
釜無川の支流塩川は、塩川ダム(みずがき湖)で奥秩父連峰の瑞牆山(2230m)を水源とする釜瀬川と、主峰である金峰山(2595m)を水源とする本谷川に分かれます。
釜瀬川は、黒森集落周辺の明るい穏やかな流れと黒森から上流の落差のある険しい流れの二つの顔を持っています。
本谷川は、増富を境に下流部はV字峡谷の通仙峡があり瀬や淵が連続する流れ、上流部は渓も浅くなりカエデやミズナラ林の中を流れる穏やかな流れが続きます。
いずれも、険しい流れの下流部を除けば道路からも近く容易に入渓できます。
黒森と増富へは、中央自動車道須玉ICから県道韮崎・増富線(県道23号)でおよそ一時間ほどで到着します。
秩父多摩甲斐国立公園の西端に位置し、素朴で美しい自然に囲まれて気持ちの良い釣りができるところです。
黒森から左へ進路をとり北上して信州峠を越える増富から川上村へ抜けるルートは、古くから山梨と長野を結ぶ交通の要衝で、戦国時代の武田信玄にゆかりのあるところです。
また本谷川の増富は、世界有数のラジウム含有量を誇る鉱泉で良く知られています。
武田信玄が金山発掘の際に発見し、隠し湯として兵の傷を癒すために利用されたと伝えられています。
歴史的にも興味深いところであり、渓流釣りと温泉が同時に楽しめるのも魅力的です。