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日本の会計
日本の会計は、商法、税法及び上場会社等適用の証券取引法に準拠して行われています。
証券取引法では、「企業会計原則」を初めとして「大蔵省企業会計審議会が各種意見書(会計基準)」を設定してきましたが、2000年(平成12年)7月に金融庁(「金融庁設置法」「金融庁組織令」参照)が発足し企業会計審議会(「企業会計審議会令」 審議会⇒?参照)は同庁へ移管されました。しかし、2003年(平成15年)10月31日公表の「企業結合に係る会計基準の設定に関する意見書」を最後に官による会計基準設定の使命は終わりました(監査基準は企業会計審議会に残されたまま)。今後は民間の企業会計基準委員会(2001年(平成13年)7月、民間の会計基準設定主体を創設)が会計基準の開発を行うことになっています(企業会計基準委員会の「企業会計基準等」は、金融庁からの補助金がありますが、何故か会員以外には公開していませんし、出版物は「国際会計基準一式(£60.00)」より超高価です。ちなみに米国会計基準書(FASBの基準書)は無償で広く公開しています・・2009年1月から企業会計基準委員会(ASBJ)も無料公開とするとしている・・2009年4月からIASBも「最新版IFRS本文」を私用目的のみに無償公開しました)。
2005年8月3日、中小企業の会計実務に関与している民間団体である日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会は、「中小企業の会計に関する指針」を公表した。学識経験者、経済産業省中小企業庁も参加して、去る3月22日に「「中小企業の会計」の統合に向けた検討委員会」(以下「委員会」という。)を設置していたもの。 「中小企業の会計に関する指針」は、会社の規模に関係なく会計基準が適用されるべきである。本指針は、基本的に、このような考え方に基づいている。しかし、@単年度表示で、比較財務諸表になっていない、Aキャッシュフロー計算書は商法で求められていないが作成することが望ましいとし、B現在参議院で審議中の商法改正(会社法)で求めている「株主持分変動計算書」には言及していない、C連結財務諸表または連結計算書類については言及していない。国際会計基準第1号「財務諸表の表示」が求めているものとは程遠い。 2006年4月25日、公認会計士協会等は、会社法対応で改正された「中小企業の会計に関する指針」を公表。9ヶ月で改正とは・・・ 純資産の部、株主資本等変動計算書、個別注記表などが加えられている「新旧対比表」参照。 かなり、規定作成者の独断的な開示である。国際基準で統一した方が標準的なものになろうというもの。 2007年5月2日、企業会計基準委員会等は、金融商品に関する会計基準等と整合させるため「中小企業の会計に関する指針(平成19年版)」を公表。(新旧対比表 参照) 2008年5月2日、企業会計基準委員会等は、リース会計を反映した「中小企業の会計に関する指針(平成20年度版)」を公表。(新旧対照表 参照) 最新版「中小企業の会計に関する指針」の検索結果⇒msn Google Yahoo! 22年版(新旧対照表) 2006年4月25日、日本公認会計士協会及び日本税理士会連合会は、会社法(平成17年6月29日成立、平成18年5月1日施行)において、新たに創設された会計参与が、実務の参考に資するための「会計参与の行動指針」(以下「指針」という。)を公表いたしました。 2011年11月8日、中小企業関係者等が主体となり、中小企業庁及び金融庁を共同事務局とする「中小企業の会計に関する検討会」(委員名簿別紙)において、「中小企業の会計に関する基本要領(案)」が取りまとめられましたので公表します。(企業会計基準委員会) 2012年3月19日、日本税理士連合会及び日本公認会計士協会は、、「中小企業の会計に関する指針」について平成24年4月1日から所要の見直しが行われ、「中小企業の会計に関する基本要領」による旨公表した。これにより「中小企業の会計に関する基本要領の適用に関するチェックリスト」は変更となる。信用保証協会は、「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小指針という」)の準拠を確認するチェックリストが提出された場合、信用保証料率の割引を行っております。日本税理士会連合会が制定するチェックリストを利用する場合は、「『中小企業の会計に関する指針』の適用に関するチェックリスト」をご利用ください、とのことである。(「中小企業の会計に関する検討会」「会計基準の国際化を巡る現状について」by中小企業庁事業環境部財務課) |
日本の制度会計に関する提言を別途「日本の会計」、「不良債権」、「銀行の巨額繰延税金資産は実現可能か?」、「これが日本の会計・米国基準との相違点」、「国際会計基準と日本の会計の相違点」、「粉飾決算(トレッドウェイ委員会報告・勧告、COSOリポートを紹介しています)および、エンロン(Enron)問題について」、「日本の会計基準を信頼しますか」、「インフラとしての会計基準」および「財務情報の開示」に記載しました。なお、日本の会計には、現在、証券取引法で作成された財務諸表を基礎に作成した英文財務諸表にレジェンド(警句)が付されるという残念な状況にあります。
1999年12月21日、自民党「企業会計に関する小委員会」は、「企業会計基準設定主体の充実・強化に向けて(案)」(Alexaアーカイブ過去の記録から入手可能)をまとめ提言している。
2000年(平成12年)3月27日、日本公認会計士協会と経団連は、会計基準設定主体となる民間機関を設立することを明らかにした。大蔵省も大筋で了承。企業会計審議会から、独立色の強い機関に権限を移し、基準つくりの透明性を高めるとして、5月中旬をメドに組織の概要を固め、早ければ2000年度中にも発足させる、としている(日経3月28日)。日本特有の不透明で形式的な独立であってはならないことは無論のこと、今後は、設定した会計基準の内容の質が問われることになろう。4月11日付で、英文のプレスリリースが国際会計基準委員会のホームページに掲載されました(「国際会計基準」参照)。なお、日本公認会計士協会が2000年3月22日付け「わが国の会計基準設定主体のあり方について(骨子)」(2004年の過去データより入手可能)を公表、2000年6月29日、当時の大蔵省(7月から金融庁)の「企業会計基準設定主体のあり方に関する懇談会」が「企業会計基準設定主体のあり方について(論点整理)」(過去データからも文書入手できます)を公表。
民間の会計基準設定主体設立 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2001年2月28日、経団連、日本公認会計士協会、全国証券取引所協議会、日本証券業協会、全国銀行協会、生命保険協会、日本損害保険協会、日本商工会議所、日本証券アナリスト協会、企業財務制度研究会など10団体が出資して「財務会計基準機構」(仮称)を7月に設立し、下部組織の「会計基準委員会(ASB)」が会計基準の設定について全権をもつとし、米国FASB型の会計基準設定主体を模したものになる。設立準備委員会の設置を公表(ロイター、日本経済新聞、毎日新聞が報道)。政府出資を見送ったことが注目に値する。それだけに責任が重くなろう。 報道によれば「政府出資を見送った」ようであるが、インターネットに掲載された金融庁の「補助金等支出明細書」「補助金・委託費等の交付先選定理由等」によれば、「国際会計基準の議論への的確な対応のためには、会計実務に関し専門能力の高い人材資源を必要とするが、現状の金融庁の体制においては対応困難な状況にあることから、高い専門能力を有した民間法人に事務委託を行う」として「財団法人 財務会計基準機構」に約1億3千万円の補助金を支出している。「国際会計基準事務委託費」「検索結果」 参照 平成15年(2003年)4月17日、金融庁の「平成13年度政策評価結果の政策への反映状況」によれば、「平成15年度の予算措置1億4千万円した」としている。金融庁の「日本における会計・監査制度の改善状況(2002年12月)」および「会計基準の整備・改善」に対する認識では、驚くほどのんびりとしたもので、国際的な認識と大きな隔たりがある。 2001年7月26日、金融庁所管の公益法人として、財団法人 財務会計基準機構(FASF)の設立認可を受け、企業会計基準委員会(ASB)を8月7日正式に発足した。 国際会計基準審議会(IASB)へ英文で報告したものは、Japanese Accounting Standards Board, ASBJ (日本会計基準審議会)となって「企業」の文字を抜いており英文とは一致していない。当初4月設立が予定されていたが大幅に遅れた。 国際会計基準審議会(IASB)のリエゾン・メンバーとして日本だけが取残されていましたが8月10日にやっと形だけは整いました。
2003年2月13日、国際的な6大会計事務所が共同で、主要国を含む59カ国の会計基準を調査した結果を「GAAP Convergence 2002(一般に認められた会計基準 収斂 2002年)」に纏め公表した。日本は、「現在、国際財務報告基準(IFRS)に収斂しようとしない国、アイスランド、日本、サウジアラビアの3カ国」として報告されている。この報告書は、会計普及国際フォーラム(IFAD、International Forum on Accountancy Development、メンバー及びオブザーバー)および国際的な事務所で紹介されている(各事務所のニュース 参照)。このような状況で日本の国際的な発言力を期待できるものか自明の理であろう。国際的な基準を使用しないためコーポレート・ガバナンスの面からも日本は評価が低い(「コーポレート・ガバナンス・・ヨーロッパの文脈(チャールズ・フェア氏筆)」の主要5カ国の国際比較 参照)。 2003年4月24日、企業会計基準委員会はIASB会議の席上、上記に関し「IASB関連情報 > 会計基準の国際的なConvergenceに対する当委員会の姿勢」を文書(英文)で配布したそうだが、日本は「個別会計基準の議論の問題」と「国際会計基準に日本の国としてどのように対応するかの問題」とを混同しているため、「日本がIFRSに収斂しようとしない国」であることを再度立証してるように思えるのだが・・・・・ 加えて、国際会計基準審議会のディスクロージャー誌である「IASC財団の2002年度年次報告書」(3月21日公表)にの2ページ目に日本の対応が記載されていないことに言及していないのは不思議。 国際会計基準導入に関して、2002年10月および2003年5月に、金融庁(証券取引法)と法務省(商法)はそれぞれ否定的意見を述べています(「金融庁の見解」「金融庁総務企画局企業開示参事官のIASに対する認識」 「法務省の見解」 参照)。 2003年3月3日、第25回対日投資会議専門部会では、金融庁は別の言い方で否定しています(「各委員から出された意見に対する各府省意見及び修正案」13ページを過去データから 参照)。2003年6月24日、日本経団連公表の「国際会計基準審議会(IASB)に関する意見交換会」によれば日本経団連も否定的意見です。10月17日には「会計基準に関する国際的協調を求める」を公表し「日米欧会計基準の相互承認」を求めています。⇒ ■EUが日本企業に2007年より追加情報の開示要請案を公表(2005年4月27日) ⇒「金融庁新参事官の見解(2004年7月就任)」⇒■経団連・一転してコンバージェンス支持へ(2006年6月20日)⇒■やっと、企業会計基準委員会(ASBJ)は、国際会計基準審議会(IASB)に対して2011年6月末までに国際会計基準に収斂することを約束(2007年8月8日) @欧州連合が国際的に認められた会計基準(internationally accepted standards・・米国会計基準と解されている)を既に適用している上場会社にも2年間の猶予を与えて2007年には国際会計基準の適用を規定し(規則第9条(b) 参照)、 A米国が米国以外の会計基準適用会社に「米国会計基準(US GAAP)との差異調整表」の開示を求めているように、いずれ欧州も、「IASとの差異調整表」の開示を求めてくることが予想され、欧州や米国が、日本の会計を相互承認する可能性は極めて低い。フランス、ベルギー、オランダの証券取引所が国境を越えて合併してできたユーロネクストでは2004年より「IASとの差異調整表」の開示を求めている(ユーロネクスト 参照)。2004年度決算での「IASとの差異影響額の開示」については、欧州証券規制委員会(CESR)も求めている。CESRが2004年1月8日に欧州委員会へ提出した助言書では、「欧州連合国外の会社に対しては2007年までは国際的に認められた会計基準を認める」とあり、2007年後については欧州委員会が指令(directive)によって明かにすべしとしている。(CESRのプレス・リリース 参照) 日本の会計が欧米に認められるためには、「投資家保護」の観点から、欧米の投資家に信頼されるものであること、ビジョンを明かにして分かりやすいことが求められる。しかし、当局は日本人に対してさえビジョンを明らかにしていない。これが最大の問題であろう。一例を挙げれば、日本は、日本もメンバーとなっている証券監督者国際機構(IOSCO)が投資家保護のために最低限必要と認めた40項目のコア・スタンダードの一部しか国際会計基準を導入していない。四半期開示、会計方針の変更、誤謬の訂正、見積の変更、会社分割や重要な営業譲渡などに関する事業部門の廃止(discontinued operation)、比較財務諸表、政府の補助金など国際的に基本とされる会計基準は日本に存在しないのに「国際的な水準にある」とは言い過ぎ・・・。国際協調・国際貢献するつもりがないのであればIOSCOやIASBのメンバーになっている意味はない。 2003年(平成15年)4月17日、企業会計基準委員会はテーマ協議会の結論を受けて、与党主張の減損会計2年適用延期、投資有価証券の時価会計の選択制採用の議論を22日するとした。テーマ協議会では、「与党の「緊急金融対応策」にあげられている(1)固定資産の減損会計に係る強制適用開始時期の延期(2年)、(2)長期保有の有価証券の時価評価及び強制評価減の見直し(選択制)について、企業会計基準委員会で検討するに相応しいテーマであるかどうかテーマ協議会で審議する必要があると考え、本日テーマ協議会を開催するに至った。」、次いで、金融庁総務企画局の羽藤企業開示参事官から、「緊急金融対応策」の要請を受けるに至った経緯等について説明が行われた」としている。委員会の独立性と見識が試されている。平成15年6月13日見直しをしないとする結論を公表。 2003年12月19日、経済産業省経済産業政策局は「企業会計の国際対応に関する研究会」を立ち上げ検討し具体的対応について2004年5月に「中間とりまとめ」をしたいとしている(プレス発表 参照)。⇒ 6月11日に経団連の主張していた同じ内容の相互承認を求める「中間報告」を作成し公表している(資料概要 参照)。6月24日に企業会計審議会が公表した「国際会計基準に関する我が国の制度上の対応について(論点整理)」と歩調を合わせたものとなっている。大政翼賛会の様相を呈している。 2004年(平成16年)1月27日、金融庁の「英国金融サービス機構(FSA)の上場規則見直し提案への パブリック・コメント・レターの発出について 」 参照。 金融庁のこの強烈な文書は世界にとって衝撃であり、瞬時に世界を駆け巡り、フィナンシャルタイムスをはじめとして多くの英文記事となった。下記AWSJの翌28日の記事も一例である。 2004年1月28日、アジアン・ウォール・ストリート・ジャーナル(AWSJ)は、「世界が共通の会計基準へ移行しつつある中、東京では、企業にこれまで通り日本の会計基準を続ける選択も認める方向にあるようだが、これでは外国人投資家は日本から遠ざかることになるかもしれない」と警告している。そして、「日本の経済界には"日本は違う"という考え方が根強く残っている。日本は世界第2の経済大国なのだから、ほかに合わせて慣行を変える必要はないと考える企業人も多い。『わが国の会計・監査基準はすでに国際的に遜色のない水準まで整備されている』というコメントを経団連は10月に発表した。日本最大の経済団体がこのような見解を示していることからして、国際基準が実施された後も、日本政府が企業に日本の会計基準をひとつの選択肢として認めるというのもうなずける」と皮肉気味である。(出所:英米主要16紙誌の論調分析(2004年1月8日〜2月5日)(財) 経済広報センター「論調分析」担当より) 1960年代、日本に連結決算制度のない時代に、当時の新興企業であったソニーやホンダは、政府の支援は全く受けず、果敢にも日本企業では初めて米国会計基準で連結決算を行いSECに登録し米国証券取引所でADR(米国預託証券)を発行した。今や経済大国となった日本は、金融庁、東証、経団連等が護送船団で英国金融サービス庁(FSA)や欧州連合(EU)に対し「日本の会計基準を引き続き認めなければ、日本企業の欧州市場撤退を仄めかし」警告している。会計に関する限り、日本の対応を見るに、戦前、日本が国際連盟を脱退し孤立し戦争に突入、松岡洋右外相をして「一生の不覚」と言わしめた状況と重なるようだ。金融庁の英国等での交渉経過は連日ニュースが伝えている。この日本政府等の警告は、当初はWarnとして、後にThreat(脅迫・脅し)の表現で英文ニュース(欧米・アジアの)に報道されている。一般常識では、他国の警告や脅迫に屈する国家・国民はいない。北朝鮮でさえ・・・ 日本の会計の国際的位置づけは「International financial reporting 2003年春(PPTファイルです)」(Prof. Dr. Erik De Lembre教授)の研究結果が分かりやすい。同パワーポイント・ファイルに示されている図表では、アジア・日本は透明性に欠けます。 2004年2月3日、日英会計交渉の初会合が行われた。英国は「これは欧州連合(EU)指令に基づいた措置」と主張。日本政府は今後、ブリュッセルの欧州委員会とも20日に交渉する構えだ。(時事通信)
JICPAジャーナル2002年6月号によれば、3月19日のASBJとIASBとの意見交換会での質疑応答で、『(回答)金融庁の承認については、これから行われるので定かではないが、一つ一つの基準に対して承認なされると考えられる』としている。一方、3月26日付けで、金融庁総務企画局は、『財団法人財務会計基準機構・企業会計基準委員会から平成14年2月21日付で公表された「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準」は、証券取引法の規定の適用にあたっては、「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準として取扱い』、とした文書が掲載され、官主導を明確にした文書であり、金融庁の承認に関する発言を裏付けている。不思議なことはASBが直前まで承認に関しての根拠法令等明文で知らされていない事実である。また、『(回答)当委員会(ASB)では、基本的には証券取引法の枠組みの中で会計基準を作成していく』と応えている。(これは、「財務諸表等規則等に係る事務ガイドライン(企業会計基準委員会の公表した各会計基準の取扱いについて)」となって具体化している。創設して4年経過した2005年6月現在、金融庁は、2つの会計基準設定と1つの改正のみを認めているに過ぎない。) 2001年10月、第1回FASFセミナー「半期報告書の作成上の留意点」を財務省関東財務局及びFASFが全国を精力的に講演する。FASFが何も活動していない前に、機構を利用しているのを見ると、FASFは既に財務省関東財務局(証券取引法の有価証券報告書の審査担当)の下請け機構と化した感がある。米国では証券監督者であるSECが自らのサイトで行っている内容のものである。独立性の高い海外のそれと日本は相当相違しそうである。杞憂であればよいのだが・・ 透明性を高めるとしていた企業会計基準委員会は、その議事録要旨は会委員以外は公表されず、企業会計審議会よりも閉鎖的となったのは不思議。ホームページは発信の一方的で広く意見を聴取する姿勢に欠る。ちなみに、国際会計基準審議会(IASB)および米国財務会計基準審議会(FASB)には会員専用サイトは存在しない。IASB、FASB及びDRSC(ドイツ)のホームページでは、地方及び国を超えて広く意見を聞くことができるよう直接Emailで意思疎通できるようにしている。インターネット時代にファックスのみの形式的な意見募集とは、未熟で残念。 2001年11月、第一回テーマ協議会が開催され、テーマ案とその優先順位案が提言されています。7月の機構創設から3ヶ月を経て、テーマ案が提言されています。不思議なことに、2001年4月から施行の「会社分割」に関する会計に関してはテーマとして取り上げられていません。分割される事業、および譲渡される事業の開示に関する会計基準としてIAS35号「廃止事業(Discontinued operation)」がありますが、何も触れていないので不要と考えているのか、日本の制度上不可能と考えたのか、失念したのか全く不明です。いずれの理由であっても透明性の上からは触れるべきであった。 「企業会計基準設定主体の充実・強化に向けて(案)(1999年12月)」「日本の会計制度に信頼を取り戻そう(1999年5月)」の原点を踏まえて欲しいものである。「会計制度も既存の審議会を若干手直しする程度でお茶を濁しては、日本の国際的信頼回復はできない。」とある。同感である。
なお、日本の会計には、現在、証券取引法で作成された財務諸表を基礎に作成した英文財務諸表にレジェンド(警告文)が付されるという残念な状況にあります。企業会計基準委員会が早急に解消することが望まれる。 経団連、日本公認会計士協会等の10団体および財務会計基準機構は「公益法人」である。設定する会計基準は、欧米同様に会計の趣旨を踏まえて「企業会計」に限定せず、公益法人自らも準拠して開示し透明度を高め率先して範を垂れることで信頼性を勝ち得る努力をすべきあろう。 また、豊富な知識・経験を有した者による非営利組織(NPO)の役割が雇用や社会貢献で期待されつつあるなか、財務報告基準のインフラを整備すべき会計基準設定主体が企業会計に限定するのは不思議である。 92歳にしてさらに活躍中の著名な学者P.F.ドラッカーは、彼の著「ネクスト・ソサイエティ 歴史が見たことない未来が始まる」の中で、「20世紀のおいて、われわれは政府と企業の爆発的な成長を経験した。だが21世紀においては、われわれは、新たな人間環境としての都市社会にコミュニティをもたらすべきNPO(非営利組織)の、同じように爆発的な成長を必要としている。」と結んでいる。 米国財務会計基準審議会(FASB)及び地方自治体の会計基準審議会(GASB)の母体である財務会計基金(FAF)は、FASB及びGASBの活動内容と会計基準書SFAS117号「非営利組織の財務諸表」に従って年次報告書(Annual Report)を公開しています(米国自治体の会計基準(GASB)のホームページから入手できます)。 国際会計基準委員会財団 (IASC Foundation・・IAS適用)、米国公認会計士協会(AICPA)、米国証券業協会(NASD)、国際オリンピック委員会(IOC・・IAS適用)などの非営利組織は年次報告書(Annual Report)を公開し理解を求めています。 日本でも非営利法人の財務情報の情報開示について法制化されつつある。例えば、2001年5月、税理士法が改正され、「日本税理士会連合会は、財務内容等に関する書類を公開する」と改め、2002年4月1日から施行されることになった。 |
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企業会計基準設定主体のあり方に関する懇談会(大蔵省金融企画局市場課参事官室) |
2000年4月11日、日本公認会計士協会の「わが国の会計基準設定主体のあり方について(骨子)」を受けて、大蔵省は「企業会計基準設定主体のあり方に関する懇談会」を設置し、日本証券業協会副会長、東京証券取引所副理事長、日本公認会計士協会会長、経済団体連合会常務理事、大蔵省金融企画局長、高千穂商科大学教授(企業会計審議会会長)の6名のメンバーで検討している。 検討している内容は、7月以後は内閣府金融庁市場課企業開示参事官室担当の議事録が公表されているのでご覧戴きたい。 自民党の「企業会計に関する小委員会」がまとめた「企業会計基準設定主体の充実・強化に向けて(案)」や、日本公認会計士協会がまとめた「わが国の会計基準設定主体のあり方について(骨子)」があるにもかかわらず、議事録を見る限り、遅々として進んでいない。 |
2000年2月、総務庁は、総務庁に設置された独立法人会計基準研究会で取りまとめた「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」を公表した。日本初の公会計である。約50を超える独立行政法人(独法)が2001年4月(2000年7月から始まる2001年度予算概算要求が現実のスタートとなる)から適用。「独立行政法人」参照。 2004年には国立病院の独法化により適用、国立大学の独法化も議論されている。
2000年2月、厚生省は、介護保険の導入に合わせるように、「社会福祉法人会計基準」を公表し、2000年4月1日より適用するとしています。これによると、公益事業はこの会計基準に従い、収益事業部分は企業会計原則に従うとなっています。また、財務諸表に、「貸借対照表」のほかに「財産目録」を求めています。加えて、4月17日付で厚生省課長通知の事務連絡として『「社会福祉法人会計基準」及び「指定介護老人福祉施設等会計処理等会計処理等取り扱い指導指針」による会計処理について』が出されている。「国庫補助金等特別積立金取崩額は逆月賦?」として社会福祉法人の会計の不思議な点を指摘され、「よく、園長さんより、これを簡単に説明してくれないかなぁ〜と言われます」とコンサルタントは嘆く。
1985年9月、総理府次長主宰で公益法人指導監督連絡会議が既に公表している「公益法人の会計基準」が別途存在する。公益法人の定義等は「公益法人」を参照。
2000年3月、自治省は、地方自治体向けに貸借対照表を作成する際の指針をまとめた。当面は参考資料とし、将来は自治体に作成を義務つける方針。地方の債務残高が過去最悪の約163兆円(1998年度決算)に達するなど財政状況の悪化が一段と進むなか、地方財政の情報開示を促すのが狙い、としている(日経3月29日報道)。縦割り行政の中、各省は情報開示と称して次々と会計基準らしきものが統一されず作成し始めている。(「地方公共団体の会計(2006年)」「米国連邦政府の会計基準」参照)
2001年2月、財務省は、財政制度等審議会で特殊法人の会計制度の見直しに入った(財務省は、2001年4月に、「情報アクセスガイド」として主要な特殊法人の財務諸表を公開している)。財政投融資(財投債・財投機関債)の仕組みは「特殊法人」参照。財務省はすでに見直しの方針を固めており、@行政コスト計算書の作成を義務づける、A子会社との連結決算を導入する、B時価評価を採用する、としている。総務庁の独立行政法人の会計基準と類似しており重複する部分が相当あろう。行政部門の会計基準を独立機関が設定すれば良いこと。会計基準を各省庁が作成するのは縦割り行政の弊害で、壮大な無駄と会計基準相互間の整合性を維持するのは至難の技である。
2001年12月、総務省は、公益法人行政推進室より「公益法人会計基準の見直しに関する論点(中間報告)」を公表し、コメントを2002年2月28日までに求めている。 内閣府所管の「特定非営利活動法人」には経済企画庁(現・内閣府)が作成した「特定非営利活動法人の会計の手引き」(キャッシュフロー計算書は含まない)があり、これを参考にして特定非営利活動法人のほとんどは財務書類を作成している。内閣府に問合せたところ、特定非営利活動法人(NPO法人)は総務省所管の公益法人とは所管が異なる、との回答でした。縦割り行政のままである。「公益法人」は非営利法人であるが、特別法としての内閣府所管の「特定非営利活動法人」と区分する必要があろうか。屋上屋を重ねるようなことはせず一元化すべきであろう。 |
国際会計基準(IASB)
1998年末までにコア・スタンダード(核となる会計基準)を完成し、2000年5月、証券監督局国際機構(IOSCO、下記参照)はIASを承認した。IOSCOのメンバー国である日本の対応が注目される。国際会計基準(IAS)の概要は、「 国際会計基準−ホームページに見る概要− 」、「国際会計基準の基礎(IAS1号「財務諸表の表示」の解説)」、「国際会計基準で作成された財務諸表事例」をご覧ください。 2001年に新たな組織に変更し、国際会計基準委員会財団(IASC Foundation)を、米国デラウエア州法で2001年2月6日に設立、本部を英国ロンドンに置き、国際会計基準審議会(IASB)の運営母体となっている。 IASC Foundationの2001年度年次報告書 2002年度年次報告書 参照
欧州連合は2005年から国際会計基準を適用、オーストラリア・ニュージーランドも欧州と同時期に国際会計基準の適用を表明、カナダ証券監督局は2002年6月に国際会計基準を適用する規則改正案を公表した。リエゾン・メンバー国では日本だけが国際基準の適用を表明していない唯一の国となる。(「GAAP Convergence 2002」Table2 参照) 欧州連合が2005年から国際会計基準を適用することで、欧州は、各国の会計基準設定主体が支援する欧州財務報告助言(諮問)グループ(European Financial Reporting Advisory Group, EFRAG)のプレゼンスが増大している。こうした欧州の状況と中国の台頭に対応するため、国際会計基準委員会財団は、2003年11月12日、評議委員や理事会メンバーを規定している「憲章の見なおし(CONSTITUTION REVIEW)」を公表し2004年2月11日までにコメントを求めている。(企業会計基準委員会の翻訳 2005年7月から有効の改正憲章 ・・地域リエゾンは理事会ではなく評議員会に変わった 参照)
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2001年2月13日、欧州委員会は「2005年までに正式に欧州のすべての上場企業にIASを適用した連結財務諸表を要求する規則とする」よう要請した。未上場会社にもIASを適用できるよう選択可能にすることも含んでいる。 欧州委員会のホームページにはIAS適用に関する疑問点に応えており、現在わずか275社の上場会社がIASを適用しているが、上記要請によって約7,000社の上場会社に影響するとしている。また、現在約300社の上場企業が米国会計基準で開示しているが、米国が近い将来にIASを承認してくれることを期待し望んでいると締めくくっている。(「欧州委員会のホームページ」より) |
国際会計基準委員会(IASC)の母体である国際会計士連盟(IFAC・・151カ国の会計士団体で構成)は、公機関委員会(Public Sector Committee)において、国家、自治体、政府の特殊法人に関する国際会計基準(International Public Sector Accounting Standards, IPSASs1号から8号を公表)及び国際監査基準の設定をしています。2000年5月24日のエジンバラで開催の総会で、IFACの会長に日本の監査法人太田昭和センチュリーの代表社員である藤沼亜起氏が選任されました。IAS導入状況の監視役の役目も担わされそうである(日経5月25日)。藤沼会長は総会閉会の辞で、「各国で異なる会計基準を国際会計基準に収斂させ国境を超える資金の流れを円滑にしたい」と述べた。氏は、2002年11月の香港総会で任期満了となった。
国際監査実務委員会(IAPC)による国際監査基準(ISA)の設定 |
国際会計士連盟(International Federation of Accountants, IFACは、2001年7月18日、国際監査基準(International Standards on
Auditing, ISA)設定に関し、国際監査実務委員会(International Auditing
Practice Committee, IAPC)の新組織および監査基準設定手続きについての提言を公表し、2001年9月21日までにコメントを求めている。2001年11月15日の総会で、保証業務を加えて、国際監査及び保証基準審議会(International
Auditing and Assurance Standards Board, IAASB)と改称し、18人のメンバー(10人はIFACのメンバー、5人は国際監査事務所、3名は非監査人の代表)で構成するなどのIAPCの提言が承認された。 2002年4月9日、国際会計士連盟(International Federation of Accountants, IFACは、基準設定と適用の国際化を促進するため、新たなホームページ「国際監査及び保証基準審議会(Inetrnational Auditing and Assurance Standards Board, IAASB)」を開設した。 2002年11月、IAASBは、「国際基準の序文(草案)」を公表した。監査の国際基準- International Standards on Auditing (ISAs)- ISAs200〜799項までに監査(Audit)、ISAs800〜899項にはリビュー(Review)を規定し、関連業務の国際基準- International Standards on Related Services (ISRSs)- ISRS3101にコンピレーション(Compilation、調製)の規定を置くとしている。2003年2月28日までにコメントを求めている。(プレスリリース 参照) なお、2004年版ハンドブックは「国際監査基準」を参照してください。 |
1973年のFASB創設までの経緯は、「米国会計基準の生成と発展の概観」を、1932年から2004年までは「米国会計基準の発展(ライス大学ゼフ教授著)」を参照してください。 日本企業の米国SEC登録企業で、米国会計基準で連結財務諸表を作成している主な会社は約34社{ニューヨーク証券取引所登録会社として、ソニー、本田技研、松下、日立、京セラ、TDK、東京三菱銀行、NTT、クボタ、パイオニア、オリックス、トヨタ、キャノン、東京海上火災保険、富士写真、NEC、日産自動車、三井物産、日航、キリン、ナスダック登録会社として、イトーヨーカ堂(2003年5月登録自主廃止)、ダイエー、サンヨー、マキタ、CSK、ワコール、サワコー・コーポレーション(2000年登録取消し)、IIJI等です。加えて、OTCブリティンボード銘柄(オムロン「OMRNY」、花王「KCRPY」など)もあります。なお、日本企業が米国市場で流通している証券はADR(米国預託証券)です。 なお、日本の金融庁は、2002年3月、改正連結財務諸表規則第87条から90条において(中間連結財務諸表規則第81条で準用している)、SEC基準の連結財務諸表を作成している企業については、@米国会計基準による連結財務諸表も認める、A日本語訳とする、BSEC基準との主要な相違点を注記するとした。2002年4月から適用としている。商法でも受け入れ、商法施行規則179条第1項で米国基準を認めた。 |
FASBとIASBは、統一会計基準にするため協働することを合意 |
2002年10月29日、米国財務会計基準審議会(FASB)は、国際会計基準審議会(IASB)とグローバルな会計基準の統一に関して協働することで合意した。(SEC速報、 欧州委員会速報 FASBのIASBとの収斂 参照) 国際会計基準は、原則を基礎とした方法による(a principles-based approach)基準とされている。 2003年12月15日、米国財務会計基準委員会(FASB)は、昨年10月の国際会計基準審議会(IASB)とのノーウオーク合意後初めて、国際会計基準に一致させる下記の4つの会計基準の改正案を公表した。コメント期日は2004年4月13日。(FASB速報 公開草案 IASB速報 参照) ・自主的な会計方針の変更の場合、期間比較を見るのに容易にするため、遡って適用したように過年度財務諸表を修正して表示しなおす。(国際会計基準8号「会計方針、会計上の見積変更及び誤謬の訂正」に一致させようとするものですが、日本には存在しない基準です。) ・一株あたり利益の計算に対する3つの変更 ・類似の生産的資産を交換する(非貨幣的取引)場合、公正価値で測定した利益または損失を認識しなければならない。 ・遊休費用や損傷額などの異常な金額は、発生時の費用であり、たな卸資産の原価から除かなければならない。 |
ドイツ会計基準委員会(DRSC)
1998年5月、独立したプライベート・セクターの会計基準設定機関として設立。ドイツ語名は、Deutsches
Rechnungslegungs Standards Committee (DRSC)、英語名は、German
Accounting Standards Committee (GASC)としている。1999 年10 月、日本銀行金融研究所古市峰子女史著「会計基準設定プロセスの国際的調和化に向けたドイツの対応」 参照。豊橋創造大学井戸一元教授著「ドイツの財務報告」(2001年)参照。
ドイツ取引所では、2003年より、上場会社を@プライム基準(最も優れている基準Prime Standard)とAゼネラル基準(一般基準General Standard)との二つの基準に区分した。@プライム基準は、国際会計基準または米国会計基準での財務諸表の開示、四半期報告書の開示等を求め、Aゼネラル基準ではドイツ商法の基準で良いとするものである。すでに、ドイツを代表するDAX30社のほとんどは国際会計基準ないし米国会計基準での開示が行われている。 ドイツを含む欧州連合(EU)のすべての上場会社は2005年から国際会計基準で作成した財務諸表の開示が求められている。(マーケットの新たな構造 参照)
2003年3月27日、委員会の理事会では、資本市場のグローバル化に伴い欧州およびドイツの国際会計基準への収斂化により一層対応するため、ドイツ会計基準委員会(DRSC)の組織の再構築を行うことを承認した。プレスリリース 参照 作業グループの状況報告(2003年7月)・・IASBとの共同作業を示している 参照欧州委員会(EC)の動向
2000年6月13日、欧州委員会(European Commission)は、国際的な資金調達の障壁を解消するため、透明性を高めるため、投資家保護のため、少なくとも2005年からすべての上場会社に国際会計基準の適用を欧州連合国に要請する「「コミュニュケ」を公表した。上場会社は無論のこと非上場会社に対しても求めて行くとのこと。経過期間最低3年間を経て2005年までに実施したい方針。
2001年2月13日、欧州委員会は「2005年までに正式に欧州のすべての上場企業にIASを適用した連結財務諸表を要求する規則とする」よう要請した。未上場会社にもIASを適用できるよう選択可能にすることも含んでいる。詳細は、欧州委員会「財務報告及び会社法」のサイトの会計(Accounting)参照。
2002年6月7日、国際会計基準審議会(IASB)委員長デビット・トゥイディ卿は、欧州連合(EU)の閣僚理事会(Council
of Ministers 決定機関)で上場会社の財務報告に国際会計基準の適用する規則を本日承認したことを歓迎する旨、表明した。
この規則によると、2005年1月1日までに国際会計基準の適用を要求している。米国で上場しており米国会計基準で開示している会社と、株式ではなく社債を上場している会社については、2007年1月1日までに国際会計基準に準拠するという若干の例外が設けてある。(欧州連合の規則 2002年7月19日承認の「(EC)No
1606/2002国際会計基準の適用に関する規則」を参照。)
2003年5月21日、欧州委員会は監査の質を向上させるため10項目の計画を公表した。2003年から2004年の短期計画として、@監査の公的監視、品質保証、監査人教育と独立性、倫理、監査基準、罰則、選任及び解任の原則を含んだ第8指令の近代化、A監査の欧州連合版PCAOBの創設、B監査の監視強化、C2005年からの法定監査(上場会社7千社および法定監査2百万社)に国際監査基準(ISA)を適用、2004年から2006年の中期計画として、D罰則の改善、E会計監査事務所の情報開示・透明性、F監査委員会と内部統制の強化、G監査人の独立性と倫理の強化、H監査事務所の国境を超えたサービス規制の撤廃、I欧州各国の監査人の責任制度の調査、の10項目を挙げている。(ECの声明 Full Text 参照)(2004年3月16日、ECは不正と戦う具体化のための新たな指令案を公表した。EUの指令及び規則については「Directives and other official documents」を、監査に関しては「Auditing」を参照。)
2004年10月21日、欧州証券規制委員会(CESR)は、「第三国の会計基準(日本、カナダおよび米国の会計基準)が国際基準に相当するかどうかを評価するときのコンセプト・ペーパー」を公表し、12月22日までにコメントを求めている。2005年6月30日にECに評価の結果を報告することになっている。
三カ国の会計基準の評価は、国際会計基準のフレームワークおよびIAS1号に規定の「理解しやすさ(Understandability)」「適切性(Relevance)」「信頼性(Reliability)」「比較可能性(Comparability)」の四つの特性について検討し、その結果、相違する程度により、具体的施策(Remedies)として、差異調整表(Statements
of
reconciliation)と説明の追加情報の開示、または全面的に国際会計基準に置き換える(Restatement)かを決める、としている。これを受けて、2004年12月21日、金融庁はCESRに対しコメント・レターを発出した。→■EUが日本企業に2007年より追加情報の開示要請案を公表(2005年4月27日)
内閣府外局・金融庁(2000年7月、金融を大蔵省から分離) ・ 旧大蔵省(2001年財務省に改名)
日本の証券監督局は金融庁(旧大蔵省)で、企業会計基準・監査基準、証券取引の開示制度などの企画・実施を行い、証券取引法の適用会社(上場企業など)の作成する有価証券報告書は、宛先を内閣総理大臣として所管の財務局長に提出し審査を受けます。
98年7月より金融監督庁が創設され、金融監督庁の下部に証券取引等監視委員会が含まれるようになった。2000年7月1日より金融監督庁は金融庁になり、金融庁のホームページには、証券監督局国際機構(IOSCO)に関連する事項が掲載されており、担当部署ということか?
IOSCOは、懸案の「国際会計基準」の承認を行った所でもある。
日本の会計基準を設定している企業会計審議会の担当は金融庁となった。企業が財務省・財務局に提出した有価証券報告書は、2001年6月から一部金融庁で電子開示されるようになりました。このように日本の資本市場に関する証券監督局は、米国SECのように統括されておらず、縦割り行政の中でばらばらである。直接金融市場の制度整備が急がれる。
なお、自民党「企業会計に関する小委員会」委員長塩崎恭久氏は、2000年10月、資本市場強化策として「日本版SECを創設せよ」、2002年9月には「本物の日本版SECを」を主張しており、資本市場のインフラ整備を主張しています。長期低迷する株価の中で、経団連もようやく、2002年5月、「証券証券市場の活性化を求めて ―日本版SEC(証券取引委員会)の設立を―
」なる文書を公表し、証券市場の活性化にはSECが必要なことを理解したようだ。政府の総合規制改革会議は、2002年9月、第二答申として「日本版SECの創設」を盛りこむ方針で、現在の金融庁と証券等監視委員会を発展的に統合させ、公正取引委員会と同じ準司法機関と位置付けるとのこと。日本の場合は、旧大蔵省型のものになろう。例えば、企業会計審議会が企業会計基準委員会に形を変えただけのように形骸化したものになろう・・・・杞憂であれば良いのだが・・・・・もうそろそろ本物が欲しいものである。
2001年3月、欧州連合(EU)15カ国が欧州版SECを創設することで大筋合意し、投資、運用、上場、会計など2005年までに統一基準を作成することで欧州市場を活用できるようにするのがねらいである。EUは、会計基準は国際会計基準(IAS)の適用を2005年までにすべての上場会社が適用するよう法改正を求めている。
一方、1998年12月、中国が第9期全人代常務委員会において「証券法」が可決され中国版SECである証券監督委員会(CSRC)を創設している。多くの国有赤字企業に悩む中国の理念は、国有企業を民営化しており、資源の配分の効率性を向上させるには資本市場の整備が不可欠であるとして、資本市場に委ねることを決定し資本市場を国際基準に形を整えた。
2004年8月5日、SECは「2004年〜2009年の戦略的計画(Strategic Plan for 2004-2009)」を公表。Companies and investors benefit when financial statements, accounting standards, and auditing procedures mean the same thing from country to country. When one set of high-quality standards is applied anywhere in the world, the cost of accessing capital markets is likely to be reduced, and information disclosed to investors in one country can be as relevant and meaningful to investors in other countries.(SEC速報 参照) SECは、かねてから検討していた登録期限短縮を、エンロン問題を契機として、2002年2月13日、年次報告書Form10-Kを60日以内(現行90日以内)に、四半期報告書Form10-Qを30日以内(現行45日以内)にする方針を明かにした。ただし、その後成立した企業改革法により、四半期報告書は段階的に35日以内とされました。(SEC速報 参照) 2003年3月7日、企業改革法(2002年サーべンス・オクスリー法(SARBANES−OXLEY ACT OF 2002〕)によって創設した上場会社会計監視審議会(Public Company Accounting Oversight Board、PCAOB)は、米国証券市場に上場している企業の監査報告書を発行している会計事務所の登録ルール草案(免除規定は含まない)を公表し3月31日までにコメントを求めている。同時に、3月31日にPCAOBに興味を持つ人々で円卓会議を開催するとしている。(円卓会議の日時・場所は「SEC速報」 参照) 日本は、金融庁が出席し日本の主張をしている。(PCAOB会議録音放送 参照) 加えて、PCAOBは、ホームページを立ち上げて、草案のダウンロード、コメントの受付けを開始した。2003年5月6日、PCAOBは会計事務所の登録に関する最終ルールを公表した。2003年10月22日までに、米国上場会社の監査報告書を表明する米国会計事務所はPCAOBに登録しなければならない。外国の会計事務所で米国で上場している会社の監査報告書を表明する場合は、2004年4月19日までに登録しなければならない。ただし、この最終ルールはSECの承認を必要としている。登録は、PCAOBのWebsiteからOn-Line 登録システムで2003年7月18日より行われている。2003年12月9日、PCAOBは、外国の会計事務所に関しては外国の監視システムに依拠する案を公表し、登録を2004年7月19日までとし90日間延期した。(3月9日のニュース 参照)⇒2004年6月9日、PCAOBは、米国の証券取引所に上場している会社の監査を担当している外国の会計事務所に対する監督についてのルール採用を決定した。ただし、SECの承認を要する。これによると、外国の同様の監視制度と重複しないようにPCAOBが外国の監視制度の評価を行い評価が高いと判断した場合は、その範囲でそれに依拠する、としている。(PCAOBの速報 ルール原文「FINAL RULES RELATING TO THE OVERSIGHT OF NON-U.S. PUBLIC ACCOUNTING FIRMS 」 登録会計事務所名 PCAOBの登録に関するHP 参照) 2003年4月15日、SECは、かねて公募していた上場会社会計監視審議会(PCAOB)議長(5名のメンバーの長)に元ニューヨーク連邦準備銀行総裁ウイリアム・マクドナー氏(William J. McDonough )を無記名投票で選出したと公表した。(SEC速報 参照)⇒2004年8月、創設初年度の「2003年度年次報告書」「2004年度年次報告書(前年度と比較財務諸表含む)」(非営利法人の民間企業で12月決算)を公表した。 2003年4月18日、PCAOBはサーベンス・オクスリー法103条に従い監査基準をPCAOBが設定することに決定した。コメントは5月12日まで受付(ロイターの記事 PCAOB Release No. 2003-005 参照)。監査基準は、従来、会計業界の米国公認会計士協会(AICPA)・監査基準審議会(ASB)が設定していた。(PCAOB Online 参照 参考として「米国会計の英国人の父・・ジョージ・オリバー・メイ←政府が悲願としていた基準作りが70年ぶりに初めて現実のものとなったとしている」 参照) 2003年10月7日、上場会社会計監視審議会(PCAOB)は、「財務諸表に係る内部統制のための監査基準案」を公表した。サーベンス・オクスリー法第404条が求めていた「財務報告に関する内部統制の経営者報告書( management's report on internal control over financial reporting)」と、103条に従い監査基準をPCAOBが設定することになっているためのものである。 内部統制の監査報告書は株式時価総額75百万ドルを超える米国企業は2004年11月15日(当初6月15日であったが延期された)以降終了する事業年度から適用し、小会社、外国会社、社債のみ上場する会社には2005年7月15日(当初4月15日であったが延期された)以降終了する事業年度までに適用させるとしている。(ニュース 監査基準草案 3月9日のニュース 参照) 2003年12月18日、PCAOBは監査基準第1号「監査報告書にPCAOBの基準に準拠して監査(年次報告書)した旨、またはリビュー(四半期報告書)した旨記載する基準」を公表した。従来は、「一般に認められた監査基準(generally accepted auditing standards)に準拠して監査した旨」記載していたが、この基準により上場会社の監査報告書は「PCAOBの基準(the standards of the Public Company Accounting Oversight Board (United States))に準拠して監査した旨」記載される。(基準Standards 2004年4月7日SECが適用を要請した速報 2004年5月18日SECが承認5月24日施行 参照) 現在のSECコミッショナー(Current SEC commissioners)参照 |
欧州連合の国際会計基準(IFRS)適用過渡期の情報開示 | |||
2003年 | 2004年 | 2005年 | |
法律の規定 Legal requirements |
各国の会計基準適用 ⇒ | ||
IFRS適用の2004年と比較表示 | ⇒国際会計基準(IFRS)適用 | ||
欧州証券規制委員会 (CESR) 情報開示規則案 |
| | | | ↓ |
| | ↓ | B任意適用の四半期情報(IAS34号) | |
↓ | A2004年度決算で国際会計基準との差異影響額の開示 オーストラリアも同様の開示を求めている(オーストラリア会計士協会・・2005年1月)。 |
||
@2003年度決算で主要なIFRSの会計方針を記載する (格付評価会社スタンダード ・アンド・プアー社が推奨するIFRS適用影響額の開示方法(IASPLUSより)) 参照 |
2003年12月30日、CESRは2005年にIFRS適用までの過渡期における投資家に対する効果的な情報開示が行われるように、@2003年度決算で、IFRS適用についての方針開示、A2004年度決算で、IFRSとの差異影響額の開示、B2005年1月1日から任意で四半期または半期報告書を開示する場合は、IAS34号「中間財務諸表」の会計基準に準拠することを推奨する、C2005年度決算のIFRS完全適用初年度に関する四つのマイルストーン(道標)となる助言書を公表した。(プレス・リリース CESR助言書 上記10月の規則案のコメントに対するフィードバック・声明書 参照) |
2004年6月25日、欧州委員会(EC)は、欧州証券規制委員会(CESR)に、目論見書指令(Prospectus Directive)および透明性指令(Transparency Directive)が、欧州の市場で株式または社債を上場する欧州以外の会社が2007年以後公表する連結財務諸表が、国際会計基準(IAS/IFRS)または国際会計基準(IAS/IFRS)に相当する基準で開示することを求めているが、米国会計基準、カナダ会計基準、日本の会計基準が国際会計基準(IAS/IFRS)に相当する基準かどうかの評価を行い、2005年6月30日にその評価の内容を公表するよう要請した。この要請に対しCESRは評価作業に入った。(CESR プレスリリース 参照) 2004年10月21日、欧州証券規制委員会(CESR)は、「第三国の会計基準(日本、カナダおよび米国の会計基準)が国際基準に相当するかどうかを評価するときのコンセプト・ペーパー」を公表した。12月22日までにコメントを求めている。これを受けて、2004年12月21日、金融庁はCESRに対しコメント・レターを発出した。→■EUが日本企業に2007年より追加情報の開示要請案を公表(2005年4月27日) |
日本の企業情報(財務情報開示)
証券監督局が2001年3月期(1年延長され2001年6月1日から実施、2004年6月1日以降、原則義務化)よりインターネット上(システムは「EDINET: Electronic Disclosure for Investors' NETwork」、エディネットと呼ばれ)、有価証券報告書の電子開示を目指している。(金融庁「EDINET(開示用電子情報処理組織)を使用して行う電子開示手続等に係る規定の整備等」 参照) (電子開示の日米比較は「株主に対する情報開示」 参照)
有価証券報告書をまとまった形で見るには財務省(旧大蔵省)または各証券取引所で閲覧するか、政府刊行物として縮刷版を購入することになります。なお1961年から販売している縮刷版は、2004年度から販売廃止となりました(国立印刷局からのお知らせ 政府刊行物「有価証券報告書の販売」 参照)。時間と金をかけなければ見ることはできませんでした。1999年11月22日、金融庁(旧大蔵省)は、金融審議会第二部会で、2001年3月期の企業決算の発表から有価証券報告書などの情報開示を紙媒体からインターネットなどの電子媒体を使う方式に切り替える方針を報告した(23日の日経)。「EDINETの試験運用(財務省・関東財務局)」が2000年10月から開始された。有価証券報告書等は平成16年6月1日から、原則適用となり、有価証券届出書や通知書も加えられた(内閣府令等の整備・2002年4月参照)。日本企業及び外国企業の英文財務情報は考慮されていない。
金融庁のEDINETで「有価証券報告書等の開示書類を閲覧するホームページ」へ |
企業は株主総会終了後財務省・財務局で審査を受け提出した有価証券報告書が、やっと金融庁で電子開示されました。ただし、有価証券報告書の項目ごとに見る仕組みになっており、SECのように全文が一度に見られるようにはなっていませんので閲覧に時間を要します。有価証券報告書が株主総会終了後開示されるということは株主の株主総会での議決権行使には役立たないことを意味します。 ⇒「証券取引法・商法分野における電子提出」によれば、EDINETは日本IBMが1998年に落札、1999年1月に第1次試行が実施された。 有価証券報告書には一連のページが付されていますが、EDINETではページはありません。また、「注記事項」は本来財務諸表の一部ですが、「注記事項」は、キャッシュフロー計算書のページ下に「次へ」をクリックして数ページある注記事項を時間をかけて閲覧することになります。 ニューヨーク証券取引所で株価を検索すると同時にSEC登録の有価証券報告書等の企業情報を検索できますが、日本の証券取引所からは株価と同時に有価証券報告書等(EDINET)の企業情報検索できません。 2008年3月17日より、EDINETの閲覧ホームページがXBRL化に伴って変更された。 |
日本の有価証券報告書は、投資家保護の為と言いつつ、投資家のお手元には届きませんし、ページ数も70から100ページの大部なものになります。ちなみに、98年10月22日に上場したNTTドコモ(エヌ・ティ・ティ移動通信株式会社)の目論見書(株式の売出しに投資家に公表される書類で有価証券報告書に株式等の証券情報の約6ページを加えたもの)は130ページに及びます。証券会社から入手した目論見書の大きさはハガキより小さい縦15センチ横10.8センチの縮刷版で、量ばかりでなく大きさにおいても読むにはつらいものがあります。
しかし、有望株として上場初値が一株460万円と今世紀最大で、NTTドコモは公募により1兆2千億円を調達し、親会社のNTTは保有株式の譲渡により1兆円を入手した模様。
99年2月19日、企業会計審議会は「有価証券報告書等の記載内容の見直しに係る具体的な取り扱い」を公表した。それを見る限り、個別財務諸表は残しほんの少し削除項目があるが連結財務諸表に関して強化され、特に、中間連結財務諸表が米国の四半期報告書より開示項目等が多いため、相対的に情報開示は増えている。インターネットによる情報公開、国際会計基準との関係、ヨーロッパ証券取引所の2000年をメドに統合するとの動向、加えて2000年の第4四半期には、ナスダックの日本進出を考えると、どうなっているのか首を傾げたくなる内容。特に、1999年10月1日より、インターネット株式取引が本格化したが、基礎情報である財務情報がインターネットから入手できないこと、および四半期報告書がないことから、投資家は情報不足及びタイムリーな情報がない状況で取引せざるをえない。インターネット上での情報開示のインフラ整備という投資家保護の証券行政は、下記SECのような役割を果たすのはいつの日か。未公開株のOTCブリティンボードでさえエドガーデータベースへ登録している。
2000年9月29日、第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行が持ち株会社「みずほホールディングス」を設立。有価証券報告書に持ち株会社の個別財務諸表を開示する意味があるのだろうか? 個別財務諸表の有用性が議論されるべきであろう。
下記の米国SECへの有価証券報告書は、年次報告書(Annual
Report)として株主に送付されますし、誰でも下記の
SEC EDGER Database から瞬時に企業の財務情報が入手できます。分量は、マイクロソフト社でA4版で40から50ページ程度で、インターネットの情報開示としても適当ですし、内容も適切です。また、四半期報告書は株主に送付されますし、SEC
EDGER Database から四半期報告書(Form10-Q)も入手できます。
「EDINET-IFRS-US GAAPの主要3局の比較・・タクソノミフレームワークの詳細検討」by連結決算ソフトプライマル株式会社
「XBRL Around the World
「Country Overview・・Japan」「Country Overview・・欧州」「Country Overview・・USA」「XBRL International」
2005年2月3日、米国SECは、2004年度決算からXBRLでの財務情報のEDGARへの任意登録を認めた(SEC速報 参照)。米国の企業情報(SEC)
SEC(米国証券取引委員会)は1996年5月より「企業財務情報電子開示システム(EDGAR(Electronic Data Gathering, Analysis and
Retrievalの頭文字を並べてEDGAR))」を公開し何時でも何処からでもアクセスして有価証券報告書(Form10-K(年次報告書)、Form10-Q(四半期報告書)など)の企業情報を入手することができるようになっています。2002年5月30日、SECは、従来最低24時間はEDGAR Databaseに登録・閲覧できなかったものを、すべての登録会社(ただし、資産総額1千万ドル株主500人以下を除く)の年次報告書、四半期報告書、登録届出書等をリアルタイムに登録・閲覧できるものとする、と表明した(プレスリリース参照)。(「 "完全な情報開示"で投資家の信頼を取り戻す(CIO Magazine 2003年8月号に掲載)」参照)
「日光にさらすと強い殺菌作用があると同様に、フル・ディスクロージャー(完全な情報開示)で投資家の目に触れることこそが公正かつ効率的な証券市場と企業統治に役立つ」(ローラ・アンガーSEC委員長代理)との信念がSECにはある。「信頼できる会計制度や財務開示の確立がSECの目標」とワシントンDCでの講演で語っている。(日本経済新聞01年7月14日より) |
また、1999年7月からOTCブリティンボード銘柄(下記の「未公開株」参照)の非上場会社も財務諸表を EDGAR Database への登録が要求され、投資家は財務情報を入手できるようになりました。登録しないOTCブリティンボード銘柄は、OTCブリティンボードでの証券取引を禁止しました。 |
エドガー・オンライン社(旧サイバーネット・データ・システム社・1995年11月設立)は、1996年1月からエドガー・オンライン(EDGAR Online)を投資家及び企業に対して公開しており、SECへの上場会社の登録財務情報ほか各種豊富な情報入手を誰にでも可能としています。また、1999年5月、EDGAR ONLINE, INC.自らナスダック・ナショナルマーケットへ株式公開(Initial Public Offering, IPO)した。ナスダックのシンボルマークはEDGRです。 他にフリー・エドガー(FreeEDGAR)やインベスター・ガイド(InvestorGuide)ほか、無償・有償の企業財務情報提供サービス・サイトが存在する。 |
東京証券取引所
日本を代表する証券取引所。ナスダック・ジャパンに対抗するため、1999年11月1日より、Mothers
(Market of the high-growth and emerging stocks)新興企業市場を立ち上げることとなった。詳細は、開設された「Mothers」のホームページ参照。
証券取引所も国際間の競争に晒され取引所の株式会社化が進んでいます。東京証券取引所も遅れ馳せながら、2001年11月、株式会社となりました。詳細は「取引所の株式会社化と情報開示」 参照。
2007年10月30日、東証がロンドン証取とプロ向け市場AIMについて2008年に合弁を設立と発表(ニュース)・・日本市場で国際会計基準での開示に風穴をあける可能性あり・・斉藤社長は、金融審議会(首相の諮問機関)第一部会に、新市場の創設に向けて法令改正の必要性も訴えた。「アジアの企業が東証に上場をしたがらない最大の理由は言語と会計のコストだ」と指摘して、英文の開示資料や、国際会計基準でも上場が認められる法令改正を求めたほか「ロンドンのAIMが発展した理由は税制優遇措置だ」として、新市場での税制優遇措置の検討を訴えた。(ニュース 参照)
東京証券取引所と大阪証券取引所が合併し「日本取引所グループ(JPX)」に(2013年1月)
2006年6月1日、大西洋をまたいで、ニューヨーク証券取引所とユーロネクストが対等合併で合意したと発表。 |
ドイツについては、フランクフルト証券取引所の運営会社であるドイツ取引所(Deutsche Borse)が、独自の市場を展開している。
ドイツ取引所に対抗して、2000年9月、パリ、アムステルダム、ブリュッセルの3取引所が合併してユーロネクスト(Euronext)が発足した。フランス、オランダ、ベルギーの合併で始まったユーロネクストであるが、その後、リスボン(ポルトガル)証券取引所との合併が行われた。オランダ法人で、それぞれの国の取引所を子会社としている(年次報告書のコーポレートガバナンスの項より)自らの株式を上場している。「取引所の株式公開」参照。 ユーロネクストは、国境を超えて合併した最初の取引所で、ドイツ取引所の規模を凌いでいる。上場企業には、連結財務諸表(3ヶ月以内登録)、四半期報告書(2ヶ月以内登録)、MD&Aの記述などを求めている。規則 マーケットルール 参照
ナスダック・ジャパン(株)2002年10月15日業務停止⇒ニッポン・ニュー・マーケット −「ヘラクレス」
1999年6月、米国ナスダックを運営する全米証券業協会(NASD)は、ソフトバンク(孫正義社長)と合弁でナスダック・ジャパンを創設し、ナスダック登録銘柄約5000社の日本での電子取引と日本の新興企業の株式公開を2000年第4四半期に稼働すると発表したが、その後、2000年6月19日に始動することに変更。現在、ナスダック・ジャパンと大阪証券取引所が公開基準決定(「ナスダックの株式公開基準」参照)。
「大阪証券取引所の有する整備された市場のインフラを利用」として、大阪証券取引所にナスダック・ジャパン市場が開設され、2000年6月19日より取引開始となった。
2002年8月16日、ナスダック・ジャパンと市場開設者の大阪証券取引所は提携解消で合意したと発表した。ナスダック・ジャパンは、10月15日に業務停止し、2000年6月の取引開始から2年余りで姿を消すことになる。大阪証券取引所の新興市場は、金融庁長官の認可等を条件に, 12月16日, ナスダック・ジャパン市場は ニッポン・ニュー・マーケット −「ヘラクレス」 に生まれ変わります 。
米国のナスダック(NASDAQ)
ナスダック(Nasdaq, National Association of
Securities Dealers Automated Quotation)は、米国取引業の株価の電子的自動株価形成市場を意味し、株式の登録基準の違いにより、ナショナル・マーケットとスモール・キャップの二つに分かれます。1933年の証券法(証券の発行−届出書)、1934年の証券取引法(証券の流通−有価証券報告書)の適用があり、上記のSEC
DEGAR Database に年次報告書や四半期報告書(有価証券報告書)を登録する義務を負います。
1999年末現在、4829社が登録され、内429社が外国会社として登録されています。登録基準の概要は「ナスダックの株式公開基準」をご覧ください。
1999年早々から、マイクロソフトやインテルなど主要100社の四半期決算の決算説明会を対象にナスダックおよびブロードキャストの二つが、実験的に生中継する。「機関投資家と個人投資家の情報格差を解消する。」(ナスダック理事長アルフレッド・バークレー氏談)が狙い。
1999年6月15日、日本経済新聞は、「ナスダックが、日本に新市場を創設する(NASD会長フランク・ザーブ氏談)」と報じた。ソフトバンク(孫正義社長)が新市場の創設に参加する。既に米国で株式公開している企業に、新市場に株式公開する日本の新興企業の株式を取り扱う。
1999年11月5日、米国証券業協会(NASD F.G.ザーブ会長)は、英国ロンドンに全ヨーロッパ株式市場としてナスダック・ヨーロッパを、日本のソフトバンク(創設者・CEO孫正義氏)、オーストラリアのニューズ・コーポレーション(R.マードック会長の会社)のヴェンチャーキャピタルであるeパートナーズ、フランスのベンチャーキャピタルであるビベンディと共同で設立し、2000年第4四半期(ナスダック・ジャパンと同時期)を目標に稼働開始するとしていたが、6月に稼働開始と変更した。2002年10月15日業務停止⇒ニッポン・ニュー・マーケット −「ヘラクレス」
米国の未公開株式、ピンクシート Pink Sheets 店頭銘柄株式
ピンクシートとは、証券会社の店頭売買(over-the counter marketplace)している株式で、ナスダック、証券取引所、及びOTCブリティンボード以外の株式をいい、これら株式の取引相場がピンクの用紙に印刷しているところから「ピンクシート」と呼ばれている。その概要は「未公開株の発行・流通」をご覧ください。
全米相場事務所National Quotaion Bureau,LLC , NQB)は、全米相場サービス(National Quotation Service, NQS)を、1911年設立し、1913年より国内のマーケットメーカーのために毎日の店頭株の取引相場を提供し始めた。現在、700以上のブローカー・デーラー(証券会社)が利用し、ピンクシートといわれる3200以上の株式銘柄、イエローシートといわれる2500社の社債、高利回り債、転換社債、及び外国債、パートナーシップ・シートといわれる直接参加型プログラム(Direct Participation Program, "DDP")の相場を取扱っている。
ピンクシートへの登録は、マーケットメーカーがForm211を作成し、NQBの"ピンクシート”へ届け出ることで行われる。「売り(bit)」と「買い(ask)」の相場及び取引量の情報は、有料で登録したユーザーのみが見られるオンライン相場(http://www.otcquote.com/)で見ることができるようになっている。
ピンクシート株は、取引される株数は少なく、質も疑問視され、かつ、財務情報の入手は困難な銘柄とされている。統計によれば、半数の会社がSECに対する報告義務を免除されている銘柄とのこと(Business Journal, The Investment FAQより)。
米国におけるインターネットでの株式売買
無店舗・営業マンなしで、インターネット上で株式売買が行われ急成長している。伝統的な証券取引を脅かす存在になりつつある。オンラインブローカー最大手のチャールズ・シュワッブ(98年12月東京海上と合弁会社設立発表)、1997年から急速に伸びている会社にE*トレード(98年7月ソフトバンクと合弁会社設立発表、99年7月、E*トレード証券(E*TRADE JAPAN)が日本で稼働)、97年末に新規参入したシュアトレードという会社があります。
1998年4月、1991年以後株式及び先物取引をしていたウィ−ラー氏がデイトレーダーに有用な情報を提供しようとデイトレーディング・ストックス・コム(Day Trading Stocks .com)を立ち上げて公開しています。デイトレーダーには参考になるようですし、日本から米国の証券市場やデイトレーダーを研究するには良い資料となります。
日本のインターネットでの株式売買
1999年10月1日、株式売買手数料の自由化にともない、インターネットによる株式売買の競争が激化する様相を呈してきた。E*トレード証券(E*TRADE JAPAN) 、Monex 、松井証券、ほか数十社が参入している。
日本の場合は、@ 財務情報の開示がインターネットで見ることはできない、A 四半期報告書がなくタイムリーな企業情報がないなどインターネットに対応した企業内容の開示制度が未整備のままスタートした。 |
電子証券取引所(Electronic Communication Network、ECN)
ECNは投資家の売買注文をコンピュータで自動的に成立させるシステムで、全米で9つが稼動中。低コストでの売買が可能なことから機関投資家や証券会社の利用が活発化しており、証券取引所及びNASDAQが危機感を持っている。シェア1位のインスティネット(Instinet ロイターの子会社・・2005年4月22日ナスダックが買収と発表)、2位のアイランド(Island)などがあり、SECのルール17a23に従って登録し、ディーラーとして全米証券業協会(NASD)のメンバーとなる必要がある。インスティネットの場合は、全米の証券取引所、海外のフランクフルト、パリ、トロント、香港、チューリッヒ他の取引所のメンバーとなっている。ECNは、既存の市場で売買している証券を対象として売買している。
3月15日、株式売買シェアで全米4位、118年の歴史を持ちサンフランシスコとロスサンジェルスに取引所を持つパシフィック証券取引所(PSE)の株式取引部門と大手ECNのアーキペラゴー(Archipelago 1997年1月にSECの承認を受けシカゴに拠点をもつ・・2005年4月20日ニューヨーク証券取引所が統合と発表)がSECの承認を待って2000年末までに統合することで合意した、と発表した。この記事では、インスティネットに次ぐ第2位のECNとしている。これにより、伝統的な株式取引のフロアトレーディングは姿を消すことになる。伝統的な証券取引所と新興勢力のECNが統合するのははじめて。ECNに対抗してナスダックとニューヨーク証券取引所が水面下で合併協議に乗り出したという報道があったばかりである。
日本におけるコーポレート・ガバナンス
若杉敬明氏のホームページ(公益社団法人会社役員育成機構)には、「わが国の企業が、コーポレート・ガバナンスの曖昧さから、グローバリゼーションの下での競争力を喪失し活力を失ったことが、わが国経済低迷の一つの大きな原因であるとの認識から、わが国のコーポレート・ガバナンス改革に力を注いでいます。」として、日本のコーポレート・ガバナンスについてフォローしています。日本で導入の主なものは、2002年5月の改正商法で委員会等設置会社の特例が規定されたことです。
「欧州からの視点・・2000年の主要国5カ国の国際比較で最下位の日本」および「米国からの視点・・対象14カ国で日本は最下位(2003年7月29日)」は、欧州および米国から見た日本のコーポレート・ガバナンスの現状を示しているものと言えよう。2011年11月に発覚したオリンパスの粉飾事件において独立取締役の強化を指摘する有力議員がいる。
米国の行政管理予算局(OMB、大統領府)、決算は財務省
行政管理予算局(OMB)は、大統領の連邦政府予算の作成を補助し管理する。予算管理は大統領府、決算は行政である財務省、会計検査は議会に属し、財政は、「大統領府」「行政」「議会」の監視を受けて三者のガバナンス(統治)が分かり易くなっている。
1993年3月、ゴア副大統領を統括責任者に任命しナショナル・パーフォーマンス・リビュー(National
Performance Review,NPR)プロジェクトを創設し、1998年ナショナル・パートナーシップ・フォ・リインベンティング・ガバーメント(National
Partnership for Reinventing Government)に名称変更し、行政及び財政改革を進めています。説明責任(アカウタビリティ)と情報公開(ディスクロージャー)の充実を基礎に行財政改革を行うとしています。詳細はNPRのホームページ(現在は、クリントン/ゴア政権時代のものとして連邦政府の資料となっている)参照
OMBと行財政改革との関係及び「国家の財務諸表(貸借対照表含む)」は、「米国連邦政府の会計基準」をご覧ください。
上記米国連邦政府の会計基準に準拠して作成された財務報告(年次報告書)は、財務担当の財務省のホームページに「米国連邦政府の財務報告(Financial Report of the United States Government)として国家の連結財務諸表が掲載さています。また、予算を設定する大統領府(Whitehouse)では、予算について国民に向け丁寧に解説し、かつ、活豊富な資料を提供しています。ちなみに、財政黒字となって3年目の「2001年度(00年10月から01年9月)米国政府の予算(Budget of the United States Government 」をご覧ください。
米国では、クリントン大統領時代の1993年から電子政府(Electronic Government, E-Gov)を推進しており、更に、電子政府を高度化するため連邦政府の情報をユーザーがワン・ストップ・ショッピングで見られるポータルサイト(FirstGov)を立ち上げた。ブッシュ大統領は前政権のものを発展させ、官僚主義を排した効率的な政府運営実現の決め手にしたい考えだ(日経01年3月1日)。
参考;論文「NPMにおける会計検査院の役割ーその国際的動向ー」, 「我が国の会計検査院にアメリカ型会計検査基準を適用した場合の弊害」by東信男氏会計検査院 「議会と会計検査院、オンブズマン−委員会の調査・審議における行政監視機関の活用−」by衆議院調査局2007年11月 2011年2月16日、会計検査院は、森田CPAを検査官に就任したと報じた。検査官(けんさかん)とは、日本国においては、日本国憲法により規定された会計検査院を組織する構成員をいう。定数は3人で、うち1人は会計検査院を代表する会計検査院長を命ぜられる。 |
ご存じですか? 文書回答制度 事前照会に対する文書回答 |
平成20年度の税制改正で、地方法人特別税が創設されました。 |
地方公共団体の電子納税はeLTAXといい都道府県の電子納税の仕組みはできているが、市町村については導入が遅れている。 日本では、平成18年度(2006年度)で国税申告手続の利用実績はたった2.89%で、平成19年度は3%を目標としています。(総務省「平成18年度における行政手続オンライン化等の状況」より) 米国では、2005年度の資料から個人の所得税を電子申告した件数(68,476千件)を申告総数(134,372千件)で除すと50.9%の人が電子申告したことになる。(参考:米国の人口) 「税務行政の日米比較」参照 |
平成1 5 年(2003年)1 1 月1 7 日 金融審議会公認会計士制度部会専門的教育課程についてのワーキングチーム は、「専門職大学院における会計教育と公認会計士試験制度との連携について」と題する報告書を公表した。国際的な整合性については次のように述べている。
「なお、我が国の公認会計士の資質等に関しては、諸外国からの信頼性の確保や将来的
に想定される世界的な公認会計士資格の相互承認などの観点から、国際的なスタンダー
ド(例えば、国際会計士連盟(IFAC)が2003年10月に公表した「職業会計士 教育国際基準:IES
1・: International Education Standards for
Professional Accountants」)との関係については、一定の整合性を取ることが必要である。
(注)IFACの「職業会計士教育国際基準」においては、職業会計士を目指す人々の 前提となる教育要件から始まり、職業会計士を目指す人々が受講すべき高等教育カ リキュラム、倫理教育、職業会計士としての経験要件、継続的職業教育までを含ん
でいる。」
⇒上記国策を背景に、改正公認会計士法が2003年5月30日に成立し、2006年度(平成18年度)から新しい公認会計士の試験が始まるのを受けて2005年4月開校した「会計専門職大学院」の検索結果「 Google 」 「新公認会計士制度が求める人材」by平松一夫関西学院大学学長 参照
金融庁の「公認会計士監査制度の充実・強化(2002年12月17日)」計画では、「平成30年(2018年)頃までに公認会計士の総数が5万人程度の規模となることを見込み」としていますが、5万人を現在の上場会社の数4,245で割っても上場会社1社あたり11.77人しかなく現在のドイツの約半分以下ですし、5万人とする根拠は明らかにされていない。(「会計を支える専門家インフラの実態」参照)
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