柘植宗澄氏著「柘植姓の研究」の紹介

 名前と同じ地名の場所へ行けば何か手がかりがあるであろうと、三重県伊賀町柘植を訪れた時(昭和61年8月)、この本を柘植次郎氏(山川系柘植氏直系)より見せていただいた。その時の感動は今も鮮明に思い出します。
 実にすばらしい本です。著者宗澄氏が全国を歩き、柘植姓の旧家を訪れて系譜を調べたり、古老の話などを聞きまとめたものです。宗澄氏は昭和38年60才にて、この本を発行された。今もご健在である事を祈るばかりです。(宗澄氏について何かご存知の方、ご連絡下さい。)
 宗澄氏に最大の敬意を表し、このページでは名著「柘植姓の研究」の中から主な項目の内容を紹介します。

 テキストデータをいただいた林芳樹氏のコメントをそのご努力に感謝しつつ以下に掲載します。

《海 賊 囈 言》
 数年前(平8年4月24日) 岐阜県八百津町の奥 潮見の山里を訪れた時のことである。
「ここは豊臣勢に追われて逃げ込んだ敗残兵 織田系柘植族の蟠居地やろう?」と言ったら、学友林 史郎君(潮見出身旧姓柘植)、 潮見の旧家柘植義廣氏らが「これ 良く読んで見よ」と貸してくれたのが、この『柘植姓の研究』なる本であった。著者は西宮市在住の柘植宗澄氏で、開いてみるとガリ版刷りの細かい掠れ字がビッシリと並んだ お世辞にも読んでみたくなるような本ではないので、一年半も本棚に載せたまゝ返すのを忘れていた。年末の掃除でこれを見付け罪滅ぼしに 読み易い「ワープロ海賊版」を作り、ガリ版本と一緒に返すことにした。さて 虫眼鏡片手に一字一句をキーで叩きながら読んでみると、実に素晴らしい本である。著者 柘植氏が全国を歩き、柘植姓の旧家を訪れて系譜を調べたり、古老の話などを聞き纏めたものである。だが 柘植氏自身が鉄筆でガリ版を切り、自分で刷ったというこの本の細かい掠れ文字で 特に人名は「勝朋」なのか「勝明」なのか、前後の文章からは推測出来るものではない。そういう文字・文章は、「□□、□… (判読不能) …□」 とマークして、 キーを次に飛ばした。
また柘植氏の先天性誤字 柘植性(姓) 松平候(侯) 菜地(采地、領地のこと) 大阪冬ノ陣(大坂冬ノ陣、江戸時代や それ以前は「大阪」ではなくて「大坂」と書いた---広辞苑)などは僭越ながら修正しておいた。 一方 読み辛いガリ版を虫眼鏡片手にキーを打ったので、ワープロ誤字(例えば 降伏→幸福など)があるかも知れない。 著者 柘植氏(60歳)より15歳も年上で、老人性白内障進行中の老輩我、識者 幸に是を恕され度し。----- 平成10年正月 市川市 林 芳 樹


柘植姓の研究 
昭和38年3月1日発行

著者 柘植宗澄(兵庫県西宮市在住)
複写 林 芳樹(千葉県市川市在住)
   柘植昌一(愛知県岡崎市在住)

目  次

  1.巻頭言                19.信用出来ぬ系図
  
2.総説                 20.柘植氏正統派分家系図
  
3.柘植氏発祥の地            21.山川系柘植氏のこと
  
4.柘植姓の由来             22.山川系柘植氏の系統
  
5.植物としてのツゲ           23.伊賀の柘植氏 別派
  
6.宗清の系図に二説           24.芭蕉は柘植の一族
  
7.宗清と頼朝の関係           25.織田系柘植氏の系譜
  
8.頼朝と霊山の伝説           26.美濃の柘植一族
  
9.平家滅亡と宗清の行方         27.三河刈谷の柘植部落
 
10.古典に現れた宗清           28.各地 遺聞
 
11.柘植郷の遺跡             29.雑 録
 
12.柘植一族 仁木大将を討つ        30.犯罪史に残る柘植氏
 
13.天正 伊賀の乱 柘植氏本拠 崩壊    31.文学に現れた柘植姓
 
14.柘植一族 家康に仕う          32.現代柘植氏 芳名録
 
15.無足人のこと             33.学校法人 柘植学園
 
16.柘植氏の系統             34.類似性
 
17.柘植氏正統派系図           35.筆者の横顔
 
18.柘植氏の定紋             36.あとがき

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