によると、結局、2009年の早期適用は日本電波工業1社のみとのことである。(「東証アンケートから浮かび上がるIFRS適用の温度差」 参照)

2009年12月10日、金融庁は、アクセスFSA2010年1月号で法令解説として「国際会計基準の任意適用関係」として制限を加えており、任意適用できる会社を制限して規制をかけている

2010年3月1日金融庁は、「国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards、以下「IFRS」という。)に準拠した財務諸表XBRL(eXtensible Business Reporting Language)形式により提出する際に必須となる企業別タクソノミを作成するためのガイドライン(指針)」(案)を公表した。これによると、HTML形式で作成するものとする。ただし、XBRL形式で作成することもでき、その時は、IFRSタクソノミと「IFRS Taxonomy Guide」はIASBのサイトから入手すること、となっている。IASBのIFRSタクソノミには日本語版がないため、日本語のHTML版を別途作成することを求めている。IASBの英語版(中国語版・韓国語版はあるが日本語版がない・・ASBJが日本語版を作成中とのこと・・日本語へ翻訳したタクソノミ)を見てみると、IFRSタクソノミは資産・負債は固定配列法となっている。日本電波がどのようなものを提出するのか興味がある。(2010年4月12日「日本語版IFRSタクソノミ」・・固定性配列法公表

ASBJがIFRSタクソノミの日本語版を作成中とのことであるが原版は資産・負債を固定配列法で表示しており、流動配列法に対応していない。日本の主張がされて流動性配列法となるかどうか見ものである。金融庁は、IFRS連結財務諸表のIFRSタクソノミの使用も認めている
IFRS XBRL・・IFRS Taxonomy Guide 2009・・日本語翻訳版IFRSタクソノミ・・毎年変わるタクソノミ・・各国IFRS翻訳版の纏め一覧

2010年5月13日日本電波工業は、IFRS(国際会計基準)に基づいて10年3月期の決算を発表した。金融庁は10年3月期から、会計基準にIFRSを採用することを認めており、日本電波工業がIFRS任意適用企業の第1号となる。今回、日本電波工業は初めてIFRSに基づいた財務諸表を日本語で発表していたが、2002年3月期からIFRSに基づいた財務諸表は作成していたため「初度適用には該当しない」としている。「参考」として09年3月期と10年3月期のIFRSと日本基準の差異の比較を発表した。 (日経BP

なお、日本電波工業は、別途「会計基準の変更及び業績予想と実績との差異に関するお知らせ」を公表している。
IFRSと日本基準との主な差異として
(A)売上高について、日本基準は出荷基準により、IFRSはリスクと経済価値が顧客に移転したタイミング(着荷基準等)で売上高を計上しているため、日本基準に比べ約60百万円減少し、
(B)営業利益は、過年度における日本基準とIFRSとの減価償却方法(主に残存価額)の違いによる研究開発費と遊休固定資産減価償却費の減少がありますが、日本基準では認識しない当社及び国内連結子会社の有給休暇費用の増加により、日本基準に比べ7百万円減少し、
(C)税引前当期利益は、IFRSでは新株予約権付社債(複合金融商品)を負債と資本に区分し、負債項目の一部を公正価値(時価)で評価するため、社債償還益の増加と社債利息の増加があり、日本基準に比べ449百万円増加し、
(D)当期利益は、日本基準とIFRSの社債償還益及び連結上の未実現利益の消去に係る税効果の差異により、日本基準に比べ338百万円増加した、
としている。


2010年6月17日金融庁は、「規則等においては、IFRSの初度適用については、特に規定されていません。したがって、初度適用はIFRSの定めにより行われるものであり、アニュアル・レポートにより、既に初度適用の規定が適用されていれば、その後、初めてIFRSによる連結財務諸表を記載した有価証券報告書を提出する際には、初度適用の規定は適用されないこととなります」として、日本電波工業の主張を受け入れたことを明らかにしている。タイミングが遅いが金融庁の見解を明らかにしたことは評価されよう。(IFRS(国際会計基準)の任意適用及び初度適用について(PDF:71K)

なお、同様なことは、2009年の第一四半期からIFRSを適用したドイツのSAP社のケースも、2009年の第一四半期に前年度との比較を記載し既に初度適用の開示を行っており、年度末では初度適用の開示は不要としている。

2010年6月25日日本電波工業は、株主総会後有価証券報告書を提出した。提出した有価証券報告書には、国際会計基準にはない連結付属明細表として「社債明細表」「借入金等明細表」「資産除去債務」等が追加して開示されている。 注記15に短期借入金及び長期借入金等で開示している内容である。連結財務諸表の注記番号の頭に※印は無意味で目障り。英文のIFRS連結財務諸表とは異なっており、金融庁独特の開示の指示に従ったものと考えられる。これでは、株主総会前に提出は無理であったろう。読み難い有価証券報告書は会社のサイトに開示はしていない。正解である。金融庁の担当官は、審査をしているが財務諸表とは何か判っていない。(EDINET 参照・・)

ここで、一通り、日本の制度会計のディスクロージャーを、日本電波工業(2010年3月決算)を例として垣間見てみよう。

監査報告書の日付 決算発表 株主総会招集通知 株主総会 有価証券報告書の提出
株主総会終了後
アニュアル
リポート公開
会社法上の
連結財務諸表の監査報告書
個別財務諸表の監査報告書の
日付は双方とも
2010年5月13日
2010年5月13日(東証で発表)
二期比較のIFRS連結財務諸表
(簡略な注記)
二期比較の個別財務諸表
(注記なし)
2010年6月9日(総会2週間以上前)
IFRS連結財務諸表
(単年度のみ表示)
個別財務諸表
(日本基準・単年度表示)
2010年6月25日、午前10時
IFRS連結財務諸表の監査報告

計算書類報告
2010年6月25日
EDINET 参照
IFRS連結財務諸表
個別財務諸表

Ulletが提供の有報
8月中旬
日本では@からCまで
財務諸表4つを作成⇒

米国では原則一つ作成でよい
@
決算短信は連・単合計32ページ
A
添付資料(事業報告及び
連・単計算書)合計37ページ
@
決算報告6ページ
B
有価証券報告書
連・単含み115ページ
C
年次報告書(50ページ
(連結財務諸表26頁を含む
財務諸表の作成基準等
縦割り行政による複数作成(日本のみ)
東京証券取引所
決算短信様式記載要領
法務省所管
会社計算規則
金融庁所管
連結財務諸表規則
第93条指定国際会計基準
国際会計基準のみ
2011年3月決算⇒ 2011年5月10日決算短信公表
16ページで連結のみD
6月10日 6月24日 有価証券報告書6月24日 2011年アニュアルリポート
2012年3月決算⇒ 2012年5月10日決算短信公表
16ページで連結のみD
6月6日 6月22日(金 有価証券報告書6月22日 アニュアルリポート

@〜CのIFRS連結財務諸表は、それぞれ作成している。@決算短信のIFRS連結財務諸表は単年度のみ表示されており厳密にはIAS1号が求めている比較財務諸表ではない。会社法が比較財務諸表を求めてないことによる。Aの決算短信は注記が簡易となっており、Bの有価証券報告書のIFRS連結財務諸表は、国際会計基準にはない連結付属明細表として「社債明細表」「借入金等明細表」「資産除去債務」等が追加して開示されていたり、連結財務諸表の注記番号の頭に※印は無意味で目障り。読み難い有価証券報告書は会社のサイトに開示はしていない。結局、完成品は8月中旬に公表される英文のアニュアル・リポート(C)のIFRS連結財務諸表だけとなりそうだ。英文財務諸表を含めて、IFRS連結財務諸表だけで4種類作成していることになる。特殊な”有価証券報告書”用は最低作成するようになりそうだ。なんとも非効率的なことか。負担を軽減するために会社法と金融商品取引法の開示の統合をすれば英文、和文の二つで済む。

D 2011年2月に、東京証券取引所は、2011年3月期より決算短信の簡素化をしている。決算短信様式・作成要領等 「見直しの概要」参照)
  IFRSの決算短信はこうなる、東証が方針を示す(2010年3月26日)⇒東証記事も双方とも判りにくい。民僚の文章だ。
決算短信様式・作成要領等の27ページに記載のとおり「投資者ニーズを踏まえた開示が求められる事項(個別財務諸表及び注記等)」は任意開示となった。
投資者ニーズを踏まえた開示が求められる事項」の(具体例):
・ 連結財務諸表に関する注記事項(セグメント情報、1株当たり情報、重要な後発事象を除く)
個別財務諸表及び注記事項
・ 利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
・ 事業等のリスク
・ 企業集団の状況
・ 役員の異動
・ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項
・ 経営管理上重要な指標
・ 生産、受注及び販売の状況
・ 設備投資、減価償却費、研究開発費の実績値・予想値
・ 主要な連結子会社の業績の概況 等

  

三井住友FGがIFRSを任意適用・SECに登録しニューヨーク証券取引所に上場、IFRS任意適用実質第二号

三井住友フィナンシャルグループ(FG)は2010年10月20日、ニューヨーク証券取引所に11月1日に、上場する方針を明らかにした。週内に正式発表する。上場によって資金調達の多様化を進め、米銀の買収など国際的な企業の合併・買収(M&A)にも積極的に取り組む構えだ。上場するのは、(米国預託証券(ADR)で、新株は発行しない。ADR株価=0.2普通株 東証株価  為替レート

三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャル・グループに続いて日本の三大金融グループはすべてニューヨーク証取に上場を果たす。

三井住友FGは週内に米証券取引委員会とニューヨーク証取に上場を申請し、10月下旬に認可される予定。米国での金融持ち株会社の認可も申請する準備を進めている。(2010年10月20日 ニュース 参照)

米国証券取引委員会(SEC)に提出したアニュアル・リポート(Form 20-F)は、国際会計基準で作成した連結財務諸表(会計監査人あずさ監査法人の監査済み)で日本企業では初となる。@金融庁の方針が、我が国企業による米国基準の使用は2016年3月期で終了するのと、A米国も同時期に国際会計基準へ移行すると予想されること、B日本の会計基準では大型買収による「のれん」が最長20年で償却しなければならず利益負担が重くなる、ことから必然的に国際会計基準(IFRS)で米国SECへの登録となる。日本の有価証券報告書も2011年3月期は国際会計基準による連結財務諸表となると予想され、日本電波工業に続くIFRS任意適用実質第二号となる。

なお、三井住友FGが来年の有価証券報告書をIFRSで提出した場合、「当社は、すでにアニュアル・レポート(Form 20-F)においてIFRSを採用しており、IFRSの初度適用の規定は適用済です。このような場合、有価証券報告書においては、初度適用の規定が適用されないと考えていますが、それで差し支えないでしょうか」との疑問に、平成22年6月17日金融庁は既に応えて「初度適用はIFRSの定めにより行われるものであり、アニュアル・レポートにより、既に初度適用の規定が適用されていれば、その後、初めてIFRSによる連結財務諸表を記載した有価証券報告書を提出する際には、初度適用の規定は適用されないこととなります」としている。

2010年3月期の国際会計基準及び日本の会計基準の利益と資本の部の差異調整表によれば、日本の連結決算の純利益3,792億円に対しIFRSの純利益6,467億円になった理由に、@IFRSでは少数株主持分(現・非支配株主に帰属する部分)1,077億円が含まれる、AIFRSでは貸倒引当金の戻し2,328億円が主な相違点としている。非支配持分(旧少数株主持分)を含んだ資本(原文はEquity)合計では、日本基準で70,008億円に対しIFRSでは75,617億円で主な差異は繰延税金資産の5,328億円が目立つ。詳細はForm 20-Fの注記51 前年度会計基準(日本基準)とIFRSとの調整(RECONCILIATION OF IFRS COMPARABLES FROM PREVIOUS GAAP)を参照としているが、調整しているのは2009年3月期(BSは期首も調整)の数値だけである。

2011年3月期の決算短信を2011年5月13日に公表された。これによると、日本基準による連結決算であった。つまり、IFRS一本に情報開示するのではなく日本と海外とは別に開示するという二重開示となった。これは、三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャル・グループと同様である。国内の監督当局(金融庁)との関係が二重開示の基礎にありそうだ。

2011年3月期
国内向け 海外向け
三井住友FG 日本基準決算短信 SEC登録のIFRS財務諸表
SEC Edgar System
三菱UFJフィナンシャル・グループ 日本基準決算短信 米国基準決算短信
SEC Edgar System
みずほFG 日本基準決算短信 米国基準決算短信
SEC Edgar System

トーセイ鰍フケース

2013年(平成25年)2月22日トーセイは、「当社は、シンガポール証券取引所(以下「SGX」といいます。)への当社普通株式のセカンダリー上場(以下「本件上場」といいます。)を前提として、本日開催の取締役会において、シンガポール域内及び海外市場(ただし、米国及びカナダを除きます。)における当社普通株式の募集(以下「本件募集」といい、本件募集に係る当社普通株式を「本件株式」といいます。)を行うことを決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。当社は、平成25 年2月20 日、SGX より当社普通株式のSGX メインボードへの上場承認を受けております。当社は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部での上場を継続するとともに、SGX のメインボードへのセカンダリー上場を行います。なお、シンガポール金融管理局(以下「MAS」といいます。)の承認を今後取得予定であり、MASからの承認が得られない場合、本件上場及び本件募集は中止となる可能性があります。当社は、本件上場に伴い、シンガポール市場における適切かつ十分な当社の企業情報の開示、具体的には国際会計基準(IFRS)での決算開示、英文での適時開示等を行うことを通じて、東南アジアの投資市場での当社の事業に対する理解の深化とプレゼンスの向上を図って参ります」と発表がありました。

3月18日払込期日の普通株式29,000 株の募集に伴い目論見書(Prospectus・・3月13日IPO撤回)を公表しており、プロスペクタスに含まれているIFRS連結財務諸表は2009年11月期から2011年11月期及び2012年5月の半期報告書、2012年8月の第三四半期報告書が含まれている。IFRSの初度適用は、連結財務諸表の注記4に示している通り2008年12月1日の開始貸借対照表及び2011年11月期で日本の会計基準とIFRSとの差異調整を開示している。2102年11月期のIFRS連結財務諸表は間に合わなかったようだ。

また、同日に「当社は、本日開催の臨時取締役会におきまして、当社グループの連結財務諸表及び連結計算書類について、2012 年12 月より従来の日本会計基準に替えて国際会計基準(以下IFRS)を適用することを決定いたしました。これにともない2013 年11 月期第1 四半期よりIFRS による決算発表を行いますのでお知らせいたします」と発表しています。

ということは、日本の有価証券報告書は、2013年3月の第一四半期報告書から開示することになるようだ。

トーセイ鰍フ年次報告書は2009年11月期から2011年11月期まで及び2012年5月期の半期報告書は、目論見書(Prospectus)に含まれ、既にIFRS連結財務諸表に会計監査人Nexia TS Public Accounting Corporationの監査報告書あり、シンガポール証券取引所上場は2013年3月19日3月13日IPO撤回上場は27日シンガポール取引所(SGX)




注意:このホームページ作成の当時の1998年、国際会計基準は完成に向けて作業中であった。その当時の国際会計基準は、基準が緩いものであった。1998年12月、証券監督者国際機構(IOSCO)が国際会計基準審議会(IASB)求めていた核となる基準(コア・スタンダード)は完成した。コア・スタンダードのIAS1号には、「すべての国際会計基準に従っていない場合は国際会計基準に準拠していると記載してはならない」とされ、厳格な適用が求められるようになった。これにより、日本基準を一部含んでいた富士通の財務諸表は国際会計基準に準拠していると言えなくなった。下記、富士通の財務諸表は1998年現在のものです。有価証券報告書の開示方法よりも見やすく構成されており、現在でも表示の参考となることからそのまま表示しています。


 国際会計基準を理解するには、国際会計基準で作成した財務諸表そのものを見ることが何よりも必要です。国際会計基準が実務である限り、その具体的に表現された財務諸表を抜きにして国際会計基準を語れないからです。

1998年現在、ここに事例として取り上げた富士通は、古くから国際会計基準委員会の適用会社リストに掲載されている数少ない日本の会社の一つであること、及びインターネットで公開していることから事例として取り上げました。事例として取り上げたのは、国際会計基準を理解するための目的のみ使用しています。原文は、富士通のホームページからの引用です。

なお、国際会計基準書(IAS)1号「財務諸表の表示」を別途ホームページで解説しています。併せて、IAS1号がこの実例に反映させていることを解説してみました。なぜ、この実例のような財務諸表になるのかお分かりいただけるはずです。


貸借対照表

Financial Section 財務部分 1998年富士通年次報告書
連結貸借対照表 Consolidated Balance Sheets Fujitsu annual report 1998
U.S. dollars
Yen (thousands)
(millions) (Note 2)
3月31日現在 At March 31 1997 1998 1998
資産    Assets
流動資産 Current assets:
現金及び現金同等物 Cash and cash equivalents ¥413,900 ¥392,190 $ 2,971,136
短期投資(注記4 Short-term investments (Note 4) 38,239 27,691 209,780
売掛金(注記13 Receivables, trade (Note 13) 1,172,583 1,325,868 10,044,455
貸倒引当金 Allowance for doubtful accounts (18,942) (21,300) (161,363)
たな卸資産(注記5 Inventories (Note 5) 880,582 958,466 7,261,106
その他の資産(注記10 Other current assets(Note 10) 173,237 194,492 1,473,424
流動資産合計 Total current assets 2,659,599 2,877,407 21,798,538
投資及び長期貸付金 Investments and long-term loans:
関連会社(注記6 Affiliates (Note 6) 339,241 311,799 2,362,113
その他(注記46及び Other (Notes 4, 6 and 8) 312,002 326,123 2,470,629
651,243 637,922 4,832,742
有形固定資産 Property, plant and equipment:
土地 Land . 122,798 134,890 1,021,894
建物 Buildings 738,603 787,442 5,965,470
機械及び設備 Machinery and equipment 2,239,680 2,378,998 18,022,712
建設仮勘定 Construction in progress 96,077 54,337 411,644
3,197,158 3,355,667 25,421,720
差引減価償却累計額 Less accumulated depreciation 1,935,882 1,999,546 15,148,076
有形固定資産、正味(注記8 Property, plant and equipment, net (Note 8) 1,261,276 1,356,121 10,273,644
その他の資産(注記3及び7 Other assets (Notes 3 and 7) 155,569 251,613 1,906,159
資産合計 Total assets \4,727,687 ¥5,123,063 $38,811,083
========= ========= =========
連結財務諸表に添付の注記はこの財務諸表の不可分の部分である。
The accompanying Notes to Consolidated Financial Statements are an integral part of these statements.

28ページ


U.S. dollars
Yen (thousands)
(millions) (Note 2)
3月31日現在 At March 31 1997 1998 1998
負債及び株主持分資産 Liabilities and shareholders’ equity
流動負債 Current liabilities:
短期借入金(注記8 Short-term borrowings (Note 8) ¥665,387 ¥661,857 $ 5,014,068
1年内返済長期借入(注記8 Current portion of long-term debt (Note 8) 202,692 165,460 1,253,485
買掛金(注記13 Payables, trade (Note 13) 753,606 836,543 6,337,447
未払費用 Accrued expenses 296,286 403,653 3,057,978
顧客前受金 Customers’ advances 29,936 35,201 266,674
未払法人所得税 Accrued income taxes 74,433 83,883 635,477
従業員預金 Employees’ savings deposits 39,134 479 3,629
その他の流動負債 Other current liabilities 182,799 157,888 1,196,121
  流動負債合計   Total current liabilities 2,244,273 2,344,964 17,764,879
長期負債: Long-term liabilities:
長期借入債務(注記8 Long-term debt (Note 8) 843,831 1,063,525 8,057,008
未払退職給付(注記9 Accrued severance benefits (Note 9) 137,330 147,125 1,114,583
電算機買戻損失引当金 Provision for loss on repurchase of computers 96,436 96,247 729,144
その他の長期債務(注記10 Other long-term liabilities (Note 10) 57,001 112,838 854,833
1,134,598 1,419,735 10,755,568
連結子会社の少数株主持分 Minority interests in consolidated subsidiaries 167,326 173,111 1,311,447
株主持分(注記11): Shareholders' equity (Note 11):
普通株: Common stock:
授権株数 Authorized-5,000,000,000 shares
発行株数(額面50円) Issued (\50 par value)
  1997-1,841,435,783 shares 237,674
  1998-1,862,355,910 shares 249,347 1,888,992
資本準備金 Capital surplus 424,578 436,023 3,303,205
法定準備金 Legal reserve 27,767 29,647 224,598
剰余金 Retained earnings 491,471 470,236 3,562,394
  株主持分合計   Total shareholders' equity 1,181,490 1,185,253 8,979,189
発注残及び偶発債務(注記16 Commitments and contingent liabilities (Note 16)
負債及び株主持分合計 Total liabilities and shareholders' equity \4,727,687 \5,123,063 $38,811,083
========= ========= =========

29ページ


損益計算書

Financial Section 財務部分 1998年富士通年次報告書
連結損益計算書 Consolidated Statements of Income Fujitsu annual report 1998
U.S. dollars
Yen (thousands)
(millions) (Note 2)
3月31日終了する年度 Years ended March 31 1996 1997 1998 1998
純売上高 Net sales ¥3,761,966 ¥4,503,474 ¥4,985,382 $37,768,045
営業原価及び費用: Operating costs and expenses:
 売上原価 Cost of goods sold 2,495,014 3,149,607 3,518,821 26,657,734
 販売費、一般管理費 Selling, general and administrative expenses 1,061,070 1,153,186 1,255,299 9,509,841
3,556,084 4,302,793 4,774,120 36,167,575
営業利益 Operating income 205,882 200,681 211,262 1,600,470
営業外収益(費用): Other income (expenses):
 受取利息及び配当金 Interest and dividend income 10,976 9,758 12,760 96,667
 支払利息 Interest charges (48,589) (49,276) (56,615) (428,902)
 その他、純額(注記14 Other, net (Note 14) (40,583) (18,089) (62,516) (473,606)
(78,196) (57,607) (106,371) (805,841)
税引前利益 Income before income taxes 127,686 143,074 104,891 794,629
法人所得税(注記10 Income taxes (Note 10):
 申告額 Current 71,675 96,620 111,220 842,576
 税効果額 Deferred (19) (121) (2,670) (20,227)
71,656 96,499 108,550 822,349
少数株主持分及び持分法利益控除前利益(損失) Income (loss) before minority interests and equity in earnings 56,030 46,575 (3,659) (27,720)
連結子会社の少数持分利益 Minority interests in income of consolidated subsidiaries (4,818) (4,175) (9,718) (73,621)
関連会社の持分利益、正味 Equity in earnings of affiliates, net 11,901 3,747 18,964 143,667
純利益 Net income ¥63,113 ¥46,147 ¥5,587 $ 42,326
========= ========= ========= =========
普通株一株当たりの金額 Amounts per share of common stock: U.S. dollars
Yen (Note 2)
基本利益 Basic earnings ¥34.5 ¥25.1 ¥3.0 $0.023
希薄化利益 Diluted earnings 32.5 24.0 3.0 0.023
現金配当 Cash dividends 10.0 10.0 10.0 0.076
連結財務諸表に添付の注記はこの財務諸表の不可分の部分である。
The accompanying Notes to Consolidated Financial Statements are an integral part of these statements.

30ページ


株主持分計算書

Financial Section 財務部分 1998年富士通年次報告書
連結株主持分計算書 Consolidated Statements of Shareholders’ Equity Fujitsu annual report 1998
U.S. dollars
Yen (thousands)
(millions) (Note 2)
3月31日終了する年度 Years ended March 31 1996 1997 1998 1998
普通株: Common stock:
期首残高 Balance at beginning of year \223,650 \237,626 \237,674 $1,800,561
ワラントの行使 Exercise of warrants - - 9,547 72,325
社債の転換 Conversion of bonds 13,976 48 2,126 16,106
期末残高 Balance at end of year \237,626 \237,674 \249,347 $1,888,992
========= ========= ========= =========
資本準備金: Capital surplus:
期首残高 Balance at beginning of year \398,801 \419,780 \424,578 $3,216,500
ワラントの行使 Exercise of warrants - - 9,576 72,546
社債の転換 Conversion of bonds 13,951 79 2,126 16,106
その他、純額 Other, net 7,028 4,719 (257) (1,947)
期末残高 Balance at end of year \419,780 \424,578 \436,023 $3,303,205
========= ========= ========= =========
法定準備金 Legal reserve:
期首残高 Balance at beginning of year \24,056 \25,907 \27,767 $210,356
利益剰余金からの振替え Transfer from retained earnings 1,851 1,860 1,880 14,242
期末残高 Balance at end of year \25,907 \27,767 \29,647 $224,598
========= ========= ========= =========
利益剰余金: Retained earnings:
期首残高 Balance at beginning of year \453,808 \466,086 \491,471 $3,723,265
純利益 Net income 63,113 46,147 5,587 42,326
現金配当支払 Cash dividends paid (18,289) (18,413) (18,508) (140,212)
法定準備金へ振替え Transfer to legal reserve (1,851) (1,860) (1,880) (14,243)
取締役及び監査役の賞与 Bonuses to directors and statutory auditors (726) (869) (940) (7,121)
換算調整 Translation adjustments (23,438) - - -
その他、純額 Other, net (6,531) 380 (5,494) (41,621)
期末残高 Balance at end of year \466,086 \491,471 \470,236 $3,562,394
========= ========= ========= =========
連結財務諸表に添付の注記はこの財務諸表の不可分の部分である。
The accompanying Notes to Consolidated Financial Statements are an integral part of these statements.

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キャッシュフロー計算書

Financial Section 財務部分 1998年富士通年次報告書
連結キャッシュフロー計算書 Consolidated Statements of Cash Flows Fujitsu annual report 1998
Yen (thousands)
(millions) (Note 2)
3月31日終了する年度 Years ended March 31 1996 1997 1998 1998
営業活動からのキャッシュフロー: Cash flows from operating activities:
税引前利益 Income before income taxes ¥127,686 ¥143,074 ¥104,891 $ 794,629
税引前利益を営業活動によって留保された純キャッシュへの調整: Adjustments to reconcile income before income taxes to net cash provided by operating activities:
減価償却費及び減耗費 Depreciation and amortization 241,543 299,892 350,675 2,656,629
退職給付の繰入、支払を控除 Accrual for severance benefits, less payments 13,822 14,781 10,443 79,113
電算機買戻損失引当金繰入 Provision for loss on repurchase of computers 54,066 53,272 53,124 402,454
電算機買戻損失引当金戻入 Reversal of provision for loss on repurchase of computers (61,846) (57,697) (53,313) (403,886)
支払利息 Interest charges 48,589 49,276 56,615 428,901
受取利息 Interest and dividend income (10,976) (9,758) (12,760) (96,667)
有形固定資産の処分損 Loss on disposal of property, plant and equipment 9,824 11,656 12,866 97,470
売掛金の(増加) (Increase) in receivables, trade (146,983) (155,299) (96,607) (731,871)
たな卸資産の(増加) (Increase) in inventories (177,681) (26,835) (65,771) (498,265)
その他の流動資産の(増加)減少 (Increase) decrease in other current assets (21,736) 941 1,709 12,947
買掛金の増加 Increase in payables, trade 146,323 103,991 68,166 516,409
その他の流動負債増加(減少) Increase (decrease) in other current liabilities 58,338 (31,831) 4,260 32,273
その他、純額 Other, net (5,258) (5,505) 41,003 310,629
営業活動から生じたキャッシュ Cash generated from operations 275,711 389,958 475,301 3,600,765
利息支払額 Interest paid (49,196) (48,113) (57,462) (435,318)
利息受取額 Interest received 10,059 6,829 8,964 67,909
配当受取額 Dividends received 2,095 2,808 976 7,394
法人所得税支払額 Income taxes paid (66,967) (68,450) (102,920) (779,697)
営業活動によって留保された正味キャッシュ Net cash provided by operating activities 171,702 283,032 324,859 2,461,053
投資活動からのキャッシュフロー Cash flows from investing activities:
有形固定資産の取得 Acquisitions of property, plant and equipment (388,860) (438,969) (448,869) (3,400,523)
設備売却の代金 Proceeds from sales of equipment 2,541 8,250 17,418 131,955
投資及び長期貸付金の(増加) (Increase) in investments and long-term loans (41,761) (22,699) (14,209) (107,644)
短期投資の(増加)減少 (Increase) decrease in short-term investments 14,452 (11,153) 33,385 252,917
アムダールシャの取得、正味現金取得額 Acquisition of Amdahl Corporation, net of cash acquired - - (97,403) (737,902)
その他、純額 Other, net (15,998) 19,914 7,384 55,939
投資活動で使用した正味キャッシュ Net cash used in investing activities (429,626) (444,657) (502,294) (3,805,258)
財務活動からのキャシュフロー: Cash flows from financing activities:
長期借入債務の借入 Proceeds from long-term debt 206,483 274,100 466,540 3,534,394
長期借入債務の返済 Repayment of long-term debt (88,564) (128,399) (279,700) (2,118,940)
短期借入金の増加(減少) Increase (decrease) in short-term borrowings 176,176 (1,416) (23,630) (179,015)
少数株主持分の増加(減少) Increase (decrease) in minority interests 9,795 8,828 (4,483) (33,962)
配当金の支払 Dividends paid (18,289) (18,413) (18,508) (140,212)
その他、純額 Other, net 8,367 (5,721) 13,386 101,409
財務活動によって留保された正味キャッシュ Net cash provided by financing activities 293,968 128,979 153,605 1,163,674
現金及び現金同等物に対する為替の影響額 Effect of exchange rate changes on cash and cash equivalents 8,843 12,608 2,120 16,061
現金及び現金同等物の純増加(減少) Net increase (decrease) in cash and cash equivalents 44,887 (20,038) (21,710) (164,470)
現金及び現金同等物の期首残高 Cash and cash equivalents at beginning of year 389,051 433,938 413,900 3,135,606
現金及び現金同等物の期末残高 Cash and cash equivalents at end of year \433,938 \413,900 \392,190 $2,971,136
========= ========= ========= =========
非キャッシュ取引: Noncash financing activities:
転換社債の普通株及び資本準備金への転換 Conversion of bonds into common stock and capital surplus \27,927 \127 \4,252 $ 32,212
連結財務諸表に添付の注記はこの財務諸表の不可分の部分である。
The accompanying Notes to Consolidated Financial Statements are an integral part of these statements.

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注記

Financial Section 財務部分 1998年富士通年次報告書
連結財務諸表の注記 Notes to Consolidated Financial Statements Fujitsu annual report 1998

1. 重要な会計方針 Significant accounting policies

(a) 連結財務諸表の表示の基礎
添付の富士通("会社")及びその連結子会社(総合して"グループ")を含む連結財務諸表は、日本における一般に認められた会計基準、会計実務及び日本の証券取引法に従って作成したものである。日本以外にある子会社の採用した会計基準及び会計実務は、基本的には、その国のものに準拠している。添付の連結財務諸表を表示するにあたって、日本以外の読者に対する利便のため、特定の項目について組替を行っている。
グループが適用した会計基準及び実務は、関連する会計方針に記載している特定の相違を除いて、国際会計基準("IAS")に準拠している。
(a) Basis of presenting consolidated financial statements
The accompanying consolidated financial statements of Fujitsu Limited (the "Company") and its consolidated subsidiaries (together, the "Group") have been prepared in accordance with accounting principles and practices generally accepted in Japan, and the regulations under the Securities and Exchange Law of Japan. The accounting principles and practices adopted by the consolidated subsidiaries outside Japan in their respective countries basically conform to those adopted by the Company. In presenting the accompanying consolidated financial statements, certain items have been reclassified for the convenience of readers outside Japan.
The accounting principles and practices adopted by the Group are in conformity with International Accounting Standards ("IAS") except for certain differences which are set forth in the relevant notes on accounting policies.
(b) 連結の原則
この連結財務諸表は、会社の勘定および、小さな例外を除いて、直接・間接支配を問わず過半数を所有する子会社の勘定を含んでいる。すべてのグループ内勘定と取引は連結に際して消去している。
20%から50%を所有する関連会社に対する投資は、小さな例外を除いて、原価に取得後の未分配利益(損失)の持分相当額を加算して示している。純利益又は損失には、グループ内未実現利益を消去した後に、そうした会社の純利益(損失)の持分相当額を含んでいる。
子会社または関連会社の取得時の公正価値で示した純資産の持分と原価の差異は、特定の資産に配分した。未配分の残余価値は営業権として認識し、定額法で20年を超えない期間で償却している。
(b) Principles of consolidation
The consolidated financial statements include the accounts of the Company and, with minor exceptions, those of its majority-owned subsidiaries, whether directly or indirectly controlled. All intercompany accounts and transactions have been eliminated in consolidation.
Investments in affiliates owned 20% to 50%, with minor exceptions, have been stated at cost plus the equity in their respective undistributed earnings (losses) and reserves since acquisition. Net income or loss includes the equity in the current net earnings (losses) of such companies, after the elimination of unrealized intercompany profit. The difference between the cost and the underlying equity in the net assets of subsidiaries and affiliates accounted for on an equity basis is allocated to identifiable assets based on their fair value at the dates of acquisition. The unassigned residual value is recognized as goodwill, and is being amortized on a straight-line basis over periods not exceeding 20 years.
(c) 現金同等物
キャッシュフロー計算書の目的のため、会社は短期で、期日が3ヶ月以内の流動性の高いすべての金融商品を現金同等物と考えている。
(c) Cash equivalents
For the purpose of the statement of cash flows, the Company considers all short-term, highly liquid instruments with a maturity of three months or less to be cash equivalents.
(d) 外貨建勘定の換算
外貨建の流動性ある未収債権及び未払債務は、貸借対照表日の換算レートで日本円に換算している。非流動性の債権・債務は、取得日レートで日本円に換算している。非流動性の未収債権及び未払債務を、国際会計基準21号に従って貸借対照表日のレートで換算したとしても、その差異はさほど大きくはない。
日本以外にある連結子会社の資産及び負債勘定は期末のレートで日本円に換算している。利益及び費用勘定は、期中の平均レートで換算している。換算から生じた換算差異は、日本の一般に認められた会計基準に従って資産に反映している。
(d) Translation of foreign currency accounts
Current receivables and payables denominated in foreign currencies are translated into Japanese yen at the exchange rates in effect at the respective balance sheet dates. Noncurrent monetary items denominated in foreign currencies are translated into Japanese yen at historical exchange rates. Had noncurrent receivables and payables been translated at the exchange rates in effect at the balance sheet dates pursuant to IAS No. 21, the differences would not have been significant.
Asset and liability accounts of the consolidated subsidiaries outside Japan are translated into Japanese yen at the applicable fiscal year-end rates. Income and expense accounts are translated at the average rate during the year. The resulting translation adjustments are reflected in assets in conformity with accounting principles generally accepted in Japan.
(e) 収益の認識
通信製品及びコンピュータ・システムの販売に関する収益は、一般に、お客の受領承認時に認識している、一方、パーソナル・コンピュータ、その他の設備及び電子装置の販売は、製品を出荷した時点で認識している。
(e) Revenue recognition
Revenues from sales of communications products and computer systems are generally recognized upon acceptance by the customers, while revenues from sales of personal computers and other equipment and electronic devices are recognized when the products are shipped.
(f) 市場性ある有価証券
短期投資に含まれている市場性ある有価証券、投資及び長期貸付金は、移動平均法で計算した原価、又は時価のいずれか低い価格で表示している。
(f) Marketable securities
Marketable securities included in short-term investments, and investments and long-term loans are stated at the lower of cost or market, cost being determined by the moving average method.
(g) 貸倒引当金
貸倒引当金は、将来の見積損失に備えるために十分と思われる金額を積立てている。
(g) Allowance for doubtful accounts
The allowance for doubtful accounts is provided at an amount that is deemed sufficient to cover estimated future losses.
(h) たな卸資産
製品は、製品の市場価格を超えない原価で表示している。原価は、移動平均法及び先入先出法("FIFO")による実際原価によっている。仕掛品は、実際原価及びFIFOによる原価によっている。原材料は、原材料の市場価格を超えない原価で表示している。原価は、移動平均法、最終仕入価格法及びFIFOによっている。
国際会計基準(IAS)2号は、歴史的原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で評価することを要求している。IAS2号を適用したと仮定しても、たな卸資産の差異は総計で重要なものではない。
(h) Inventories
Finished goods are stated at cost not in excess of their market value. Cost is determined by the actual cost method, the moving average method and the first-in, first-out method ("FIFO").
Work in process is stated at actual cost and cost determined by FIFO.
Raw materials are stated at cost not in excess of their market value. Cost is determined by the moving average method, the most recent purchase price method and FIFO.
IAS No. 2 requires that inventories be valued at the lower of historical cost or net realizable value. Had IAS No. 2 been applied, the difference in the aggregate value of the inventories would not have been significant.
(i) 有形固定資産及び減価償却
改造及び増加を含む有形固定資産は、原価で繰り越している。
減価償却は、関連する見積耐用年数の率で定率法で計算している。見積耐用年数の率は、資産の区分、建設の種類・機能などにより異なる。
小さなリニューアルや改修を含む維持修繕は、発生したときの収益に負担させている。
(i) Property, plant and equipment and depreciation
Property, plant and equipment, including renewals and additions, are carried at cost.
Depreciation is computed by the declining-balance method at rates based on the estimated useful lives of the respective assets, which vary according to their general classification, type of construction and function. Maintenance and repairs, including minor renewals and improvements, are charged to income as incurred.

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(j) リース
ファイナンス・リースは、日本を除いて、リース資産は有形固定資産に記録し、リース債務は長期負債に計上している。日本における会社及び連結子会社は、ファイナンス・リースを賃貸借取引と同じ方法で処理している。
(j) Leases
Leased assets are recorded in property, plant and equipment and lease liabilities are included in long-term liabilities under finance leases except those in Japan. The Company and its consolidated subsidiaries in Japan treat finance leases in the same way as operating leases.
(k) 退職給付
グループでの役務の提供を辞めた従業員は、原則として、勤続年数と給付率を基礎に計算した年金又は一時金を受取る権利がある。
日本の会社及び連結子会社は、保険会社、信託銀行及び投資管理会社と公の厚生年金の補完として、会社が掛金を負担する確定給付年金制度を持っている。この制度は、一時金又は終身年金を受給できる権利、又は双方の混合、いずれかを資格のある従業員に与えるというものである。
日本以外にある連結子会社のほとんどは、実質的にすべての従業員を対象として確定給付制度及び/又は定額拠出制度をもっている。年金及び退職一時金支払いのコストは、現在積立てられているか又は引当てられている。
(k) Retirement and severance benefits
Employees who terminate their service with the Group are generally entitled to annuities or lump-sum severance payments based on their current basic rates of pay and length of service.
The Company and its consolidated subsidiaries in Japan have contributory defined benefit plans with insurance companies, trust banks and investment management companies to supplement the public welfare pension plan. The plans entitle eligible employees upon retirement to receive either a lump-sum payment or annuity payments for life, or a combination of both.
Most consolidated subsidiaries outside Japan have defined benefit plans and/or defined contribution plans covering substantially all employees. The costs of benefits for annuities and lump-sum severance payments are currently funded or accrued.
(l) 電算機買戻損失引当金
グループで生産した特定の電算機は、最終ユーザーにリースし、特定の期間経過後、ユーザーが解約したときにグループが買戻条件付契約で、日本電子計算機株式会社(Electronic Computer Company Limited ("JECC") )、他のリース会社及び金融機関に販売する。 過去の経験では、その買戻しから発生する損失の見積金額を、販売時に繰入れ利益に負担させている。
(l) Provision for loss on repurchase of computers
Certain computers manufactured by the Group are sold to Japan Electronic Computer Company Limited ("JECC") and other leasing companies and financial institutions for leasing to the ultimate users under contracts which require that the Group repurchase the computers if they are returned by the users after a certain period. Based on past experience, an estimated amount for the loss arising from such repurchases is provided at the point of sale and is charged to income.
(m) 法人所得税
会社は、財務報告目的で税務上の資産及び負債を認識する場合、すべての一時差異の効果を認識する税効果会計で負債法を採用している。
(m) Income taxes
The Company has adopted the liability method of tax effect accounting to recognize the effect of all temporary differences in the recognition of assets and liabilities for tax and their financial reporting purposes.
(n) 一株当たり利益又は損失
一株当たり基本的利益又は損失の計算は、関連する年度の発行済み株式数の加重平均株数を基礎に計算している。
一株当たり希薄化利益の計算では、ワラント及び転換社債に含まれる潜在的な普通株式の希薄化を考慮して加重平均株数を基礎に計算している。
(n) Earnings or loss per share
Basic earnings or loss per share is computed based on the weighted average number of shares of common stock outstanding during the respective years.
Diluted earnings per share is computed based on the weighted average number of shares after consideration of the dilutive effect of potential ordinary shares including warrants and convertible bonds.
(o) デリバティブ金融商品
外貨建債権債務に関して晒された為替リスクを減少させるために利用されたデリバティブ金融商品の利益及び損失は、契約期間で認識している。関連する債権債務から生じた利益及び損失は相殺している。
スワップ契約に関連して支払う又は受取る差異は、契約期間で認識している。
(o) Derivative financial instruments
Gains and losses on derivative financial instruments used to reduce exposures regarding receivables and liabilities denominated in foreign currencies are recognized over the lives of the contracts. They offset gains and losses arising from the related receivables and liabilities.
The differentials to be paid or received related to swap contracts are recognized over the lives of the contracts.
2. 米国ドル金額
日本の会社及びその連結子会社は、帳簿を日本円で持っている。添付している連結財務諸表及び注記に表示している米国ドル金額は、1998年3月31日で通用している概ねの換算レートである1ドル132円でを換算した計算結果を示している。米国ドル金額は単に読者の利便のためであり、換算は、円貨で生じた資産や負債が、上記のレート又は他のレートで米国ドルに転換できたり、実現できたり、決済できたりすることを暗示することを意図しているものではない。
2. U.S. dollar amounts
The Company and its consolidated subsidiaries in Japan maintain their books of account in yen. The U.S. dollar amounts included in the accompanying consolidated financial statements and the notes thereto represent the arithmetic results of translating yen into dollars at \132 = US$1, the approximate rate of exchange prevailing on March 31, 1998. The U.S. dollar amounts are included solely for the convenience of the reader and the translation is not intended to imply that the assets and liabilities which originated in yen have been or could readily be converted, realized or settled in U.S. dollars at the above or any other rate.
3. 買収
1997年9月に、 会社は、米国の情報システム供給のリーディングカンパニィーであるアムダール社の58%の株式を、現金で111,072百万円(841,455千ドル)で買収した。この買収で、アムダール社は富士通の全株式所有の連結子会社となった。
この買収は、購入として会計処理し、買収した会社は、取得後、添付の連結財務諸表に含まれている。見積公正価値を超える購入価格の超過額は営業権として記録した。
合計営業権111,791 百万円(846,902千ドル)は、15,236 百万円(115,424千ドル)を買収と同時に費用処理し、96,555 百万円(731,477千ドル)は10年で定額法で償却している。 1998年3月31日に終了する事業年度の営業権の償却は、4,816百万円 (36,485千ドル)である。
3. Acquisition
In September 1997, the Company acquired a 58% shares of Amdahl Corporation, a leading U.S. information systems supplier, for \111,072 million ($841,455 thousand) in cash. Upon this acquisition, Amdahl Corporation became a wholly owned consolidated subsidiary of Fujitsu Limited.
The acquisition was accounted for as a purchase and the operating results of the acquired company has been included in the accompanying consolidated financial statements since the date of acquisition. The excess of the purchase price over the estimated fair value of the net assets has been recorded as goodwill.
Out of the total goodwill, which amounted to \111,791 million ($846,902 thousand), \15,236 million ($115,424 thousand) was expensed upon acquisition and \96,555 million ($731,477 thousand) is to be amortized on a straight-line basis over a ten-year period.
The amortization of goodwill for the year ended March 31, 1998 amounted to \4,816 million ($36,485 thousand).

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4. 市場性ある有価証券
1997年及び1998年の3月31日現在、短期投資(流動)及び投資と長期貸付金、その他の資産(非流動)に含まれている流動及び非流動の市場性ある有価証券のポートフォリオは、つぎの通りである。
4. Marketable securities
The current and noncurrent portfolios of marketable securities at March 31, 1997 and 1998, which are included in short-term investments (current) and in investments and long-term loans- other (noncurrent), were summarized as follows:
Yen U.S. dollars
(millions) (thousands)
1997 1998 1998
流動 Current:
帳簿価額 Carrying value \31,788 \24,521 $ 185,765
市場価額 Market value 31,376 24,745 187,462
正味未実現利益(損失) Net unrealized gains (losses) \(412) \224 $ 1,697
========= ========= =========
非流動 Noncurrent:
帳簿価額 Carrying value \106,138 \103,624 $ 785,030
市場価額 Market value 202,747 164,324 1,244,879
正味未実現利益 Net unrealized gains \96,609 \60,700 $ 459,849
========= ========= =========
5. たな卸資産
1997年及び1998年の3月31日現在のたな卸資産は、下記のものから構成されている。
5. Inventories
Inventories at March 31, 1997 and 1998 consisted of the following:
Yen U.S. dollars
(millions) (thousands)
1997 1998 1998
製品 Finished goods ¥403,277 \433,620 $3,285,000
仕掛品 Work in process 333,312 366,251 2,774,629
原材料 Raw materials 143,993 158,595 1,201,477
\880,582 \958,466 $7,261,106
========= ========= =========
6. 関連会社に対する投資
持分法で会計処理した関連会社の財務情報の一覧は下記の通り。
6. Investments in affiliates
A summary of the financial information of the affiliates accounted for on an equity basis is presented below:
Yen U.S. dollars
(millions) (thousands)
1997 1998 1998
流動資産 Current assets \799,324 \772,633 $5,853,280
その他の資産、有形固定資産を含む Other assets, including property, plant and equipment, net 569,122 543,585 4,118,068
1,368,446 1,316,218 9,971,348
流動負債 Current liabilities 486,136 454,928 3,446,424
長期負債 Long-term liabilities 124,823 109,339 828,326
純資産 Net assets 757,487 751,951 $5,696,598
========= ========= =========
Yen U.S. dollars
(millions) (thousands)
1996 1997 1998 1998
純売上高 Net sales . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \859,826 \937,439 \1,062,300 $8,047,727
純利益 Net income . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 41,436 16,182 60,812 460,697


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持分法で会計処理した関連会社のうち、1997年及び1998年の3月31日現在の上場会社の市場価値及び帳簿価額はつぎの通り。
Of the affiliates which are accounted for on an equity basis, the carrying and market values of the shares of the publicly listed companies at March 31, 1997 and 1998 were as follows:
Yen U.S. dollars
(millions) (thousands)
1997 1998 1998
帳簿価額 Carrying value \284,177 \256,356 $1,942,091
市場価額 Market value 572,075 646,212 4,895,545
1997年及び1998年の3月31日現在、JECCに対する会社の持分29.49%を示している金額19,373百万円(19,373千ドル)は、投資及び長期貸付金―その他に含めた。会社は、JECCの経営に重要な影響力を行使できないことから、JECCを関連会社に含めていない。JECCの主要な事業は、JECCの株主7社から購入した電算機及び電算機の周辺装置のリースすることである。 . 1997年及び1998年の3月31日現在、JECCの発行した株式資本は65,700百万円(497,727千ドル)である。その純売上は、1996年、1997年及び1998年の3月31日に終了する事業年度で、それぞれ、315,536百万円、305,221百万円及び299,269百万円(2,267,189千ドル)である。
At March 31, 1997 and 1998, the amount of \19,373 million ($146,765 thousand) representing the Company's 29.49% investment in JECC was included in investments and long-term loans- other. The Company does not regard JECC as an affiliate as it is unable to exercise significant influence over JECC's affairs. JECC's principal business is the leasing of computers and peripheral computer equipment which it purchases from its seven shareholders. At March 31, 1997 and 1998, JECC's issued share capital was \65,700 million ($497,727 thousand). Its net sales for the years ended March 31, 1996, 1997 and 1998 amounted to \315,536 million, \305,221 million and \299,269 million ($2,267,189 thousand), respectively.
7. その他の資産
1997年及び1998年の3月31日現在、その他の資産は、それぞれ、137,667百万、231,267百万(231,267千ドル)の営業権からなっている。
7. Other assets
At March 31, 1997 and 1998, other assets principally con-sisted of goodwill of \137,667 million and \231,267 million ($1,752,023 thousand), respectively.
8. 短期借入金及び長期借入債務
1997年及び1998年の3月31日現在、短期借入金の明細:
8. Short-term borrowings and long-term debt
Short-term borrowings at March 31, 1997 and 1998 consisted of:
Yen U.S. dollars
(millions) (thousands)
1997 1998 1998
借入金、主に銀行から,金利は、1997年3月31日現在、0.58%から7.75% 1998年3月31日現在 0.81% から 8.41% : Loans, principally from banks, at interest rates ranging from 0.58% to 7.75% at March 31, 1997, and from 0.81% to 8.41% at March 31, 1998:
 担保付き Secured \3,425 \9,113 $ 69,038
 無担保 Unsecured 573,306 572,194 4,334,803
コマーシャルペーパー、1997年3月31日現在、利率 0.56% から 6.30% 1998年3月31日現在、0.50% から 7.95% Commercial paper at interest rates ranging from 0.56% to 6.30% at March 31, 1997, and from 0.50% to 7.95% at March 31, 1998 88,656 80,550 610,227
\665,387 \661,857 $5,014,068
========= ========= =========


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1997年及び1998年の3月31日現在、長期借入債務の明細:
Long-term debt at March 31, 1997 and 1998 consisted of:
Yen U.S. dollars
(millions) (thousands)
1997 1998 1998
借入金,主に銀行及び保険会社, 返済期日1997年から2013年 1997年及び1998年3月31日現在、金利水準は0.76% から 8.30%: Loans, principally from banks and insurance companies, due from 1997 to 2013 at interest rates ranging from 0.76% to 8.30% at March 31, 1997 and 1998:
 担保付き Secured \17,620 \18,339 $ 138,932
 無担保 Unsecured 211,354 284,684 2,156,697
会社が発行した社債: Bonds and notes issued by the Company:
3.0%米国ドル建て転換社債、期日1999年 3.0% U.S. dollar convertible bonds due 1999 289 274 2,076
1.3% 無担保転換社債、期日1998年 1.3% unsecured convertible bonds due 1998 39,782 39,782 301,379
1.4% 無担保転換社債、期日2004年 1.4% unsecured convertible bonds due 2004 39,649 39,649 300,371
1.9% 無担保転換社債、期日2002年. 1.9% unsecured convertible bonds due 2002 39,876 38,139 288,932
1.95% 無担保転換社債、期日2003年 1.95% unsecured convertible bonds due 2003 39,968 39,342 298,045
2.0% 無担保転換社債、期日2004年 2.0% unsecured convertible bonds due 2004 19,919 18,045 136,704
3.0%ワラント付きスイスフラン社債、期日1998年 3.0% Swiss Franc notes due 1998 with warrants 29,578 29,578 224,076
3 1 /8 % ワラント付き米国ドル建て社債、期日2000年 3 1 /8 % U.S. dollar bonds due 2000 with warrants 50,341 50,341 381,371
4.1% ワラント付き社債、期日1999年 4.1% bonds due 1999 with warrants 35,000 35,000 265,151
7 3 /8 % 普通社債、期日 1997年 7 3 /8 % bonds due 1997 30,000 - -
7.0% 普通社債、期日 1998年 7.0% bonds due 1998 30,000 30,000 227,273
3 1 /4 % 普通社債、期日 1997年 3 1 /4 % bonds due 1997 30,000 - -
3 3 /4 % 普通社債、期日 1999年 3 3 /4 % bonds due 1999 30,000 30,000 227,273
3.95% 普通社債、期日 1997年 3.95% bonds due 1997 28,500 - -
3.15% 普通社債、期日1997年. 3.15% bonds due 1997 20,000 - -
3.6% 普通社債、期日 1998年 3.6% bonds due 1998 20,000 20,000 151,515
2.3% 普通社債、期日 2001年 2.3% bonds due 2001 30,000 30,000 227,273
2.6% 普通社債、期日 2002年 2.6% bonds due 2002 30,000 30,000 227,273
2.825% 普通社債、期日 2001年 2.825% bonds due 2001 60,000 60,000 454,545
3.025% 普通社債、期日 2002年 3.025% bonds due 2002 30,000 30,000 227,273
3.225% 普通社債、期日 2003年 3.225% bonds due 2003 30,000 30,000 227,273
2.425% 普通社債、期日 2003年 2.425% bonds due 2003 50,000 50,000 378,788
2.875% 普通社債、期日 2006年 2.875% bonds due 2006 50,000 50,000 378,788
2.575% 普通社債、期日 2004年. 2.575% bonds due 2004 - 50,000 378,788
3.15% 普通社債、期日 2009年 3.15% bonds due 2009 - 50,000 378,788
3.0% 複数通貨社債、期日 2001年 3.0% dual currency bonds due 2001 - 30,000 227,273
2.3% 普通社債、期日 2007年 2.3% bonds due 2007 - 50,000 378,788
2.325% 普通社債、期日 2008年 2.325% bonds due 2008 - 50,000 378,788
連結子会社が発行した社債: Bonds and notes issued by consolidated subsidiaries:
無担保 (3.00% - 3.45%, 期日 1997年 - 2002年). Unsecured (3.00% - 3.45%, due 1997 - 2002) 54,647 45,812 347,060
差引:一年内返済金額 Less amounts due within one year 202,692 165,460 1,253,485
\843,831 \1,063,525 $8,057,008
========= ========= =========

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1997年及び1998年の3月31日現在、銀行借入及び長期借入債務の担保として提供している資産は下記に一覧した。
Assets pledged as collateral for bank loans and long-term debt at March 31, 1997 and 1998 were summarized as follows:
Yen U.S. dollars
(millions) (thousands)
1997 1998 1998
投資―非流動 Investments-noncurrent \352 \330 $ 2,500
有形固定資産、純額 Property, plant and equipment, net 30,467 27,181 205,917
\30,819 \27,511 $208,417
========= ========= =========
日本の慣習として、実質的にすべての銀行借入(短期借入金を含む)は一般契約書において、銀行の要請によって、借入に関連して担保または保証人(追加担保又は保証人、適当である場合)を差入れる条項が入っている。一般条項のもとに差入れたすべての担保資産は、関連する銀行の現在及び将来の負債に充当される。この一般契約書には、銀行は、更に、債務不履行によって期日前に.銀行に預けている預金と相殺することができるという権利を持っているという条項がある。
会社が発行した3%, 1.3%, 1.4%, 1.9%,1.95% 及び 2.0% 普通社債の現在の転換価格は、それぞれ、一株当たり\1,093.90, \1,751.50, \1,751.50, \998.00, \998.00及び\998.00であり、 3.0% 、3 1 /8 %、及び 4.1%のワラント付社債に関する現在のワラント行使価格は、それぞれ、一株当たり\1,144.90, \1,220.00 及び \1,144.90 である。 上記に参照した転換価格及びワラント行使価格は、株式の分割、普通株の無償交付を含む特定の慣習により修正される。1998年3月31日現在、普通株式の約231百万株は、発行済みの転換社債及びワラント債の転換又はワラントの行使のために用意されている。 転換社債の転換権及びワラントは日本の一般に認められた会計基準に従って負債に計上されている。
特定の発行済み転換社債は、会社の選択でいつでも、一部または全部について、元金相当額の106%から100%の範囲で、買い戻し又は償還できる。
As is customary in Japan, substantially all loans from banks (including short-term loans) are made under general agreements which provide that, at the request of the banks, the borrower is required to provide collateral or guarantors (or additional collateral or guarantors, as appropriate) with respect to such loans, and that all assets pledged as collateral under such agreements will be applicable to all present and future indebtedness to the banks concerned. These general agreements further provide that the banks have the right, as the indebtedness matures or becomes due prematurely by default, to offset any deposits at the banks against the indebtedness.
The current conversion prices of the 3%, 1.3%, 1.4%, 1.9%, 1.95% and 2.0% convertble bonds issued by the Company are \1,093.90, \1,751.50, \1,751.50, \998.00, \998.00 and \998.00 per share, respectively, and the current exercise prices of the warrants issued with the 3.0% notes and the 3 1 /8 % and 4.1% bonds are \1,144.90, \1,220.00 and \1,144.90 per share, respectively. The conversion and exercise prices referred to above are subject to adjustment in certain circumstances including stock splits or free share distributions of common stock. At March 31, 1998, approximately 231 million shares of common stock were reserved for the conversion or exercise of all outstanding convertible bonds and warrants. Conversion options of convertible bonds and warrants are recorded under liabilities in accordance with accounting principles generally accepted in Japan.
Certain outstanding convertible bonds and notes can be repurchased at any time and may be redeemed at the option of the Company, in whole or in part, at prices ranging from 106% to 100% of their principal amounts.
1998年3月31日現在、長期借入債務の年間返済額を下記に一覧した。
The aggregate annual maturities of long-term debt subsequent to March 31, 1998 are summarized as follows:
3月31日に Year ending Yen U.S. dollars
終了する年度 March 31 (millions) (thousands)
1999年 1999 \165,460 $1,253,485
2000年 2000 109,522 829,712
2001年 2001 111,419 844,083
2002年 2002 177,682 1,346,076
2003年以降 2003 and thereafter 664,902 5,037,137
9. 退職給付
連結貸借対照表の未払退職給付は、未積立ての確定給付制度である。この制度では、従業員は、勤続年数と現在の基本レートを基礎とした一時金を取得する権利を得ている。連結貸借対照表の未払退職給付は、貸借対照表日に従業員が自己都合で退職したと仮定し、支給しなければならない受給権の発生した給付額の現在価値で表示している。退職給付の繰入額は、1997年及び1998年の3月31日に終了する事業年度で、それぞれ、23,140 百万円26,697 百万円(192,061ドル)であった。
上記の制度に加えて、日本の会社及び子会社のほとんどの従業員は、政府の厚生年金制度("the NWP Plan")の給付の実質的部分を含んだ拠出型の確定給付制度によってカバーされている。 この制度は、債務引当て及び年間拠出は、NWP Planの代行部分を総原価法によって保険数理的に、残余勤続年数について標準加入年齢原価法によって計算されることが要求される。

. 9. Retirement and severance benefits
Accrued severance benefits in the consolidated balance sheets comprise the principal pension plans which are unfunded defined benefit plans. Under the plans, employees are entitled to lump-sum payments based on current basic rates of pay and length of service. Accrued severance benefits in the consolidated balance sheets are stated at the present value of the vested benefit obligation which would be required if all employees voluntarily terminated their employment at the balance sheet dates. Provisions for employees' severance benefits charged to income for the years ended March 31, 1996, 1997 and 1998 amounted to \23,140 million, \26,697 million and \25,352 ($192,061) million, respectively.
In addition to the plans described above, substantially all employees of the Company and most subsidiaries in Japan are covered by contributory defined benefit plans which include a substitutional portion of the benefits under the National Welfare Pension Plan of Japan ("the NWP Plan"). The plans require that the liability reserve and annual contributions be actuarially calculated by the open aggregate cost method for the substitutional portion under the NWP Plan, and by the entry-age normal cost method for the remainder.

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会社及び子会社のNWP制度における代行部分の負債引当ては、最も直近の評価日である1996年及び1997年の3月31日現在、 223,600百万円及び217,740百万円 (1,649,545千ドル)であった。1996年及び1997年の3月31日現在、残りの負債引当ては、それぞれ、199,784百万円及び245,892百万円(1,862,818千ドル)であった。
拠出型確定給付制度の制度資産、主に市場性ある有価証券及び貸付金、の公正価値の総額は、1996年及び1997年の3月31日現在、それそれ、422,947 百万円及び463,782百万円(3,513,500千ドル)であった。
上記の拠出型年金制度の予定給与昇給率、長期運用利益率及び割引率は、それぞれ、2.2% から 5.3%, 5.5%, 及び 5.5%であった。
1997年3月31日現在の35,479百万円(268,780千ドル)の過去勤務原価残高は、8年間で償却している。1995年、1996年及び1997年の3月31日に終了する事業年度の過去勤務原価の償却は、それぞれ、4,701百万円、5,132百万円及び5,578百万円(42,258千ドル)であった。
日本以外のほとんどの子会社は、実質全従業員を対象とした確定給付制度および/又は定額拠出年金制度を持っている。主要な制度は、確定給付制度である ICL Group 年金制度である。この制度の年金原価は、予測単位方式によって計算する。この制度は、公式の保険数理評価に従い、最も直近の評価日である1997年4月5現在で、制度資産の公正価値は、将来の給付債務の保険数理現在価値を十分にカバーしている。
The liability reserve for the substitutional portion of the NWP Plan of the Company and certain subsidiaries at March 31, 1996 and 1997, the most recent valuation dates, amounted to \223,600 million and \217,740 million ($1,649,545 thousand), respectively. The liability reserve for the remainder at March 31, 1996 and 1997 amounted to \199,784 million and \245,892 million ($1,862,818 thousand), respectively.
The aggregate fair value of the plan assets of the contributory defined benefit plans, primarily marketable securities and loans, at March 31, 1996 and 1997 totaled \422,947 million and \463,782 million ($3,513,500 thousand), respectively. The assumed rate for salary increases, the expected long-term rate of return and the discount rate for the above contributory pension plans were from 2.2% to 5.3%, 5.5%, and 5.5%, respectively.
The balance of past service cost of \35,479 million ($268,780 thousand) as of March 31, 1997 is being amortized over 8 years. Amortization of past service cost for the years ended March 31, 1995, 1996 and 1997 totaled \4,701 million, \5,132 million and \5,578 million ($42,258 thousand), respectively.
Most subsidiaries outside Japan have defined benefit pension plans and/or defined contribution pension plans covering substantially all employees. The major plan is the ICL Group Pension Plan, which is a defined benefit plan. The pension cost of the plan is calculated by the projected unit method. The plan is subject to formal actuarial valuation and the fair value of the plan assets at April 5, 1997, the most recent valuation date, was sufficient to cover the actuarial present value of future benefit obligations.

10. 法人所得税
下記の法人所得税情報の表示は日本の証券取引法の規則に従って作成されている。
グループは多くの法人所得税がかかっている。日本における法定税率合計(概ね50%)と税引前利益(損失)の実効税率の関係は、特定の連結子会社の営業損失は使用できない税効果として、また、各種税額控除の影響のため、法人所得税目的に控除できない費用、日本以外の連結子会社に適用の異なった税率により、通常、歪める。
1997年及び1998年の3月31日現在の繰延税金は添付の連結貸借対照表に下記の項目として反映されている。:
10. Income taxes
The presentation of the following income tax information is prepared in accordance with the regulations under the Securities and Exchange Law of Japan.
The Group is subject to a number of income taxes. The relationship between the aggregate statutory rate in Japan (approximately 50%) and the effective rates on income (loss) before income taxes is normally distorted as tax benefits are not available for the operating losses of certain consolidated subsidiaries, and also because of the effect of various tax credits, certain expenses of which are not deductible for income tax purposes, and the different tax rates applicable to the consolidated subsidiaries outside Japan.
Deferred income taxes at March 31, 1997 and 1998 were reflected in the accompanying consolidated balance sheets under the following captions:
Yen U.S. dollars
(millions) (thousands)
1997 1998 1998
その他の流動資産 Other current assets \15,371 \17,266 $130,803
その他の長期負債 Other long-term liabilities 19,888 19,041 144,250
11. 株主持分
1996年、1997年及び1998年の3月31日に終了する事業年度において、普通株式の変動はつぎの通りであった。
11. Shareholders' equity
The changes in the number of issued shares of common stock during the years ended March 31, 1996, 1997 and 1998 were as follows:
株式数 Number of shares
1996 1997 1998
期首残高 Balance at beginning of year 1,816,848,438 1,841,272,768 1,841,435,783
ワラントの行使 Exercise of warrants - - 16,661,107
社債の転換 Conversion of bonds 24,424,330 163,015 4,259,020
期末残高 Balance at end of year 1,841,272,768 1,841,435,783 1,862,355,910
========= ========= =========
転換社債の転換による及び株式購入ワラントの行使による発行する株式は、1982年10月1日以後施行された改正商法に従って、普通株式に最低50%以上を貸方記入し、残りを資本準備金に計上する。
The issuance of shares upon conversion of convertible bonds and the exercise of stock purchase warrants are accounted for by crediting an amount equal to at least 50% of the amount of the issue to the common stock account and the balance to the capital surplus account in accordance with certain provisions of the Commercial Code of Japan, which became effective October 1, 1982.

39ページ


商法は更に、日本の会社及びその連結子会社が、剰余金からする金銭による配当及び取締役と監査役に対する賞与支払い額の最低10%を普通株式の25%になるまで積立てなければならないと規定している。。
1998年3月31日に終了する事業年度の剰余金の処分、すなわち、9,311 百万円(70,538 千ドル)は、1998年6月26日に開催の定時株主総会で承認後法定帳簿に記録され、翌期の連結貸借対照表に含まれる。
The Commercial Code further provides that an amount equal to at least 10% of cash dividends and bonuses to directors and statutory auditors paid by a company and its subsidiaries in Japan from retained earnings be appropriated to the legal reserve until the reserve equals 25% of common stock.
Appropriations of retained earnings for the year ended March 31, 1998, which included year-end cash dividends of \9,311 million ($70,538 thousand), were recorded on the Company's statutory books of account after approval at the general shareholders' meeting held on June 26, 1998, and will be included in the consolidated balance sheet in the following year.
12. デリバティブ金融商品
デリバティブ金融商品の目的及び区分
日本の会社及び連結子会社は、為替の変動リスクを回避するためや、資金調達コストを減少させるため、ないし投資資金の運用利益率を改善するために、外貨及び利息に関するデリバティブ金融商品契約を締結している。

デリバティブ金融商品とリスクレベルの方針
日本の会社及び連結子会社は、基本的に、投機目的または売買目的ではなく、債権/債務の実際の必要性のあるものをカバーするときにのみデリバティブ金融商品の契約を締結する。 日本の会社及び連結子会社は、原則的に、マーケット・リスクを拡大するようなデリバティブ金融商品を利用することを意図していない。更に、デリバティブ金融商品の一方の当事者は、信用リスクの点から評価されるのみである。そのために、日本の会社及び連結子会社は、彼らが利用しているデリバティブ金融商品はマーケット及び信用リスクを小さくする点に注目している。

1998年3月31日現在、日本の会社及び連結子会社は下記の契約をしている。
12. Derivative financial instruments
Purpose and classes of derivative financial instruments
The Company and representing consolidated subsidiaries in Japan enter into derivative financial instruments related to foreign currency and interest to reduce exposure arising from fluctuations in foreign currency exchange rates and interest rates, to reduce the costs of funds financed, and to improve the return of invested funds.

Policy for derivative financial instruments and risk levels
The Company and representing consolidated subsidiaries in Japan basically enter into derivative financial instruments only to cover the actual needs for receivables/liabilities, and not for speculative or dealing purposes.
The Company and representing consolidated subsidiaries in Japan in principle, have no intention to use derivative financial instruments that may enlarge market risks. Furthermore, the counterparties to derivative financial instruments are thoroughly evaluated in terms of credit risk. Therefore, the Company and rep-resenting consolidated subsidiaries in Japan regard derivative fi-nancial instruments they use have minimal market and credit risks.

The Company and representing consolidated subsidiaries in Japan had the following contracts at March 31, 1998.

Yen U.S. dollars
(millions) (thousands)
1998 1998
想定元本 見積公正価額 Principal
amount
Estimated
fair value
Principal
amount
Estimated
fair value
為替予約 Forward exchange contracts
債権 Receivables \4,071 \4,203 $ 30,841 $ 31,841
債務 Liabilities 1,452 2,033 11,000 15,402
金利及び通貨スワップ契約 Interest rate and currency swap contracts 126,113 (1,968) 955,402 (14,909)
オプション契約 Option contracts
コール Call 16,218 209 122,864 1,583
プット Put 16,158 312 122,409 2,364
上記に示した公正価値は、種々の仮定を基礎に、1998年3月31日現在で行った。従って、日本の会社及び連結子会社は見積公正価値は有用性に限界がると考えている。
The fair value estimates presented above are made as of March 31, 1998, based on various assumptions. Accordingly, the Company and representing consolidated subsidiaries in Japan believe that the estimated fair value may be of limited usefulness.
13. 連結貸借対照表の補足情報
1997年及び1998年の3月31日現在、関連会社との残高は以下の通りであった。
13. Supplementary information to the consolidated balance sheets
Balances with affiliates at March 31, 1997 and 1998 were as follows:
Yen U.S. dollars
(millions) (thousands)
1997 1998 1998
営業債権. Receivables, trade \85,600 \88,817 $672,856
営業債務 Payables, trade 30,735 36,842 279,106

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14. 連結損益計算書の補足情報
1996年, 1997年及び 1998年の3月31日に終了する事業年度の、販売費及び一般管理費に計上した研究開発費は、それぞれ、346,389百万円, 352,818百万円及び 387,129百万円 (2,932,795千ドル)であった。 1996年, 1997年及び 1998年の3月31日に終了する事業年度の、営業外収益(費用) -その他、純額は下記のもので構成している。
14. Supplementary information to the consolidated statements of income
Research and development expenses charged to selling, general and administrative expenses for the years ended March 31, 1996, 1997 and 1998 amounted to \346,389 million, \352,818 million and \387,129 million ($2,932,795 thousand), respectively. Other income (expenses) - other, net for the years ended March 31, 1996, 1997 and 1998 consisted of the following:
Yen U.S. dollars
(millions) (thousands)
1996 1997 1998 1998
外国為替差益(損), 純額. Foreign exchange gains (losses), net \ 6,212 \ 22,524 \ (9,445) $ (71,553)
有形固定資産処分損 Loss on disposal of property, plant and equipment (9,824) (11,656) (12,866) (97,470)
有価証券の公募及び発行の費用 Expenses for issuance and offering of securities (1,948) (1,264) (1,818) (13,773)
市場性ある有価証券の評価損 Loss on devaluation of marketable securities (1,290) (5,283) (13,200) (100,000)
有価証券売却益 Gain on sales of marketable securities - - 14,593 110,553
営業権の償却 Amortization of goodwill (11,010) (10,896) (33,909) (256,886)
リストラ費用 Restructuring charges (31,618) (4,964) - -
その他,純額 Other, net 8,895 (6,550) (5,871) (44,477)
\(40,583) \(18,089) \(62,516) $(473,606)
========= ========= ========= =========
リストラ費用は、主に、ビジネス構造を能率的にするためグループを通じて、製造及び事務設備の組織改革、及び資産の処分に関連するもの。 1997年3月31日に終了する事業年度4,964百万円はFDK社のリストラクチャリングに関連して発生した。1996年3月31日に終了する事業年度の31,618百万円は、ICLのリエンジニアリングを容易にするため発生した例外的費用である。
Restructuring charges related mainly to the reorganization of manufacturing and office facilities and the disposal of assets through-out the Group in order to streamline its business structure. The amount of \4,964 million for the year ended March 31, 1997 related to the restructuring of FDK Corporation. The amount of \31,618 million for the year ended March 31, 1996 included an exceptional charge incurred to facilitate the re-engineering of ICL.
15. リース
1998年3月31日現在、 日本以外の連結子会社の1年以内に支払う最小リース料支払額は17,611百万円(133,416千ドル) であり、1年を超える5年以内に支払う額は60,457百万円(458,007千ドル) であり、5年を超えて支払う額は35,279百万円 (267,265千ドル)である。 . 1998年3月31日現在、 日本の会社及び連結子会社の1年以内に支払う最小リース支払額は、21,265百万円(161,098千ドル)であり、1年を超え5年以内に支払う額は39,596百万円 (299,969千ドル)であり、5年を超えて支払う額は15,356百万円(116,333千ドル)である。 1997年、1998年の3月31日終了する事業年度のリース料支払合計は、それぞれ、21,993百万円および23,118百万円(175,136千ドル)である。1996年の表示については、日本の証券取引法の規則では要求されていなかった。
15. Leases
At March 31, 1998 future minimum lease payments of the consolidated subsidiaries outside Japan amounted to \17,611 million ($133,416 thousand) for within one year, \60,457 million ($458,007 thousand) for over one year and within five years, and \35,279 million ($267,265 thousand) for over five years.
At March 31, 1998 future minimum lease payments of the Company and its consolidated subsidiaries in Japan amounted to \21,265 million ($161,098 thousand) for within one year, \39,596 million ($299,969 thousand) for over one year and within five years, and \15,356 million ($116,333 thousand) for over five years. Total lease payments for the years ended March 31,1997 and 1998 amouned to \21,993 million and \23,118 million ($175,136 thousand), respectively. The persentation of 1996 information was not required by the regulations under the Securities and Exchange Law of Japan.
16. 発注残及び偶発債務
1998年3月31日現在、有形固定資産の購入に関する発注残は、合計で約20,636 百万円(156,333千ドル)である。
1998年3月31日現在、通常の事業の過程で与えた保証と従業員ローンで与えた保証に関する偶発債務は、約66,659百万円 (504,992千ドル)である。
16. Commitments and contingent liabilities
Commitments outstanding at March 31, 1998 for purchases of property, plant and equipment were approximately \20,636 million ($156,333 thousand) in the aggregate.
Contingent liabilities for guarantees given in the ordinary course of business and for loans to employees amounted to approximately \66,659 million ($504,992 thousand) at March 31, 1998.
17. セグメント情報
下記のセグメント情報は日本の証券取引法の規則に準拠して作成されている。

事業セグメント情報
情報技術事業の情報においては、グループは一つの事業で営業している。総合供給者としてのグループは、最先端技術を取り入れることによって、顧客のニーズを満足させる製品及びサービスを供給している。

地域セグメント情報
下記は、地域セグメント(1996年及び1997年の海外セグメントについての開示情報は要求されていない)純売上高、営業利益及び1996年、1997年及び1998年の3月31日現在の総資産である。
17. Segment information
The following segment information is prepared in accordance with the regulations under the Securities and Exchange Law of Japan.

Industry segment information
In the information technology industry, the Group operates in one business segment. The Group, as a total supplier, supplies products and services which satisfy customers' needs by incorporating leading-edge technologies.

Geographic segment information The following is a breakdown of net sales, operating income and total assets at March 31, 1996, 1997 and 1998 by geographic segment (presentation of 1996 and 1997 breakdown information on overseas segments was not required). 

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Yen(millions)
Years ended March 31 Japan Overseas Elimination Consolidated
純売上高 1996 Net sales
非関連顧客 Unaffiliated customers \2,829,526 \932,440 \- \3,761,966
セグメント内 Intersegment 292,405 170,255 (462,660) -
Total \3,121,931 \1,102,695 \(462,660) \3,761,966
営業利益 Operating income \194,805 \15,033 \(3,956) \205,882
総資産 Total assets \3,501,647 \886,163 \(63,320) \4,324,490
純売上高 1997 Net sales
非関連顧客 Unaffiliated customers \3,376,708 \1,126,766 \- \4,503,474
セグメント内 Intersegment 385,520 278,621 (664,141) -
Total \3,762,228 \1,405,387 \(664,141) \4,503,474
営業利益 Operating income \218,644 \(20,410) \2,447 \200,681
総資産 Total assets \3,789,830 \1,099,054 \(161,197) \4,727,687
Yen (millions)
Japan Europe The Americas Other Elimination Consolidated
純売上高 1998 Net sales
非関連顧客 Unaffiliated customers \3,528,164 \795,932 \449,998 \211,288 \- \4,985,382
セグメント内 Intersegment 482,785 30,751 61,694 312,581 (887,811) -
Total \4,010,949 \826,683 \511,692 \523,869 \(887,811) \4,985,382
営業利益 Operating income \219,095 \3,566 \(38,106) \26,642 \65 \211,262
総資産 Total assets \3,942,138 \711,051 \488,686 \275,313 \(294,125) \5,123,063
U.S. dollars (thousands)
Japan Europe The Americas Other Elimination Consolidated
純売上高 1998 Net sales
非関連顧客 Unaffiliated customers $26,728,515 $6,029,788 $3,409,076 $1,600,666 $ - $37,768,045
セグメント内 Intersegment 3,657,462 232,962 467,379 2,368,038 (6,725,841) -
Total $30,385,977 $6,262,750 $3,876,455 $3,968,704 $(6,725,841) $37,768,045
営業利益 Operating income $ 1,659,811 $ 27,015 $ (288,682) $ 201,834 $ 492 $ 1,600,470
総資産 Total assets $29,864,682 $5,386,750 $3,702,167 $2,085,704 $(2,228,220) $38,811,083
18. 後発事象
1998年5月8日に、会社は、期日が2018年の30,000百万円 ( 227,273千ドル)の3.0% 社債を発行し、 及び1998年6月10日に、期日が2008年の50,000百万円(378,788千ドル) の2.175% 社債を発行した。
18. Subsequent event
The Company issued \30,000 million ($ 227,273 thousand) 3.0% bonds due 2018 on May 8, 1998 and \50,000 million ($378,788 thousand) 2.175% bonds due 2008 on June 10, 1998.

42ページ


公表されているモデル連結財務諸表

金融庁の「適用初年度の連結財務諸表」(和文)公表

年の瀬も迫った2009年12月18日金融庁は、「IFRS適用初年度の国際会計基準に基づく連結財務諸表の開示例」を公表した。2009年(平成21年)12月11日に公布された、連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(平成21年内閣府令第73号)、金融庁告示第69号及び関係事務ガイドラインに基づき、平成22年3月31日に終了する連結会計年度において、指定国際会計基準に基づく連結財務諸表を初めて作成する場合における開示例を実務の参考として示したものです、とのこと。

「本開示例においては、製造業において一般的に開示されると考えられる事項を例示していますが、個々の企業の状況によっては、必須の開示事項と解せられるべきものではなく、また、指定国際会計基準に基づき開示すべき事項を、必ずしも網羅していないこともあります。したがって、実際の開示に際しては、指定国際会計基準を参照し、個々の企業の実態に即して、財務諸表利用者の判断に資するよう、適切な開示形式及び内容を検討することが望まれます」とのことで”本開示例はあくまでも例示であり、指定国際会計基準に基づく連結財務諸表の形式及び内容を拘束するものではありません。”自信のない証であろうが、・・とは言うものの監督官庁の公表は実質的に財務諸表作成者を拘束することは明らか。過去の例からすれば監督当局の開示例に従っておけば審査を通るとして横並びに開示例を真似ることが予想される。

金融庁モデルは、注記に文例を示しておらず、注記すべき内容にIFRS・IASの開示根拠パラグラフにリファーしているのみで具体的な文章による記述はない。つまり、”本開示例は、指定国際会計基準に基づく連結財務諸表の作成にあたり、参考となると考えられるものを示すものであり、今後、より適切な開示例を検討していく際の出発点として、広く関係者に提供するものです”ということです。

なお、金融庁の開示例は、PwC英国の開示例等を参照して作成されている。財務諸表の下に”注記を参照”および注記の初めに”財務諸表の注記”のタイトルがない。開示例を作成した者が、実際に国際基準に従って作成した実務経験があれば当然省略しない部分である。

また、資産・負債を英国方式に固定性配列法で表示している。IAS1号では英国方式の固定性配列法、米国・日本方式の流動性配列法のいずれでも良いことになっている。その証拠にIASBの母体である国際会計基準委員会財団(IASC Foundation)の年次報告書は、流動性配列法によって表示している。
中小企業のIFRS財務諸表の例示および表示・開示チェックリスト(2009年)・・資産・負債は流動性配列法で表示している。
国際公会計基準(IPSAS)の財政状態計算書でさえ資産・負債は流動性配列法である。

その他、IFRSの財務諸表で、資産負債を流動性配列法で表示している会社の例は以下のとおりである

会社名 IFRS連結財務諸表 資産・負債の
表示方法
SEC登録の
連結財務諸表
ニューヨーク証券
取引所等の株価
日本電波工業
日本のIFRS適用第一号「あずさ監査法人」)
日本 IFRS連結財務諸表
EDINET参照
流動性配列法 - -
住友商事
日本のIFRS適用第三号「あずさ監査法人」)
日本 IFRS連結財務諸表 流動性配列法 - -
JT日本たばこ産業
(監査法人トーマツ)
日本 IFRS連結財務諸表 流動性配列法 - -
PCA株式会社
(日本基準の有価証券報告書は「あずさ監査法人」)
日本 (非監査)IFRS連結財務諸表
自主開示としている
流動性配列法 - -
IFRS財団(IASBの母体) 国際 IFRS財務諸表 流動性配列法 - -
シーメンス
SIEMENS AKTIENGESELLSCHAFT
ドイツ 米国SEC登録の
Form20−F
流動性配列法 SEC登録の
年次報告書等

四半期報告書
株価

ドイツ・テレコム
Deutsche Telekom AG

ドイツ 米国SEC登録の
Form20−F
流動性配列法 SEC登録の
年次報告書等

四半期報告書
株価
SAP社 ドイツ 2009年度からIFRSのみ
2009年度財務諸表
流動性配列法 SEC登録の報告書等
2009年Form20-F(3月26日公表)
四半期報告書
株価
CGGベリタス
CGG Veritas
フランス 米国SEC登録の
Form20−F
流動性配列法 SEC登録の
年次報告書等

四半期報告書
株価
インフォシス・テクノロジーズ
Infosys Technologies Limited
インド 米国SEC登録の
Form20−F
流動性配列法 SEC登録の
年次報告書等

四半期報告書
ナスダック株価
ブルースクエアー・イスラエル
BLUE SQUARE - ISRAEL LTD
イスラエル 米国SEC登録の
Form20−F
流動性配列法 SEC登録の
年次報告書等

四半期報告書
株価

金融庁のモデル連結財務諸表の上部に「○○株式会社連結財務諸表」とあるが、IFRSによれば、IAS1号パラグラフ51(a) に報告企業の名称を明示しなければならないとしており、会社名および企業集団であればグループなどを表示するが、「会社名の後に「連結財務諸表」を加えるという表示は通常見られない。金融庁のモデル作成者がルーキーに近く国際基準での作成実務がないのではないかと思われる節がある。

経験のない人が、かなり軽率に開示例が作られており、ルーキーばかりでは、欧米のようにベスト・プラクティス(最善の実務)は生まれない。経験豊富な人々が競い合いベスト・プラクティスを生むのだ。

なお、米国のビッグ4(PwC、デロイト、KPMG、アーンスト・アンド・ヤング)がIFRSの開示例を提供していないのは、SECがロードマップを2009年末現在確定していないことによる。

なお、米国公認会計士協会AICPAは、2009年12月「IFRS会計実務の傾向とテクニックIFRS Accounting Trends & Techniques) 」をまとめ米国基準との相違など参考に供している。(雄松堂 参照) US GAAPの同名の書のIFRS版のようであるが、違うのは米国基準との相違を示してIFRSの財務諸表作成者の便に供しているところであろう。

また、米国GAAPと中小企業のIFRSの相違点を公認会計士AICPAが皆で編集しようとするWikiが公開されている。米国会計基準とIFRSの相違を知るのに参考となる。⇒IFRS for SMEs ― U.S. GAAP Comparison WikiWikipediaのように賛同したものが編集する)

2010年4月14日、金融庁は、国際会計基準に基づく四半期連結財務諸表の開示例を公表した。資産・負債の配列は、年度と同じに固定配列法で表示している。
開示例ご利用にあたっての留意事項(PDF:73K)
国際会計基準に基づく四半期連結財務諸表の開示例(2010年6月第1四半期提出用)(PDF:469K)

IFRS連結財務諸表の資産負債を固定配列法で開示している日本企業

2010年1月31日、HOYA株式会社が12月に任意でIFRS連結財務諸表(2010年3月期・2008年4月1日IFRS移行・・指定IFRSではなくIFRSで作成)を公表し、2011年3月期よりIFRS連結財務諸表を有価証券報告書に適用するとしている。本文は英語で監査人はデロイト(DeLoitte)としている。英国流が漂っている財務諸表である。日本語版はト―マツ監査法人であるが英語版の翻訳である。資産・負債が日本に馴染みのない固定配列法であること、英語がKings Englishである(米語であればauthorizedとなるところをauthorisedと英国スタイルとなっている)ことから英国スタイルの財務諸表となっている。トーマツ監査法人の提携先のデロイト(DeLoitte)の支援の影が見える。なお、日本語の監査報告書には、”上記は、英語で発行された監査報告書(原本)を読者のために日本語に翻訳したものである。”と正直に記載している。トーマツ監査法人のクライアントのIFRS財務諸表は、このスタイルに落ち着く可能性がある。いわゆるトーマツ・スタイルになろう。但し、自社の財務諸表の作成責任は会社の経営者にあり、このスタイルに抵抗を感じる経営者もあろう。国際会計基準の”原則主義”は英国スタイルの表示を求めているものではないのだから。

IAS1号「財務諸表の表示」適用ガイダンスでは固定配列法を例示しているが、パラグラフIG3には”財政状態計算書の例示は、流動項目と非流動項目に分けて表示する方法の一例を示している。その区分が明確であれば、同様に他の適切な形式でもよい”として流動配列法も認めている。

2010年3月期 有価証券報告書速報
EDINET
2010年3月期 資産・負債
HOYA株式会社 有価証券報告書 IFRS連結財務諸表
2010年12月21日公開
2010年3月期初度適用
IFRS決算書(原本:英語版102ページ)
IFRS決算書(日本語翻訳版111ページ)

固定配列法

指定IFRS適用2号として、2011年5月10日に公表された2011年3月期の指定IFRS決算書を見ると、上記、英語版原本を踏襲している。

2011年3月期 決算発表 株主総会招集通知 有価証券報告書提出 Annual Report
HOYA株式会社 2011年5月10日公表
指定IFRS決算短信
(個別財務諸表含まず38ページ @)
2011年6月1日ころ招集通知
(総会の2週間以上前)

第73期添付書類計算書類
2011年6月18日ころ提出
有価証券報告書
アニュアル・リポート
参考情報(22ページから)は、2010年3月期の日本基準
と指定IFRSとの再調整を表示している
。  これは、
2010年3月期のIFRS決算書(日本語翻訳版)注記40
「IFRSへの移行」の104ページ移行に記載してあるも
のである。

@ 2011年2月に、東京証券取引所は、決算短信の簡素化をしている。(決算短信様式・作成要領等 「見直しの概要」参照)
  IFRSの決算短信はこうなる、東証が方針を示す(2010年3月26日)⇒東証記事も双方とも判りにくい。

HOYAの有価証券報告書はIFRS決算書と同じ財務諸表でありながら別途作成している。基本的にIFRSの有価証券報告書は国際基準と異質なものであるということか。

有価証券報告書 IFRS決算書
和訳
英文
IFRS決算書
2010年3月期 IFRS有価証券報告書 IFRS決算書(和訳) IFRS決算書
2011年3月期 IFRS有価証券報告書 有報参照 IFRS決算書
2012年3月期 IFRS有価証券報告書 有報参照 IFRS決算書

日本板硝子の場合:

2011年2月25日、日本板硝子は、2012年3月期にIFRS初度適用することを公表しIFRS決算説明資料で詳細を説明した。2006年6月16日に日本板硝子は英国ピルキントン社の買収を完了し、現在のCEOは米国デュポン社に36年間勤務したクレイグ・ネイラ−氏である。社長兼CEOであるスチュワート・チェンバース氏が任期途中で退任を表明する事態が発生した。チェンバース氏はピルキントン出身の英国人。公表した2010年3月期のIFRS貸借対照表を見ると固定配列法となっている。これは、連結子会社英国ピルキントン社のIFRS財務諸表と一致させたものと思われる。ガラス業界特殊な業界のようだ。HOYA鰍笂本板硝子は参考にはならない。ガラス業界では内容の良い日本電気硝子去就が参考となろう。

国際会計基準財団(IASC Foundation)年次報告書

国際会計基準委員会財団(IASC Foundation)はIASBの母体で、その年次報告書は、従来からIFRSで作成している。年次報告書を作成するうえで参考となる。例えば、@財政状態計算書(Statement of financial position、旧B/S)は流動性配列法で日本や米国と同様に表示している、A財務諸表の各ページ下に”62ページから73ページの注記はこの財務諸表の部分を構成している(The notes on pages 62 to 73 form part of these financial statements.)”と明示し、B注記の表題に”財務諸表の注記(Notes to the financial statements)”である旨のタイトルをつけて、1番から連番で注記を記載して基本的な体裁を守っている。

財政状態計算書(旧B/S)は、IFRS適用を先行したヨーロッパが固定配列法で表示しているのに対して、米国や日本が適用している流動性配列法の国がIFRSを適用していないことから実例が少なかった。IFRS(IAS1号)では、どちらでもよいことになっている。

PwC英国の2009年版IFRSの連結財務諸表の例示・・英国スタイル版

PwC英国が公表している2009年版の連結財務諸表2010年版連結財務諸表)の例示とその会計基準の根拠を示し参考に供している。英国版であるため、貸借対照表は、固定配列法である。また、改定IAS1号は財政状態計算書としているが、新用語は強制されておらず、例示は使い慣れた貸借対照表を使用したとしている・・IAS 1 (revised), refers to the balance sheet as the ‘statement of financial position’.However, as this new title is not mandatory, IFRS GAAP plc has elected to retain the better-known title of ‘balance sheet’.

PwC米国が、米国上場企業が2014年にIFRS適用の義務化の”ロードマップ”をSECが公表したことにより、米国上場企業向けに2014年IFRS初度適用を想定して具体的に例示し解説版を提示している。

デロイトの2009年版IFRSの連結財務諸表の例示・・英国スタイル

デロイトが公表している2009年版のIFRS連結財務諸表(2010年版IFRS連結財務諸表)の例示とその会計基準の開示根拠パラグラフを示し参考に供している。英国版であるため、貸借対照表は、固定配列法である。2009年版には、改定IAS1号を反映して、連結財政状態計算書(Consolidated statement of financial position)の用語を使用している。

2009年版IFRS9号金融商品(Financial Instruments)早期適用版の連結財務諸表・・2013年1月1日以降終了する適用だが2009年から早期適用が可能である。

KPMGの2009年7月版IFRSの連結財務諸表の例示・・英国スタイル・・固定配列法

KPMGが公表している2009年7月版のIFRS連結財務諸表(2010年8月版IFRS連結財務諸表)の例示とその会計基準の開示根拠パラグラフを示し参考に供している。英国版であるため、貸借対照表は、固定配列法である。2009年版には、改定IAS1号を反映して、連結財政状態計算書(Consolidated statement of financial position)の用語を使用している。

アーンスト・アンド・ヤングの2009年版の連結財務諸表の例示・・英国スタイル版

アーンスト・アンド・ヤング英国の公表している2009年版のIFRS連結財務諸表の例示とその会計基準の開示根拠パラグラフを示し参考に供している。英国版であるため、貸借対照表は、固定配列法である。2009年版には、改定IAS1号を反映して、連結財政状態計算書(Consolidated statement of financial position)の用語を使用している。

アーンスト・アンド・ヤング米国のIFRS初度適用の会計基準IFRS1号

アーンスト・アンド・ヤング米国は、2009年6月31日現在のIFRS初度適用の会計基準IFRS1号の解説を試みている。米国SECが2008年11月14日に米国上場企業のIFRS適用に関する”ロードマップ”を公表したことにより、米国企業がIFRSを適用することの参考に供するとしている。SECがIFRS適用を確定していない段階で米国大手会計事務所がIFRSの解説をしているのは珍しい。米国事務所はかなり慎重に対応している。

米国SEC登録のイスラエルの会社2008年度からIFRSを適用して年次報告書Form20−F)をSECに登録している。資産・負債は流動性配列法で表示している。

英国グラントソーントンの2008年版IFRS初度適用の連結財務諸表の開示例

英国グラントソーントン2008年度IFRS初度適用の連結財務諸表2010年度Example Consolidated Financial Statements)の開示例が提供されている。2010年6月中間の半期報告書のサンプル

中小企業のIFRS(IFRS for SMEs)の連結財務諸表の開示例
PwC2010年版中小企業の財務諸表の開示例は、@注記に具体的な記述例を示し、開示する根拠となる会計基準のパラグラフを示し、AIFRS適用初年度の注記を含む、BPwCが作成しており資産負債は流動配列法で表示したある。ただし、中小企業(非上場会社)のIFRSですので、上場会社のIFRSより省略されている(前年度期首の財政状態計算書の省略)や、若干の会計処理に省略や差異があるので注意を要する。

規制当局の会計に関する見解の公表

2009年8月19日日本公認会計士協会(JICPA))は、やっとIFRSに関するウエッブを掲載し紹介し始めた。
ケーススタディ」は、欧州において2005年から始まったIFRS適用時にCESR(欧州証券規制当局委員会)内のEECS(European Enforcers Co-ordination Sessions)に寄せられた事項の中から抜粋され、公表された事例であり、日本においても参考になると思われるためにIFRSデスクにて翻訳を行ったものだそうです。なお、2011年1月1日よりCESR(欧州証券規制当局委員会)はESMA(European Securities and Markets Authrity 欧州証券市場監督機構)に名称を変更したとのことである。(元金融庁松尾直彦氏IFRSのエンフォースメント」参照)

●欧州規制当局の会計に関する見解・・・JICPAケース・スタディ・・CESR執行決定データベースEECSの原文最新版CESR-Finに掲載される)
  
2011年1月1日より、ESMA(European Securities and Market Authority)に変更しています。
さしずめ米国SECにおけるStaff Accounting Bulletins, SABで、規制当局SECの会計に関する見解を明らかにしている。(TABLE OF CONTENTS 参照)

金融商品取引法に基づきIFRS開示している外国企業の有価証券報告書

まず、下記有価証券報告書を見て気づくことは、連結財務諸表だけで個別財務諸表は含まれていないことです。外国会社の財務諸表は個別財務諸表は含まれていません。投資家の視点では国内の会社に個別財務諸表を含め、外国会社には含めないのは情報格差といえましょう。投資家への情報格差は極力無くすことが必要でしょう。

フランス、ドイツ、日本が個別財務諸表を開示していますが、フランス及びドイツの開示は300頁を超す分量となっているのに対し、日本は100頁から200頁(下記日立製作所で190頁)と少ない。個別財務諸表を開示している国は、制度設計を官僚が行っている官僚国家であることが共通している。(「昔からフランスという国は、日本以上の官僚国家として知られている。公務員の数520万人」「マックス・ウエーバーの官僚制」参照)

金融庁EDINETへ提出の外国企業 EDINET 有価証券報告書速報
有価証券報告書等
開示システム
金融庁EDINET提出の
IFRSの財務諸表
ダイムラー社(未上場)
ドイツ取引所への登録書類
(320頁うち41頁が商法の個別財務諸表である)
含む個別財務諸表は2期比較で開示
ドイツ リンクできず IFRS有価証券報告書等
363頁(うち英文95頁)
個別財務諸表の開示なし
ドイツテレコム(未上場)
フランクフルト取引所への登録書類 
238頁個別財務諸表の開示なし
ドイツ リンクできず IFRS有価証券報告書等
501頁(うち英文89頁)
コメルツ銀行(未上場) ドイツ リンクできず IFRS有価証券報告書等
409頁(うち英文125頁)
テレフォニカ・エセ・アー
東証外国部上場
スペイン リンクできず IFRS有価証券報告書等
618頁(うち英文233頁)
エイゴン・エヌ・ブイ
(東証外国部
2010年3月上場撤退
)
オランダ リンクできず IFRS有価証券報告書等
546頁(うち英文183頁)
ビー・エヌ・ピー・パリバ
東証外国部
2009年4月上場撤退

法定登録書類及び年次報告書
380頁で個別財務諸表37頁含む
含む個別財務諸表は2期比較で開示
フランス リンクできず IFRS有価証券報告書等
712頁(うち英文215頁)

個別財務諸表の開示なし
インフォシス(未上場) インド リンクできず IFRS有価証券報告書等
237頁(うち英文38頁)
2007年4月1日IFRS適用

東京証券取引所に上場している外国企業は、2010年7月15日現在12社と少ない。そのうち、米国の会社が6社、英国1社、スペイン1社、マレーシア1社、英領ケイマン諸島2社、韓国1社と寂しい限りである。(上場会社の推移 「IFRS適用の有価証券報告書提出の外国会社60社(2008年9月29日〜2009年9月28日)」byプロネクサス(旧亜細亜証券印刷) 参照)

2010年12月17日、金融庁、「英文開示の範囲拡大」をはじめとする新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)に盛り込まれた事項、その他開示制度の整備等について、専門的・技術的な見地から検討を行うため、金融庁政務三役の指示のもと、黒沼悦郎早稲田大学大学院法務研究科教授を座長として「開示制度ワーキング・グループ」を設置し、平成22年11月から計3回にわたり所要の検討を行ってきました。この結果、「〜英文による発行開示書類の提出を可能とすることが適当である」としている。上記の外国会社の有価証券報告書は日本企業の有価証券報告書の数倍の分量ある。例えば、新日本製鉄では2010年3月期の有価証券報告書は154ページであり、日立製作所で190ページ(但し米国SECへ登録Form20-Fは254ページ)である。(「金融庁・開示制度ワーキンググループ」「第一回議事要旨「英文開示の範囲拡大」について 「外国会社報告書等による開示に関する留意事項について(英文開示ガイドライン)」)

日立製作所の有価証券報告書
日米監督当局へ登録したものの比較
2010年3月期決算 メモ
日本
金融庁のEDINETの
有価証券報告書
米国
SEC提出
フォーム20F
ページの
増減
内容の増減
開示内容 A B A-B
 企業の情報等 72ページ 105ページ −33ページ
 連結財務諸表 58ページ 101ページ −43ページ 米国基準がEDINETでは43頁減った?
  重要な持分法適用会社の
    連結財務諸表を添付
0ページ 39ページ −39ページ 重要な持分法適用会社潟泣lサステクノロジ
監査済み連結財務諸表をSEC規則に従って添付
 個別財務諸表 60ページ 0ページ 60ページ 情報として必要?主要国は開示していない
合計 190ページ 245ページ −55ページ

1400兆円〜1500兆円の個人金融資産を保有する日本市場に、外国会社は資金調達の魅力を感ずるはず。にもかかわらず、最盛期(1991年(平成3年)12月4日〜30日)には127社の外国企業が東証に上場し、現在(2010年7月15日)では12社に減少している原因は景気後退ばかりではないことは誰の目にも明らか。一方、金融庁は、国内企業には、個別財務諸表の開示を求めているが、上記外国企業の財務諸表は連結財務諸表のみである。外国では連結財務諸表のみの開示が主流なのである。本国で求められていない開示までを金融庁は求めていない結果でなのである。

2011年2月3日財務会計基準機構(FASF)は、第12回「基準諮問会議」を開催。諮問会議で最も議論になったのは、連結財務諸表と単体(個別)財務諸表の関係だ。特に単体財務諸表の取り扱いについて、委員から「単体財務諸表の取り扱いを早い段階に明確にすべきだ」や「単体財務諸表の会計基準の検討状況はどのようになっているのか」といった意見や疑問が出た。このほか単体財務諸表の扱いについて委員は、「単体の財務諸表は、会社法や税制と密接に結びついている。IFRSの議論を進める過程では、会社法や税法の監督官庁である経済産業省や法務省と密接に意見交換すべきではないか」との趣旨の意見を述べた。(ItProより) 相変わらず進展なし

財務会計基準機構(FASF)基準諮問会議の議長は、東海ゴム工業(株)代表取締役社長である。東海ゴムの有価証券報告書を見ると、日本基準の連結財務諸表(35ページ)及び個別財務諸表(30ページ)を含んでも全頁で93ページである。個別財務諸表を除けば63ページとなる。日本の情報開示は充実しているとはいえない。

IFRS連結財務諸表を適用すれば、IFRS適用第一号の日本電波工業の場合で連結財務諸表は8ページ増加している。情報開示を充実する一方、企業の負担を軽減するため単独財務諸表は省略すべきだ。

有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項について」by金融庁
(3) 並行開示等
IFRS導入初年度には、【業績等の概要】において、前期分及び当期分の日本基準に基づいて作成した要約連結財務諸表(並行開示)並びに指定国際会計基準と日本基準との差異(連結財務諸表の主要項目についての差異の概算額等)の記載が必要です。
なお、当期分の日本基準との差異については、継続的に記載することとなりますが、並行開示とともに、財務計算に関する書類ではありませんので、監査対象外となります。
(4) 個別財務諸表
これまでどおり日本基準による作成が必要ですが、連結財務諸表を作成していない会社については、日本基準による個別財務諸表に加えて、指定国際会計基準による個別財務諸表を作成することができます。

2011年2月に、東京証券取引所2011年3月期より決算短信の簡素化をしている。(決算短信様式・作成要領等 「見直しの概要」参照)
  IFRSの決算短信はこうなる、東証が方針を示す(2010年3月26日)⇒東証記事も双方とも判りにくい。民僚の文章だ。
決算短信様式・作成要領等の27ページに記載のとおり「投資者ニーズを踏まえた開示が求められる事項(個別財務諸表及び注記等)」は任意開示となった。
投資者ニーズを踏まえた開示が求められる事項」の(具体例):
・ 連結財務諸表に関する注記事項(セグメント情報、1株当たり情報、重要な後発事象を除く)
個別財務諸表及び注記事項
・ 利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
・ 事業等のリスク
・ 企業集団の状況
・ 役員の異動
・ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項
・ 経営管理上重要な指標
・ 生産、受注及び販売の状況
・ 設備投資、減価償却費、研究開発費の実績値・予想値
・ 主要な連結子会社の業績の概況 等

海外取引所のIFRSで作成された財務諸表の閲覧の方法

2005年から欧州の上場企業は、国際会計基準(IFRS)で作成された財務諸表を開示することとなった。また、米国SECでは、外国会社が米国で上場する場合、国際会計基準で作成された財務諸表を登録する外国企業に米国会計基準との差異調整表を開示しなくて良いこととなった。

そこで、国際会計基準で作成された財務諸表が、株主等に、実際にどのように開示されているかWeb上から検索する方法を例示してみようと思う。

ドイツ取引所は、早くからプライム・スタンダードの企業には英文財務諸表への開示を行っており、他の欧州取引所と比べ、検索が比較的容易である。ドイツ取引所を見るには、上場会社取引所の構造を知っておく必要がある。プライム・スタンダードに403社、ジェネラル・スタンダードに339社、エントリー・スタンダードに113社、オープン・マーケットに9,353社が上場している。透明性基準の順に、透明性が高いプライム・スタンダードprime standard(IFRS適用、四半期情報開示、年次報告書、英文開示)、ジェネラル・スタンダードgeneral standard(欧州連合の法律に準拠)、エントリー・スタンダードentry standard(国内会計基準に準拠した中間財務諸表と年次報告書の開示)となる。オープン・マーケットは、取引所の規定による新興企業・中小企業向け公開市場で、開示要求はない取引市場(証券取引所の上場会社数の統計には含んでいない)。プライム・スタンダードとジェネラル・スタンダードは欧州連合の規則に準拠した市場とのこと。

参考:ドイツにおけるベンチャー企業と資本市場問題by三田村智三田商学研究2007年1月
拡大するドイツ個人投資家向けストラクチャ−ド・プロダクト市場」by斎田温子野村資本市場研究所

なお、上場株式を「EUROLAND」から見ることができます。オープンマーケットを見ると日本企業など「勝手上場」されているようです。

ドイツには日本にはない取引所制度がございまして、その他というのところでございます。いわゆる日本で自由市場と言われているものでございまして、1万社、この中の大半の企業は上場会社自身が取引所に登録申請しておりません。ここに出席していらっしゃる企業の中でも、恐らくここで取引されている銘柄がたくさんあるかと思います。発行企業の知らないうちにブローカー・ディーラーが日本の国外、ここですとドイツですけれども、ドイツで取引をしたいという場合にはブローカー・ディーラーが、発行企業に断りなく勝手に取引所に登録するということによってここでの上場はされます。そうしますとドイツの国内でのブローカー・ディーラーの取引ができるようになると、こういうふうなものでございまして、日本の場合はこのような制度はございません。「企業会計審議会議事録 ドイツとフランスの取引所 参照」

@ドイツ取引所へアクセスする。

Aプライム・マーケットの企業がIFRSの財務諸表を開示する義務があることから、プライム・マーケットの統計をクリックする。すると、規制市場における新規企業のサイトが表示される。年度別に、新規企業が下半分にリストされている。これを、年度に関わり無くするためには”all”にして、透明性基準transparency standardによりプライム・スタンダードを選択し”GO”を押すとプライム・スタンダード企業が表示される。もっと絞ろうとすれば、例えば、自動車業界を選択するとダイムラーAGなどの自動車業界の会社が表示される。ダイムラーAGのどの企業名をクリックするとDaimler AGの当初上場時の情報が提供されている。ページ下の”会社データ”を押すと、Daimler AGの財務情報等の会社情報が閲覧できる。

Bまたは、プライム・スタンダードのページから国=ドイツ、タイプ=普通株、透明性基準=プライム・スタンダード、マーケット区分=規制市場、取引の形式=継続取引を選択し”GO”を押すとページ下に会社名が表示される。ダイムラーAGを押すと、Daimler AG の株価および会社情報が入手できる。ページの”All reports”を押すとダイムラー社の財務諸表のリストが表示される。

ロンドン証券取引所は、官僚臭の強い取引所で使い勝手が悪く、会社の情報の入手は昔から良いとはいえない。例えば、財務諸表の入手については無償の”The Annual Reports Service”サービスがあり一見検索しやすそうですが、ダウンロードにあたり、氏名、国、Email Addressを一々入力させるなど、閲覧の利便性は低い。英国一般に言えるのだが、ロンドン証券取引所も例外ではなく、昔より改善されず透明性及び利便性が低い。

@ロンドン証券取引所にアクセスする。

Aページ上の”投資家センターInvestor centre”のページを開き、”初めての投資家の情報”を開き、ページ右の無償の”年次報告書Annual reports”を開くと、
(イ)左に業種が表示され、いずれかを選択すると、真ん中に其の業界の会社名が表示されます。ダウンロードしたい会社にチェックマークを入れてProceedを押すと氏名、国、Email Addressを入力することが求められます。
(ロ)または、アルファベットA〜Zのいずれかを押すと、そのアルファベットを頭文字とした会社名が真ん中に表示されProceedを押すと氏名、国、Email Addressを入力することが求められます。そのまま進んで年次報告書を入手することが出来ます。

B氏名、国等を入力したくない場合は、無償の”年次報告書Annual reports”を開いて、該当の会社名をコピーしておき英語の検索エンジンでその会社のサイトに進みInvestor Relationから年次報告書を入手することが出来ます。

ニューヨーク証券取引所は、現在のところ、外国企業のみ国際会計基準を認めている。其の場合に、外国企業の財務諸表を表示させ年次報告書等を閲覧する方法を試してみる。

@ニューヨーク証券取引所へアクセスする。

A次に、ニューヨーク証券取引所のホームページ・左の欄のうち”Listing”の中の”Listing Directory”の”NYSE”をクリックするとオーバービューページが開く、上に”地域region”を開くと地域、国の選択を求めていますのでそれぞれ入力する。例えば、欧州のフランスを選択すると次の結果(会社名)が現れます。ニューヨーク証券取引所に上場しているフランスの企業名です。例えば、アルカテル・ルーセント社をクリックするとAlcatel Lucent のニューヨークの株価や会社データ、SECへの登録書類が閲覧できます。SECファイリングに年次報告書(Form20-F)は閲覧できます。

会社名 適用会計基準 Form20-F
ALCATEL LUCENT フランス 国際会計基準(IFRS) 年次報告書
SAP AG ドイツ 2008年までは米国会計基準
2009年以降はIFRSとのこと
年次報告書
2009年年次報告書
2009年度はIFRS初度適用(IFRS1号)の適用となる
IFRS1号の開示が見られよう。
加えて、2009年度は財務諸表の名称が変わります。
Daimler AG ドイツ 国際会計基準(IFRS) 年次報告書
Siemens AG ドイツ 国際会計基準(IFRS) 年次報告書



参考:ユーロネクストとニューヨーク証券取引所の合併により、ユーロネクスト・パリに上場している企業も、ニューヨーク証券取引所のホームページ・左の欄のうち”Listing”の中の”Listing Directory”の”NYSE Euronext ”をクリックするとオーバービューページが開く、上に”地域region”を開くと、地域、国、パリ・ブラッセル等のユーロネクストの市場区分が現れるので入力すると会社名が表示される。例えば、地域は欧州、国はフランス、市場はパリとすると会社名が表示される。ただし、ユーロネクストの情報開示は会社のWebサイトから入手可能ですがフランス語の場合が多い。

海外の証券取引所は、上記のように上場会社の株価はもとより財務情報等の企業情報が閲覧可能ですが、日本は、金融庁のEDINET(有価証券報告書等閲覧システム)が個別企業にリンクできないようになっていることから、東京証券取引所等からは上場会社の有価証券報告書・四半期報告書等は閲覧できません。

例えば、日立製作所の情報を東京証券取引所のサイトから検索すると「検索結果」が表示されます。「基本情報」と「株価表示」のうち「基本情報」を開くと「上場会社詳細(基本情報)」が表示されますが財務諸表は閲覧できません。ページ上の適時開示情報を開くと、適時開示情報(有価証券報告書等)「EDINETはこちら」として金融庁のEDINET(http://info.edinet-fsa.go.jp/)にリンクしてあるだけで、最初からEDINETを検索して有価証券報告書等を閲覧するようになっている。@検索しにくい、A検索に時間が掛かる、B内容がばらばら、C企業ごとの情報にリンクできないので直接閲覧できず毎回検索する必要がある等、海外の主要証券取引所と比べると日本は投資家の利便に供しているとは到底いえない

ちなみに、東京証券取引所も金融庁のEDINET同様、各企業の検索結果等にリンクすることは出来なくなっています。各国の主要取引所にはないことです。

投資家の利便性が日本の場合には欠け、改善されないのは、歴代の東京証券取引所の所長が、金融制度の制度設計を担当していた大蔵省(現・金融庁)からの天下りで占められていたことと無関係ではないようである。投資家への利便性に全く欠けているとしか言いようが無いが現在の金融庁の姿勢を見ていると改善は絶望的である。

金融庁の「投資を行っている方へ」の中で「投資者保護」の中身を見ると”本気で投資者保護をしているのか寒いものを感じる”。また、「個人投資家支援のページ(証券取引等監視委員会)」には、有価証券報告書等に関して次のように書かれており、財務局とあるのは財務省財務局で、金融庁は企業の開示書類について関係ないような書き方である。金融庁の情報開示に関する認識が透けて見え改善は絶望的である。

個人投資家支援のページ(金融庁・証券取引等監視委員会)
有価証券報告書、大量保有報告書の提出書類について教えてください。
開示書類の事務については各財務局理財課の証券監査官が担当しておりますので、そちらでご確認ください。また、『証券取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム』(通称EDINET)による閲覧機能もご利用ください。

一方、四半期報告書や有価証券報告書の作成については金融庁が指示しているのです。「・・報告書の作成・提出に際しての留意事項について」参照



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上記は、一企業の事例でその企業固有のものであります。
国際会計基準に関する支援(英文財務諸表作成、連結決算支援、教育等)を行っています。
公認会計士 横山明
E-mail: yokoyama-a@hi-ho.ne.jp
TEL:047-346-5214 FAX 047-346-9636